笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「陳情令」「慶余年」「成化十四年」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

山河令登頂記感想/原作小説番外編の曹蔚寧,顧湘,莫懐陽

山河令登頂記

『山河令』全36話を見終えての感想である。

いや~、最後までどうなるか固唾をのむような面白いドラマだった。周子舒と温客行の美しさはもちろんのこと、脇のキャラもそれぞれ魅力的。

そして主役二人、曹蔚寧&顧湘、七爺&大巫以外は、誰が誰の側についているのか分からないハラハラ感があり、おおよそ敵味方がハッキリしている武侠モノの中では、サスペンス的なスリルがあった。

 

登頂して抱く思い

さて、ここからはネタばれ忖度なしでいきます。

見終って抱く思いは「寂寥感」。
そもそも彼らはいろんな事情でがむしゃらに突き進んだ道が、自分の望む道ではないとふと気づき、やり直そうとしている。突き進んだ道で成果を出しているが、手に掴んだものの空しさを抱いている。

そんな二人が出会い、基本的には仲がすれ違うことは少なく(多少あったけどすぐに戻っていた)、タイムリミット感はあるものの、終始二人が同じ思いであり続けた、というのは安心感があったのでツラさはあまりなかった。

そしてWOWOWでは「もうひとつの結末」(彩蛋)が付き、二人は神々となって戯れているのだが、物語を思い返すとどうしようもない寂寥感が心の中を吹き抜ける。

私がドラマの中で「えええっ」と思ったのは第9話の安吉四賢と、第34話の周子舒置いてけぼりエピソードである。

前半で仲睦まじい安吉四賢が後半には血まみれになっていたのは、復讐にひた走る温客行に一投を投じてはいるのだが、思い出してもやるせない。ひとり残された元盗賊の賀一凡、どうしているのかな……。

そして、周子舒ひとり知らなんだ白鹿崖。せっかく趙敬を成敗できて沸き立つ場面だと言うに、周子舒に共情しすぎて暗ーくなり祝宴も全く楽しめなかった。

そして顧湘も散り、周子舒と温客行は仙人になってしまった。この展開は彼らが犯してきたものの重さを思うと、人間として生き残るのは難しくはあるので、しょうがないのかな。中国ドラマは割とその辺りの因果応報は降してくる。だけど二人はどんな時も同じ気持ちであっても良かったじゃないか、そう思っていると、温客行が第20話で言っていた「もう遅い」を思い出す。

やはりこの物語は、少しずつ現世では「遅すぎる」な所はあるのかもしれない。それは顧湘と曹蔚寧もそうだったのか。だから寂寥感がつきまとうのだろうか。そんな事を考えていた。

 

山河令のファミリー感

さて、この山河令は原作『天涯客』がBLなので、ドラマでもブロマンスに挑戦するような表現があったようだが、私はふたりが師兄弟関係にあったと知り、すんなり納得してしまった口である。なのでふたりがハグしているのも距離感は近いなぁとは思うが、張成嶺もよくハグしていたし、そういう距離感の門派なんだ、位の認識で、検閲も通るだろうと思った。ブロマンスは視聴者の心地良い距離感で関係を捉えることができるのが良いところ。

なので、私が山河令で好きなのは三世代家族を感じた四人の道行きである。葉白衣のチート感のある強さと口の悪さと正義感も頼もしいし、張成嶺の「は鎹」感があり、なんとなく周子舒が旦那で、葉白衣が、温客行に感があるのも愉しいのだ。原作は異なると思うが。

こういう疑似家族のような関係は、師匠・秦懐章や秦九霄たち四季山荘、温客行と顧湘の感に薄情簿主の叔母感。四季山荘に入りたがる韓英も良かった。龍淵閣で龍雀のもとに、周子舒に温客行と張成嶺が4人で集ったのも親子世代を繋いでいて良い。そして意外なところで、蝎王と艶鬼の兄妹な感じも印象深い。武侠ドラマでは師弟の関係は濃くともあくまで師弟関係に見えるが、山河令ではそれが家族のように感じられた気がする。

腹立たしい莫懐陽も、お家の名声が大事なために、息子を殺すタイプの父像なのかな。曹蔚寧は張成嶺と並んで悪事に荷担していない数少ない善人だったから生き残っても良さそうなのだけれど、それだと顧湘が待ちぼうけをくらうからしょうがないか。

 

