笛の音と琴の調べ

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魔道祖師Q5話解説/禁言術は一炷香,四時読書楽,鹿鼎記

魔道祖師Q5話(第5集・安魂)は「安魂曲を試したら」。


魏無羨が、魂や精神を安らげる「安魂曲譜」を反対に笛で吹くと、どんな効果があるのか試すというもの。清心音ネタを座学編で実践。座学で笛は新鮮だなあ。

実際に魏嬰が笛を吹いてみると

  • 権高い金子軒は・・・
  • “春夏秋冬、勉学に向かない”と、まるでハメハメハ大王の子のような聶懐桑は・・・
  • “歩く藍氏家規”の藍啓仁にいたっては・・・

原作でもドラマでもアニメでも見たことのない姿になっている。
※風が吹いたら遅刻して雨が降ったらお休みする「童謡・南の島のハメハメハ大王」より

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この樹を見ると、懐桑のグルグルの樹だと思ってしまう

魏無羨は、もちろん藍忘機にも笛を吹くが、藍忘机は結界を張れるようだ。「机」のカケラが可愛い。線香が燃えるまで持ちこたえ、すると曲譜の術は魏無羨に返り討ちし・・・。


戒鞭でなくわざわざを持ち出すあたり~。
魔道祖師Qの藍湛は溜息をつくばかりである。

流れる水や木々の風景が美しい。


第1話に出てきたメタボ鳥は、聶懐桑の九官鳥(鷯哥)であった。聶懐桑に似て、美しいものが好きなのね。


聶懐桑がやおら読んでいるのは「尚書」。

尚書は「書経」の古名で、儒教の経典「四書五経」の五経のひとつで、中国古代政治における堯舜から秦の穆公に至る君臣の言行録である。


聶懐桑が吟じる

春来不是読書天

夏日炎炎正好眠

秋有蚊虫冬有雪

一心收束待明年

 

は、 漢詩『四時読書楽』を反対にした川柳のような詩『四時不読書楽』である。

四時読書楽』は南宋朱熹 元の翁森説もある による、四季を通じた読書の楽しみを詠んだ漢詩


線香の描写は時の経過を表わしており、線香1本が燃え尽きる時間を「1炷(ちゅう/しゅ)」と言い、これは座禅の単位でもあるらしい。

1回の座禅は1炷、すなわち45分位だそうだ。

昔は線香やお香で時間を測っていたとか。なんだか雅である。


そして原作小説「魔道祖師」にもこの【一炷香/yī zhù xiāngという表現はよく用いられており、中国語だと約30分位となる。

 

たとえば原作第7章・陳情令第2話でも、含光君が金凌に禁言術をかけた時に、藍思追が「抵抗しなければ、(一炷香で)自然と解けましょう」と説明している。

30分話すことができないというのはなかなかの術ですネ。

 

ハメハメハ大王の子の歌は、1:10あたり (2:26) 

WOWOW字幕版視聴

「安魂曲」という曲名自体が、「乱魄抄」の逆になっているのか。すべてがあべこべになるお話。

そのあべこべになった金子軒の「川の流れのごとく 絶えず君を敬おう」【魏兄 我対你的敬仰 簡直如滔滔江水 連綿不絶」が気になり調べてみると、チャウ・シンチー周星馳)主演の映画「鹿鼎记」が元ネタだった。
トルン(多隆)が韋小宝に「我对你的敬仰犹如滔滔江水绵延不绝」と言う台詞がある。「鹿鼎記」は金庸原作のコメディ調な武侠モノ。

この『四時読書楽』の漢詩をきっかけに、物語に漢詩が出てくるとせっせと調べるようになった記念すべき一話。

術にかかった魏無羨の口調がいつもと異なり、なんだかちょっと金凌にも似ているような。テキパキ早口だからかな。おしゃべりだけど、魏無羨の喋り方は流れるカンジのイメージ。
藍忘機がこの曲を聴いていたらどうなったんだろう、「すーん」というカンジになるのか、はたまた人目もはばからず魏嬰らぶになるのか~。2021.5.6追記

WOWOW字幕版2021年5月2日放送

吹替版声優

魏無羨にはいつも憎まれ口の金子軒cv赤羽根が褒め称えてきたり、使命感に燃えている聶懐桑cv花江、ゆるい藍啓仁cv酒巻なのが楽しい回。
術にかかった魏無羨cv木村も口調が違うのが新鮮だ。

 

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