アニメ魔道祖師前塵編６話「帰着」感想/PV金子軒（赤羽根健治）江厭離（早見沙織）

春節を迎え、今日はバレンタインデー。そんな日に語られる「道侶」。藍氏の祖先は情熱的な一面もあったのかなと、思いをはせる。

前塵編６話「帰着/帰家」感想

藍氏の祖先、藍安（ラン・アン）の経歴が語られる。

廟で生まれ梵音を聞いて育った。
賢人が集まるような教えを説き、弱冠の齢で「伽藍」の「藍」を姓とし還俗。
楽師を生業とし、音律に通じて琴や笛を制作。（習楽）
仙師の道を求める中、姑蘇に立ち寄り、天定めし者と道侶になった。
藍氏の礎を築き、道侶がみまかると、寺に戻って自らも帰寂。

藍啓仁が、藍安の生涯を表わした四景、「伽藍」「習楽」「道侶」を説明している。「祖先は和尚か」とあっさりまとめる魏無羨。謫仙のごとき藍安。藍安に関する説明はアニメが詳しい。

藍安の道侶の話から、金子軒の許婚の話になり、「その話はするな」と金子軒。大切な師姉に関することなので、詰め寄る魏無羨。周囲から江厭離は平々凡々（→地味）扱いである。金子軒の「どこが満足できるか本人に聞け」「お前が嫁にもらえ、実の子より宗主に大切にされているんだろ」と失礼きわまりない言動に、魏無羨は金星雪浪紋をわしづかみ。大事な所なので逐語引用。もちろん雲深不知処で喧嘩は御法度。

祠堂。アリをつつく魏無羨。藍忘機はその様子を見て何も言わずに立ち去る。魔道祖師Q第７話では藍忘機の内心が描かれている…のか？

夢雲江氏宗主 江楓眠（ジャン・フォンミエン）登場～～～！！！優しく微笑み「阿羨、起来吧、回家了」。後光までさしています。私はアニメ江楓眠贔屓デス。そんな二人を見つめる切ない表情の江澄。

雲夢　蓮花塢（れんかう）。女性が歩いている。瓜は蓮花塢の特産か。師姉の江厭離（ジャン・イエンリー）登場。座学は１年間のはずが、魏無羨だけ先に帰されている。お土産はお菓子かな？中国公式によると【桂花糕】デシタ。蓮根骨付き汁物と酸辣蓮根【酸辣藕片】を早速リクエスト。

校場（練武場）。石鎖を持ちあげる江氏子弟たち。簡単な鉄環陣が破れないことにおかんむりな虞（ユー）夫人こと虞紫鳶（ユー・ズーユエン）登場。１時延長と言い放つ。江楓眠が虞夫人を呼ぶ時は「三娘（サンニャン）」。修練方針も異なる夫婦。さすが虞夫人は迫力がおありです。江厭離が姑蘇での魏無羨の優秀さを伝えると、「やっと気概（→やる気）を見せたわね」と虞夫人。魏無羨のことをそういう目で見てたのか……。金珠（ジンジュー）・銀珠（インジュ－）と共に立ち去る。師姉、母の扱いを心得ている。微笑む宗主さま。

罰には清書や跪く、馬歩があるらしい。噂に名高い藍忘機のことを聞かれ、「すごかった、俺と同じくらい」と。アニメでは「藍忘機に３歩以内に近づくと凍る」という噂もあるらしい。雪女か。

夜の九曲蓮花廊。赤いトンボかな？虞夫人の唇がアップとなる。
江楓眠がかんざしを贈っている。そして金宗主に婚約解消を話したと事後報告で告げる。この婚姻は子供たちが幼い頃、母親同士で決めた婚姻である。江楓眠は「解消したのは相思相愛でなかったから、心が通じないのに大人の意向を押しつけるのは」と話す。そして魏無羨の話となり、もの別れに。そんなふたりの様子を遠くからうかがっていた様子の魏無羨……。この時の虞夫人が江厭離の良さを口にする場面は、YouTube日本語訳がより阿離ひいきになっており、初視聴時に印象に残った。ドラマとアニメの虞夫人の印象はやはり違うように感じる。

師姉の婚約破棄を知り気落ちする魏無羨。江厭離は、金子軒とは数度会っただけだが颯爽とした姿に好意を持っていたよう。何も言わずとも喧嘩の理由も察する鋭い師姉、「心が通じ合う人を求めたい」と言う。魏無羨が「師姉にはもっといい人がいる」と言うと、孔雀男・金子軒が雲深不知処でくしゃみをしている。
蓮花塢のあたりの話は、物語は原作に添っているが、アニメの脚色が入っている。

蓮の花咲く頃から季節は巡り１年後に。魏無羨の雉捕りはパチンコ形式らしい。江澄が帰ってきた。溺死体に扮して迎える魏無羨。
岐山不夜天で清談盛会が催されるとのことである。
（つづく）

今回はエピソードてんこ盛りで、長文です。吹替版ではかなりわかりやすくなっていますが、中国版に近いかと台詞は字幕版のままにしています。字幕版より吹替版の方が、見ている体感が早いのは言葉の理解力の差なのか？

江楓眠（浜田賢二）は、優しく穏やかな声。江厭離（早見沙織）は、落ち着いた感じでなぜかワカメちゃんを連想した。取りなす役柄だからかな。虞紫鳶（本田貴子）は、日本語のせいか、なんというか猛々しさが減り憂いを帯びて聞こえる。日本語は柔らかいのかなぁ。

＜アニメ魔道祖師用語メモ＞

（字幕版 → 吹替版での台詞）
廟（びょう）：寺院。先祖の霊をまつる場所。→寺
梵音（ぼんおん）：読経や仏教音楽。→読経の声
弱冠：男子20歳の代名詞。古代中国では成人すると冠をかぶる冠礼を行う。→弱冠はたち
伽藍（がらん）：僧侶が修行する場所、寺院。
道侶（どうりょ）：共に修行する相手。
帰寂：僧侶がみまかること。入寂。涅槃に入る。→没した
謫仙（たくせん）：人間界に追放された仙人。ひいては非凡な才能の持ち主をあらわす。→仙人
石鎖：石製の南京錠型のダンベルのようなもの。唐時代の兵営に始まり、身体の鍛錬に用いられる。
鉄環陣（てっかんじん）：校場に設けられている。→簡単な陣
１時（とき）：２時間。
馬歩（まほ）：武術の最も基本の立ち方。脚力や内功を鍛える。→鍛錬
九曲蓮花廊：九曲橋は９つ折れ曲がっており、中国庭園にみられ、魔除けとされている。名称はアニメ魔道祖師設定集より。