過去篇が一気に加速。このドラマは匂わせエピが出て、すぐにそこからの想像を覆して新展開となるパターン。新しい登場人物もどんどん増えていく。
8話感想
(1998年)。曲波が王陽を訪ねてくる、父の曲志飛は配車係。
青年は傅衛軍からの伝言を王陽に渡す。王響は王陽をビデオ館から連れ戻す。23時48分頃。両親は王陽を縛りあげ、「17日の夜、樺運専用線で」とのメモをコンロで焼く。
宋工場長が香港の人物に、17日に受け取れる手形を用意したようだ。宋工場長に断られた王響が「人の道に外れ樺綱の名を汚す者がいれば、最後に消えるのはそいつですよ」と言い捨てて出ていくと、黄麗茄と出くわす。
この回は過去の区切りが分かりにくかったが、沈墨が出てくる過去編、馬徳勝は98年とでざっくり検討を付けていた。2回目に見ると細切れになっているので分かりにくいのも無理はないか。第1話の始まりは1998年9月25日。
過去。ビクトリアクラブで沈墨に手を振る王陽。李巧雲はホステスもしており、客に絡まれるが他のホステスが助けてくれる。香港の廬さん(彭梓桁)《坏爸爸》孔明顺 が沈墨に花1つ100元で300元のチップをはずむ。送迎バスで酔ったホステスを介抱する沈墨。
皇朝ビデオ館。傅衛軍が酔った殷紅(王藝荻)《大江大河之岁月如歌》冯欣欣 のためにワンタンを買ってきてくれていた。殷紅は手話もできる!マッサージ店で働いていた時に耳の不自由な同僚がいたようだ。コミュニケーションができたのが嬉しそうな傅衛軍。
殷紅は沈墨の髪飾りで髪を結って出かける。クラブで沈墨だと思って声をかける廬さん。赤ワインを勧め、コルクを開ける音を「少女のため息」と説明している。え?もう関係を持っちゃったの?プールで香水をプレゼントされながら沈墨の名前を出されるって……。
傅衛軍が殷紅に髪飾りをプレゼントすると、「カッコいい顔だね。でも他に魅力がない」とバッサリ……。アイタタタ。ヒマそうな李巧雲をヘルプに呼ぶ殷紅。
李巧雲は電話で息子の小松に歌を歌う。
まばゆく光る満天の星よ、高い空で輝きを放つ、まるであなたの瞳のようにまばゆく光る満天の星よ。
沈墨が夜の相手をしているという告発文と写真が掲示されている。第7話によればこの日は20日。バイトは週4日、2時間で1晩30元。王陽が沈墨をかばいはしているが、まず話を聞いてあげようよ……。こんなタイミングで殷紅がやって来た。
源媛家庭料理店、煎粉を見た殷紅が語り出す。母が屋台で売っていたが、安いガスボンベが爆発して大やけどを負い、入院費が払えず農薬で自殺……。「お金のためには絶対死なない」と言う殷紅。「いつかあんたになりたい。ドレスを着て人に愛される」と沈墨に言うと、「なったら後悔するかも」「話せる過去ならいい。私は無理」と。
酔って席を外した隙に、薬を取り出す殷紅……。「友情に乾杯」で飲んだ酒が……。黒い車に、酔い潰れている沈墨、立ち去る殷紅。
ED:《我會早點走開》丁可
2周目で見ると、色々とうわあぁぁな回。
初見時感想
李巧雲は副業でホステスもしていた。電話で「きらきら星」を歌うのが……。この後に、瞳がかがやく人たちが出てくるのがもうね……。
殷紅は手話もできて、傅衛軍が話のできる人に嬉しそうなほっこりエピソードを入れてきて、そこからの殷紅が友とされる沈墨を裏切らせるの鬼すぎんか。傅衛軍は殷紅に髪飾りまで贈ってるし。煎粉エピもツラい……。殷紅が求めているのは格好良さじゃないのよね、お金なのよね。
「いつかあんたになりたい」って、どこか似ているふたりをキャスティングするのもなかなか。沈墨の「話せる過去ならいい」は、事情が察せられる視聴者には重い。この一緒に飲んでいる時の沈墨の表情が、お酒に酔っているのもあるのかもしれないけれど、ちょっと無防備で心許している感じになってるのよね。
廬氏が沈墨に執着するのは、単に自分になびかないからでしょ。こういう救いのなさは好きじゃないなぁ。
看護婦の麗茄が事務棟へ行くのはやはり「マディソン郡の橋」か? しかしあれは純愛なんだけど。宋工場長も不正に関わっていた。17日の夜の樺運専用線にはなにが?
