37話感想・辛いもち米粥
義城。魏無羨はもち米で毒消しの粥を作る。金凌は清河から、藍思追は琅琊から猫の死骸を追い、櫟陽で合流、石碑の前の村にいた猟師に道を聞き義城へ辿り着いていた。魏無羨たちが会ったのは農民。陰虎符を復元した人物がここにいるかもと魏無羨は推理する。
魏無羨特製粥は超辛い!!藍思追が試食すると「懐かしい恐ろしさです」と口走るほど辛いようだ。辛さにむせる子弟たち。
竹杖の娘と点睛召将術
竹杖を持った白瞳の娘が外を歩いている。金凌が覗くと、突然その娘の顔が!修練として観察するように言う魏先輩。キツネが彫られている簪を付けているようだ。欧陽子真は将来艶福家になる、金凌は数多く、思追は詳しく観察したと魏先輩に評される。この破れた障子から覗く構図は、京劇ドラマでも舞台袖から覗いていたのと似ていて面白い。
娘は口もきくことができず、杖で何かを伝えようとしている。そこへあらわる目に包帯を巻いた男性。「瞳にたたえる恥じらい、笑みがこぼれる唇、善悪を問わず点睛して召喚」と点睛召将術を発動、男性を助ける。
暁星塵と宋嵐との再会?
「師叔(ししゅく)、ふるい友だ」と伝える魏無羨。霜華剣を所持しており、暁星塵のようだ。数百体の傀儡たちが外を歩いている。
屋根を破って首に紋様の入った宋嵐が降り立ち、黒い目で斬りかかられ、魏無羨は笛を吹き動きを封じる。舌を抜かれており、刺顱釘を引き抜くと意識を取りもどす宋嵐。
藍思追が問霊を行い、
名を尋ねると「宋嵐」。
誰に斬られたかには「暁星塵」。
誰に操られたかには「汝たちの後ろにいるーその男に」と。
暁星塵がパチンと相図すると、宋嵐は再び乱心し剣を向ける。藍思追は「莫先輩は含光君に似てる」と立ち去り、「2人のどちらかがいれば、何も怖くないと思える」と。
薛洋との再会
ふたりきりになると様子が一変する暁星塵。義城の傀儡は陰虎符で作った、含光君には友がまとわりついているらしい。砕けた霊識が入った鎖霊嚢を渡され、魏無羨は「霊識が少なく望まず死んでいるなら修復は無理」と伝え、「薛洋」と呼びかける。目を覆う包帯を外し、変装と左手の包帯をとくとそこには薛洋が! 演技を褒められ、薛洋は「ある友人はもっと迫真の演技をする」と言う。
刺顱釘を作ったのは薛洋。陰鉄は常氏にはなく、不夜天へ行く前から薛洋が隠し持っていた。陰鉄の「四方の気は玄武に帰する」、陰鉄剣に封印された最後の陰鉄を魏無羨が偶然に発見していた。陰鉄は元々5つだった。
スゴいぞ、含光君
宋嵐と闘う鬼将軍。魏無羨は薛洋に剣を向けられ、「好漢よりならず者を怒らせるな」と言う。そこへあらわる含光君!!カッコイィ!ただいま参上!
霜華を取りあげると、降災で含光君に斬りかかる薛洋。少年たちは宋嵐VS鬼将軍に見入っている。すっかり慕われている魏先輩。含光君VS薛洋について金凌がすごいと言うと、得意気にする藍景儀。魏無羨にも同意を求めている。確かにすごい含光君。含光君に「ここは任せた」と呼びかける魏嬰。
義荘。娘があらわれ、棺をしきりに叩き開けるように身ぶりする。そこには暁星塵が横たわっていた!!娘が激しく泣き始める。共情を行うと言う魏無羨。
(つづく)
家の中で紙人形がゆらゆらは、常家で人が吊下げられているのと相似なのだろうなと思いながら見ていたら、宋嵐が上から降り立った。そして魏無羨が立っている足元にオレンジ色の何かが落ちている。オレンジ色というと、常氏屋敷で薛洋が吊下げられていた時に付いていた房の色なのだ。
陳情令吹替版37話感想
金凌がフゥフゥと粥を冷ましている姿がかわいいな。藍思追は「この味はなぜかどこか懐かしいまずさです」と言っていた。
魏センパイの子弟実地訓練、少年各人の観察の仕方の違いが、吹替だとより感じられる。ここで宋嵐はなぜに魏無羨の笛で制御できたんだろ?薛洋が動けずにいたからなのかな?
土屋藍思追だとなぜか藍思追の顔が異なって見えるし、内山薛洋もよりワルく感じられる、この笑い方~~~。薛洋と魏嬰の「もし霊識が」の応酬が良いな。薛洋の「そんなに急いで断るなよ~」の言い方がカワイクないか?
含光君があらわれた所での「これぞまさしく満を持しての登場だな」になっていた。参上じゃないのか……。少年組に対してすっかり魏先生になっている魏無羨。棺が開けられた時、「暁星塵~~~」と切なくなった……。
欧陽子真の声優は、クレジット順から推察すると千先広大さんなのかな?
ドラマと小説・アニメとの違い
原作小説『魔道祖師』第1巻 第2巻 第8章草木
アニメ魔道祖師完結編
陰鉄に関すること以外は原作に忠実なこの場面。点睛召将術の描写は原作が詳しい。
原作では藍景儀に含光君すごいでしょと言われ、魏無羨が苦笑していたのは、酔った含光君を思い出してのことである。原作で魏嬰が含光君に「ここは任せた」と言って、返事に琴の音が鳴るのが地味に好き。
<陳情令用語メモ>
・瞳にたたえる恥じらい、笑みがこぼれる唇【媚眼含羞合,丹脣逐笑開】
何思澄(南朝梁)『南苑逢美人』
洛浦疑回雪 ,巫山似旦云 。
倾城今始见, 倾国昔曾闻 。
媚眼随羞合, 丹唇逐笑分 。
风卷蒲萄带 ,日照石榴裙 。
自有狂夫在, 空持劳使君 。
南苑で逢った美人の美しさを述べている詩だが、ちょっと興味深いのは最後の
【日照石榴裙 。自有狂夫在, 空持劳使君 】。原作小説とはあまり関係はないかもしれないが、石榴裙は紅裙で赤いスカート。
楽府『陌上桑』の他の男性が言い寄るのを断る
「使君自有婦,羅敷自有夫/ 殿にはちゃんと奥方がおられます、わたしにはちゃんと夫がおります」を思わせるような、
「私には夫がおり、殿が懸想しても無駄である」という意味。
紙人形姉妹についてと言われればそれまでだが、美人は夷陵老祖で、薛洋の脅しを断り、夫=含光君と思うとちょっと楽しい詩なのだ。
・点睛召将術(てんせいしょうしょう):術者の血を用いる。
点睛は動物を描いて最後にひとみを入れること。「画竜点睛」という竜を描き最後に瞳をかき入れたところ、たちまち竜が絵から抜けだして天に飛び去ったという故事がある。
それに由来してか原作では紙人形の姉妹の両目に、血で瞳を入れると動き出し命に応じていた。ドラマだといまひとつ何の事かよく分からない描写になっている。
WOWOW字幕版放送:2020年5月21日(木)深夜
WOWOW吹替版放送:2022年8月18日(木)深夜
▼吹替版第1~12話まで感想
▼アニメの点睛召将術
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