ロングシーズン6話,7話感想/郁達夫春風沉醉的夜晚,馬大帥,チャンドラー,フロイト

６話感想

（2016年）。赤いセーターを着ている王響は、王北に北京受験へはひとりでと言い始めている。コンビニでカップ麺を食べており、煮卵は苦手と言っている。

過去。赤いセーターは、王陽がバイト代で贈ったものだった。王響は工場長 宋玉坤（张帆）に王陽就職の口利きを頼むことに。

沈墨の両親は87年に松河の工場の事故で亡くなる。伯父は樺林消防局長 張立新と戦友と話し、葛支配人を脅して沈墨を辞めさせる。あ、王陽が伯父に声をかけちゃった。

懲りずに沈墨を誘い出した王陽は、橋の上で告白する。音楽が流れる。王陽は賭けで、「飛び込んで溺れ死んだらそれも運命だ。でも助かったなら君を絶対諦めない」と言って橋からドボン。沈墨は泳げないのか、この時期は水位が低いから溺れない。沈墨には小指関節のしわが４本あり、周りを不幸にする手相だと言うと、王陽は運命とは手でつかむものと返す。この橋の辺りも初見時にはあまり覚えていない場面……。

ビクトリアクラブへと赴く王響は、ドアマンに見覚えのある顔だと言われている。クラブでは宋工場長がなにやら香港ゆかりの人に接待を受けてる。

王響は妻の父からの結婚祝いのお酒を宋工場長に贈ろうと出向くが、工場長室には他に誰かがいた。

渓源旅館。音楽が流れる。伯父が沈墨に永遠に一心同体って怖すぎる……。そのベルトなんなん。伯母、謝りなさい言ってる場合ちゃうやろ。

ポケベル9532657から王陽への返信はない。王響に弁当を届けに来た王陽を、財務室へと案内する邢建春。ひどすぎる。
　大事そうに赤いセーターに袖を通す王響は、王陽の騒ぎを聞きつける。うぅ、腹立たしい展開だな。王陽が謝るワケがないわね。

（2016年）。酸菜入りの骨のスープは王北の好物。このドラマで生肉をぶった切る場面はなんだかぶっそうよね……。王響は邢建春に「引っ越したら陽児が帰ってこられない」と言う。建春は尿毒症、農家の放し飼いの卵をネギと味噌で炒めると絶品と話している。

邢建春は受け渡し担当で「黄牛」、香港なら「馬仔」、外国は「ラバ」の役目。龔彪が偽造ナンバーに当たったのは宝くじと同じ……。邢建春は健美団地の住人だと類推する。
　帰ってきた王北くんは得意のデッサンで、偽造犯の似顔絵描き。受験直前の王北を気遣う龔彪と馬徳勝、建春は王響に「三児」と呼んでくれと言う。

王北は養子で血の繋がりはない。部屋へ早々に引き上げた王北が手にしているのは新しい赤いセーター。

とうもろこし畑の中、王響が幼い男児を自転車に乗せていると、男児がいなくなる。

ＥＤ：《夜長夢多》金依依
（つづく）

第６話はドラマ感想メモを書き残し始めた回。きっと過去の邢建春に、伯父にとストレスフルになってきたんだな……。
　過去編はドキドキ。邢建春が王陽を陥れた事がわかり、腹立つ～となっている所へ、現代の2016年では王響と関係も修復し、「三児と呼んでくれ」とくるのがもう……。

そして気持ち悪い伯父。虐待なんだけど何が目当てなんだ？被害者は沈墨か……。

王響が「帰って来るのに」と言っているからには、王陽は失踪しているだけなのか？
ほつれた赤いセーター、王陽から贈られた物ならばどんなになろうと着るよね。養子の王北もイイ子、赤いセーターでなく、違う色のセーターを贈ろうよ……。

６話メモ

監督インタビューによると、ビクトリアクラブで王響に声をかけたドアマン（林柏成）とは、ドラマ『馬大帥/ 马大帅』(2004年)に出演していたふたりで、時間の流れを表現したかったのだとか。なのでドアマンが王響役の范偉に見覚えがあっても、人違いなのデスね。

WOWOW放送：2023年12月6日（水）(1h6')

７話感想

（2016年）。馬徳勝は鶏モツを注文、張り込みの途中でロトを買う龔彪。穏やかな慎ましい心で購入するとよいと助言した相手がひき逃げ犯と思われるが否認され、交通警察へ。

龔彪は羊肉とイカ、桔梗根を注文。王響は偽造ナンバー車に轢かれた人物が陽児を死なせ、傅衛軍が殺したと主張、王陽は川で自殺しており傅衛軍は服役中。馬徳勝の妻は去年亡くなっていた。胸痛い場面……。

