笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「愛なんてただそれだけのこと」「宮廷の諍い女」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

君、花海棠の紅にあらず 16,17,18話 感想と京劇/北へ南へそして再会

第16話「敗者の絆」

陳くんも追い出され、気が合う二人。陳紉香の帽子を取り、頭をなでまわす商細蕊の気持ちがわかる。陳くんこと檀健次、綺麗な頭だなぁ。

七坊ちゃんのコラムもついに新聞に載らなくなり、アヤシイ薛千山(程楓)が出てきたと思ったら、いつぞやの側室を娶った人か! 六月紅も子どもを産んで元気にやっているかなぁ。薛社長は、読者が好むのは有名人の噂や珍しい事件と言う。いつの世も変わらない。

奥方は杭州・秀隴坊の絹を目利きし、バリキャリと実家の威光をかざして、鄭商店が差し向けた商人たちを見事に撃退。

一方、二旦那は娘親分に床入りを迫られている。やっぱりこうなったか、大笑い~。銃を突きつけられても動じなかったのに、唖然としている二旦那。易者に「19歳の年に南方の客と非凡な子を成す」と占われていた。ここはもともと北方なのでは……。

今度は二旦那まで脚を組んでモグモグタイム。そこへ曹息子くん登場し、娘親分は早速鞍替えする。問題は曹貴修、かなり女性の好みが高そうなのだが……。

程鳳台が北方にいる頃、商細蕊は南下しており、上海に行くはずが『女起解』を口ずさむ内に南京で途中下車。南京では孔子廟玄武湖栖霞山が観光地。

金鳴劇場、『西廂記』「眉間に深い情を宿し、恥じらいながらそばに立つ」「~もういいわ」。劇場前で聴いている。

商老板は陳くんと舟に乗る。姜会長は商義父を見下し、商細蕊を捨て子とバカにしたそうな。祖師・張北斗の最期は妻子と別れ、街で凍死したらしい。商細蕊に「いくつか趣味を持ち心を分けろ」とアドバイスする。商細蕊は「程鳳台と飲んだ酒の方がいい」、そして食べ物には目がない相変わらずの可愛さ。塩漬けのアヒルが出てくる。


曹師団長は山西出身で、范漣は関外出身。絡子嶺から見れば中国の大半が南方とツッコむ余裕ができた二旦那。娘親分にとって、二旦那は派手に見えると来たもんだ。「男を追う時は走るな」と助言をして、なんとかうまくいかせようとする義叔父・二旦那。曹貴修くんはインテリで英語・ロシア語も堪能。そして曹貴修はマントを脱ぎ、二旦那に向かい敬礼して「叔父上/ 小娘舅」と呼ぶ。

16話の京劇メモ

杭州の絹:絹の名産地。

女起解蘇三が契りを結んだ王金龍に、故郷南京へ帰る路銀を贈った。14話で陳くんが擁護してくれた戯曲でもある。

孔子廟、玄武湖、栖霞山:夫子廟。南京駅の南にある湖。南京の北東にある山。

西廂記:『紅娘』四場「琴心」紅娘の唄。3話にて説明。この台詞は娘親分と曹くんのことでもあるのか?

 ・もういいわ:【罢 bà / やめる,終える】と【爸爸 bà / 父】

関外:中国東北部。山海関より東の一帯。確かに南方の客ではないし、身内にモンゴルの姫がいる訳だ。

BS再放送16話感想

陳くんは13歳で父を亡くす。北京時報の階段には「無私為公」の文字。七坊ちゃんが「足で書く」と靴をドンッとしたのが気になるな。

奥方=嫻貴妃@瓔珞降臨~~~、しかも緑色衣装なのね……。ウィスキーのラベルには「WHMR 1910 Red」、1910年は辛亥革命直前の年号。なにかの略字かな。赤=漢民族を思わないでもない。2022.1.19追記

