笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「愛なんてただそれだけのこと」「宮廷の諍い女」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

狼殿下完走記・登場人物感想考察①

狼殿下完走記

いや~ハマったハマった!

最終回を迎えてからも、時代背景や小説でどっぷり浸かっており、いまだこの世界で迷子中。SNS的に言えばイカ釣り漁船で出航して、河を遡り(鮭か)狼狩山でウロウロしているといいましょうか。
完走記も長文です!

前にも書いているが、私は第1話で視聴を躊躇しつつも肖戦が出るまで見てみようか、だったので「見続けて良かった、おジャンさんありがとう!」という思いである。

ドラマ内であまりに狼狩山の星と狼仔の場面が繰り返されるので第1話を見返したが、冒頭での王たちや、狼寄りな話なのに狩人や狼の肉を食したがる夏侯伯や、彼に啖呵をきる無鉄砲な馬摘星を見ると、やはり躊躇するなぁと思って見ていた。狼仔の無垢な様子や、影絵の場面は素敵なのですけれどね。

それが第4話 狼仔が冷酷な渤王となって戻って来て馬摘星と再会すると、俄然と面白くなってきた。最初は渤王と疾冲で乙女ゲーム的な「どちらにしましょう~」な展開になるかと思っていたが、第14話の巧果の赤い糸の辺りでは、渤王と親密度が高くなった親密イベント発生後に、いきなり冷遇され距離感保たないと攻略するのに難易度高いキャラだなぁと思いながらも、次第に馬摘星と同じく渤王派となっていったワタシ。もちろん疾冲派なドラマファンもおられますよ

このワクワク感は既視感があるなぁと考えていると、かつて好きだった少女漫画だ!と気付く。あの頃、物語の展開に胸ときめかせ、雑誌が毎月発売されるのをそれは楽しみにしていたものである。その頃も疾冲のような優しい男主2ではなく、冷たいけど実はヒロインを思っている男主1贔屓であった。そんな思いで毎日1話ずつ更新されるのを待ちわびながら見ていた。

そして次第に渤王がギリギリ辛抱しながら馬摘星と対峙する姿を見て思った。これはかの名作童話『あらしのよるにではないかと!

あらしのよるに』好きなんですよ~、あの狼のガブが羊のメイと仲良くなり、正体を知り、それでも思いは変わらず、本能と闘いながら辛抱し、果ては涙の逃避行……。うぅ、思い出しても泣けてくる。

ガブと渤王、同じだ~~~と思ったのは第17話(第四皇子が登場し、渤王は渤王府を出て行ったけど、町で射的する)くらいだったかな、口調は全く違いますけれどね。それにしても「辛抱する狼」って、どうしてこんなに気持ちが揺さぶられるんでしょうね。狐だと負け惜しみ的になる(イソップ?)し、熊やライオンだと気の毒だし、狼だとドラマになるのはなんでなのでしょう。

メイのちょっとガブを疑う感じと馬摘星のそれとちょっと似ていたり。でもガブを信じて傍に居続けるメイ。私の中ではメイは♂のイメージではあるのだが。

そんな感じがしたのは、このドラマの中核が「星と狼仔の物語」だからかな。想像していた以上に、渤王と馬摘星はいつも一緒にいたし、最終回に向けていつ戦うのかと思っていたら、馬摘星ひとりで、あっけない程に戦闘場面はなく、戦闘場面のクライマックスは第37話の柏櫰大戦だった。

『狼殿下』には珍しく副題が付いていないなぁと思っていたら、よくよく見ると『狼殿下-Fate of Love-』とありマシタ。英語のせいかスルーしていたよ。狼仔と星の物語、にはしなかったのね。まぁ何か副題を付けないと、狼殿下が含まれているタイトル自体は、割と物語で見かけるしね。『狼殿下~運命の愛~』とされなくて良かった良かった。

それぞれの登場人物についての感想です。

狼仔/渤王 楚有炆(王大陸)

ダレンワンの演じわけが見事だった!