敵と味方

また、五湖盟や毒蝎が出てきて、武侠ドラマでワクワクするはずの五湖盟が単なる覇権争いになっており、むしろ蝎王や艶鬼などの方が魅力的だったのも面白かった。なんとなく所属チームで敵味方の判断をしてしまう所を、山河令では内部分裂が起きていて、一方は敵だが片方は味方だった、というのがミスリードを生みだし味わいを増していた。

いわゆる伝統的な武侠的な人は、ちょこっとだけしか出てこなかった門番(梁家仁)や畢長風(徐少強)、漁夫(沈保平)だったのね、そこに武侠で名高い俳優を揃えていた。

毒菩薩ちゃんが生き残ったらしいのは意外だったけれど、逞しく生きてほしいものだ。俏羅漢もクールな感じが好きだったので、途中から出なくなったのはなんでなんだろ。

なんといっても蝎王が強いくせに趙敬に健気なのが、滅びの美学のようで麗しかった。なんとなく孟婆湯を飲むのは蝎王で、趙敬にとどめを刺すのかと思っていたら、それはまるっと柳千巧が于丘烽にしていた。于丘烽は、不倫するフツウな男性像なのがなんとも言えない。

そしてみんなの希望、張成嶺。鏡湖派・四季山荘・龍淵閣を受け継ぎ、頼もしい存在である。温客行の料理も伝授されたのかな?

36話で終わった山河令だが、本来はもっと長かったという噂も耳にする。
龍淵閣のあたりから、急に話が台詞で説明調になり、もったいない思いになった。あれよあれよと話が展開するスピード感も良かったが、十大悪鬼の最後は映像でナレ死ではなく見せ場を作ってあげたかったなぁ。無常鬼が戻りたがり抱いていた恨みはなんだったんだろう?

 

好きな場面や衣裳

ふたりの場面で特に好きなのは、6話の川辺でたわむれるふたり。

温客行の衣裳は青緑色とピンク色。赤の差し色が効いている。周子舒のベールの付いた笠も好き。あと鏡湖派の館で、温客行がごろんと横になって現れた白衣装も美しい。

 

山河令の吹替版の声優キャスト

Blu-rayには全話吹替版も収録され、周子舒石田彰温客行諏訪部順一と発表された時に思ったのは、『東離劍遊紀2/サンダーボルトファンタジー』の婁震戒(ロウシンカイ)と殤不患(ショウフカン)が手を組むの!?という事であった。いったいどんなふたりになるのだろう??

顧湘久保ユリカ。『はたらく細胞BLACK』の血小板ちゃん……見た目は違うけど確かにキャラは似ているかも~。

いずれ吹替版トレーラーが発表されるのかな。楽しみ♪

 

原作小説 番外編

原作の番外編をざざざっと読んだら、こちらではBLしていて、なんだか微笑ましい温客行と周子舒。ふたりがいつまでも手合わせ(と張成嶺は思っている)のを張成嶺がうかがい、「しょうがないなぁ」と思っているのにもクスリと笑ってしまう。

また、同じ発音であるゆえに「船chuán = 床chuáng」という暗喩があると知り、2話でふたりが戦っている鏡湖派の花咲く場面の横に、廃船があるのは何?と思っていたが、なんとなく察して合点がいっていた。

そして、先に逝ってしまった曹蔚寧は、淡々と師父・莫懐陽に殺された事を鬼差に

正邪は相容れず、嫁は鬼谷の悪人と言われ、彼女に付いていった私も過ちとされ、師父は怒りにかられ、体面が保てず引っ込みがつかなくなり、張り殺したのです。
「灰は灰に、塵は塵に」と言うのをずっとこちらで聞いていて、"多くの恨みも、もう何も憎むことはない、埋葬され往生したのだから、憎むほどのことはない。自分を困らせるだけじゃないか? "と思ったんだ。

と語っており、恨み憎むワケでもないその鷹揚さに、曹蔚寧をあらためて感じてドラマを思い出していた。

その上、奈何橋で顧湘を待とうとしていて、顧湘の年取った様子を想像している

曹蔚寧は微笑んで、物寂しい胡鬼差の独り言を耳にしながら、来し方をみやって、阿湘がおばあさんとなりここへ来て、会ったらどんな様子だろうか? と想像した。きっと精力旺盛体力みなぎる老婦人で、キビキビてきぱきとしていて、彼女は……。

そこへ顧湘あらわる
がいいのだ。

 

コンサートで皆が揃う日が、日本にも来ますように。

 

 

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