23話感想・陰虎符あらわる
不夜天。温若寒は術が効かず瞬間移動し外へ出て、笛を吹く魏無羨の姿を認める。このギザギザ瞬間移動、ちょっと好き。魏無羨は「俺は一度死んだ人間。俺もこいつも冥界からやってきたのさ」と言う。魏無羨が手にしているのは陰鉄ではなくその名も「陰虎符」。温若寒を背後から刺したのは灰色衣装な孟瑶、魏無羨は藍忘機が抱きとめる。射日の征戦は勝利をおさめた。
炎陽殿。聶明玦は倒れており藍曦臣に起こされ、孟瑶を見ると睨みつけ聶氏の仙師を殺したことを咎める。孟瑶は「私次第だと?もし聶宗主が私の立場でも…」と言い、藍曦臣の袖に隠れ、藍曦臣は聶明玦の刀を鞘で受け止める。岐山温氏に潜入して布陣を渡し、かつて温氏に追われた藍曦臣を救ったのも孟瑶だった。
紅い魏嬰と藍湛
赤い衣の魏無羨と師姉。琴の『意難平』♪ 温若寒が死んだと聞いたら、早速金宗主はやって来て温氏残党討伐に励んでいるらしい。魏無羨でなくとも文句のひとつも言いたくなるところ。「うちの羨羨がこんなにすごいだなんて」「藍の二若君が~」と言う師姉。だんまりは【他这么闷】。
赤い花が咲く中、藍忘機が琴を背負ってやって来る。この琴を背中に背負うのと、乾坤袖の中から出す違いがよく分からない。魏無羨をまっすぐに見つめる藍湛、思わず目線をそらす魏嬰。ピアノ『忘羨』♪ 気をきかせて出て行く師姉。
藍忘機は邪を祓うために『清心音』♪を奏でている。魏嬰が「藍湛、実は俺…」と言いかけたのは何を言いたかったのだろう? 鼻をこする魏無羨。邪を祓うと言われ、「この世には知らぬ間に人の志をー変えてしまうものが存在するのか?忠から奸ー正義から悪へと」と尋ねる魏嬰。この場面が紅梅なのは、第3話の宿での白梅から思いが紅く色づいたからなのかな?と思ったりもしている。
温氏の残党狩りと三尊の契り
温氏の残党が狩られ、3つの陰鉄は葬られた。金氏主導の残党狩りを藍宗主が気に掛け、聶宗主も残党が蜂起するのを懸念しつつも取るに足らないものは解放するよう口添えする。金宗主は残りの陰鉄を追っているようだ。藍曦臣が尋ねた「野心ある者とは?」に対して、金宗主を指して「お前だ!」と言いたくなるこの場面……イライライラ。
孟瑶は金光瑶となり、族譜にも加えられた。帽子を被った金氏衣装な蘭陵金氏 金光瑶/斂芳尊登場~~。害のない温氏残党は、窮奇道で監視するにとどめると言う金光瑶。「明玦兄は悪を憎んでいるだけだ」に「私は悪ですか?」と言われ、ちょっとたじろぐ藍曦臣の表情が好き。第4話同様に藍曦臣はここでも金光瑶の礼を止めていたのか、思えば孟瑶も出世したよね。扉からは血が流れている……。不穏な金光瑶の二面性。
不夜天の崖に立つ魏無羨に藍忘機が近づき、「洗華」の琴譜を学びたくは?に対して、「お前まで疑うのか?」と返す魏嬰。陰虎符のことを聞かれ「玄武洞で陰鉄の剣を手に入れたと言ったらー信じるか?」。次々に藍湛に詰問され「いい加減にしろ/够了」と言う魏嬰。
温氏残党が弓で射られており、含光君の青い光が弓をそらす。主導者は金子勲!憎たらしい~。離れ離れに『安息』♪の曲を奏でる魏嬰と藍湛。
赤鋒尊・沢蕪君・斂芳尊の3人が三尊の契りを交わす。
炎陽殿での宴
姚宗主、元気そうだし子弟もおるやん。江澄も江宗主となった。師姉は薄緑色な衣装。姑蘇藍氏のご一行様があらわれ、見つめ合う藍湛と魏嬰。そこへ清河聶氏ご一行様も。聶明玦は金光瑶に思うところがありそうだ。
そんな中、平和な沢蕪君は「兄貴と呼べ」と。この兄貴呼び、初回放送時にどよめきのさざ波が立ったが、今は「義兄上」にされている。【大哥】をどう呼ぶかなのだけれど、上品な沢蕪君が言ったり言われるとちょっとオモシロい。温若寒が坐っていた上座を厭う聶明玦。
魏無羨は温若寒を討った軟剣を、金光瑶が所持していない事を疑問に思うが、金光瑶はその場にあった剣なので捨てたと説明。
宴から離れた藍忘機の先には、同じく退席し酒を飲んでいる魏無羨。新たな曲を研鑽中との藍湛に、「まったくお前って奴は…強情だな」と言いつつちょっと嬉しそう。
宴会では金宗主がなぜか宴の中心におり一献を献げ、息子と江厭離との婚約話を持ちかけ、姚宗主も太鼓持ち~。そこへ魏無羨が戻ってくる。
(つづく)
「俺は一度死んだ人間。俺もこいつも冥界からやってきたのさ」の中国語字幕は、
【我是「死」过一次的人了,我们自然是从阴曹地府而来的】。この括弧に囲まれた「死」をどう解釈したら良いものやら。そして私は「夷陵老祖は人間と思いたい」派なのだ。
陳情令吹替版23話感想
あざとアヤシイ石田孟瑶で、三尊が楽しい。「こやつ」呼びが似合うよね。
魏嬰の元を訪ねる藍湛、表情がなんとも言えないし、乙女感のある魏嬰。
字幕版ではイライラしていた場面のハズが、朗々とした声の堂坂金子勲め~。この場面で笛と琴の初めての合奏なのね。
江楓眠が姚宗主を蘭陵へ送っていった時には、金光善とは会っていなかったのか。そして聶明玦の「大哥」は「あにさま」となっていた。なんだか雅な、あにさま呼び。翻訳の妙だなぁ。どさくさに紛れて速水金光善がなぜ宴で主のようなんだと思う一方で、張りのあるイイ声に聞き入ってしまう~。
ドラマと小説・アニメとの違い
原作小説『魔道祖師』第2巻第10章狡童
アニメ『魔道祖師』羨雲編第1話
陰鉄が加わった分、ドラマの孟瑶は漁夫の利っぽく見えたが、原作の方が孟瑶の功績は大きかったように思われた。炎陽殿での宴はない。
藍曦臣の雲深不知処からの逃亡中な孟瑶との日々は作者設定で、ラジオドラマ小劇場「お洗濯」でのみ描かれている。
<陳情令用語メモ>
・陰虎符(いんこふ):魏無羨が玄武洞の陰鉄剣から錬成した。一対の虎の頭の形状をしており、傀儡を操れる。
・洗華:姑蘇藍氏の音律、心を清め安定させる。
・軟剣:刃の部分が軟らかくしなる。
WOWOW字幕版放送:2020年4月23日(木)深夜
WOWOW吹替版放送:2022年6月30日(木)深夜
▼吹替版第1~12話まで感想
▼この先のネタばれあります。
外部サイト
▼「お洗濯」収録
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