バイロイト音楽祭(Bayreuther Festspiele)へと行って来ました。
中国ドラマとはなんの関係もないけれど、一度は行ってみたかった憧れの地シリーズ第一弾として記事にしてみました。興味はあれど二の足を踏んでいる誰かの後押しになれば幸いですし、ない方にはこういう世界もあるんだなという事で。長文です。
バイロイト詣はまさに白鳥
さてこのバイロイト音楽祭。
一度は行ってみたい気持ちはあったものの、躊躇する要因がいくつか。
それは歴史あるこの祝祭劇場の座席構造にもあり、1階席にあたる平土間の座席の出入口は右端と左端しかなく、真ん中へ行くには人をかきわけなければならないのだ。
そしてそんな閉鎖空間なのに冷房がない! エアコンのあるザルツブルクの祝祭大劇場でさえ暑く感じる時があるのに、近年暑がり寒がり体質な私に耐えられるのか? そんな密閉された空間に、タキシードを着た人たちが集うのだ、もはやマゾなんじゃないかという説すらある。そのサマは水面下では激しく足を動かしつつも優雅に泳ぐ白鳥のようではないか。
おまけにワーグナーのオペラは公演時間が長い、長すぎるのだ。
ちなみに私が観たオペラは16時に開演し、1時間休憩を2回はさみ、終演は22時半なのである。もはやオペラの耐久観劇……。
そんな恐れおののいていたバイロイトへ行く気になったのは、ジークフリート役がフォークト様だったからである。そうドイツのテノール歌手であるクラウス・フロリアン・フォークト。ワーグナーの描く騎士にピッタリなフォークト様を、現地で観劇できるのにつられて行くことに。
今回の記事ではアクセス&現地の雰囲気レポ重視でして、公演内容については詳しい方のブログをどうぞ。
チケットと座席
チケット取りは以前は超プラチナチケットで、郵送で申込み当選するのに数年かかり、会員でないとほぼ入手できないというシロモノだったが、2015年よりオンラインでも申し込めるようになり最近では手に入るようになっている。人気演目は売り切れるも、私が行った公演は直前の7月頃に取ったものである。価格は席によって細かく分かれているし、演目によっても異なり、初日プレミア・マイスタージンガー・パルジファル等は後述する料金よりも100~50€(1.7~0.9万)お高くなる。
平土間席は中央席とサイド席があり、中央席は325~260€位(5.6~4.5万)、サイド席は295~161€位(5~2.8万)。それ以外にもいわゆるバルコニー席なロージェ席はソファも座りやすいらしいがもちろん高い(325€ 5.6万)。後列ならば値段は下がるが、ロージェ席の奥はオケの音がくぐもると思われ、せっかくの音楽がもったいないようには思う。ただでさえバイロイトのオーケストラボックスは覆いがされているのだ。
ロージェ席の上階に位置するバルコン席(1列目260€ 4.5万)などもあり、こちらも座りやすく足元も広いらしい。その上はガレリア席(1列目88€ 1.5万)。※1€=172円で換算
今回座席は平土間サイドで、端になるほど舞台袖は見切れてしまう。最後のヴォータンの場面は同行者は見切れて気付かなかったと言っていた。オペラも花火も中央席であるに越したことはなく、発売日にチケットを取るべしである。
ホテル
宿泊はバイロイトがベストだが、なんせ元々こじんまりとした町なので宿泊施設がそうあるワケでもなく、音楽祭期間中は普段の2~4倍の料金となる。バイロイトのホテルならば、帰りは有料の送迎バスが出ているので、劇場から少々遠くても安心である。しかしいかんせん7月にホテル探しをしたので手を出せず。