第17話「清風明月に届く声」

娘親分と陳くんイイ子の回。


程鳳台は曹貴修に「あなたは柔軟な方だ。やはりただ者ではない」と言うが、一方の商細蕊は頑固者である。曹くんは戦争好きなの?  前線を離れるとつまらないとは恐ろしや。

やり手ばばあのように娘親分を送り込む二旦那。にっこりと笑えというところでの、指でニッコリ仕草がカワイイ。


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南京
で正統派の崑曲『玉簪記・琴挑』の「短清は別れのつらさにお構いなし」と唱う商老板。盃で節を取っているのがいいな。
 他の人が「私の恋の歌を~秦淮の光景も~」と歌っている所に商老板の歌声が届く。月鈴姉さん(马苏)が登場し、頭をなでる。なでたくなる気持ちはよく分かる。陳くんはモテ男だ。水郷でゆったり舟に乗ってみたくなる。


二旦那に娘親分が肉餅と煮卵をくれる。なぜか歯が折れている曹くんは、朝食はいらないと。去るのを見つめる娘親分がちょっと切ない。雷先生は工事を続行すると言い気骨がある。帰宅した二旦那は察察児に、カップルのテディベアを手渡しているがどこで手に入れた?? 早速家族呼びしている曹貴修。


みそか
。姜家へ曹くんが乗り込むと七坊ちゃんも居合わせる。七坊ちゃんはなんとルソーの『社会契約論 三章』を持ち出すが、曹くんは銃で実力行使。ヤクザだなぁ。
 二旦那は蝶のブローチを手にしている。武器弾薬を渡す約束を二旦那に打ち明けるゴージャス姐さん。


指の稽古をしている商老板。劉漢雲(侯岩松)に招かれ、その劉委員が寧九郎に「通」と言われていることに興味を示す。ビルマの宝石からルビーを選ぶ二旦那。なんとなく商老板に贈るのかと思いきや奥方でしたか、そうでしたか。「付き添い」は裏で優雅にお茶を飲んでいる。

劉委員は演目表から選ばず、『琴挑』の『朝元歌』をリクエストするが、陳くんは途中で歌えず。陳くんイイ子なので、商細蕊にお株を取られてばかりでひねなければ良いのだが。

藩金蓮のやり手の玉婆、これは二旦那のことだったのか?その場合、藩金蓮は曹貴修よね。男女入れ替わっているのが愉しい。

17話の京劇メモ

朝元歌:崑曲『玉簪記・琴挑』の中にある節回し。陳妙常が唱う。古代の女性が封建的束縛を打ち破り、自由を求める気持ちを表わしたもの。商細蕊が舟で唱っていた。これも娘親分と曹くんの事のような気がしないでもないが。

・「秦淮の光景も」:江蘇民唄『無錫景』かと思ったが、歌詞からすると、映画『金陵十三钗(2011)』チャン・イーモウ監督 の挿入歌『秦淮景』か。

・肉餅:日本だと平安時代に通い婚の翌朝に三日夜餅を食べるが、中国にはそんな風習はないんだろうか? なんとなくだが、曹くんに朝食を断られ、娘親分が「あ、そうなんだ」な表情に見えたのでちょっと気になった。

・テディベア:ルーズベルト大統領は、猟で瀕死の熊を撃たなかったという逸話がある。なぜかぬいぐるみがカップなのも目を惹くが、雄ベアが黒い鳥のようなものを手にしているのが謎すぎる。……もしや九官鳥??

BS再放送17話感想

「笑え」と言われ、娘親分が豪快に笑うのがイイな。天津の西洋歯科医はなんだろ?この手のひらの赤くなった歯は……。 姜家の前で、七坊ちゃんと曹貴修は握手していたのか。七坊ちゃんと関係するのはだいたいフランス。曹家の銃の前に、対照的な対応の商細蕊と姜会長。商老板が蓋椀を置いたら、劉委員が上げるという演出のつなぎも面白い。2022.1.20追記

 

第18話「結びつき」

陳紉香は素直に商細蕊に「双簧」を頼みこんで影武者となってもらうがバレていた。そりゃそうだ。「我が心 穏やかで憂いなし~」。昆曲の節回しは反骨精神を培う。義子のひとりは陳くんの『大登殿』を見たと。


