ロングシーズン11話感想/漫長的季節,旺角風雲,夢判断,If there is a tomorrow

第10話までは一気に書きあげた記事も、第11話でブレーキがかかってしまった。私的には第10話が最もしんどかったような気はするが、やはり第11話も重かったのだと実感した。

１１話感想

なんと第11話の放映時間は２時間近く！でもあっという間ではあった。コワイよ～と思いながら見ていたが、思っていたほどではなかった（←初見時感想）。

（1998年）。ビデオ館には映画『旺角風雲』のポスターも貼られているね。王響が見つけたのはクロルプロマジン塩酸塩。フェノチアジン系抗精神病薬で、興奮を抑える作用がある。

馬徳勝刑事は沈棟梁が怪しいと思っていたのね。大虎模様のソファに、沈棟梁は「虎の威を借る狐」と。
沈墨が沈家に引き取られたのは８歳の頃で10年間……。沈棟梁は紡織第二工場の労組の運転手勤務。学校に貼られたあの写真と同じポットがあった！事件を聞いて沈棟梁が悔やんだのが「俺が殺せなかったこと」「この頃は汚れてなかった」「死人に口なし」って、鬼畜だ。

手形の引受日は17日で、警察が張り込んでいる。王響は馬徳勝とすれ違い……。
情の深い王陽母は王陽の縄を解いてしまい、水かけごはんを食べさせる。母を見つめる王陽の姿も、叫ぶ母親も切ない。

餃子を食べている沈墨と弟傅衛軍。幼い頃からお腹空いてたし、かばい合っていたんだね。単身、銀行に乗り込む傅衛軍は、沈墨に微笑みかけ、警察に捕えられる。家族写真と「王陽と逃げて、全部俺が引き受ける」というメモを残して……。
傅衛軍～～～（涙）。

龔彪の部屋を訪れる黄麗茄。机の上の時計は17時55分。黄麗茄は「夢に現れた人にはすぐに会いに行け。人生は単純」と言い、龔彪は『ポンヌフの恋人』と言い当てる。フロイトの『夢判断』を探すが見つからず、目のゴミを取る内にふたりはベッドに……。

龔彪は現われず、ひとりで工場へと出かけた王響。線路を歩く沈墨の背後から迫るが、武器（スタンガン？）を取られ、王陽を返して欲しいと頼むが気絶。王響は沈墨の後ろ姿は見ていたのか。

橋の上で沈墨は王陽に「あなたしかいないの。一緒に逃げて」。

23時05分。ひとり家に帰る王響に、王陽母は「約束して。必ず連れ戻すと」。

樺綱一時帰休名簿発表の日、王響は部品を磨いており、全力は運搬の仕事でケガして休んでいる。龔彪は黄麗茄から緑色のマフラーを贈られている。宋玉坤の嫁が病院に乗り込む騒ぎがあったと語られる。緑色のマフラー……もしや緑色の帽子？（妻に不貞された男性の意）。

黄麗茄と宋玉坤との別れ話を聞いてしまった龔彪は、壇上で宋玉坤に殴りかかる。一時帰休に龔彪、張有成、郝成剛、李慶、方中華、孫立強、田明智、蒋彦全、の名前が呼ばれる。王響も殴りかかる。黄麗茄が……。この宋玉坤の止まった腕時計は、いつぞや廬氏から贈られていたもの……党の規律委員会が横領調査へやって来た。

橋のたもとの川にて。
嗚呼、生きていてほしかった王陽は……だったのか。
動かない王陽に「うちに帰ろう」と呼びかける王響の姿が……。（涙）
第11話の2周目視聴が進まなかったのは、この場面を見るのがツラいのもあったのかな……。

そして……
『ポンヌフの恋人』出た～～～！
あれも狂気な想いな映画だったなぁ。
王陽が倒れている所に映し出される橋が、これまたポンヌフちっくなのだ（画像参照⇩）。
あの映画は確か……。

（2016年）

王響が花屋で花を贈ろうとしている。呉先生から「恋人に？」と聞かれて王響は肯定していたんだね。
呉先生はバラ11本と百合２本（11朵玫瑰，2朵百合）で、「心も１つ意も１つ百年連れ合う/一心一意，百年好合」の意。
詫びの気持ちには勿忘草をと加え、「俺を忘れるな、許してくれ」の意。

この呉先生は元第十高校の教員で退職年金も余裕があり、妻は亡くなり娘は独立。李巧雲は保障金の手続きをして店をたたむ予定とか。

この時にふたりのオジャマしないようにお芝居する王響……。この呉先生も善人なんだよね。
初回時は「なんだか随分メロドラマになっているが、王響の奥さんってどうしていたっけ、友情なんだよね？」などと思っていたが、二周目は過去の関係性もじっくり見ており、王響が李巧雲を思い浮かべて言う台詞には泣けた。
「新しいものが受け入れられないだけ」という王響の言葉が切ない。
王響を見送りながら、李巧雲は「名前は王響、響きの響よ」と。

