10話最終回感想
何珊は米国へ渡った徐欧と別れ、それっきりとなる。
その後、費可から友達申請があり、費可の結婚式を最後に連絡はなかった。しかし2年も経たず、費可を捜す人が現れた。
それが陳会長の運転手の劉漠? 陳佳佳が話していた好きな人ってもしや……!!
陳佳佳は実にワガママお嬢さま。シンガポールで見合いするのを嫌がり、劉漠の家へと転がり込む。ふたり抱き合いヨイ感じになったところで……パパの陳会長が来ちゃったよ。
劉漠は5年運転手をしており、月8000元の月給。うわっ、陳会長があんなゴツい物で殴りつけたよ。陳佳佳越しに見える模型のクルーザーは、現在、皆が乗り込んでいるクルーザーだね?
劉漠は費可に「龍記の料理には唐辛子とライムをお忘れなく」と陳佳佳の為に申し送りしてるよ。
ネットニュースで陳佳佳が例の交通事故に遭ったことを知る劉漠。
費可が所持していたのは7台の携帯。そこから今回呼び出した人物たちを割り出したのね。
劉漠は「罪の大小や恨みの深さに関わらず、法で裁くべきだ」と主張。わりと中立なスタンスな劉漠くん。
空港から何珊に電話したのは、「声が聞きたかった。君の声を聞けば、高3の時に戻れる気がした」と答える費可。
空港で何珊に渡されたUSBは、費可が過去を記した日記だった。
費可が何珊に「12年前に通報したのは君か?」と尋ね、「誰も信じずに、己を証明するため存在しない敵と戦い続けた」と語る。
費何は「僕は全員を騙し、自分も裏切った」と。
陳会長は末期ガンであり死なば諸共とばかり、クルーザーをドリフト走行。
何珊がクルーザーから落ちた!助けに行く費可(李沢瑞)。
あぁ、沈んでいくよう~~~。
回想で過去へ戻っていく費可(李沢瑞)が辿り着いたのは、高3のワールドカップのTシャツを貰ったあの校舎の屋上?
救急車に乗せられる何珊、費可(李沢瑞)は人工マッサージを受けているが、死亡と診断された。
過去へと戻る回想で、
程浩はマンションへ帰り、愛猫ゴールドに出迎えられている。
蘇倩は会社で夫の趙社長と、机越しに視線を交わしている。
張萱は、寮の鏡に映った整形前の自分を見つめている。
劉漠は運転している。
陳会長は陳佳佳の花嫁姿。
これらは登場人物たちの、戻りたい過去の地点を表しているのかな。
かつて何沢瑞が校舎に書いた文字も、今は年月が経ち見えない。
何珊が「まだ人生を変えることはできるのか?彼はその答えをもう出せない」とパソコンに打ちこんでいる。
陳樹発は傷害や監禁の他 違法採掘罪で終身刑。
程浩はインサイダー取引で懲役10年と罰金。
蘇倩は業務上横領罪で懲役10年および財産没収。
誘拐犯も監禁罪で懲役3年。
費可は被疑者死亡により不起訴処分となる。
(完)
翻訳:コンテンツセブン
ドラマ完走記
費可の詐欺行為が語られ、その後、その話は費可の日記から覆され、やりきれない費可こと、何沢瑞の過去が語られ、レストランで他人の食べ残しを李沢瑞が泣きながら食べていた第8話が最高潮だった。
相手によって様子の変わる井柏然の演技も見所のひとつ。
第9話の費可の誕生から、嘘がバレるまでは怖いもの見たさの世界。想像より軟着陸し、第10話では陳佳佳の相手な運転手の劉漠の過去が分かるのだが……。
最後は法に委ねることが説かれ、費可は李沢瑞となって何珊を助けて死に、残った人たちは法に裁かれてチャンチャンという……えらぃ説教くさい話になって白けたんですけど。
話を真実だと思って見ていた前半から、物語が裏返るところはちょっとそう来たか感はありつつテンポは良かったのだが、最後の最後で大暴落よ。ま、法の裁きの啓蒙活動だからしょうがないか。
私的には、死亡診断を受けたとおぼしき費可が、最後の最後に「棺の中でカッと目を開ける」場面で終わったら、かなりセンセーションだったんだけどな。
詐欺した資金を費可の頭脳で投資しまくり、相当貯えはあるハズ。周囲の人を抱き込み、そのまんま海外へ高飛び……という可能性もあったとは思うけど、それではドラマがお蔵入りしてしまうわね。
人が語ることの限界
そもそもあの「実は……」話も、費可の目線でしかなく、真実とは限らない。
とはいえ、人の物事の捉え方というのは、百人いれば百通りになるワケで、そういう意味では、語られる話の真実、というのは人の数だけあるのかもしれず。
自分可愛さに話を盛ったり歪曲しているのはまだ理解しやすいのだけれど、中には陳会長のように歪めて本当にそう思い込んでしまい、他人にもそのように伝えるので、言われた方はその勢いに信じてしまうという事も起こりえるのが、結構コワイのだ。