毎回、音楽が印象的で、その当時を偲ばせるモチーフが出てくる……そうか、米ドラマ『コールドケース』と似てるんだ。つまり18年前のコールドケースを父親が解決しようとしているのですね?そりゃ、切ないワケだ……
現代篇で3人組が事件に取り組むのは好きだけれど、過去篇の展開が好みと外れていき、離脱したいがそうするとモヤモヤするので前進するしかない、洞窟の中にハマりこんだ感じ。
豆瓣9.4の高評価な気持ちに果たしてなれるのか?
8話のネタ拾い
プールで廬さんが視線を投げかけた、殷紅の腰に巻かれた赤い糸の銅銭はなにかしら?と調べてみたら、中国では本命年である年男・年女は邪気を祓う赤い色のものを身に着け、このような赤い腰縄を年女が身に着けるという風習があるらしい。という事は殷紅は24歳なのかしら。銅銭は招財を願っているのかな。また、赤い糸は【下海系红绳,从良断青丝】という意味もあるらしい。
殷紅と傅衛軍を見て、傅衛軍役の人の実年齢効果もあり年が近くてお似合いっぽく感じていたが、もし24歳ならば17歳とでは、殷紅にとってはお子様で相手にならんわなぁとも思う。とはいえ傅衛軍が御曹司ならば話は別なのだけれど。
9話感想
(2016年)。最低生活保障業務にて、李巧雲の保健手帳に主任の公印がないのは、当時の嫌がらせかな。86年10月1日から樺綱の計量室に勤務、98年10月4日に退職し勤続年数は12年。
「つらい時は甘い物が心に効くんだ」とアイスを勧める王響の心中を思うとやるせない。傅衛軍の事を聞きたかっただけなのに、誤解されてしまう王響……。
馬徳勝がひき逃げ犯を追っていたら伯父登場。医大生死体損壊事件で馬徳勝が殴った相手なの?しかもあのひき逃げ犯は沈輝!?なんと!!
桂英焼肉店。李群は今や局長だし、注文はスマホでする時代だし。牛肉、豚バラ、鶏ハツを頼み、砂肝も。崔国棟は四川出身で外で串焼きを食べ唐辛子を追加し、乾杯の音頭は上の立場の者がすることと主張。傅衛軍の相棒は隋東(王啸宇)《良辰美景好时光》阿杰。98年の調書を調べたいがそれはできない。李局長が崔国棟の串焼きを食べるけど、相当辛いハズよね。
第二刑務所は鳳山区で、火葬場は鳳山葬儀場。傅衛軍の引き取り人は沈棟梁。
健康器具をリズミカルに動かす馬徳勝は元気だ。王響が怒ってしまった李巧雲のことを相談すると、意外と女心を分かっている馬徳勝と龔彪。
管理業者を装うと、同じ階の女性が勘違い……の流れで修理していたら本物の管理業者が来たという。沈家のドアから白煙が~、王響はまたも死体とご対面……。白煙の割には王響はピンピンしてるな。18時50分。
李局長にスパイ映画ですかと言われる馬徳勝。沈棟梁は松河紡織第二工場に勤めていた。小李……馬徳勝の飼い犬の名前でもあるよね……。20時45分になってもマッサージ店に王響は姿を見せず。すると呉先生(林鹏)『バッド・キッズ』、《流星花园2018》杉菜爸爸が現れ、ワンタンを持ってきてくれた。香菜は苦手な李巧雲。
沈棟梁は料理中に背後から刺され、その妻の酸素吸入器も外されたが金銭は盗まれていない。傅衛軍への手紙の差出人は、内モンゴル自治区鴻雁砂利工場の殷紅で、樺林行きの乗車券を10月19日に購入済み。第1話で龔彪が乗務員資格証を取ったのは10月20日。
過去、ビデオ館。傅衛軍と隋東に対して難癖をつける客はタバコにもゴネて、隋東はタバコを買いに出かける。すると小峰が大勢連れてやって来た。
沈墨はクラブの葛支配人からバイト代を受け取る。殷紅は煎粉店を開こうとしていたのか。あんな事しておいてヌケヌケとした態度な殷紅……その黒白チェックな髪飾りは……。
乱闘で血まみれな傅衛軍と隋東。隋東思いな傅衛軍……。
沈墨と廬さんとの事を知った王陽は、殴り込みにかける。1万2千元のスーツ……にアナタが着ると見えなくてよ。フルーツを出すように言う葛支配人。蹴り出される王陽……ドアマンも容赦ないな。
