20話
尚明は「東廠は西廠の祖父も同然、万通の証拠を出せ」と説くが説得力ゼロね 突然、演技派な汪植は「弔いたい」と「養いたい」。なんだか慶余年を観ているせいか、この皇宮は平和だな。
隋州は弓も達人なのか、犯人は張料理人だった。かの宦官 王振は先帝(英宗)に親征を勧めオイラトの捕虜となった。
唐泛は賀琳もあっさり成敗。子豚~~~~!の丸焼き……。あっさりと。
汪植が「墨を擦らせるのは2人だけ」とも言わせてもらえない唐泛との関係も良い。この扇、牢で手作りしていたものよね。
汪植が提案した詩は、唐泛には功名心が強いと言われる。
唐 邵謁(しょうえつ)『送从弟长安下第南归觐亲』
丈夫志不大,何以佐乾坤。
志大ならずんば何を以てか乾坤を佐けん。
唐泛が書いた詩は
《荀子·宥坐》
居不隐者思不远,身不佚者志不广
居隠ならざる者思遠からず 身佚せざる者志広からず
汪植は扇で唐泛を陛下に推挙。手がこんでいるな。
逆賊の禁書「三煞截鬼経」「照仙炉経」「翻天掲地捜神記」は、成化10年に禁じられた白蓮教の経典。万貴妃の青い襟立て衣装、綺麗ね。
飛魚の刺繍は欽定の印。罷免された隋州に、唐泛は「隋唐小館」という料理店を開こうと提案する。隋唐……。
BTSは料理名ゲーム。
唐泛:番茄炒蛋(トマトと卵炒め)、麻婆豆腐、蒜泥白肉(にんにく味のゆで豚)、麻醤面、紫菜蛋花湯(海苔と卵のスープ)、花椰菜(カリフラワー)、桂花糖、北京烤鴨、鶏排(フライドチキン)、葱爆兔肉(兔肉とねぎ炒め)
汪植:糖醋里脊(酢豚)、清炒白菜(白菜炒め)、地三鮮(3種の野菜炒め)東北料理、炸醤面、小炒肉(唐辛子と豚肉炒め)(と飛ぶ)、醋溜大白菜(白菜の甘酢炒め)、大白兔奶糖→紅焼肉(豚の角煮)、回鍋肉、油爆虾(エビの揚げ炒め)、椒盐白条(小魚の塩胡椒揚げ)、上湯餛飩(ワンタン)
隋州:五花豆腐(豆腐と肉の炒め煮)、相濡以沫(双魚の蒸し煮)、胡辣湯(河南風胡椒スープ)、百叶豆腐(押し豆腐)、豆絲炒面条(細切り豆腐炒め)、状元糖、白切油鶏(ゆで鶏)、烤全羊(羊の丸焼き)、珍珠奶茶、卤豬蹄(豚足煮込み)、面、で完了~~~。
21話
唐泛が断ってからのハサミの場面にドキッとしていたら、二男坊 余正麟は僧侶になっていた。
汪植の胡麻おこし(芝麻糖)でつられる冬児、唐泛が仮病の時のそれぞれの内心が楽しい。唐泛は婚礼に生前葬までお芝居。
汪植に「国のために命を捧げた」と哀悼の詩を詠まれ、根負けする唐泛。
青山埋忠骨 碧血染长英
青山忠骨を埋め 碧血墓石を染める
屈原『楚辞 九歌 国殤』
诚既勇兮又以武,终刚强兮不可凌。
身既死兮神以灵,魂魄毅兮为鬼雄。誠に勇敢であり、くわえて武略に優れ、最後まで頑強に抵抗して、屈服させることができなかった。
肉体は死んだが、その精神は超越的な力を具有し、あなた(国殤)の魂魄は、死者たちの頭目となられた。
小南一郎「楚辞」2021 岩波書店
国殤は、戦いの中で国のために死んだ兵士の霊を言う。その魂を慰めようとする鎮魂のもの。
青山有幸埋忠骨,碧水无弦颂英雄
青山忠骨を埋める幸あれど 碧水英雄を頌える弦なし
上の句「青山~」は宋の武将 岳飛の墓聯にある。
尚方宝剣は奸臣が斬れ、皇帝が有する剣で、賜わると皇帝に準じた権力を行使することができる。
丹書鉄券は命を守れる、君主が臣下に対する誓約の鉄製割符で、本人や子孫の罪を減免することができる。
結局皆で一緒に行くのね。そしてあっさり捕まる。
『中庸』
喜怒哀乐之未发,谓之中;发而皆中节,谓之和。中也者,天下之大本也;和也者,天下之达道也。致中和,天地位焉,万物育焉。
喜怒哀楽の未だ発せざる之を中と謂う。
李茂:この「中」は内心に偏りがないことを意味し、中央に位置することを説く。
唐泛:ここの「中」は内心にすぎぬ。「発して皆 節に中る」の「節」を、朱熹は礼節と説く。さもなくば動詞が続き意味が通らぬ。「節に中る」の「中」が偏らぬことなら、「之を中と謂う」の「中」も中央を意味しない。「中庸」の「中」は中央だけでなく正しきを説く。論語からは正直こそ孔子の最たる品格と知る。過ぎたるは及ばざるが如し。中庸は節制や無為より誠実で客観と考える。
李茂登場。馬林が銀鉱を見つけた。逃れてきた者達の集まりのようだ。
李茂が言う。
士不可以不弘毅,任重而道远.仁以为己任,不亦重乎?死而后已,不亦远乎?
