1年前の2021年1月10日に、アニメ魔道祖師日本語吹替版が放送された。
前回「陳情令の五大世家」は西日本をイメージしたが、アニメ魔道祖師は昔のヨーロッパで考えてみたい。
前回の時は日本の公式も「姑蘇なまり=京都弁」であったり、中国版で方言版があったのだが、今回に至っては公式とは全くかすりもしておらず、単に私が想像を膨らませただけであり、国についてもステレオタイプなイメージ&なんとなく知っている歴史を合体させたものである。こういう与太話を考えていると楽しいのだ。
前回は実際に住んでおられる地域の方には、好意的に受けとめてもらえるかなぁとか、なんちゃって方言への心配もあったのだが、今回は大丈夫かしら。。。それぞれの言語は公式ではありません。
姑蘇藍氏
姑蘇藍氏は英国スコットランド。
そもそも座学がスコットランドのサマースクール感があり、なんとなくケルトな呪術めいたところもある。水行淵な湖沼地帯もあるし、うさぎと言えば超有名なピーターラビットさんもいる。おまけに王家の女性も幽閉されている。
音楽も、蕭はバグパイプ、琴はハープ……なイメージ?
座学の時には、キルトの柄が各世家の紋様になるのだ。魏無羨と藍忘機の謎解きの旅は、どこかホームズとワトソンに似ていなくもない。だいぶ南下してしまった。
そして何より魏無羨には欠かせない「天子笑」になりそうな、スコッチウィスキーの本場でもある!!ウィスキーの「Emperer Smile」を魏無羨は気に入りそう~。
ただ、枇杷にしては緯度が高いようで、林檎になるかなぁ?
藍忘機の名台詞。
兄上、私は、ある者を雲深不知処に連れ帰りたいのです。
連れ帰り……隠します。
Brother, I want to take someone back to the Cloud Recesses.
Take him back… and hide him somewhere.
▶アニメ魔道祖師紹介メーカー
蘭陵金氏
次に思い浮かんだのは蘭陵金氏のおフランス。
時代は絶体王政で、金鱗台と言えばヴェルサイユでしょう! 王党派な金子軒と、市民派の金光瑶というイメージ、ナポレオンでも良いけれど。
フランス王が愛妾をはべらしていたのも、金光善に重なる。ついでに言うと、金子勲のあの気持ちワルイ千瘡百孔は、ルイ15世の天然痘の描写に近いと個人的に思っていた。だからベルばらの2巻はちょっと苦手。
傲慢な金氏に言わせたかった
文句があったらいつでも金鱗台へ来るがよい。
Si vous avez à vous plaindre, vous n’avez qu’à venir à la tour Koi !
元ネタは分かる人にはわかるであろう、かの有名な「文句があったらいつでもベルサイユへいらっしゃい!」by ポリニャック夫人。もちろん原作にはない言葉。
この台詞をフランス語で言いたくて、探すとベルサイユ云々はすんなりと見つかる。
案外、時間がかかったのがフランス語の金鱗台。金鱗台は、英語だとCarp Tower,Koi Towerなどになるのだが、なにやら赤い塔が想像されるのはワタシだけですかね?
フランス語圏にも魔道祖師ファンはもちろんいるようで、
金光瑶が密室の場面で
金鱗台の守りは厳重です。
Mais Er-Ge,la tour Koi est tres bien gardee.
と言っているのを見つけ出す。
鯉は英語でもフランス語でもKoi表記のようで、日本の鯉の威力を思い知る。。字面を追っていると、金光瑶がフランス語を話しているような気になってきて、金光瑶とフランス語って合うなと一人悦に入る。
皇太子な金子軒の名台詞をフランス語で、アニメ羨雲編4話より
違うんだ 江殿!
私だ 私自身がー君に来てほしかったのだ!
Ce n'est pas vrai, Jiang-Guniang!!!
C'était moi! C'était ma volonté! C'est moi qui voulais vous voir!!!
