瓔珞46話メモ
・連環の計:兵法三十六計の三十五。『山河令』22話-7で解説。
瓔珞は純貴妃に盗品で仕返しする。
爾晴はホラー、濃緑キャミソールに股引(←違う)みたいなのが下着なのか。令嬪は時流が読め、傅恒は自分に厳しく古い物に愛着を抱く…と。小路子(马启越)は手先か。
瓔珞と傅恒が二人いる所に出くわす皇上。瓔珞が申し開きをしない時は以前にもあったな。またも幽閉される嘉嬪。そしてまたも冷遇される瓔珞。
瓔珞47話メモ
・博爾済吉特氏(ボルジキン)を貴人に封じる:清朝で最も高年齢の30歳で後宮入りした多貴人(のちに豫妃)。
・広東糧驛道で明福は3万両の賄を受けたが、広東巡撫の岳浚に救われる。捜査に当たった劉統勲は過労で吐血。駐西蔵大臣と都統が殺され、浙東には大干ばつの予兆。張廷玉は太廟に祀るよう奏上する:張廷玉の件は1749年かな?
小全子が瓔珞傘下に加わる。瓔珞は「後宮は裏切りと弱い者いじめが常で、妃嬪は伽をするだけ」と言っている。
そこへ復讐相手の純貴妃が現る。流れるED曲『雪落下的声音』。
炭を手配できる小全子、と思いきや海蘭察の手配か。明玉、もう嫁に行け~~、と思いきや松柏香入りの炭や百木菟(びゃくずく)と白檀入りの軟膏は傅恒の手配だったのか。そうか、蘭と韮、蘭=純貴妃とばかり思っていたけれど、海蘭察の名前にも「蘭」が入っているわね。
うわ、瓔珞が丹精込めた刺繍も繍坊の仕事にされている。傅恒と海蘭察の手合わせもイイぞ~。そして傅恒は皇上にモノ申す。
久々の和親王は緑衣装。皇后の髪飾りは豪華ね、そして和親王を煽る。繍坊の張さんも名前だけだけど懐かしい~。和親王も牙を剥く。
メラメラと燃える炭と皇上の嫉妬心? 主題歌『看』が流れる中、皇上と李玉の抜き足差し足忍び足も懐かしいな。呉書来が炭を届ける。瓔珞はくるくる一回転。皇上を決して裏切らないと言う瓔珞。
瓔珞48話メモ
・弘皙(せき)の謀反も阻む:康煕帝の廃太子となった愛新覚羅允礽の子で、1739年の出来事。
・烏金硯:古硯の名。燕畿の梅山産。
・凧に書かれた、元代の散曲。
『水仙子 喻紙鳶』
絲綸長線寄生涯, 縱放由咱手內把。
紙糊披就里沒牽掛, 被狂風一任刮。
线断在海角天涯。收又收不下,见又不见他。
知他流落在谁家?1本の糸に生涯を託す、逃がすも放すもあなた次第。
骨組みは頼りなく、風に任せて飛ばされる。
糸が切れればはるか遠くへ、取り戻すことも再び会うこともできず。
誰の手に渡ったか知る由はない。
・純貴妃が傅恒に言う~君子は人の美を成す。
『論語 第十二 顔淵 十六』
子曰、君子有成人之美。不成人之悪。小人反是。
老先生の教え。教養人は、他者の美徳を褒めて勧め、さらに高めて達成させるし、悪名があれば忠告してやめさせそれを消滅させる。知識人はこれと全く逆のことをする。
加地伸行「論語」2009年 講談社
・安寧が税を横領、滸墅関(こしょ)を任されていた3年間に税を上げていた:滸墅関は蘇州にある。
皇上の頬をあっちょんぷりけできるのは瓔珞位ね。
傅恒は長春宮で引き止められたのも瓔珞の策の内と、青蓮に解説している。これも一種の「知己」というものなのかしら。。。
蘭の花は簡潔な筆遣いで描き、墨色が薄いほど趣深いと言う皇上に対して、瓔珞は華やかなほどいいと反論。皇上、骨抜きね。『鵲華秋色図』の印影の数は40以上。李玉と徳勝のやり取りも愉しい。
音の出る灯籠は紙で膜を張り、草の簧も仕込んだもの。嫻皇后は「武官は戦勝を求め、文官は民生の安定を図り、妃嬪は寵愛を競う」と言い、「令嬪は自分の才覚でのし上がり、男ではないのが惜しい」と話す。
令嬪のした事を説明してくれる妃嬪たち。
婉嬪 陳氏:明の女官に倣い、梅の飾り切りを作ろうとして梅酒になった。
瑞貴人 索綽羅氏(ソコロ)(付小雨):蹴鞠で青い漢族の衣を作る。明を滅亡に追い込んだ袁貴妃に倣う。
慶貴人 陸氏:梅の花を模した簪を女官に飾らせる。蟷螂の絵を書斎に飾る
純貴妃:妃嬪は陛下を楽しませるもので、貢物について述べる。琉球国からの布や扇、安南国からの香木や漆の扇、露西亜からの毛織物や白絹、蘇木。
