笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」アニメ「魔道祖師Q」に始まり、ドラマの漢詩やグルメを記したブログ。最近は「一念関山」「紅き真珠の詩」「安寧録」「星より輝く君へ」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。外部リンクはプロモーションを含みます。

明蘭5話,6話,7話,8話感想/陶淵明 帰園田居五首,晏殊 寓意,囲魏救趙

5話感想

朝議で緊張感が高まる中、パパ盛紘が杓を落として必死に取ろうとしているのがコミカル。
臣下が訴える「古より幾度も後継争いが起きたのは、早々に策を決めず、決めても実行しなかったからです」は、皇族でも民間でも同じこと。
息子が早世したことを嘆く皇帝秦焰《如懿伝》張廷玉、皇帝は『孤城閉』王凱(ワン・カイ)でもおなじみ宋の仁宗。子を喪う痛みは、皇帝も民間も同じ辛さ。

荘先生宁晓志)が詠じる。
 「幼少より世俗と調べが合わず、本より自然を愛する。誤って世の塵に落ち、ひとたび去って30年、羈鳥は昔の林をしのび、池の魚はかつての淵を思う。荒地を南の野に開こうと、頑固さを貫き田園に帰る。
 宅の地は十余畝、草ぶきの家は八間ほど。楡や柳は裏の軒先を覆い、桃や李が庭先に咲く。はるか遠くにかすむ村、ゆっくりと煙が立ち上る。犬は巷でほえ、鶏は桑の木で鳴く。庭には塵ひとつなく、がらんとした室はゆったりしている。久しく鳥籠にいるも、また本来の自然に戻れる。

陶淵明 歸園田居五首(其一) 
少无适俗韵,性本爱丘山。误入尘网中,一去三十年。羁鸟恋旧林,池鱼思故渊。开荒南野际,守拙归园田。
方宅十余亩,草屋八九间。榆柳荫后檐,桃李罗堂前。暧暧远人村,依依墟里烟。狗吠深巷中,鸡鸣桑树颠。户庭无尘杂,虚室有余闲。久在樊笼里,复得返自然。

この間に登場人物が成年に代わるのが良き。ちょっと貫禄ありすぎではあるが……。
 陶淵明作品の中の傑作と称され、鳥籠のような窮屈な官界をやめて、愛する郷里の田園に帰って、平和で自然な生活に変えることができたことを喜んだ詩とある。星川清孝「古文真宝 前集上」1967年 明治書院


パパ盛紘は若侯爵 斉衡朱一龍)と書の談義。
パパ「王羲之の『平安帖』は傑出している」
斉「安の字が好き、調和の取りづらい形だが、側筆を使った太さの妙といったら」
パパ「子に字は継承されても趣は異なる。父王羲之は一字ずつが完成形だが、王献之は一筆でまとめる手法だ。上下がつながり1つの形と成す」。

明蘭と仲良しな余嫣然邓莎)。薔薇のお菓子は明蘭の好物。邓莎が演じた『尚食』荘妃は、殉葬させられた妃か。

斉衡は「秦は一強、諸国は六国。一はまとまりやすく、六は分かれやすい。蘇洵の言うとおり六国が秦を賄う。蘇轍いわく諸国は韓と魏の地の利を知らず、秦は知るなり。蘇軾は人材こそ国の礎だ」と熱く語る。たまたまかもしれないが、私塾は6人、顧廷燁が一? 秦と姓のつく人もいるけれど……。
王羲之も蘇洵も父子の名が挙げられている。

字が下手な明蘭。永の書き方は応用できるは王羲之の教え。『塩鉄論』を書写するように言われ、蓴菜と鱸の羹筍と揚げ鶉の煮物で買収する明蘭。この時の趙麗頴がニコニコしててチャーミング。字が壊滅的なのは、ヒロインが現代から転生した原作設定が残ったのかしら。
忘れ物したフリして教室に居残ろうとしている若公爵が、アオハルしてるなぁ。
若公爵は菱の実と、うさぎの毛・犀の角・紫檀な筆を明蘭にプレゼント。

若公爵は、自分は軒下の雀に例える明蘭。

墨蘭が詠じる。「梨の花咲く庭に照らす月、柳絮が舞う池、軽やかに風が走る」。ナント『孤城閉』でおなじみな晏殊さん!

晏殊(宋代)《寓意》
油壁香车不再逢,峡云无迹任西东。
梨花院落溶溶月,柳絮池塘淡淡风
几日寂寥伤酒后,一番萧索禁烟中。
鱼书欲寄何由达,水远山长处处同。

うるし塗りの美しい車に乗ったあの人に、二度と出あうことはなくなった。巫山の雲にも似たあの人は、あとも残さず西に東にさまよう。
梨の花さく中庭に、あふれ流れる月の光。柳のわた飛ぶ池のほとりに、そよ吹く春の風。
別れのさびしさをまぎらわすため、幾日か酒を飲んで大酔してしまったが、折からの寒食で煙も見えず、ひとしきりむなしさがつのるばかり。
便りを出そうにも、どうして届けたらよいのだろう。山川が遠く長くふたりの間を隔て、どこまでもどこまでも同じように続いている。
佐藤保「はじめての宋詩」2012年 明治書院

何らかの事情で別れなければならなかった愛する女性への思慕の情をうたう詩とあり、墨蘭が詠じてはいるが、これは斉衡が明蘭への思いを歌ったものかなと推察した。


成年 顧廷燁馮紹峰)が現れた!……と思ったら側妻ができてますやん。若公爵は「おじ上」呼び、両家は親戚で1つ下の世代になるらしい。

6話感想

顧廷燁は明蘭のことを「道端ですれ違ったら絶対分からん」と言っているが、貴殿もそうですよ~。顧廷燁は解試に合格。私塾で斉衡と墨蘭との筆のやり取りにも、顧廷燁はなにか察しているよね。斉衡は「男は功成り名を挙げて妻子に名誉を与えるべきだ」という考え。

