49話感想・金光瑶の悪事
観音殿。藍曦臣は金光瑶に「二兄様と呼ぶ必要はない」と言う。金光瑶は所業を7日後に知らせるという文により、世家を滅ぼそうと乱葬崗包囲に至っていた。悪事は追いつめられたからと。
藍曦臣の質問タイム。1問目が秦愫の婚姻のことで、え?そこ?と思わないでもなかったこの質問。この観音像を間にはさんでいるアングルが良いな。ちょっと小説第4巻表紙にも似ている。花嫁衣装は紅色だけれど、金光瑶は金模様とはいえ白い衣を着ているのは縁起が悪いのでは……。取られたヴェールが覆ったのは林檎に葡萄に石榴かな。
金光瑶にとって秦愫との婚姻は自分の身を盤石にするためでもあり、破談にすれば事が露見する恐れで我が身も危うい。『人生若只如初見』♪ 金光善は秦愫が娘とは気付いていなかった。父殺しを認める金光瑶を藍曦臣は「阿瑶」と平手打ちし、金子軒の件を問う。
金子軒との回想。金光瑶が嘘をつく時は目を伏せるらしい。金子軒に金子勲の動向を知らせ、自らは琴を鳴らし蘇涉が笛を吹き、鬼将軍を操っていた。このふたりも琴と笛の合奏だったのか。
金光善への失望
金光瑶に詰め寄りつつも「叔父上」呼びする金凌。『情牵』♪ なぜと問われ、自分と金子軒の実子でありながらあまりの待遇の差を問い返す金光瑶。誕生日も同じなのに、金麟台の階段から蹴り落とされた金光瑶。金光瑶は階段下で礼をしている。
父の命に従って、魏無羨を陥れ薛洋も守ったが、その父親に失望したワケを話し始める。金光善が女子とお戯れで、葡萄を口移しする場面では、なぜにコヤツのこんな映像はまかり通るのだと思っていたよ。しかもこのお戯れ女子が何気にカワイイのが、金麟台に呼ばれるレベルを感じさせ苛ただしい。金光瑶の母親が学識があるだけに疎んじて身請けせず、話が息子の話題となると「奴の話はするな」と言っていたと、笑うしかない金光瑶。
そんな隙を見て金光瑶は金凌を盾にとり逃がすようにと迫る。琴弦は体内に隠し持っていた。蘇涉は置いて行かれるらしい。
覇下と鬼将軍
そこへ門の扉が叩かれ、藍思追が飛んで来て、鬼将軍が覇下と共に降り立つ。カッコイィ~~~。覇下を手にした温寧の身体から黒い怨気が立ち上る。魏無羨が口笛を吹くが従わず、温寧は刀霊に取り憑かれている。鬼将軍が打ち下ろす覇下から、金光瑶は金凌を放し、魏無羨が金凌を助け、その刹那に藍忘機は金光瑶の左腕を切り落としていた。藍忘機は琴で、藍曦臣は蕭で『安息』♪を奏でる。珍しい藍氏双璧の合奏場面。
金光瑶に向かっていた覇下が、突然金凌を狙い呪術も聞かないが、魏無羨が「温瓊林」と名前を叫ぶと金凌の頭上で覇下が止まる。自らの手で覇下を止める温寧。半欠けの陰虎符を見やる魏無羨、江澄が魏無羨に陳情笛を渡し、藍忘機の琴と合奏、覇下を棺に納める。温寧、よく頑張った~~~。魏嬰の笛を吹く姿に、藍思追は蝶を握り締める。
そんな最中に、聶懐桑が蘇涉に殺されると騒ぎ立てている。それに反応した覇下が蘇涉を襲う。金宗主に手を伸ばす蘇涉……金光瑶には義理堅かった。
観音殿の出来事
棺の聶明玦の上に覇下と陰虎符を置き、封印する魏無羨。負傷した聶懐桑が賑やかに訴え、藍曦臣に介抱されている。聶懐桑は逃げようとする蘇涉に刺されたと話す。『人生若只如初見』♪ 藍曦臣の「無駄な抵抗はしないことだ。さもなくば躊躇なく命を取る」という警告に対して、金光瑶は「沢蕪君」呼び。
沢蕪君が金宗主を治療する様子を、聶懐桑が鋭くうかがい見ている。藍曦臣に薬と言われた聶懐桑は、手にした薬を懐に入れ、藍曦臣が近づいてきた所で「曦臣兄?、危ない」と声をあげる。
振り向きざまに金光瑶を刺し抜く藍曦臣は目を閉じている。聶懐桑は金宗主が背後から迫り藍曦臣を襲おうとしたと訴える。
