笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「君花海棠の紅にあらず」とアニメ「天官賜福」、漢詩で「山河令」もはじめました。

君、花海棠の紅にあらず 28,29,30話 感想と京劇/梨園の王,写真撮影

第28話

二旦那のイクメンぶりが発揮された回。中国BL界には、スパダリはイクメンでもあるという不文律があるんだろうか。

二旦那にとって何よりも守りたいのは家族、一方商細蕊は京劇。商楼板は赤ん坊の泣き声が「夜 墓の脇で聞こえるふくろうの鳴き声」に聞こえるよう。

二旦那が赤ん坊を抱かせようとすると商細蕊は逃げ惑う。「それでは人類は滅びる」に、「子供を見て逃げる者がいれば、見捨てられない者もいる。だから人類は滅びません」という返しに妙に納得してしまった。蒋夢萍も人相が悪く見えてしまう今日この頃。常之新が常識人に思えてきた。

程母が歌う「海の孤島で徐々に昇りゆく月」。
二旦那が曽愛玉に情けをかけるのは、自分の母親と自分を重ねているからなのか。范漣は駅へ急ぐが間に合わず、曽愛玉への対応で株だだ下がりである。二旦那と愛玉の別れの場面、昔の洋画で既視感があるんだけど出てこない。この帽子が気になってはいるのだけれど。

奥方は同じ女性を二人で取り合ったと思っているのか。お姉さまのストール姿がお美しい。結婚の回想場面で流れる音楽も良い。結婚して差し出された指輪のサイズは合わないし、そして子どもができて夜伽に侍女春杏(张天韵)を差し向けていた奥方。夫婦関係に西洋的なもの(恋愛)も求めるけれど、旧態依然とした価値観が根深いという事なのか? 

こういう所はこの夫婦はすれ違っているんだな。ハタから見ると、二旦那の好みや信条がわかり、范湘児はその範疇にあるのだけれど、家族だと自分の中の思いこみや理想やコンプレックスが邪魔をして、案外わからないものなのかもしれない。

そして春杏のあの態度はコレもあったのか。二旦那の側室にもなれるビッグチャンスだったのかな……。

突然、車を二旦那へプレゼントしちゃう商細蕊。商細蕊が呼びかけ、二旦那が京劇調でちょこんと「なんのご用で/ 喊我何事」と答えるのがカワイイし、商老板のなぞなぞの節が小気味よい。「二旦那のほしがる物は何でもあげたい」。なんの告白ですか。

そして愛玉が持っていた鳳凰の尾の玉。なんだか以前、似たようなのを見た記憶が! そんな縁のある赤ん坊なの??お金持ちに引き取られれば幸せとは限らないが、格差社会で貧乏だとツライ事も多いから、そういう選択をするよね。名前も「鳳尾」から「鳳乙」へ。

しかし姜会長もここへ来て推すのが四喜児って……。しかもぶつける相手は寧九郎。嫌がらせにも手持ちカードなさすぎて大丈夫?

28話の京劇メモ

・なんのご用で:『梅龍鎮』に李鳳姐が「我何事」と言い、正徳帝の「我且问你」と質問に続く台詞はある。

第29話 勝利への畏怖

寧九郎から商細蕊へ梨園の主人交代劇。そして商老板に宝物と言われる二旦那の巻。


薛千山と七坊ちゃんとのペアも安定だな。薛千山は不敵な人物かと思っていたら、いつの間にか七坊ちゃん後援者になっていた。そして二旦那の推し活が始まる。

斉王と寧先生の会話も雅である。西瓜を植えることを提案する寧先生。新しく畑を耕し育てる、という意味なんだろか。しかしなんで西瓜なんだろ?

そして変装してまで寧九郎に投票する怪しい商老板シリーズ2。シリーズ1は駅にて。自分のファンとやりあってるのが何とも言えない。

開票している梨園会館には行かず、尊敬する寧九郎に勝つ事を恐れる商老板。いまや怖いモノなどない人なのに。それを二旦那には打ち明けるのが良いよね。「年に負ける」師の姿を見ることに耐えがたい。

北平市第5回梨園の最高峰開票式。寧九郎クラスだと、付き人も威厳があるんだな。さいごは寧九郎が商細蕊に一票を投じ、「若い鳳のほうが美声だ/ 雛鳳清于老鳳声」というお祝いの言葉と「梨園の最高峰 /金檯魁首」という扁額を贈る。陳紉香に出てきてほしかったけど、2回も商先生に負けるのは可哀相よね。四喜児も大したことなく退場。お疲れさまでした。