最初の無垢で優しい狼仔から、冷酷で強い渤王、誤解が解けて少し狼仔の顔も見えた渤王から、苦悩するスパルタ渤王、柏櫰大戦で完全燃焼し生まれ変わる渤王、少しずつ狼仔を取りもどしつつある渤王、最後にはスッキリした紫衣装な姿。

と、狼仔と渤王の濃淡の付け方が見応えあり、物語中、最も変わっていったのは渤王だったし、渤王自身が解放される物語でもあった。

第37話は渤王の独壇場~。悲劇の場面となるのかと思っていたら、狼狩山から出て初めて「生きる」ことを実感しているのが予想外で、最終回にも思えた第37話を境として、再び狼仔に戻っていくとは思っていなかったよ。

最初の方の冷酷な渤王の時も、元は心優しい狼仔な時代を知っているので、こちら側もどこかそういう部分を渤王に重ねて見て安心でき、難しいけれどハマるとイイ役だよなぁ。そんな狼仔/渤王に王大陸が見事にハマリ、ダレンワン劇場と化していた。渤王は王大陸の当り役ね。

渤王には色気も感じられるが、どこか人間離れしたピュアさとミックスしてるのが良いんよね。見事なギャップ萌えである。渤王(狼仔)がぱくっと口元の食べ物を取ったり、ふたりでおでこコツンにキュンなのだ。

思い合っているふたりを引き離す要因となった馬摘星の父殺害に、ドラマでは直接渤王は関与していなかった事もあり、第32話「俺を殺すために強くなるんだ!」と昭和なスポ根で檄を飛ばしている渤王と、「そんな風にはなれない、だって女のコだもん」な摘星を見ていると、「あれ?なんで渤王は自分を摘星に殺させようとしているんだっけ?」という思いにはなっていた。よくよく考えると壮大な歴史に渤王と馬摘星のロマンスがひたすら展開する話なのだが、ぐぃぐぃと引き込まれてしまったわ。

あと、渤王の口調が「そなた」なのも良かった。これは翻訳の妙ですね。

をイメージした銀を帯びた黒衣装がよく似合っていて、白い衣装も映えていた。

郡主・皇女 馬摘星(李沁)

どんどん変わっていく渤王に対して、立場こそ郡主から皇女にはなっていたが、一貫して良くも悪くも変わらなかったのが馬摘星である。思いついたら直情的で突っ走り頑固。だからこそ行動力があり、自分以外の事だと冷静に対処できる面もあるのだが、割と外す場面が狼仔/渤王に関する事が多い(夏侯伯への発言、怪物呼び、陛下に馬家軍再審請求、允王に剣投げる)ので、やらかし感がどうにもぬぐえない。

摘星が突発的に行動して、それを渤王や疾冲や遥姫が収拾を付ける……という展開ではあった。渤王や疾冲や遥姫の出来が良すぎるために、こういうヒロインがいないと物語が進まないのでしょうがないのだが。

馬摘星がいまひとつ掴みにくかったのだが、第47話の渤王と暮らし始めて元に戻った様子の馬摘星を見ていて、平静な時の摘星は物事の把握もでき思いやりもある反面、追い詰められた時に悪手ばかりになる点からも、激情にかられた時に「何を言い出すんだ?」というタイプの人っているよなぁと思えてからは割とすんなりと受け止められた。

星と狼仔の物語に最もこだわっていたのが馬摘星で、最後まである意味、渤王より狼仔が好きなんだろうな、と思わないでもない。第1話の狼仔を見ていると、それも無理からぬことではないのだが。

そして渤王も狼仔になれる自分の方が自分らしいと思っていて、狼仔を知らない遥姫ではなく、狼仔な自分を引き出してくれる馬摘星に心惹かれるのはもっともなように思えるのだ。