(つづく)
ようやく刀霊が棺におさまった……かと思ったらバーンとなったので、せっかくここまで鎮静化したのに~と思った初回視聴時。WOWOW放送では第48話から最終回まで一気だったので、出てくる真相にジェットコースターに乗るかのごとく揺さぶられながら深夜、突き進んでいった。
陳情令吹替版49話感想
石田金光瑶の話しぶりは、共情での聶明玦の事があるから疑わしく見えてしまう。森川藍曦臣では怒りをより強く感じる。そして立花藍忘機の兄への話し方は兄弟感があるな。沢蕪君が「おなご」と言っているのを聞くと、玄武洞での藍忘機を思い出す。
花嫁のヴェールは棒で取らない時もあるのね。
沢蕪君、怒りの時には「阿瑶」呼び。金光瑶に詰め寄り叫ぶ梶金凌の思いが痛い。そんな金凌に手をのばすが止める金光瑶。「なぜなのか」と金凌へのトーンは異なるんだな。石田金光瑶の「この差は一体どこからうまれるのか」が切ない。
温寧、カッチョイィ~~~。憑かれていた水行淵や窮奇道を思い出すけれど、ここで島﨑温寧の「僕が止める!」にこみあげてくるよ。温情、温寧は立派だよ~。
魏嬰に信頼を示す藍湛、陳情笛を渡した江澄の表情もよい。それぞれのドラマをより感じる吹替版。
陳情笛を吹く魏無羨のあとを、ぞろぞろと連なる一行の姿は、ちょっとハーメルンの笛吹き男みがある。
きゃんきゃん騒いでいる花江聶懐桑。藍曦臣から薬を取ろうとしての行動だったりするのだろうか。『人生若只如初見』♪が流れ、魏無羨と手の中の蝶を見つめる藍思追。息詰まる展開。そしてこんな所で終わるのか、第49話!!
ドラマと小説・アニメとの違い
原作小説『魔道祖師』第4巻 第21章恨生、第22章晦蔵
アニメ『魔道祖師』完結編
原作での藍曦臣から金光瑶への第一問目の質問は、金光善に関するものである。金子軒に関しては奇襲を知らせはしたが、蘇渉たちは笛を吹いていないので、故意ではない出来事であったのが大きく異なる点。
ドラマと原作が同じ思いなのかは不明だが、原作部分での描写を取りあげてみる。この辺りを丁寧に見比べてみると面白いのだ。
ドラマの温寧は刀霊と共に来たが、原作では骸な聶明玦としてやって来た。藍忘機が金光瑶の腕を切ったのは、金凌を守るため。第47話で温寧が目にした遠くの黒い怨気は、聶明玦のもので、突然雷雨となったのは温寧と怨念な聶明玦が戦い始めたためとされている。
覇下が突然、金光瑶から金凌に狙いを変えたのは、凶屍は呼気や血気で判断するので、血筋の近い二人は似通っていたから。魏無羨が口笛を吹いた時に藍曦臣が呼びかけるのは、魏無羨にも金氏の血が流れているのを案じたためであるが、ドラマでは陰虎符が映るからどうなのかな?
そして温寧が刀を止めた場面は、聶明玦が江澄と金凌に襲いかかったところをかばい、温寧が胸を拳で貫かれていた。それは窮奇道で金子軒が倒れた時と同じ状況なのだ。温寧、ずっとつらかったよね。
江澄が陳情笛を取り出したのは袖の中からなので、乾坤袖なのかな? 原作では心配した魏無羨にぎゅうぎゅう抱きしめられた金凌の反応が、金凌の育ってきた環境をうかがわせ切なくなるのである。
<陳情令用語メモ>
・リンゴ:平安、健康長寿、平穏で幸福な生活の寓意。
・ブドウ:人口繁栄、多子多福、実り豊かな寓意。
・ザクロ:豊か、多子多福なすばらしい生活の寓意。婚姻に縁起の良い子孫繁栄系な果物たち。
WOWOW字幕版放送:2020年6月11日(木)深夜
WOWOW吹替版放送:2022年10月6日(木)深夜
▼吹替版第1~12話まで感想
外部サイト
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