雲夢江氏
次に考えたのは雲夢江氏。
そろそろラテン系を入れたくなり、水の都、食べ物も美味しい、と言えばイタリア!アモーレですよ。懸念の「蓮の花」についても調べました。マントヴァのポー川あたりにあるとの情報を入手。
ワインも美味しいから、魏無羨はワインをぐびぐび飲んでいる、と。すぐに可愛い女の子を誉めちゃうのもイタリアな感じ。そして魏無羨には欠かせない辛い料理! イタリアの南方・カラブリア州は赤唐辛子を使った料理が盛んらしい。
マンマな江厭離は料理上手で家族大好き。お国柄の緩いけれど帳尻は合わせるあたりが、厳格な江澄はしばしイライラしちゃうのだ。
そして魏無羨から江澄に言ってほしい。
アニメ前塵編10話より
雲夢には俺たち双傑がいる!
La Scuola Jiang di Yunmeng avrà i suoi Due Fiori all'Occhiello!
個人的には、雲夢双傑を思うと『青春アミーゴ』が流れてくる。イタリア語でアミーゴはamico。
SI 俺たちはいつでも2人で1つだった 地元じゃ負け知らず そうだろ
あの日交わした例の約束 守れないけど お前が来てくれて嬉しいよ
なぜだろう 思い出した景色は 旅立つ日の綺麗な空 抱きしめて
清河聶氏
そして清河聶氏はドイツ! ヴァイキングな北欧も候補ではあった。
質実剛健な気風と、ソーセージが美味しいドイツ。聶明玦とビールって合いそうな気がしたのだ。ドイツ騎士団と清河聶氏の騎馬軍団の感じとか、黒い森に祭刀堂もある、と。ツヴァイハンダーという巨大な剣はドイツで作られたとか。
そして趣味に生きる聶懐桑には、美しい城を作りワーグナーのパトロンだったルードヴィヒⅡ世という先達もおられる。(彼は国を傾けちゃったけどね)
懐桑の名台詞をドイツ語で。
知らない 知らない 本当に知らないんだ。
Ich weiß nicht, was du meinst. Ich weiß es wirklich nicht.
岐山温氏
陳情令版では真っ先に思いついた岐山温氏は今回は最後まで悩んだ。ロシアとも迷ったが、トルコ、というかオスマン帝国になった。
やはり歴史的にヨーロッパを脅かしたというとトルコ辺りかなと。温若寒もスルタンみがあるし、王霊嬌もハーレムっぽい。客卿も大勢召し抱えていそう。
温情や温寧たち傍流の「医術」も、イスラム医学の流れを受け継いでいるとかなんとか。
問題は、地理的に温氏が水行淵を藍氏に追いやった、というのが難しくはなる……が、そこはモニョモニョ。
トルコ語は温情の名台詞、アニメ羨雲編7話から。
ごめんね、そしてーありがとう。
Özür dilerim……Teşekkür ederim.
眉山虞氏
陳情令版では役者さんのお顔立ちから河内弁を配した虞夫人であるが、魔道祖師版では女帝感が強まり、ハプスブルク家なイメージ。なのでオーストリアである。ドイツと近くなるのでスペインにしようかとも思ったが、温逐流がトルコに流れたので、近くの方がいいかなと思った。
金夫人もハプスブルク家の傍系あたりで、そこからフランス@金氏へ嫁いだ、というワケ。
で、厳格な貴族で育った虞夫人は、ラテンで自由なイタリア気質とどこか合わず、江澄もその影響を受けている、と。金光瑶のフランス語はどこかイタリア訛りも入っている~と想像してみた。そういえば金光瑶は枢機卿っぽぃかも。となると観音廟はマリア像になるのかな。
虞夫人の有名な台詞をドイツ語で言ってもらいましょう~。
アニメ前塵編10話より
尊いのは私 卑しいのはお前よ
Ich bin die Ranghöhere!
Du bist die Untergebene!
ふと思ったのだけれど、莫家庄って場所はどこにあるんでしょうね? 姑蘇藍氏・雲夢江氏・蘭陵金氏の中間地点くらいなのかな?
外部サイト
▼ピーターが魏無羨に見えてくる
▼「魔道祖師」で学ぶ中国語版がほしい
▼お粥ならぬリゾットか
▼ヴァイスブルストが入っているのを選ぶ
▼トルコへ行く前に私も読んだ
▼薔薇の砂糖漬けも人気なのだけれど、虞夫人と言えば紫!