馬摘星と遥姫との友情も好ましかったな。

渤王が摘星を自分のように強くさせようとしていたのを、馬摘星に合う生き方ではないのではとは思って見ていたが、馬摘星が最後に凄まじい迫力で允王に立ち向かう場面は印象的で見応えがあった。渤王とふたりで向かう方が好みなものの、そこで流れた回想場面と音楽もドラマティックだった。
モチーフはで、赤い衣装が印象に残っている。

 

疾冲/川王 李炬嶢(肖戦)

最初の女好きで賞金稼ぎな姿をすっかり忘れるくらい、心優しい疾冲さん。疾冲で印象的なのは、第39話の馬摘星が目を覚ました時の疾冲の笑顔! 疾沖は優しい軽やかな風なので、いつだって目の前の人に一所懸命になるし、軍隊を率いるのも向いていないよね。

馬摘星の無邪気な少女時代に会っていれば(会っていてもおかしくはない外交関係ではあった)、軽やかな疾沖に真っ直ぐな摘星は合っていたかな、と思うけれど、摘星が狼仔と出会って背負った物により摘星が重くなりすぎて、これまたヘビー級な渤王としか合わなくなっていったように思える。

どこまでも良い人で最後までその姿を見ることができた事が、最終回の爽やかな印象に加味しているように思う。

疾冲が渤王と語り合う場面も良くて、このまんまブロマンスが始まらないかしらと思ったものであった。そんな場面が好きなせいか、疾冲が渤王へ愚痴りに来る場面も楽しかった。

疾冲のような人と旅に出ると、さりげなく気を配ってくれて心地良いだろうなぁ。朝の目覚ましタイムも楽しみだ。

モチーフは。なんと言っても追日とのコンビが良かった。

遥姫(辛芷蕾)・子神(白希)

第20話で遥姫が登場、李沁や辛芷蕾は『慶余年』といい、女主1と2になりやすいのかしら。撮影時期は『狼殿下』の方が早かったハズ。辛芷蕾は海棠朵朵のサバサバした感じの役が合っていると思っており、遥姫も辛芷蕾が演じると安心して見ることができた。第22話あたりでは、遥姫は毒々しいけれど読めない感じの敵役ではなく、割と手堅いキャラに思えてきていた。

第39話で遥姫を呼び出した時の渤王は、馬摘星に対する時とはまた異なった顔を見せており、遥姫が自分の見知っている渤王になってほしがった気持ちが分かるような気がしたものだった。

第40話頃には、疾沖も遥姫も一途に思っていて、ふたりでお酒を飲みながら苦労話をしてほしい位。でも最後にはお互い、馬摘星や渤王の自慢話になるんだろうな。

遥姫が自分の思いを胸の内に留め渤王に思いを伝えなかったのは、その方がヨイだろうなと思いながら見ていた。渤王は死に脅かされた競争の中で日々を送っており、当時は摘星に怪物と言われてしまった事もあり、人を慕う思いとは遠い世界にいたのだろう。
 生死を共にした渤王と遥姫との関係もまた、摘星とは異なる種類の絆で他にはないものである。第44話、そんな精一杯の思いをこめて「家族よ」と言った遥姫の表情が、今も目に焼き付いている。

モチーフは、OPでよくよく見ていると遥姫の後ろにでかい蛇の顔があり、蛇嫌いな人はぞぞぞとなりそうなリアルさよ。むしろドラマではのモチーフを見かけていたような。ネット小説で遥姫は蛇毒血という特殊な設定がなされていたからそれが使われたか。牡丹を好むから、そんな風に散るのかとミスリードもしたよ。
 礼をする時に遥姫の腕をクロスさせる仕草が好きだった。蛇のイメージなのかな?

