笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「君花海棠の紅にあらず」とアニメ「天官賜福」、漢詩で「山河令」もはじめました。

君、花海棠の紅にあらず 39,40,41話 感想と京劇/蘇三,鹿,福禄寿三星

39話 苦悶

ツラい場面がどこで来るのか恐れていたが、私的には今回が一番ツラかった。


薛社長が商老板の写真を手にしており、これなら握りつぶしてもらえる、と思っていたら、そこには着物姿の女性が!怖いんですけど!! この登場の仕方、薛社長の登場時(16話)と同じで不気味だ。

軍の宣伝に新聞での公表を迫られ、防ぐ手立てもない。その雪之誠なる九条和馬を紹介した七坊ちゃんにも危機感はなく、二旦那が言う「商座長と付き合えるのは同類の人間だけ」「事実混じりの嘘を払拭できるか?」「今は戦時中だぞ。相手が撤退するまでは無理だ」ももっともである。軍と関わる=社会的な死、なのだから。

義兄は阮玲玉も名声を博したが、噂が元で命を絶ったと七坊ちゃんをいさめる。義兄が商細蕊のことを理解してくれているのは救われる。

そしてお金を無心する義兄に、疑う様子もなく快諾する商細蕊の純粋さがもはや胸が痛む。劉委員はいつか商老板の足枷になるのかとも思っていたが、助けてくれない展開なのか?

祠堂で線香をあげていると火傷してしまう。商老板が蘇三を演じていると、突然、客席から軍との関与を煽られ、いきりたった観客が商老板を舞台から放り投げるのがあまりにも衝撃的すぎた。腕のたつ商老板が抵抗できなかったのは、役になりきっていたからか、蘇三役で手錠をしていたからか。舞台では「濡れ衣を着せられようとは思いもよらなかった」と歌っていた。

義兄が親身になって介抱してくれているのは有り難いが、医師に診せてあげて……。義兄が柴胡を持ってくるように言っている。お湯すらもままならぬ小来がいない事の切なさと孤独さ。

乱闘騒ぎになった劇場で、商老板が観客と対峙してどうなったのか描かれなかった部分を、七坊ちゃんが塩を塗りまくり、七坊ちゃんがもはや范漣に見えてくる。これ、原作でもこうなんだろか? メディアの真偽の危うさを知っているのは、七坊ちゃんではないのか?どうした七坊ちゃん。

立つのもようやくな商老板がその范漣に電話をかけ、程鳳台を求めている。その姿が痛々しく、憤りが笵漣に向かう一視聴者なワタシ。それを遮るのは姉上とは。この時はいきなりの程美心の翻心に違和感があったが、どうやら原作での商細蕊との因縁はこちらのようで。因果は巡る。

そして二旦那もまた策を講じていたが、曹貴修に国外逃亡を勧められる。古大犁との場面で背後にあった中国人形3体も気になる。二旦那も絶対絶命なのだ。


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39話の京劇メモ

蘇三:『玉堂春』。前段(観客が騒ぎ出した場面)は第十二場 辞獄だが、「濡れ衣~」は第一場の一節のようだ。34話の上海でも演じており、鎖(手錠)の形は異なっていた。1話の遊郭でこの役について語っていたのが、コレだったのか、という思い。

柴胡漢方薬。少陽病を中和し、胸脇苦満に有効で、肝気(怒)の偏向に対して用いる。精神疾患・ストレス性疾患に使用されることが多いそうだ。

中国人形3体:この人形の正体捜しは少々難航した。初めは三国志関連かと思ったが、左は箪瓢を持っており七福神ぽぃ。右は子供を抱いている。桃仙人やら調べていたら「福禄寿三星」に行き当たり、そもそも福禄寿
財産、古代官僚で峨冠博帯の姿、鹿
:血のつながった実子子供を抱いている,緑色の服、鶴。
寿健康で長生き、左手に瓢箪付き杖、右手に、桃。
の三体が一つになったものであることが判明! 素直に福禄寿で調べていたら、すんなり辿り着いていたのね。程鳳台、曹貴修、古大犁の3人をあらわしているのか?