商細蕊が、寧先生の足にすがりつくのは阿苑@陳情令にしか見えない。そして大の男がしがみついてもある種、母子像のようで絵になるのは寧さまと商細蕊しかいない。

寧先生は商細蕊について「芝居の時だけでなく夢でも、現実と虚構が一緒になる。骨の髄まで役者なのかもしれないね」と優しく語りかける。商細蕊を扁額に寝かせつける寧先生も面白すぎます。そんな寧さまも、さすがに白髪を抜かれたのには唖然としていた。

目が覚めた商老板は、二旦那も扁額に寝かせて「私の宝は今全部この部屋にあります」宣言をする。幸せをかみしめ「感動した」と二旦那。

天上人のような寧九郎にも、型を破ることへの憧れがあり、それを体現している商細蕊を尊重するからこそ、弟子にしなかったのか。自分を越えてほしいから。万年2位だった商菊貞のことも、内心では尊敬していたのだろう。

寧九郎は清代の役者なんだな。そして商老板は宮殿に来た革命家のように、伝統を打ち破るこの民国時代の申し子。となると、これから来るであろう、戦争や次の時代には、周香蕓のような役者が寵児となるのか?

なんだかこの回が商老板のある種、頂点のような思いがしてしまい、晴れがましくも複雑な思いにもなっていた。そして好きな回のひとつ。

29話の京劇メモ

張飛の西瓜裁判:西瓜に関する京劇はないかと調べてみた。張飛が西瓜泥棒の嫌疑のかかった赤ん坊を抱く女性の裁判で、疑いを晴らしたというお話。関係はないけどせっかく調べたので。

・若い鳳の方が:唐の李商隠漢詩や『紅楼夢』にも出てくる一節。子が父を越えていくことの喩え。

金檯魁首:金台魁首。魁首は第一人者の意味。

 

第30話 最愛の妹

妹察察児の危機にドキドキしたけれど、商先生が捕り物。そして二旦那の母の消息と、程商ふたりの写真撮影。

二親分が逃げだしていた。賄賂は断る警察署長、新しい波が来ているのか。二親分をふたりでとっちめ、妹は香港へと。この商老板は梁紅玉かな。二親分の場面の貼り紙には「乾坤大補丸」。

察察児は「大人になったら私のことは自分で決めさせて」と言う。ここでもしっかり姉と妹の仲は悪い。葛運転手さんはとばっちりをくらい、減俸処分。西太后と青年・劉謹雲のやり取りを思い出し、奥方は程家の西太后さま……。

二旦那母と対面か?と思いきや、お弟子さん(黄馨瑶)だった。スラリとした立ち姿が美しい。程母と共演なるかという私の淡い期待も、「亡くなったら名前を継いで」とのことでした……。そうだね、会うことがないのなら、二旦那の中ではいつまでも地方を京劇して巡る姿でいてほしいものね。

母の『穆柯寨』のレコードを受け取る時に、二旦那が手の平をぬぐう仕草がいじらしい。「海の孤島で徐々に昇りゆく月、月の兎に出会う、兎も天高く昇っていく」。

そんなシリアスパートのあとに、ご褒美のように商老板のおもしろCM撮影風景が。この石けんって、あの義兄弟のメーカーではないんかな?

商細蕊をリラックスさせる方法も熟知している二旦那。見本のポーズも決まってます。レコードは商先生大好きな寧九郎と侯玉魁の『四郎探母』。

ふたりで記念写真を撮ることになり、商細蕊は背景に花海棠の木があることを二旦那に嬉しそうに伝えている。二旦那はつれなかったけど。この写真がスチール写真なのですね。

上海の事故で仕事復帰する二旦那を送り出し、視線を交わすふたり。

奥方は帳簿付けから、二旦那の商才を褒め称えている。美心姉さんの白いドレスと、パールのネックレスがまた魅力的。

上海の程邸がこれまた素敵な洋館。かつての思い出にふける二旦那。

 

30話の京劇メモ

梁紅玉:京劇『娘子軍』五場の一節。宋は金に攻められ、韓世忠は苦戦するも、妻の梁紅玉が太鼓を叩き、女性兵と共に金を撃退する。

穆柯寨:穆柯寨の降竜木を取りに行くが、穆桂英に打ち負かされる。穆桂英は楊宗保に一目惚れして連れ帰る。

・海の孤島で:『百花亭』で楊貴妃が歌っているおなじみの一節だが、ここは月にのぼっていく母の姿か。

 

 

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