徐さんが麗茄に手術の失敗を責め立て、6000元の手術を1800元で施行したのだが、賠償金として15万元払うように迫り10万元となる。麗茄が「夢の中で生きられてうらやましい」と言うと、「フロイトも夢は現実に影響すると言ってる」と龔彪。麗茄に離婚を切り出される。

傅衛軍は先月刑務所で亡くなっていた。

過去、公衆電話から9532657に「俺と兄貴は松河に着いた」とメッセージを残す。ゲームセンターでさきほどの青年が50元買い、沈輝（富冠铭）《脱身》蔡阿三にコインをあげている。祖母の所に帰ろうとしており両親は遠い所にいる。傅衛軍が現われ、青年が沈輝にお金を返すよう迫り腕を骨折……。

小輝がひどい目に遭ったと帰り支度をしている伯父夫婦……これは……もしや……。伯父の「いつか殺してやる」に微笑み返す沈墨の表情が……。9532657は沈墨のポケベル番号。

体調悪いアピールで王陽をまんまとおびき出す王陽ママ、好きよ。王陽も優しいね。親や上の指示は絶対な母親世代。時刻は21時30分。

ビデオ店で『タイタニック』を見ながら王陽が沈墨に手を伸ばすと傅衛軍が咳払い。傅衛軍は１歳違いの弟で、伯母が耳が不自由だからと養子に出したが、子供が生まれて施設へと。えぇ、傅衛軍がまさかの弟？ビックリよ。

（1998年）。発見されたカバンに樺林医大の食券が残っていた。
王響が王陽の棚を探っていると詩集『阿櫓の死』が。

こういう時が俺を父の前で早世させ母に挽歌を歌わせる俺と大地の四季の安らかな眠りのために

王陽のベッドの下に防護服が。

製錬所で大志が「防護服を着て炉の上に立ち、振り向いたら顔がなかった」と目撃した様子を話す。

映画館で待ち合わせる麗茄と龔彪、麗茄は焼き芋を食べている。映画を見ながら、龔彪は趙主任に続いて２位のポジションにいるとアピール。フロイトの「正常な人間ならば両立が可能だ、働くことと愛することを」を引用。麗茄は「大人の男性が好き」と話す。

王響がホイッスルを鳴らそうとするが鳴らない。防護服を着た龔彪が現われる。芋を焼いている王響。龔彪が王響に渡したお酒は、前に王響が宋玉坤に渡したお酒……。息子に家庭教師を紹介したお礼らしい。

沈墨の指導員が前代未聞の事件が起きていたと馬徳勝に写真を渡す。20日の朝、食堂の掲示板に沈墨の写真と告発状が貼られていたそうだ。

王陽が警察に連行されたとの知らせが入る。馬徳勝の愛読書はチャンドラー。
　とうもろこし畑の中、自転車に王陽を乗せて走る王響、王陽は畑の中へ見失ってしまう。

馬徳勝は李群に、伯父を事務室に案内するように言う。写真の中のポットには「会」と書いてある。食べたのは芋かな。
　朱局長は「香港人は広東省の者で５日に運転手と通話後行方不明、樺綱から手形80万元と受領し別の者が銀行に来店」の事件を扱うように言い、李群が手形の調査を進めると申し出る。

王陽のベッド下にある防護服には血の跡が……

ＥＤ：《Detached》固體李逵

７話のネタ拾い

龔彪と麗茄が見ている映画は、「シャレた恋愛もの」のハズだったが、「郁達夫の小説がテーマで男同士の絡みがある」「ロマンチックだが映像酔いしそうで、俳優はあなた（龔彪）に似てる」と語られており、映画《春風沉醉的夜晚》であろう。

『スプリング・フィーバー』は2009年秦昊出演の作品。郁達夫の《春风沉醉的晚上》が引用されている。作品が作られた年代も異なるが、そもそも映画制作・上映禁止処分を受けていた監督作品が、ドラマの映画館で上映されているのがニクイよね。映像が揺れるのは、家庭用デジタルカメラで撮影されたから。陳思成、譚卓＠『瓔珞』高貴妃も出演し、カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した。

樺林シネマの左側看板は『タイタニック』、龔彪がフロイトうんぬんと言っているが、映画『タイタニック』でもローズがフロイトうんぬんと言う場面がある。内容は異なる。

右側の看板は『Bridges Madison County』。『マディソン郡の橋』は小説が話題となり、1995年にメリル・ストリープとクリント・イーストウッドで映画化されている。マディソン郡の橋と言えば……。

WOWOW放送：2023年12月13日（水）(1h22)

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