吹替版が、2021年7月4日からMXテレビ,BS11等で放送されている。
ほとんど事前知識がないので、一度目はキャラクター名さえもよく聞き取れず。人物名だけでも初出時は字幕が出るようにしてくれたら、漢字で覚えるのだが。「魔道祖師」よりは短い登場人物名なので、覚えやすそうではある。
優しくスッキリした作画ながら、やるせない展開がはらんでいるような気がしてしまう。
1話「太子の嫁入り/太子新娘」
冒頭部分は、第1弾PVと同じだった。
太子殿下は飛昇したものの、周りにはガッカリされおまけに物損しまくりで、歓迎されていない厄介モノ感が、魏無羨復活時冒頭を思い出す。
「最も下界に追放したい神官」第1位というランキング制度は、こちらにも存在。功徳100得ました。その原因となる、鐘を指し示されてもあるはずの鐘は落ちて見えず、見える宮殿はないはずの空き地に急遽建てられたものというシュールさ。その弁償額、888万功徳。
RPGで言えば、功徳がゴールド、法力がMPみたいだと思っていたら、「天官賜福学び舎」(外部リンク)で1功徳が18元と作者設定されていると知る。この功徳が、中国芸能などでよく見かける、ファンからスターへの「投げ銭」のように見えなくもない。天官世界は、けっこうスター制度の競争社会なのかな。
そして魏無羨よりもどこか諦観した感じのする太子殿下。二度の追放で法力も失っている。
霊文(リンウェン)に「天官賜福」と送り出され、太子殿下が「恐れるものなし」と答えるのは、1周して観るとまた違う思いになるのだろうか。
興君山。相逢小店。蝶が飛来している。
中天庭の若い神官がふたり現わる。どうやら二人はライバル意識が強いようだ。赤が南風(ナンフォン)・南陽将軍配下。青が扶揺(フーヤオ)・玄真将軍配下。赤色が南系の名前と覚えたらいいのかな。
お茶を吹き出す姿がギャグ漫画の作画。太子殿下は「人間界のまごころ」と言われているらしい。
花嫁をさらう鬼花婿の噂。太子殿下が赤い花嫁衣装に身をつつみ、籠に乗せられ流れる音楽は、以前に見たことのあるPVの音楽だ。これだったのか。
ほんわかしている割に、闘うと強い太子殿下。
蝶が飛来し、不敵さあふれる、赤い糸を指に巻いた赤い人に手をとられ、流れる音楽『一花一剣』。
そして回想。この場面の絵柄がひときわ綺麗。
中原の国・仙楽国の謝怜(シエ・リェン)太子が、神武通りで落ちる子供を助ける、というのは漫画版の冒頭で見たな。
一念橋で三つ問答の鬼を斬り、太子殿下が飛昇した。
仙楽国の戦乱に独断で救出に向かうが、国は滅び下界に追放される。風信と慕情は去ったようだ。このあたりの過去は、これからの物語の予告編……。
そして幼い姿のあたりは、なんとなくしんどそうな感じが漂ってくる……。そこでの台詞が「生きる意味がわからなければ私のために生きなさい」。白い紐がゆっくり流れている。
嫁入り……なのか、ふたり連れ立ち、傘をさしかけ歩いていく。
(つづく)
1話のカット部分
カット部分を観ないとわからない、という声もあり、早速プライムビデオで観てみる。
35分。一番大きいのは、太子殿下と、将軍たちとの過去の関係がカットされていた点だった。
南陽将軍は殿下の護衛をしていたが主を捨てた。宮殿を壊された方で赤い。東南に信者が多い。南陽将軍はかつては倶陽将軍と呼ばれており、国王に倶陽→臣陽と書き間違えられた。そのため女性の参拝客が多い。臣を巨と捉えて考えるらしい。
玄真将軍は殿下のためにお茶を入れたり床を掃いたりしていた。殿下が飛昇させたが袂を分かつ。鐘が落ちてきた方で青い。殿下は慕情(ムーチン)と言っていた。
太子殿下は若い神官ふたりが言い争う姿に「私が何も言っていないのに攻撃の口実にするな」というのが、墨香銅臭作品だなと思わせてくれる。
他のカット場面はざざっと次のあたりか。
冒頭が、過去の嫁入り場面から始まり(本編では回想になっているあたり)、そこからOPが始まる。神官達との対面場面。
相逢小店前での村の噂話。村娘が賞金狙いの鬼婿探しを止めるあたり。村娘を介抱しようとして殴られ、壊れた店を弁償。明光廟を探すが南陽廟しかない。等級にも4つのランクがあり「絶・凶・厉・悪」で鬼花婿は凶。
賞金狙い再び。神官たちの侍女姿。狼が襲ってくるところ。蝶が舞う前に白いひもがひらひら。
比べるとこちらの方が、話に奥行きが出てより丁寧には感じられたが、吹替版のEDではなく、TV版でも『一花一剣』の中国版EDが流れたのが貴重なようだ。
放送後は、 天官賜福アニメと魔道祖師がトレンド入り~。
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