一方、鉄道で1時間のニュルンベルクはナゼかホテル代がリーズナブルで、利用しやすいビジネスタイプのホテルが駅前に林立している。往復2時間ほど、連日観劇でなくバイロイト観光も重視していなければコチラをお勧め。ニュルンベルクはクリスマスマーケットで有名なので、むしろその頃の方が値上がるのかも。
ニュルンベルクのホテルは15時チェックインにも関わらず、13時にアーリーチェックインさせてくれた。これは着替えができて有難い。効きの緩いエアコンがあり、小さいながらも冷蔵庫もあり、バスタブ付きでコーヒーメーカーもある。
バイロイトにて
そんなこんなでバイロイトへ無事に到着するも、観光へも行けず食事の時間もありゃしない。バイロイト駅はこじんまりとしており、駅中のファーストフードなYorma’sで軽くつまむことに。辺境伯歌劇場やワーグナー博物館も見たかったんだけどな。
バス停Bayreuth Am Festspielhausで降りて少し歩くとリストの銅像が見えてきて、祝祭劇場へ!そしてタキシードな紳士にドレスな淑女がそこかしこ。あまりカジュアルな格好をした人は見かけず、結婚式に参列する位の服装が一応の目安だろうか。
そして日本人率も高い! 中には着物を召されたご婦人もいてスゴすぎる。皆さん常連さんな雰囲気。
バイロイト祝祭劇場にて
祝祭劇場下の芝生には、ワーグナーのミニ彫像が置かれていて、常時そうなのかと思ったらアート作品だったみたいですね。皆さん、ここで記念撮影に余念がなく、お互い見知らぬ同士でもワグネリアン、声をかけあって写真撮影してます。
開演15分、10分、5分前になるとバルコニーでファンファーレが鳴るので、観客はバルコニー前に集結。
入場時はプリントアウトしたチケットとパスポートを提示。なのでパスポートは必携です。チケットは家で印刷するときに少し斜めになってしまったが、名前が分かれば良いみたい。
ホールに入る前にもう一度チケットチェック。
劇場へ持ち込めるハンドバッグはA4サイズ(29×21×21cm,10L)まで。入口近くにサイズチェックできる所もありました。中身のチェックはないが、液体は持込禁止で、咳対策には飴しかない。乾燥対策にはマスクも有効なので持参する。クロークに給水所はある。
ゆっくりめに入場すると席では既に皆さん立って待たれている。なんとなく申し訳なく、以降の休憩では10分ファンファーレ後に再入場していた。立ったり座ったりするのもなんなので、最後のひとりが来るまで立っていたら、同じ列のサイドの人たちは既に座っており、周りが座ったら同じようにした方が自然なのかも。
席は列で互い違いになっていると聞いていたが、サイドだからか前列と丸被りしてますやん。
バイロイトの座席はワーグナーが観客が眠らないようにとわざわざ固い木製椅子になっているのだ。クロークでクッション貸出をしており、そこでは他にも借りている人はいたが、席周りでクッションを用いている人は見かけなかった。なんて信仰の篤い人々なんだ。劇場外へクッションは持ち出せないので、休憩中は跳ね上げ式の席にそのまんまはさんで退出した。バネが強いので落ちる様子はない。
席でバッグは膝上に置くように公式サイトでは推奨されている。足元に置くのは自己責任という事なのだろう。この狭さでは盗られようもなさげで、むしろ忘れるリスクが高いのか?
固い椅子も、姿勢良く座ると疲れにくいように思う。前列の下に足置きバーもあるが、足を置く際に前列の人に振動が伝わるかどうか分からず、時々そ~~~っと使用していた。
バイロイトのワーグナー
時間ピッタリに開演。
どの歌手が歌っても素晴らしい!
オーケストラも合唱も素晴らしい!!
劇場の音の鳴り方も素晴らしい!!!
オーケストラも合唱も素晴らしい!!
劇場の音の鳴り方も素晴らしい!!!
しかしこの演出は……二次創作??