子神も一途に遥姫に仕えていたね。「星」と呼ぶ渤王の言葉を慌てて誤魔化していた場面が好ましい~。

耶律宝娜公主(郭書瑤)

宝娜ちゃんのようなワガママお姫サマは中国ドラマでは割とよく見かけるタイプであったが、男装であそこまでスッピンになるのは潔いよね。衣装の色合いが鮮やかで、宝娜公主のファッションチェックは遥姫の被り物同様に楽しかった。

疾冲には幸せになってほしいので、宝娜公主とロマンスとなりそうな展開は賛否あるだろうが、ふたりが結び付くと溍と迄貚の平和は保証されるのよね。なんせドラマで宝娜公主は守り神

公主のモチーフはですね、騎馬民族ですからね。

溍王(石凉)と楚馗(丁勇岱)

そして疑い続けた人格者・溍王。疑っていたので、せっかくの良い場面だろう息子思いなエピソードも浸れなかったよ~。第1話を見ると、ちゃんと「正義(溍王)と悪(楚馗)」と言われていたけどすっ飛ばしていた。その疑いはいつも真顔な魏王 李炬祺(宮正楠)にまで及んでいたが、心配性で弟思いのお兄ちゃんなだけだった……。

悪の権化かと思った楚馗も、最後はお茶目な感じになっていったのは、役者さんの影響もあるのか。

楚有圭(林佑威)と楚有禎(王加一)

史実を知っていただけに、第二皇子 楚有圭をずっとアヤシイと思っていて、第一皇子が亡くなったのも第二皇子のたくらみかと疑っていたのよ。いきなりモード系な衣装になったのはSNSでざわめいたね。敬楚楚(郭媛媛)は善人すぎて気の毒な展開だった。思えばコチラも愛する人が父の仇なんよね。

第四皇子 楚有禎も良いコで、渤王に認めてほしくて張り切る場面も好ましいし、最終回エピローグの語りも良かった。柿が印象的だったけれど、このドラマは果物(梨、林檎など)を象徴的に取り入れていたね。王加一は『青春有你』に出演していたのか。

安心感のある史恩大総管(刘昊岩)!悩み相談にはピッタリなお人で場も和む。

夜煞隊たちが凄腕ながらも、渤王を慕い投狼壺でワイワイしていたのが好ましかった。文衍(張鑫)は渤王を支え頼りになったし、海蝶(赵崔玮)は察しが良く心遣いも細やかで、莫霄(马东辰)のあまり空気は読まず渤王贔屓な所と、3人のキャラが違って補い合っているのが良かった。

六野(蘇翊鳴)の活躍も小気味良い。紅児(黄楊鈿甜)は趙六野みたいにもっと奔走するのかなと思っていたよ。

馬摘星の義母の大夫人(胡小庭)って金夫人@陳情令だったのね。

 

狼仔から渤王となる主人公やヒロイン、それぞれのキャラが魅惑的な物語なので、宝塚の舞台で見たいわ~。このOSTが流れたら感激しちゃうよ。追日も是非、鷲な衣装で出て欲しいし、ロケットは狼たちでお願いしたい。


音楽も途中から『対立面』が、頭をぐるぐるし始めた! ラップ『我是誰』も待ちわびたし、『狼』も闘牛チックで印象的だった。第34話、皇女となった馬摘星と渤王が言い合う場面がラップバトルぼくて、ああ、そうか、好きな者同士で憎まれ口叩きあうのもラブぃ場面となるのも似たような感じなのかと思ったり。

BS放送時のSNSではイカ🦑、黒血=イカ墨、柿太郎、マツコさん呼びに笑えた。イカなのはOP曲の『我是誰』の歌詞が「イカモディディ/一个目的地」と聞こえる空耳アワーから始まったようだ。空耳アワータモリ倶楽部も終わってしまい寂しい限り…。ラップは本命ラップ、允王衣装は目がチカチカチェッカーフラッグとも言われていた。面白かったので記念に書き記しておく。

 

まだまだ狼殿下記事は続きます~。

 

 

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