龔彪はタクシーを売却する手筈を取り、乗務員資格票の有効期限は2016年10月20日から3年間だった。オープン予定の黄麗茹のエステ店を見に行くと、共同事業者の郝さん（魏凯）《鹿鼎记》赵良栋、《将夜》华山岳がいた。出資者であり整備工場も経営している。男性陣のライバルたちは皆、お金があるんだね……。

黄麗茄は郝さんには笑顔を向けている。それを見る龔彪がツラい……。そういえば龔彪は黄色いシャツを着ているのね。餌を十分に食べさせ、ついに屋上の鳩も放っている。それを見送る彪子の表情がまた……ね。

彪子と黄麗茄の最後の食事、離婚合意書も署名されている。スープをよそう黄麗茄。彪子は「90年代の大卒で品位はある」と言い、「幸せになれよ」と立ち上がり、店の名前を「如夢」と伝え「これまでの日々はまるで夢を見てるようだった」と。

カラオケ店で《在那桃花盛開的地/桃の花咲く所》を歌う王響。
陽気な酔っぱらい3人組。

一番踊りたくなる曲はと《Surprise (album version) (Cha Cha 31) 》をかけ、馬徳勝は再びマーロン・ブランド呼びされている。第3話登場時でも流れていた曲。
歌詞の「君といる時は空を飛ぶ鳥の気分」「君と過ごすひととき天にも昇る思い」は、なんだか先ほどの龔彪の台詞にも似ている。この後に続く「行かないで一緒にいたいんだ」が彪子の思いなのか……。

When you are with me,I feel like a bird（略）
Will meet you by here now,I live in fantasy
Don't run away,Home is everything

酔い潰れても「真相は絶対に解き明かす」と言う馬徳勝。
王響は「運命を信じるようになった、人生には定めがある」と彪子に語る。

朝、ふたりの分の朝食を買いタクシーに乗り込む龔彪。ソファに崩れ落ちる馬徳勝。
タクシーで運転しながら元気に歌う龔彪。
第16129回ロト当選番号がラジオから流れる。上段07 08 19 30 35。車が衝突し、橋の上を飛ぶタクシー。ロトは第7話で購入していたね。

ＥＤのJoyside《If there is a tomorrow》が流れる中、笑顔の龔彪に、飛びたつ鳩の映像が重なる。
クレーンでつり上げられるタクシー。

ひえぇぇぇぇ。

若き龔彪が枕元に花を飾っている。こんな時にも「息を止める練習か？」とジョークを飛ばしていたのね、そういう人なのね。だましていたと泣く黄麗茄に、「君こそが大切だ」と言う龔彪。「君の好きなカラーだ」、ちゃんと覚えて買っていたのね。
（つづく）

宋工場長の相手は第7話での映画『マディソン郡の橋』看板もあり、黄麗茄とは思っていたが、妊娠までしていたとは……。
龔彪の鳩を飛びたたせる場面も切ない。
彪子、イイ奴なんだよね。

あとは王響と沈墨が対面か～と思っていたら、
クジに当たってキレイに車が飛んでいるし、
馬徳勝は倒れているし。
龔彪は「雨や風など何ともないさ。涙を拭け恐れるな。少なくとも夢はある」と歌っている。

弟くんが捕まったところの表情に「お兄ちゃーん」と思ってしまった。
あ、弟だったと思い直す。
捕まるのは覚悟だし、お金は得られないのは分かっていたのだし、
３人で逃げるのではダメだったのかな。

役者さんは素晴らしい。
だけどどうも話の運びがあざとい気がしてしまうのだが……。

……とは初見時の感想。

周回するとこの回は沁みた。

１１話のネタひろい

『旺角風雲』は1996年の香港映画。監督は葉偉信、出演は梁漢文、張耀揚、黄秋生。映画『古惑仔』と似たような、裏社会へと入って行く主人公のお話。

『夢判断』はオーストリアの精神科医フロイトの有名な著作。

『ポンヌフの恋人』は1991年のフランス映画。監督はレオス・カラックス、出演はドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ。パリのポンヌフ橋で繰り広げられる愛と狂気の物語。

ＥＤ《If there is a tomorrow》の歌詞を眺め、龔彪の心情らしいなと思う所を書き出して、ドラマを見るとちゃんと日本語歌詞が付いていた、おぉ。なんとなく英語歌詞の方がストレートに思いが伝わる。

「もしも明日があるならば俺たちは１つとなり、生きる意味を問い直す。もう怖れもなくもう悲しみもなく俺たちは立ち上がる、心に誇りを携えて」
「もしも明日があるならば俺たちは皆愛で１つになるだろう、もう涙ももう影もなく、俺たちは必ず勝つ、決して負けやしない」

if there is a tomorrow we will be ONE, redefines life forever no more fear no more sorrow we will rise up with pride in our hearts
if there is a tomorrow there will be love, binds us all together no more tear no more shadow we will triumph, we will never fall part

WOWOW放送：2024年1月10日（水）

(1h48)

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