 

 40話 針の筵

これ以上、商老板を非難する場面があると耐えられんと思って見始めたが、そこまでではなかった。そして二旦那の言葉に勇気づけられる。

曹貴修は九条優馬が運ぼうとしている秘密の物資に向けて、自分に加担するように迫る。留仙洞はまだ完成していなかったのか。しばし曹息子と娘親分との強気な会話にほんわか。娘親分の地獄耳がカワイイ。まだ産まれていないという事は、この物語は1年も経っていないのか。

一方、商老板を取り巻く状況は厳しく、馴染みの店に行っても店子にはぞんざいに対応され、客にも詰め寄られる。このお客さんは13話で『紅娘』を唱っていた人ではないか。まさに「山を追われた虎は犬にも侮られる」状況となっている。二旦那や小周子とも連れ立っていたあの馴染みのお店なのに。ああ、ツライ。

耳は聞こえづらいが「鴛鴦剣」ならできそうだと。七坊ちゃんは尤二姐役はと聞くと「周香蕓の他に誰がいる」と返す。自分に組することを忠告する商老板に、七坊ちゃんは「派閥の領袖になろう」と。

強行して舞台に立つ商老板。客席は超満員。周香蕓の華やかで美しい旦姿が心強く見える。大聖が「座長の人生は芝居よりも面白いからな」と言っている。

楽師との歌合わせでは「ここはなんと退屈なのだろう」。耳が聞こえづらい様子の商老板を「合わせます」とフォローしてくれる琴師さん、ありがとう。味方してくれる人がいるとホッとする。

あの戯曲が私の心をかき乱す。あそこで歌う殿方は匂い立つように美しい。私の心を悩ませる」「恥ずかしくて口に出せない」「雅観楼ですか」「柳湘蓮」観客も沸いていたが、商老板の様子がおかしい。蒋夢萍が出て行った時と同じ状態らしい。


二旦那が帰ってきた! 埃とシラミまみれで坂田大佐に抱きついている。お茶の湯で手を洗うのは久しぶりに見るな…と思っていたら、例の炸醤麺のお店で同じことをしていた。小切手も手渡される。

奥方に会う時はいつものダンディ二旦那。察察児は反発している。すっかり洋装になっている察察児。


ようやく二旦那が水雲楼を訪れるがーーー。
楼閣で自堕落になっているのかと思いきや、七坊ちゃんと一緒だったのか。1話でダメ出しされた売れっ子桃児(刘益嫣)ちゃんも同席している。

七坊ちゃんが「10年前の声変わりが梨園一の女役にした。今回の受難は君を崇高な存在にしてくれるはず」といつもの調子でくだを巻いていると、二旦那が押し入り、七坊ちゃんを机に押しつけている。

どうやら商老板の難聴は心因的なものか、無理はない。二旦那は天才と持ちあげ災難も伝説化するのはまっぴらのようで、お金の心配はせず職はあまたあるし、「楽しく生きてくれたらそれで十分だ」と。

「私が違う生業ならこの出会いもない」と言う商細蕊に、二旦那は「縁のある相手は、いつかは必ず巡り会う運命なんだ」と言う。


二旦那に関してはピンチになってもなんとかなるだろうと思うが、商老板は心配でしかなく、二旦那が帰ってきてくれると安心する。

物語の場面が1話に戻ってきている。2話では琴師は怒って去っていたけど、ここでは助けてくれている。

七坊ちゃんは天才戯曲家だから、自分の戯曲の創作の源である商細蕊であってほしいし、降りてほしくないという思いは理解できる。一方、役者を後援し、商細蕊の知音である二旦那ではスタンスが異なるのだろう。

しかし支配人としてはまったく機能していない范漣くん、盛子晴と逆玉(?)にのろうとしているが、君は一体何をしているのだね。

 


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40話の京劇メモ

鴛鴦剣:『紅楼二尤』。尤三姐は33話の陳くんが演じていたあの因縁の役。尤三姐は『雅観楼』を演じた柳湘蓮を見そめた。尤二姐は尤三姐の姉。
柳湘蓮が二旦那か。陳くんは足、商老板は耳。

