笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「君花海棠の紅にあらず」とアニメ「天官賜福」、漢詩で「山河令」もはじめました。

君、花海棠の紅にあらず34,35話 感想と京劇/四郎探母,雲の絶間姫,五行缺肉

第34話 変わりゆく世界

日本人キャラ登場とすっかり赤ん坊好きになった商細蕊でコミカルな前半に、不穏な空気がたちこめる後半に斉王も立ち曹家も動く……。いよいよか?

上海の劇場看板には『蘇三起解』とある。久しぶりの七坊ちゃんと共に、雪之誠(许之糯)登場。どうやら日本人らしく、燕京大学で「蝶々夫人」を披露したようだ。芝居オタクな感じが好ましい。

ミューズ/ 缪斯」と賞賛され、二旦那は「外国の芸術の祖師」と翻訳。そんなような気もするし、なにか違うような気もする。七坊ちゃんは日本の博覧会にも来ていたのね、そして七坊ちゃん、この時代にもピースサインはあったのですか。アドリブなんだろか?

蘇三。1話で掴みにくいと言われていた役。「私は洪洞県を離れ」「南京へ向かう方がおられたら王殿に文を渡してくれませんか」「来世では恩を返しますとお伝えください」。

雪之誠が商老板にアメリカの蝶を贈っている。かろうじて箱の中に「落花疑返枝」「吾輩須慎行 切莫誤年華」という文字が見える。京劇役者の前で踊りについて自論を展開し、二旦那に「関羽の前で太刀をふるうとは」と言われた時の、商老板のクククク笑いがなんともいえない。二旦那に手の動きを教えているのが良い場面。視聴者にも教えてほしい!

食事に招かれて雪之誠が舞ったのは『雲の絶間姫』。仙女が高僧を誘惑して雨を降らせると。踊りというより、こういうからくり人形あるよなぁと思って見ていた。

すっかり赤ん坊にメロメロになっている范漣の姿に、十九や大聖の表情になるしかない。奥方が裁縫の糸を切る場面、良かったな。二旦那も奥方と仲直りして、この世界の父親は皆、子煩悩な世界線

そして殴られるのかと思った范漣は、商細蕊に棍棒で追いかけられていた。商細蕊は妹が「身を賭して守ろうとしてくれた」ことで、「妹に会ってこんな感情のあることを初めて知りました」と。

そして二旦那のナレーションと共に、1937年の七七事変(盧溝橋事件)で北平陥落。大東亜共栄圏。この演目は何かな?

京劇団はどこも赤字続き。二旦那がせっせと食料を運び、財神は今や食神ならぬ「食料庫」に。豆乳は飲むが、商老板に差し出される豚肉は食べない二旦那。商細蕊は二旦那に話しかけられてもずっと黙っており、喉を休めていたようだ。二旦那に金の亡者ではなく「肉の亡者/ 五行缺肉」と言われる始末。

軍により、北平の梨園会は解散となり、寧九郎が会長候補となる。就任を阻止するために、斉王が立ち上がる。斉王は皇帝の叔父なのか。姜会長には寧九郎が「優男に見えるが功骨の士」「己の主人以外目もくれない」ととらえている。

そして曹親子の23,26話の曹家の兵軍移行のくだりは、曹司令官の一芝居だったことがわかる。

34話の京劇メモ

蘇三:『蘇三起解』。罪人の服は赤色。不吉な雰囲気を弱めるために赤を用いるそうだ。罪人なので手錠をされている。

燕京大学:1919~1952年まで北京にあった米英教会系私立大学。

蝶々夫人プッチーニ作のオペラ。芸者の蝶々さんアメリカ将校ピンカートンの悲恋の物語。わざわざアメリカの蝶ということは、雪之誠はピンカートン?

・落花疑返枝(蝶右側):荒木田守武の俳句『落花』で、「落花枝にかえると見れば蝴蝶哉」。中国語では【娇蝶翩翩舞 落花疑返枝】となる。

・吾輩須慎行 切莫誤年華(蝶左側):種田山頭火の「夕焼けうつくしく 今日一日はつつましく」の一節か。中国語では【夕阳无限好 吾辈须慎行 切莫误年华】。

雲の絶間姫歌舞伎の『鳴神』。鳴神上人朝廷が約束を反故にしたので、竜神を滝つぼに閉じ込め雨を降らせないようにした。雲の絶間姫に油断して鳴神上人がお酒を飲み眠ったところを、姫は竜神を放ち、鳴神上人が怒って姫を追いかける、という話。

