10話感想
過去。冒頭「2匹の蜜蜂 花畑へ飛んでいく。左へ右へブンブンと」と酒杯をしている劉氏とホステスさん。
お酒でのゲーム【喝酒游戏】らしい。
两只小蜜蜂呀,飞到花丛中,左飞飞,右飞飞。
いよいよ物語の真相がわかる回でネタばれとなります。
沈墨は劉氏を電話で呼び出し、立ち寄った友達の所はビデオ館。飲物に薬を入れて渡すが……飲まない。
劉氏は「人間と動物 どこが違うか分かるかい?違いなどない」と言って押し倒すが、沈墨は「違うわ、私は人間よ 動物じゃない」と注射器を刺す。3人がかりで押さえ込み、注射器を刺す沈墨。
劉氏はこの後に及んでも純愛とのたまい、80万元の手形を慰謝料として渡すと言う。沈墨は運転手 羅くんに無事だと伝えさせる。劉氏、監禁は犯罪だけど、アナタのしてきた事も犯罪なのでは……。
ストーブ内で炎があがっている。手形を換金しに行く王陽と傅衛軍だが、支払期日は17日以降。第8話で宋工場長が劉氏に言っていた手形ね。
医学生だからか薬を扱うのが手慣れている沈墨。廬氏は頭を角にぶつけていたようだが、殺人なのか、麻酔で朦朧として打ち所が悪かったのか?
燃えあがる廬氏の車。見知らぬ土地に行って生き直すと言う沈墨。王陽は防護服を着て廬氏を溶鉱炉へ運ぶ。第7話で工員が見かけていたのはこれだったのね。ストーブに車に溶鉱炉にと炎があがるよ。
思わぬ展開に発熱する王陽。その様子を見て沈墨は弟と身を隠すことを告げ「夢を見たと思えばいい」、王陽は「夢なら目覚めれば全部なかったことに」と。
そしてやって来る殷紅さん。そう言われても怒りますよ、忘れられませんよ。殷紅は沈墨が廬さんと香港へ行くと思い違いをしている。80万という大金を知り、彼氏にバラすぞとすかさず脅しをかけるのが身の破滅……お礼するわよと言う気持ちにも……なるわね。
ああ、傅衛軍~~~。
荷物で殷紅と分かっちゃうあたり……。秋だからかプールに水はない。「なぜ」と問いかける傅衛軍に、沈墨は「私になったの。王陽には黙ってて」と言う。王陽にはこの時点で知らせていなかったのか。それはマズイよなぁ。
沈墨は自分の指を見て、振り下ろす。
そして流れる『美しき青きドナウ』。
傅衛軍が袋を捨ててまわり
王響が機関車を運転し
工場では騒動が起きて馬徳軍が静めており
王陽は王響に叩き起こされ
孫貴蘭がゴミ箱から袋をかき集めている。
そこへ缶が転がり、孫貴蘭はその缶も拾い、持って行く。
ここまでは第1話で展開された場景。
それを見送っている傅衛軍。
そこにいたんか~~~。
ED:《An der schönen blauen Donau op. 314/藍色多瑙河》
クラブ前で3人分のワンタンを注文している傅衛軍。そこへ殷紅がやって来て注文するがもう品切れ。1人分を譲り、バイクで立ち去る傅衛軍。
(つづく)
短いけれど濃厚にギュッと詰まった回。
初見時感想
うおぉぉぉ~。
と視聴後、転げまわっていた。
殺人されたふたりが誰だったかがわかる。
第9話でおおよその検討はついていたが、最初の人に後の人が付いてきていたのかと思ったら、殺人は別々だったのね。そしてこの期に及んでも強請るのね、アナタ……。廬さんが歌っていた2匹の蜜蜂ってもしやアナタ達……?
いまひとつ廬氏を捕らえた動機がよく分からなかったが、大金をせしめて逃亡しようとしたのかな。でも解放後に通報されれば足がついちゃうよね。そんなに逃げ切れるものなんだろうか。
このドラマは視聴者が気付いた次の回には、だいたい回収されるのではあるが、この事件のあった過去編は苦手だ。
そして弟くんの傅衛軍が不憫……姉の沈墨を手伝っているだけなんだね。しかもワンタンを譲ってあげた心惹かれる女性なんだよね。
やっぱり、ノワールは苦手だ。
10話のネタ拾い
10話で転げまわっており、だけどすぐに11話を見ることができなかった(週1話放送)ので、こういう時は情緒を静めるために、ネタ拾いがはかどる、はかどる。
ビデオ館で劉さんが友達で、香港で紹介すると言ったポスターは《古惑仔》で、1996年の映画『欲望の街~古惑仔 I・銅鑼湾の疾風』。主演は鄭伊健(イーイン・チェン)なのだけれど、友達は彼でいいのかな? 第6話で龔彪が香港には「仔」が付くと言っていたね。
沈墨が廬氏に言った「人と動物 何が違うと思う?人間は自分のしたことに代償を払う」……は9話で廬氏が歌っていたカラオケ《一生何求》の【一生何求 常判决放弃与拥有】を思い出してしまう。
溶鉱炉のあと、ビデオ館で起き上がった王陽が破ったポスターは、映画《초록물고기 》。1997年 イ・チャンドン監督の韓国映画『グリーンフィッシュ』で、純朴な青年であるハン・ソッキュが女性に心惹かれたがゆえに、ヤクザな世界へと入って行く映画だそうだ。まさに王陽……。
そしてポスターにあるハングル語【도망치고싶다】の意味は「逃げたい」。逃げたい沈墨の思い……を破って、陽の光を入れる演出なんですね、そうなんですね。となっていた。
終盤にヨハン・シュトラウス2世の『美しく青きドナウ』が流れ、ニューイヤーコンサートを見る時に思い出すからやめてくれと思っていたが、あら、この光景どっかで見たことがある。
確か『タイタニック』で沈み行く船の中、音楽隊が演奏していたよな……と検索すると、このワルツも演奏されていた。そもそもはジャックが一等客船へ入って行った時にかかっていたものらしい。
そうかそうか、タイタニックか……などと連想を巡らせていたのだが、監督インタビューによれば全く異なる理由や意図でこの曲が採用されていた。拍子抜けしてしまったよ。
とはいえ、想像するのは自由なので、ドラマでこの曲がかかった時のイメージは、
映画『タイタニック』で言えば、いよいよ船が氷山にぶつかり沈みゆく時、人々は逃げ惑い……なのである。
WOWOW放送:2024年1月3日(水)(41')
▶WOWOW監督インタビュー後編
ネタばれありますので、最終回後におすすめします
外部サイト
▼バッドキッズ隠秘之罪