顧廷燁の父 顧偃開李洪涛『愛なんてただそれだけのこと』高騰は、妓楼のツケ銀100両の件で顧廷燁を疑って決めつけている。

如蘭、明蘭にあぶり羊作りに刺繍の代行と、なかなかのワガママぶりだな。

呉奥様王思语)は六男 梁晗吴弘)を連れてお見合い話。災いから遠ざかりたい明蘭は『楚辞』の書写で逃げようとするも如蘭に捕まり、あげくの果てに皆の面前で転んで出てしまい……。
パパ盛紘は決めつけて、如蘭と明蘭だけに罰を与える。分かっていてもイライラする場面。この時の父親とのやり取りが、娘たちの母親とそっくりなのがある意味、コワイ。

呉奥様は「女子は嫁げば人生が変わる。嫁に行くまで将来のことは分からない」と。お見合い話を持ち込むのに、わりと適当な理由で屋敷に立ち寄るもんなのね。
(つづく)

顧廷燁も明蘭も、父親に誤解される日々……。

7話感想

乳母の常ばあやを侍女頭にしたい顧廷燁だが、それも父親に反対されている。他の兄弟には許されているのにね。兄 顧廷煜高子沣)が弟をかばうようでいて側妻がいる事を父親に暴露しているよ。またも顧廷燁は打たれているけど、それだけ体も丈夫なんよね~と思ってたら、本人も兄に同じ事を言って反撃していた。

祠堂で跪く如蘭と明蘭。如蘭、自分だけに言わせたと明蘭を責める前に、明蘭を巻き添えにしたとナゼ父親に言わないよ。明蘭は淡々と「形勢は言葉に勝る/形势比人强」と子供の頃に学んだと答えている。

王若弗は「実母じゃないから赤の他人」とは、アナタにとってはそうでしょうよ。

林噙霜にかかっては『孟子』曰く、「人は年頃になれば異性を慕うものだ」ですってよ。
この章は「舜が父母に愛されずに、親を慕う心を天に訴えた」とされるくだり。父に冷遇されているのは明蘭もだけれど、どちらかというと顧廷燁の痛い思いを感じるな。

孟子·万章上》第一章
人少,则慕父母;知好色,则慕少艾

明蘭が好きなのは魚の羹。王若弗は夫に金華 干し肉の羹筍料理を出し、泣き落とし作戦に出ているが林噙霜ほどは上手くいかないね。華蘭の姑は長男贔屓で、華蘭は苦労しているらしい。

大奥様は王若弗にライチの皮を砕き沈香と合わせたものを出している。
御医院正の賀家の荘さんは大奥様の友人で、婦人科治療も担っているようだ。
そして生け花・茶芸・香道を仕込むために宮女 孔を招いて、それでもって祠堂の罰を止めさせるという、盛紘の顔を立てつつも墨蘭を排除して、明蘭に習い事を受けさせる軍師な大奥様がスゴ腕すぎ。

王若弗も「魏を囲み趙を救う(囲魏救趙)」と評している。
兵法三十六計の第二計で、救援を請われた斉は小国 趙に加勢せずに大国 魏を包囲して撤退させる策を言う。趙=明蘭・如蘭で、魏=盛紘・墨蘭、策を献じた斉の孫臏=大奥様ということか?

「義母上がいれば宋は高梁河で勝っていました」は、979年の宋 太宗が出兵するも、契丹の名将 耶律休哥に敗れた高梁河の戦い

8話感想

斉衡の母 平寧郡主陈瑾《三体》叶文洁(老年)のお出まし~~~。息子を誘惑しそうな侍女を叩き出し、やる気になればここまで屋敷を掌握できるもんなのね。すぐに座れる椅子が差し出されるんだなぁ。盛紘は五品の官吏なんだ。

顧廷燁の背中は傷だらけ。従軍していないし罰を受けただけでこんなに?? 従弟が侍女に無理強いして侍女が自害なのも顧廷燁のせいにされている。

顧廷燁母の嫁入り話が語られる。顧家の四男は女遊びが激しく、五男は横暴。白氏王靖云)は顧偃開の親に請われて嫁入りするも、床入れは三月先のばしで顧偃開は冷たく先妻を忘れられない様子。ドラマ『国色芳華』にもそんなヒロインがいましてよ。

常ばあやは言う「人生とはだましだまし送るもの」。
しかしある日、幼い兄 顧廷煒に白氏を悪く吹き込む女性がいた!
爵位を持つ家門が朝廷から銭を借りて返さないので、陛下は返済せぬ者に投獄を命じ、財産のある白氏の嫁荷がアテにされた……と、白氏が離縁状を迫る場面は頼もしい!……なれど産気づき……死後1年で秦氏の妹を娶る。顧偃開が白氏に口にしていたのは「困らせるな」。この頃、顧廷煒はいくつ位だったんだろう。

盛紘パパと林噙霜のイチャイチャが繰り広げられ、視聴者はいったい何を見させられているんだという気持ちになり……。浮かれた盛紘パパが林氏に対して「灯下の美女 月下の花/灯下看美,月下看花」とご機嫌よ。

ふたりの出会いは大奥様と刺繍をしていた時に、盛紘が茉莉花の香りをまとい部屋に入ってきたと語られており、林噙霜はどんな身分で刺繍をしていたんだろ?

この回では平寧郡主が髪を垂らした侍女を売り飛ばす場面があったが、盛家ではそれがまかり通っており、対照をなしているわ。
(つづく)

 

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