ビデオ館へ来る王陽、そこへ沈墨もやって来た。「世界で一番不運だ」と言う王陽に、沈墨は「不運なのは奴らよ」と。
ED:《In Gloom》Life Awaits
アパートから救急車へと運ばれる様子と、子供の写真の付いた物を抱えている人物。
初見時感想など
お正月は放映が1週休みになるので、年を越してから見た第9話。
むしろ最終回を確保してから一気見した方がいいのかとも思うが、とりあえず週1のペースでいく。
今や過去篇で誰が殺されたか、というよりも、過去と現在をどうやって繋ぐのかが気になっている今日この頃。
第9話は現在に戻っており、現在だと息がつけるこのドラマ。
そしてこの回はいろいろと気付きが多かった。
あの白タク運転手のひき逃げ犯が沈輝(沈墨伯父の子)だったの?と、ここで初めて気付く。
今や高位に就いた李局長には、傅衛軍を取り調べた因縁がある。あれ?李局長は過去篇で出て来ていたのだろうか?……などと初回時には思い、見直すと第1話の樺鋼工場での騒動を収める時から、馬徳勝の横でしっかりと出てましたよ。
そしてようやくこの時に李局長がどこかで見覚えがあると思ったら、曹貴修@君花海棠の紅にあらずな唐曾だ!
あー!沈墨の伯父は、商老板の義父になった劉漢雲@君花海棠の紅にあらず!と気付く。侯岩松はどちらも一見、善良そうだけど胡散臭い役回りよね。
そして李巧雲に好意がありそうな呉先生も、以前に出ていたっけ?と疑問に思ったが、呉先生はこの回が初出でしたね。『バッドキッズ』で不倫の仲だったとか。
この回の過去篇は、殷紅や廬氏やビデオ店を襲ったグループに敵意が増していく展開。
ここで王陽と沈墨と傅衛軍の3人は顔を合わせたのか。隋東は病院へ。
殷紅、沈墨をかばったりしてくれないかな。でもそんな相手をああしたりはしないか。
このドラマの感想記事では、ドラマ内で人物名が出てから記載するようにしている。このドラマは登場人物が出ると、割とすぐに名前がわかるようになっているのですよ。多分、隋東の名前が出たのはこの回のハズで、なぜにこんなに遅いんだろと思ったら、相棒の傅衛軍が喋らないからなんだなと。なんて事をふと思ったりしていた。てなワケで名乗らないもんで、廬さんは香港の人、隋東は青年と表記してました。
今のところ、役者や映像は良いけれど、展開としては好きになれない。
私は現代の王響に肩入れをしているので、誰よりも王陽を救ってほしいのだ。でもモチーフはタイタニックなのよね。
そしてEDでの、子供の写真が付いた箱はなんなんだろと思ったが、ああそういう事か。
EDの歌詞は沈棟梁を殺した人の心境かな。
9話のネタ拾い
ビデオ館で暴れた男が所望した555は、イギリス製のタバコであるステートエクスプレス555かしら。英国タバコなのかと意外に思った銘柄。ちなみに日本でブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の銘柄と言えばケントでお馴染み。
クラブで王陽が廬さんの所へ殴り込みに行った時に、歌っていたカラオケは陈百强《一生何求》。ドラマ『義不容情』でダニー・チャンが歌う主題歌で、秋や人生についての歌詞と意味深なのだ。
冷暖哪可休
回头多少个秋
寻遍了却偏失去
未盼却在手
我得到没有
没法解释得失错漏
刚刚听到望到便更改
不知哪里追究
一生何求
常判决放弃与拥有
耗尽我这一生
触不到已跑开
一生何求
迷惘里永远看不透
没料到我所失的
竟已是我的所有
その足でビデオ館へ来た王陽、負傷した傅衛軍のいる部屋のポスターは《黑侠》。1996年の香港映画でジェット・リー主演『ブラック・マスク』。
WOWOW放送:2023年12月27日(水)(1h4')
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