二旦那は奥方に「14歳でイギリスへ留学、当時の舞台の台本(裁縫店の娘)」と語ったけれど、聞く耳持たれずで、二旦那の心の扉が閉まる音が聞こえるようだ……。裁縫店の娘だけだと、オペラ『ラ・ボエーム』のお針子ミミに思えなくもないが、6話ではそんな感じではなかったしなぁ。


アッサリと義子になったのには面食らう。しかも商細蕊も七坊ちゃんになるとは。劉委員は「意のままに生きられることを願う」と言っているからワルイ人ではないのか。金の如意を貰う。陳紉香に『西廂記』の「もういいわ/パパ」と答えて子供になるとはと言われ、商老板は「上海では義母でも作る気か?」と返している。陳くんはどこまでも商細蕊思いのイイ奴だった。幸あれ。


七坊ちゃんは、ペンネームを使い分けて殆どひとり北平新聞専属コラムニストをしていた。手のひらを返す薛社長。でも七坊ちゃんが金欠なのは、何に遣っているのか? 『華山尋剣録』『左義東』を褒める薛社長。前借りの小切手が切られる。

二旦那が停車場で帰りを待ち、感動的な場面か……と思いきや、商細蕊は変装していた。歴史的に考えると、この時代の政治家の義子は危険な気もするが大丈夫なんだろか。早速、ご機嫌うかがいに来た役者方にも、寛容に応じる商老板。

酔いつぶれた商細蕊を背負い「背丈の割に重たいな」とこぼす二旦那。役者は八方美人ばかりと文句を言う二旦那に、「頼りつつも嫉妬しあう複雑な関係」と説明する小来。二旦那が帰ろうとすると商細蕊が寝ぼけながら起きて「帰らないで」と。


ようやく学校に通い出した妹は、敵である鄭会長の孫息子(叶禾)と仲良しになっている。

崑曲は「百劇の祖」。安王(俞瞳)がやって来て、母が商老板の『牡丹亭』を聞いたと。母は西太后と観劇に行っていたらしい。その母の寿宴にと招かれ、ご高名の玉魁も出てくるのか!アヘン漬けの名役者!! 2ヶ月後になにか5年毎の番付もあるらしい。

二旦那は何かに秀でていて、それを貫く人が好きだから、奥方が有能で頑固というのも割と好みのタイプだったんだな。これで二旦那の芸能嗜好を理解できれば、言う事なしだったのだけれど、そういうのとは無縁の地方の豪商娘で育った奥方には、理解できないんだろうなぁ。まぁそうでないとBLにはならなかったワケなのだが。

18話の京劇メモ

双簧:前の人は動作をして、後ろの人が話すという民間芸能。

大登殿:『武家』のつづき。薛平貴には、王宝釧と代戦公主というふたりの妻がいる。

・金の如意:孫悟空如意金箍棒(如意棒)を思わせる。また、2話の麻雀牌「四万」と合わせると「万事如意」の意味になる。2021.12.29追記

・小切手:民国26年(1937年)3月2日。1200元。

百劇:中国民間芸能の総称。

 

BS再放送18話感想

控室で一心に食べ続ける商細蕊はもはやハムスター。陳くんのピンチにもコミカルなBGM。3人が揃うと白(陳)黒(劉)グレー(商)と3色な衣装の取り合せが美しい。

二旦那は赤いルビーを丸い箱で贈っていた。ここで商老板の醜聞を薛社長がもみ消していたのか。薛社長がうやうやしく七坊ちゃんに小切手を捧げていたのがお茶目。

二旦那が駅の出口で待つ場面、商老板がトランクに坐って待っているの、『赤毛のアン』の冒頭チックだな……義子つながりか! となると二旦那はいつもアンを味方するマシュウなのね。 安王と話している時に映る女性の絵はなんだろ?2022.1.21追記

 

 

 

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