・なんと退屈:『紅楼二尤第四場 思嫁尤三姐の一節。

・あの戯曲が:『紅楼二尤第二場 串戯

雅観楼:小生(美少年)が登場する。

・小切手:昭和12年11月23日。日本では新嘗祭だが……。

桃児:あまり出ない割に印象深いのは、顔立ちが商老板に似てるのかな。妹役をしても映えたかも、と思ったり。

 

41話 芝居からの解放

商細蕊の可愛さがここへ来て炸裂していた。そして身のまわりのお世話をする小来化しつつある程鳳台。

巡り会う運命のたとえで出てきたのは、なんと「商老板、スリになる」世界。だけどやっぱり6話のようにスリを捕まえる商老板の方がしっくりくるかな。

バイバイと手を振る商老板、可愛すぎる。
奥方が贈ってくれた高麗人参鹿茸での鹿のポーズ、可愛いすぎる。
そしてお礼を伝えに商老板が行くと、奥方と対面している! 11話の御簾越しの会話から進歩したもんだ。爪噛みも可愛いすぎる。

小周子が商老板に『牡丹亭』の教えを請おうとするが、断られる。
商細蕊が町で「庭園に出て春の美しさを知る。いつの間にか花が鮮やかに咲き乱れ」と歌っていると人々が集まってしまう。

そして同好会会長のお鉢は姜栄寿に。姜登宝の企みが親に顕われたとわかる日は来るのだろうか。四喜児のペニシリンになんだっけ?と思ったが、梅毒か。お金を融通させてあげる姜会長。意外と慕ってほしいタイプだったのね。

久しぶりの鄭委員と臘月紅くん。想像以上に今まで絡みがなかったな。臘月紅が商老板を信じている様子にうんうんと思ったが、鄭委員長の言わんとする事を察して発言している。あれから出世できたのかな。鄭委員と縁がなくなること自体は良いのだが、それが商老板にとって悪い方向に行かなければ良いのだが。

「火の用心」と見回る姿がちょっと気にはなる。十九は二旦那に手を掴まれ嬉しそうだ。「朝に雲が流れ、夕べにすだれを巻き上げれば、楼閣が霞んで見える」幽霊騒動で、二旦那が商細蕊を驚かそうとすると、グーパンチをくらっている。君たちは小学生か。二旦那の陽の気が強いのはわかる気がする。野菜が罵ってくる……野菜がおじさんになるのは魔道祖師Qで見たことはあるのだが。この時の衣裳は白に青い刺繍のもので、12話の趙飛燕を会得しようとしていた時と同じに見える。好きな衣裳だ。

イギリス留学時代の経験から心理治療にも通じていた二旦那が、暴露療法をほのめかすと、いきなり屋根にのぼり飛び降りを試みる商老板。二旦那が受け止めたものの、商老板は足を怪我して、二旦那は足をマッサージするし、湯はわかすし、話にも付き合っているし、すっかり身の回りのお世話をせっせとしている。還ろうとする二旦那に「一緒に話でも」と引き止める商老板。

商老板の飛び降り奇行を耳にした奥方は、鳳乙を連れだそうとする。商老板は歌えなくても死なずに鳳乙を守ると言い、二旦那が奥方を止めて鳳乙を商老板に返している。

ついに奥方に商細蕊のことをノロけている二旦那。というか母親に気の合う友だちについて話す少年の姿に見えなくもない。

41話の京劇メモ

鹿茸:福禄寿の「福」だったりするんだろうか?

牡丹亭:「庭園~」は21話で原先生が褒めて皂羅袍は不要と言っていた『遊園』の一節。

・朝に雲が流れ:『牡丹亭 遊園春香の一節。

・鳳乙を連れだそうとする:商細蕊がオペラ『蝶々夫人』の蝶々さんで、ピンカートン夫人は奥方だったのか。もっともこのドラマでは子供は連れて行かれなかったけれど。この時の奥方のマントが緑色なのは「禄」だったりするとか?

 

 

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