なんだかんだと梅なのが富察皇后思い……。梅酒になったのは、皇帝を酔わせたという意味かな。袁貴妃は、明代最後の崇禎帝の寵妃で、周皇后との関係も良かったようだ。この時代、琉球、ベトナム、ロシアから朝貢を受けている。
令嬪が令妃に封じられる。
青蓮が冤罪に遭う。妓楼……イヤな予感しかない……と思っていたら、やっぱりそうか。ここで瓔珞ならば自害せずに逞しく生き抜くのが、青蓮との違いかな。
瓔珞49話メモ
・離縁事由の七去:姦淫、多言、嫉妬。残りは不順父母、無子、有悪疾、窃盗。夫側から妻を一方的に離縁できる理由であって、逆はない。
・霍蘭部(フォラン)が反乱を起こし、招撫使が殺された。緑営千人が全滅し、兆恵将軍(ジョーホイ)が苦戦し黒水営で包囲されている。雅爾哈善(ヤルハシャン)が罷免された。霍頓(フォトン)に軍営を水浸しにされ苦戦、傅恒が援軍を率いて兆恵将軍と呼応し敵5千を討った。兆恵将軍は落馬し脚を負傷、傅恒は霍頓を追うも行方がつかめない。霍頓は狡猾で敵を誘導することに長けている。傅恒が敵を殲滅させるも、霍頓は逃げた:落馬した令妃は兆恵将軍なのかしら……。
・木蘭囲場:河北省にある草原。清朝の皇室狩猟場。
・広儲司:内務省の蔵にある銀子、磁器、皮、絹、衣、茶の出納を扱う。
・黒龍潭で祈祷:北京東部にある滝。
・直隷総督 方観承(ほうかんしょう)の奏状では、東光、武清など43県、山東済南でも虫害が起きている:平郡王の幕客で、乾隆帝の五督臣の一の名臣。
・雲南総督 碩色(ソーセ)の密告では、陛下を誹謗した翰林院 孫嘉淦(そんかかん)の詩が広まった:史実では1751年のことか。孫嘉淦は三代の皇帝に仕え、諫言を恐れなかった。
石菖蒲は何の効能だろ。傅恒は青蓮の真心は伝わっても、来世の約束は軽々しくしない。離縁状は休書なのか。
爾晴の、自分を不快にさせた相手はひどい目に遭わせる、というのは、紫禁城では当たり前のようになされていた悪しき伝統。なので宮仕えが爾晴を作ったとも言えるが、富察皇后からは何も学んでいないのね……。
再び死んだ目の傅恒。
食事時に立って待つのは疲れちゃうと駄々コネ令妃。筆洗い、懐中時計、翡翠の碗をおねだり。なりたいのは果てなき空を飛ぶ海東青で番犬ではない。
令妃と出征する傅恒は、見つめ合うだけで通じ合う。袁春望の元に小全子が金子を届ける。
第五皇子の咳を川貝で治療しているところに、人参を贈る純貴妃。愉妃は第五皇子の薬の便宜をはかってもらっているのか。
カッコイィ所を見せて馬上デートにご機嫌な皇上、馬から落ち右腕負傷の瓔珞。皇上も腕を負傷。
瓔珞50話メモ
・永琪が書いた書:「思無邪」は、『詩経 魯頌 駉篇』の一句で、馬がまっすぐ前に向かって駆けていくときの勇壮な様子を表現したものとある。49話で馬が出ていたのも面白い。
子曰、为政以德。譬如北辰居其所而众星共之。
子曰、诗三百、一言以蔽之、曰、思无邪。先生がおっしゃいました。「道徳で国家を治めることは、北極星が自分の位置から動かず、他の星々が北極星の周囲を回るようなものだ」。
先生がおっしゃいました。「詩経の三百篇は一言で言い表せる。すなわち、感情の真実の発露でないものはないということだ」。
周春才「マンガでわかる論語入門」2012 日本能率協会
放った先は鐘粋宮。皇上は純貴妃に、賢者は些事にこだわりがち、足るを知らねばすべてを失うと。まあ純貴妃は富察皇后の件があるからなあ。
愉妃は瓔珞に、寵愛を受けない妃嬪の顔色をうかがうだけの寄る辺なさを語る。幼子を盾に愉妃も成長してるわね。第五皇子永琪(えいき)、賢そうなお子だ。
嫻皇后は、厳しい母から父は守ってくれていたと語る。浙東省の那爾布は最後にひと目と不吉な事を言う。救援米を懐に入れていたと。孫殿を侮辱した者は斬首刑。
皇太后は那爾布は忠臣だが民の暴動を起こし能力がないと言い、皇帝を守り、履親王や平郡王や皇族を脅かしたくない。この回は、母が皇子を守ろうとするお話。
那爾布の所だけが騒動になったと聞くと、ああ……と思ってしまうよなぁ。この職務に向いていないのだろうから、もっと実直にこなしていれば良い部署だったら良かったのに。嫻皇后の賢さは父由来ではなさそうな。そして皇后母はそんな夫にイライラしていたのかな。家族運がない嫻皇后……。
▼連環の計について
外部サイト
▼第43~第56話