士は以て弘毅ならざるべからず。仁以て己が任と為す。死して後やむ また遠からずや。
馬林登場。重陽花糕と鴨と火ハムの鍋(火踵神仙鸭)を供して食通だった。
執事 馬入富。親切なのはアヤシイ。そういえばこの太監(万安)も姓が万なのか。
BTSは3人の1週間。
22話
知県として赴任した唐泛へ、曾鞏(そうきょう)の局事帖を贈るのはワイロではないのか? 曾鞏は唐宋八大家の一人。62歳の時に同郷人に宛てた手紙で、曾鞏の孤本墨跡。
曾鞏『局事帖』
题识:局事多暇。动履禔福。去远海诲之益。忽忽三载之久。跧处穷徼。日迷汨于吏职之冗。固岂有乐意耶。去受代之期。难幸密迩。而替人寂然未闻。亦旦夕望望。果能遂逃旷弛。实自贤者之力。夏秋之交。道出府下。因以致谢左右。庶竟万一。余冀顺序珍重。前即召擢。偶便专此上问。不宜。巩再拜。运勾奉议无党乡贤。二十七日。谨启。 印文:曾巩再拜
宝刀は英雄、頬紅は美女に。さすがに女性攻撃を唐泛が拒まないのは馬殿を誘い出すためか、そういう腹芸もできるのね。馬殿は益々アヤシイ。唐泛は綺麗な水色衣装、隋州は冬児に趣味が悪いと言われる服装に……。
誰かと思ったらあの陳将軍か。馬林の息子 馬元総。不正は、馬殿というより朝廷をも含めた組織的なものか。酔っぱらって雪頂酒を欲しがる唐泛。
万安は汪植に陳鉞に騙されたと告げる、こちらもアヤシイ。万安の家の池もアヤシイ。 軍用金の銀も水増しされている。唐范「君子には」馬林「二言なし」。
BTSは弓比べ。
23話
李茂が煽ったと。唐泛が目隠しして女性達を追いかけっこなハズが、捕まるのがなぜ隋州~~。
移り変わりは浮世の習い、隋州は道が違えば共に進まずと去ろうとするが、路上で唐泛の真意を聞き、今度は隋州が芝居をする羽目に。
賈逵は澄に点穴を教えるのね。万安は銀を金に換えて池に沈める。マルサの女に出てきそう。唐泛は羊汁の作り方を隋州から聞き出そうとし、怨女呼びしている。桂花糖2袋で成功。羊汁の仕上げに華麗に胡椒を飛ばす隋州。西山の梨。周皇太后も万貴妃も戌年生まれ。史実を調べたら1430年生まれの同い年だった……。
鶏缸杯。詳細は次回に説明。ドゥルラは唐泛から、山羊は皮ごと煮込み、臭みも調味料で消し仕上げに胡椒を振ると教えられ、店は大繁盛。羊肉も。
BTSは唐泛と隋州。
▼丹書鉄券が出てくる。
外部サイト
▼第17話~第32話収録