笛の音と琴の調べ

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陳情令最終回ラストエンディング50話 日本版/中国版/WeTV特別版の違い・感想

話題となった「陳情令」最終回ラストエンディング。
最終回放映終了後のツイッターでは、この日本版と、既に放送された中国版ではエンディングが違う!と沸きたっていたものである。

日本版・中国版・WeTV版の違いと、その場面について詳しく取りあげてみる。注)WeTV版は現在は公開されていないようです。

日本版では

①山上での別れ
②雲深不知処の崖上で魏無羨が笛を吹き「魏嬰」と呼びかけられる
聶懐桑との会話と、仙督になった藍忘機
④雲深不知処の滝で二人合奏と誓い
となっている。

日本版EDは
同じ誓いを胸に二人並んで大団円ジャジャーン
という物語を締めくくるにはふさわしい終わり方である。

中国版

④二人の合奏と誓い
聶懐桑との会話
①山上での別れ
魏嬰が笛を吹き、呼びかけられる
となっている。

実際に見てみると
④合奏場面の受ける印象が大きく異なってくる。

琴を弾きながら魏無羨を見る藍忘機のショットが、日本版では静かに嬉しそうに微笑んで見えていたのに、
中国版だと、このあと離れる、と思うせいか切なさを帯びているように見えなくもない。同じ表情のハズなのに・・・。

滝での二人の誓いも、中国版は置かれた立場は違うけれど、それぞれに誓いを果たすということを際立たせているように思える。

一方、日本版では共に手を携えながら誓いを果たしていく、という「共に感」が増して見える。

WeTVの特別版

④二人で合奏と誓い、であっさりと終わり。

他は③の聶懐桑の台詞が、観音廟での最後、聶懐桑が金光瑶の帽子を拾う場面に重ねられているだけである。
笛は?笛はどこへ??。

★    ★    ★

 

WOWOWリアタイでこのエンディングを見ていた時は、魏無羨たちが藍思追と温寧を見送ったあと、「藍忘機が一緒に行かない」となった所から、場面展開が多くてついていくのにいっぱいいっぱいであった。

そもそも、つづく山上の別れ場面で、魏無羨の首の傷跡や服も変わっているのに初めは気付かず、観音廟の後すぐに別れたのかと思っていたが、傷が治るまではしばし一緒にいたのね。

 

山上の別れの場面は

魏無羨の【青山不改】の口調が、
陳情令第29話の乱葬崗で訪問してきた藍忘機を見送ったあと、阿苑と手をつなぐ魏無羨が口にする
【管他熙熙攘攘陽関道】
「みんなが輝かしい道を歩もうと」
と似ている。

そして第50話の山上で、藍湛が魏嬰を見送ってから一人歩き始める描写にも、さきほどの乱葬崗で、藍湛が魏嬰の言葉を聞いてから歩き始める、別れの場面が思い出される。

第29話の乱葬崗は
雪の鬱蒼と暗く繁った枯れ木の中
だったが、こちらは
晴れて見晴らしの良い山の上
という対比になっており、行く末の明るさも感じられる。 

 

青山不改 緑水長流 後会有期

山の上で二人が離ればなれになりながら、魏無羨が藍忘機に告げた
【青山不改 緑水長流 後会有期】
「茂る草木は変わらず、水は絶えず流れ続ける、またいつか会おう」の言葉。
武侠
「絆は変わらず続く、また会おう」
と言った意味合いでよく用いられる言葉である。

またここでは
青山=藍湛
緑水=魏嬰
(設定資料集でも、藍氏は五行の、江氏は、に当たると説明されている)、すなわち
『藍忘機は変わらずそこにいて、魏無羨が流れ着き、また会う』
と言っているように私には思えて、穏やかな気持ちで見送れた場面である。

 

そしてその後、藍忘機が笛の音に振り返る場面は、これはまだ
山上での別れに続いていたという事が、魏嬰の「今度会う時まで曲名を考えておけよ」という言葉で分かった。しかし一瞬
②魏嬰の笛に続いているように思え、すぐに迎えにいったのか?と、初めて観た時は少し戸惑った。


★    ★    ★ 

中国版エンディングの主題

中国版EDは
陳情笛、すなわち
主題歌『忘羨/無羈』をメインにしたストーリーに思える。

魏無羨の笛の音に呼び寄せられる藍忘機。
ドラマ第2話では、魏無羨が
背後から藍忘機に腕を掴まれての再会だったけれど、今度は
背後から藍忘機に名前を呼ばれての再会。
そしてふりかえった魏嬰の何とも言えない表情が心をうつ。

しばし音楽が途切れたあと
最後のフレーズを『無羈』オーケストラ曲が流れて壮大に終わる
のも乙ではある。『無羈』は『忘羨』の中国でのタイトル名です。

こちらは余韻を残すエンディングで、人気があるのも分かる。

魏無羨の服
①山上での別れ③滝の合奏④聶懐桑との会話
の場面で同じという点では、やはり中国版が本来のエンディングなのかなとも思われるが、それぞれに変えてくる、という演出もニクい限り。
中国版EDは、陳情令Blu-ray第3巻の特典DVDで見ることができますよ。
振り向く前の魏無羨の脇の下に藍忘機の姿が! 振り向き笑う魏無羨の瞳の中には藍忘機が!と当時ネットでは話題になっていました。

陳情令おわりに奏でる音色/中国版と日本版

「魏嬰」と呼びかけられ振りむき、魏無羨が藍忘機の姿を瞳にたたえながら笑顔になる中、
『忘羨』の【~天涯一曲共悠揚】のフレーズが、笛と琴の音色のみで流れる。

これは日本版ならではの演出で、中国版は振りむきざまにEDの音楽が流れて終わる。

日本版は、印象的な笛と琴の合奏

文字通り、エンディングテーマ歌詞の最後のフレーズである
天涯共に奏でる二人の琴笛で終わるのである。

 

 


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