そんな中で娘の陳佳佳像は3人から語られており最も的確に描き出されていたように思う。費可と劉漠から語られた陳佳佳は相当なワガママ娘であることは確かで、劉漠くんは良き男子とは思うけれどいかんせんお金がなく、ふたりがカップルになるには陳佳佳がガンガン稼げれば別だけれど、経済的な価値観で大丈夫かなぁ?とも思ったりする。
集められた人々
思えば集められた5人中、費可に好意を持っているのが4人だったので助かったんだね。わりと中でキーパーソンだったのは程浩さん。陳会長がメッタ刺しするのを止めたのは彼だけだった。この中で法に委ねられると困るのは、程浩と蘇倩(陳会長は死ぬ気だったので除外)。このふたりが陳会長に付けば、自分たちは罪に問われる事はないワケだが、そうはならなかったのは、それだけ費可への情があったのだろう。
そして運転手の劉漠も大きな存在だった。費可が陳佳佳を尊重した事が大きかったのかな。あの中で一番マトモな人物に思えた。
蘇倩さんにはキビシイ判決になったけど横領だしね。費可が蘇倩に手厳しいのは、義母が不倫相手だったというのもあるんかな。蘇倩さんにはあの夫の趙社長もいるし、出所後はふたりでやって行くのかな。
そして元バレリーナの張萱、費可が惹かれたのは高校時代の何珊の素朴さと通じる所があったからかな。青春時代の心残りをやり直すハズが、張萱がお金になびいていったのはツラかっただろうな。それだけ李沢瑞は何珊が好きだったんだね。
その何珊が高校時代に警察から聴取を受けた時、警察官が事件の内容を知らせずに聴取してくれていたら、何珊はただ真実を話しただけ、になるから良かったんだけどな。何珊は勘も良さそうだし、黙ってあげてほしかったなぁ、とは思う。その罪悪感が今回関わることになった動機ではあるんだろうけど。
何沢瑞と義母
何沢瑞が義母の申し出をキッパリ断り、大学進学と同時に独立できれば良かったのだけれど、中途半端に家族の一員となった情があったんだろうね。
そして答案用紙を書き終え、ふとあいたその間に、過去にされた仕打ちが蘇り……。
この流れは納得できるけど、自分の受験年で試験会場に行くのは、知り合いがウヨウヨしており、推薦入学なのにナゼ?と思われそうな気はしてしまうかな。
しかし大学進学できていても、父の難病にお金がかかり、義母に無心されて、それはそれで何かに手を染める可能性もあり……。
前途は多難な李沢瑞くんではある。
デューラーの祈る手
第8話の兄弟替え玉を見てから、第4話のアルブレヒト・デューラー話を聞くと、胸が痛むよ。デューラーの兄にはならなかった費可。まぁ、そもそも弟クンの李沢天の出来はイマイチだったのだが。
この「デューラーの祈る手」の逸話は、日本では友人ハンスとの物語として知られている。
ハンスがアルブレヒトに仕送りして絵の勉強を助け、アルブレヒトが名を成しドイツに帰ってきた時には、ハンスは鉄工場の労働で絵を描けない手となっており……。自分を責めるアルブレヒト、ある時、アルブレヒトはハンスが神に「アルブレヒトが自分を責めないように。夢を叶えてくれますように」と祈っている姿を見かけ、それを描いたとされている。
最初、この話を聞いた時は「ふたりは友人だったのかぁ」と心温まっていたが、さすがにハンスの祈る様子には、ドラマ『宮廷の諍い女』や『軍師連盟』を視聴してきた身には信じがたく、まだ「アルブレヒトを羨む気持ちを変えられるよう、力をお貸しください」とかなんとか祈っていた方が現実的に思えてしまう……。
この話には、兄弟という説や、教会布教の説法という説もあるらしい。
そして先日、ドイツのニュルンベルクでデューラーの家を訪問する機会があり、そこで『祈る手/The Praying Hands』(1588)の複製図と共に解説があったのです。
それによると
時を経て、このモチーフは崇拝の対象(a cult object)となりましたが、元々は祭壇画のための使徒の手の習作でした。フランクフルトの織物商人ヤコブ・ヘラーの依頼を受けた祭壇画は、1724年の火災で焼失しました。同じ画布に、デューラーは使徒の頭部を描きましたが、後に切り取られました。左下隅には、肩の線が今も見ることができます。
とあり。
やはし祈る手の逸話は、その後の創作という事でいいのかな。
それを踏まえて、ドラマの最終回の道徳的な終わり方を見ると、それは逸話にすぎず真実かどうかは分からない、というテーマを表しているようにも思え、ドラマに「デューラーの祈る手」を取り入れてきたのは興味深い。
ミュンヘンのアルテ・ピナコテークでは、デューラーの《自画像》《四人の使徒》等も見てきました。
ちなみにこの絵はウィーンのアルベルティーナ美術館に展示されているのだとか。可愛い《野うさぎ》と併せて、見てみたいものです。
外部リンク
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