笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「愛なんてただそれだけのこと」「宮廷の諍い女」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

生魂/陳情令スピンオフ映画 温寧赤子感想キャスト演員「The Living Dead 」

陳情令のスピンオフ映画は、現在二部作となっている。
温寧と藍思追の関係がよりわかるかと期待して「生魂」を観た。

陳情令之生魂

冒頭、ホラーめいた場面がひたひたと続き、スピンオフでなければ観るのを躊躇する、何かが突然出てきそうな緊張感が続きます。久々に陳情令を観初めていた頃の、魑魅魍魎感を思い出す。

舞台の扶風城はかつての不夜天で、“火を灯すと悪霊に喰われる”とされている。温寧が口にする「鬼は臆病者【胆小鬼】だけだ」が繰り返される。

生魂のアクションは温寧の鎖攻撃が見所である。陳情令では早々に鎖を断ち切っていた温寧だけれど、戦闘の為に再装備した模様。温寧の性格が少し変化しており、最終回で別れた後、憧れの魏無羨を取り入れたのか?という感じ。ちょっと陳情令の温寧が懐かしくもなる序盤戦。

藍思追とも合流し、藍思追は問霊で活躍。琴から無数の糸が舞い飛びます。


蕭氏という世家が出現。かつては灯籠を作り温氏におさめて栄えた一族らしい。突然、灯籠作りの世家が出てきて戸惑ったが、アニメ魔道祖師美術設定集での「不夜天城」の説明に、「城中は夜になることがなく、灯籠がずっと灯っている」とあり、その灯籠を納めていた一族なのかと合点がいった。2021.4.1追記。

蕭氏には、面倒見の良い姉・蕭情(シャオ・チン)と、いじめられる義弟・蕭憶(シャオ・イー)が出てきて、かつての温寧と温情を彷彿とさせているのだろうか。姉の名前も「情」である。物語が進むと、結構、私の中の陳情令の姉たちがうずいてくる・・・。

そしてその蕭情役は、「霜花の姫~香蜜が咲かせし愛~」の鳥族公主・穂禾役の王一菲(ワン・イーフェイ)ではないですか。「霜花の姫」最初は鳥さん、魚さんで楽しんでいたのが最後は…。天后の宴での舞も見応えありました。主題歌「不染」とエンディング曲「左手指月」が良いのである。また「夢幻の桃花」の知鶴公主でもある。知った顔が出てくると親近感が増しますね。

夷陵老祖の手稿、というのも出てきて、もがく温寧の場面で、魏無羨キターーーーー! 後ろ姿だけど。「無羁」の音楽が流れて、温寧に語りかける言葉がカッコイィのである。

温寧の鎖を解き放ち、世間の人が鬼将軍と称しても、「温寧、大切なのは自分をどう見るかだ。」【温寧、重要的是你自己怎么看待你自己】。そして鎖を駆使したアクション場面。

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ロックな生魂
©2019 Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

登場人物が「阿情、許してくれるか」と問いかけ、うなずく蕭情。 「許される」というのも温寧の心象風景と重なっているのだろうか。

最後の陰鉄についての温寧と藍思追とのやりとりが、温寧が「人の欲望と私心こそ世を乱す原因だ」と述べた言葉に、藍思追の「それは魏先輩から?」に対して、「いや私のだ」と返すのが温寧の自立を感じさせてくれている。でも健気な温寧も時には見せてね。

エンディングには、温寧役の于斌が歌う、温寧のキャラソング「赤子」が流れる。

温寧視点で改めてみると優しくもの悲しい。(4:17)


藍思追は合いの手を入れる相棒であり、物語のメインは温寧自身の解放であった。

そして成長というのは、頼もしく思える反面、かつての姿を思い出すと、少し寂しくなるのだろうか。

 

<キャスト演員>

温寧: 于斌(ユー・ビン)
藍思追:鄭繁星(ジェン・ファンシン)
萧情:王一菲(ワン・イーフェイ)
萧忆:高寒(ガオ・ハン)
周子殊:何龍龍(フー・ロンロン)

 

監督:裘仲维(チウ・チョンウェイ)
脚本:吕萍 (ロー・ピン)
時間:83分
公開:2019年11月7日

 

陳情令之生魂予告編 (1:46)

 

温寧のビデオメッセージ

温寧役の于斌(ユー・ビン)のビデオメッセージがあります。于斌が日本語で挨拶していてカワイイ。2021.3.27追記
▼公式Twitter陳情令「生魂出演者メッセージ
外部リンクです。

 

WOWOWで「生魂」を見た

「生魂」を日本語字幕で見て、生魂での設定や用語が気になりまとめてみた。

オープニングで「扶風城 明りを灯すなかれ。夜泣きお化けが血肉を食らい生魂を奪う」が流れる。扶風城の掟は、鐘が鳴れば明りは灯さないこと。
陳情令では子どもにもからかわれていた温寧も、今や化け物と恐れられる。

七竅(しちきょう)は、人の顔にある七つの穴、目・耳・鼻・口。霊識や怨念についても語られる。無残に死ぬと霊識が刺激され怨念を生むが、ここでの骸には霊識も怨念も残っておらず、魂を吸う妖獣の仕業かと推測される。怨念を誘発し霊識を吸い取るのは陰鉄と同じである。

去年7月7日の灯籠祭に、蕭氏の屋敷が大火事に見舞われ、一族郎党50人全員が亡くなり、化け物騒動が起き始めた。屋敷の門は開かず、中から扉を叩く音がするという。まるで常氏の屋敷のよう。

荒野で温寧は、温寧の姿をしたのと対峙。「人を殺めし者はいずれ殺められし」「ただの生きる屍だ」と責めたてられ、温寧は「私は傀儡ではない」と叫ぶ。

干良(ユー・リャン)、陳情令の従兄はだいたいイケズなことが多い。
走馬灯は、内枠の切抜き絵の陰が、外枠の紙に周りながら映るように仕掛けた灯籠。周子殊(チョウ・ズーシュー)の寒門の出の寒門は、貧しい一族、士階層の下層に属する家柄。

かつて金光瑶が金麟台に隠し持っていた魏無羨の書付がなぜかここに流れていた。周子殊の手には螟虫(めいちゅう)と、胸元には灯籠祭の日に贈る予定の蕭情の姿絵が残されていた。螟虫は米の害虫であるメイガの幼虫。

家僕の趙(チャオ)が、陰鉄で蕭情を生き帰らそうとしていたとわかる。
建物の名前に「澄懐軒」(ちょうかいけん)とあり、江澄と懐桑と子軒のオマージュのような……。

魏無羨の声は、陳情令・中国ラジオドラマと同じ声優の路知行であった。
「自分の心に従い自分の人生を探すんだ」
【跟随你的内心 尋找你自己的人生吧】

WOWOW放送 2021年3月28日
2021.4.2追記。

fuenone2020.hatenablog.com

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