なんとなく話が下世話な気が……。目を閉じて音に集中しようかと時々思う。指輪は子供、馬は男性と聞いていたのでなんとなく分かるぞ。
読み替え演出というものらしいが、なんとなくキッチュな方向な演出が多いような。もっとスッキリとスタイリッシュな演出では受け入れられないのだろうか?……とザルツブルクの『マリア・ストゥアルダ』を観ると思ってしまう。
なんとなく話が下世話な気が……。目を閉じて音に集中しようかと時々思う。指輪は子供、馬は男性と聞いていたのでなんとなく分かるぞ。
読み替え演出というものらしいが、なんとなくキッチュな方向な演出が多いような。もっとスッキリとスタイリッシュな演出では受け入れられないのだろうか?……とザルツブルクの『マリア・ストゥアルダ』を観ると思ってしまう。
そしてホールには字幕なんてものは存在しない。ドイツ語が分かるか、オペラを知っているという前提である。
第1幕は中盤で椅子の固さが気になり、そして後半は暑かった。扇子を遠慮がちに使うも喉も渇くし暑い。
休憩では6ユーロな冷え冷えのコーラを一気飲み。今は1ユーロ=172円なので日本円で1100円ほど、なんて高いコーラなんだ。十数年前は1ユーロ=100円位で、600円ならば妥当なところ。円安がツラい。ビールもワインもあるけど、アルコールは飲むと余計に喉が渇いてしまうのよ。水もあるが私は海外で喉が渇いた時は冷えた炭酸クラシックコーラ派なんである。
トイレもさほど混まずスムーズ。クラシック関連はやはり男性の観客の方が多いのね。
劇場に向かって左側の建物前ではサイン会が行われこの日はヴァイオリニストでした。サイン会に並んだ人はセルフィーしてたけど、遠くから撮影してる人はいなかったような。他日、ガランチャ様がサイン会されていたのを知り、いいな~。
劇場に向かって左側の建物前ではサイン会が行われこの日はヴァイオリニストでした。サイン会に並んだ人はセルフィーしてたけど、遠くから撮影してる人はいなかったような。他日、ガランチャ様がサイン会されていたのを知り、いいな~。

第2幕がもっとも私のコンディションが良かった。座席の固さにも慣れ、夜になり会場もだいぶ涼しくなってきたし。
そして同行者前列に座る男性の体格が良すぎて舞台が殆ど見えていないという事で席をチェンジ。確かに見切れ席のごとく見えない。しかもこの男性の脱いだジャケットが背もたれに掛けられ、それが微妙にコチラの膝に当たるので、時々払うという地味な作業をしていた。
2回目の休憩ではなにかないかと公園を降りてるもなにもなかった。公園散策自体は夕暮れ時でとても心地が良い。車で来ている人は、車に食べ物や飲み物を用意していて、休憩時に利用しておりピクニックみたい。
劇場へと戻ると、8.5ユーロ(1400円)のソーセージパン屋台は大行列。4ユーロ(700円)なアイスのシングルを食べてました。劇場向かって右側の建物では、20ユーロ(3500円)くらいの学食みたいなミールプレートもありますし、予約すればコース仕立ての料理も味わえます。この辺りはテーマパークみたいなもんですね。
第3幕では容赦なく襲う体内時計。時差は7時間なので日本時間では夜の0時頃。欧州へ来てすぐの観劇ではないから多少はマシだが、体内時計というのは根深いものである。もし海外オペラ観劇されるなら、飛行機で降り立った初日は避けることをお勧めする。これをすると容赦ない睡魔との戦いで、高額チケットな座席も、揺り籠と化し舟を漕いでしまう。しかしこちとら旅行者、観劇もしたいし観光もしたいし美味しい物も食べたい……体力との勝負である。
カーテンコールではミカ・カレスが大歓声。私はもちろんフォークト様に拍手を送る。ミヒャエル・クプファー・ラデツキーにはちょっぴりブー。プロの世界はキビシいけど、足を踏みならしての大歓声で迎えられたら、感無量だろうな。指揮はシモーネ・ヤング。最後はオーケストラ員もカーテンコールにこたえてました。
終演後に劇場の他のエリアも見たかったけど、係員が立っていて入れなさげ。休憩時なら行けたのかな?
帰り道
外に出るとタクシーは行列。駅まで歩くと15分くらい。
バイロイト駅周りは営業終了しており、自販機でペプシを購入(2ユーロ350円)。ニュルンベルク行き23:39出発まで時間もあり、バイロイト駅のトイレをチェックしに。トイレは21時までとありドアは開くけど真っ暗。中に入ってみたものの、真っ暗だと重いドアが閉まると方向も分からずドアの開け方も分かりにくくなり慌てて飛び出す。
海外だとトイレにドアを閉めずにいる人もいるが、もしかして閉じ込められるよりマシという考えもあるんだろうか?緊急事態ならば、駅前のホテルにお願いする方が良いかも。
DBは10分遅れでバイロイト駅を出発。しばらくして検札があり、バイエルンチケットなのでパスポートもチェックされた。電車内にもトイレはあったような?ただこの車内トイレ、他路線でアルストムの青い車両に乗ったときはWC DEFECT(故障中)と貼り紙され使えなかったので、車内にトイレが付いているからと油断は大敵である。
バイロイト音楽祭へ行けた満足で、眠りにつく。
中国ドラマも最近は40話が主流だが、70話クラスの長いドラマにはその長さしか出せない感動があり、ワーグナーのオペラもきっとこの長さならではの味わいがあるのだろう。
来年は150周年を迎え、ティーレマン指揮も再登場という事もあり、注目が高まっているようである。
外部リンク