五行缺〇五行思想で、本人の持つ五行で足りない五行要素を補うことを言うらしい。「金」が少ないと「五行缺金」となるなど。商座長の場合は「」。もちろん五行に肉があるワケはない。

端麗で凝った中国世界の中に突如として現れた、外国ドラマの中に出てくるニッポン・ゲイシャ・フジヤマ感。特にこの「だらっとした襟元」は、海外ニッポンあるあると言えるのではないか。そもそもオペラ『蝶々夫人』でもプリマドンナのキモノ衣装はズルズルしているので、もはやこれがステレオタイプな「異国のニッポン感」なのかな。

 

第35話 北平陥落の犠牲者

ついに来たツライ話ターン。すべて小来ちゃんがもっていった。流れる音楽と商先生に髪飾りを付けてもらい、嬉しそうに笑っていた姿を思い出し泣けてくる回。


曹司令官は割の合わない思いも「大義のためなら甘受する」と。二旦那はイギリスへの避難を口にするが姉は応じない。二旦那もまた食糧が途絶えるので運送業は辞めない。程家の財産は来世でも使いきれない程なのか。曹貴修が暗号文を燃やして副官に指示したあとに、姉もどこかへ出かけていく。

四喜児演じる『四郎探母』は新作。だが兵士が乱入して中止になる。意外と言ってはなんだが、四喜児の旦姿がキレイだった。
おまけに妹の察察児まで北平に帰ってきてしまう。ボブになっている。

二旦那が水雲楼にやって来て、朝食を食べようとする商老板をひきずっていくのもカワイイ。渡した品は、品薄で貴重になった紅かと思いきや、腕輪でした。

兪青が北京から発つため、財産を売り払っている。自分からは言わず、二旦那に身体を向けじっと見つめるだけで思いが通じてしまう。兪青は「人は役者を無情と言うが、みんな情と義に厚い」と。

商老板は「あなたはやっぱり文人を偉いと思ってる」と言い、二旦那の「楽しく歌ってる」に「私は身を削ってる」と猛反発し「『荒山泪』『二堂捨子』で客を涙の渦に巻き込みます」と。この剣幕に迷惑そうな二旦那の顔も面白い。

そして兪青から譲り受けた装飾品のひとつを、小来に付けてあげている。小来が触ろうとするのをぺちっと払られるのも、少女のように微笑むのも良い場面。

そして商老板のほつれた衣装を、夜道にひとり取りに戻る小来ちゃん。それだけでもはやイヤな予感しかしないが、まさか彼女の身の上に降りかかるとは!!

商老板が怒りにまかせ刀を持ち軍に向かっているところを、奥方がそれを見つけて放った正論でなんとか留まる。「程鳳台の女だから従ってきたが道を開けろ!」と言うあの迫力に対峙できただけでも大したものだった。奥方は「情が厚いのね」と見直している様子。

横たわる小来ちゃんに商先生が語りかけ、髪飾りを付ける場面は泣くしかない。この音楽がまた…。…この場面が金曜日に放映でなくてつくづく良かった。

2度目のショック~小来ちゃん~

陳紉香のショックは、ぐるぐる考えてしまうショックだが、小来ちゃんは陳情令で言えば師姉の場面のようで、「その扉を開けてはだめ!」としか思えず、考えるのを拒否する思い。

小来ちゃんは「私が座長を記憶に留めておくから」と言っていたから、かわいいおばあちゃんになって、商老板のことを語り継いでいく役割なのかと思っていた。つらい、つらいから明日の回早く来て、という思いでいっぱいである。

35話の京劇メモ

四郎探母:一場 鉄鏡公主の一節で、「(令箭を盗んだら)、関所を通れる」と楊延輝に言っている。23話で説明、街頭で小周子が歌う。30話のレコードでも出てきた演目。映画『北京の恋 四郎探母』は現代の京劇を舞台に日中の歴史を描いている。

荒山泪:農民家族は税の取り立てに苦しむ中、義父と夫は虎に襲われ、義母は悲しみで亡くなり、子供も官兵にとられる。張慧珠は、役人の取り立てに逃げだすが、なおも役人は追ってきて、自刎する。

二堂捨子:『宝蓮灯』の物語。三聖母は、人間界の劉彦昌と結ばれ沈香を産むが、華山に閉じ込められる。やがて劉彦昌は王桂英と結婚し、秋児を産む。沈香が太子の子を殺めてしまい、太子に迫られ、王桂英は実子・秋児を差し出し、義子・沈香を逃がす。そして沈香は実母・三聖母を救う。

 

 

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