32話感想・陳情令しんどい
金麟台。棺の前の師姉、金夫人もやつれている。こんな状況でも江厭離を案じている金夫人が、様子をうかがう魏無羨を見つけ、逃げだす魏無羨、見つめ合う魏嬰と師姉。魏無羨を黒い怨念が取り囲む。「羨羨」と呼びかけられ「ごめんなさい」と言うが師姉は消える。
温家の皆が門に吊りさげられている。見あげる魏無羨、噂話に興じる仙師たち。夷陵老祖を切りつけようと仕掛けた癖に、反撃されると「位の低い自分達を襲っても」と言うのは虫が良すぎるよ。
決起大会の理不尽さ
不夜天。『射日』♪ 金宗主の元、献杯を捧げる宗主たち。初回放送時は金宗主は嫡子を亡くしたんだなぁと不覚にもしみじみしてしまったが、今は自業自得としか思えない。温情と温寧の骨灰がまき散らされる。沢蕪君は遺憾な様子で首を振る。
倒れる仙師たちの元に、含光君がやって来る。
金宗主の発言に、夷陵老祖の笑い声が響きわたる。屋根上の夷陵老祖。温氏ふたりが出頭すれば不問に付すことを金宗主に問いただす魏無羨、窮奇道へと論点をすり替える金宗主。また姚宗主か……。黙れ。
魏無羨の言っている事は、ドラマを見ていて思うこと。仙門世家は全力で夷陵老祖を倒しに行けるが、夷陵老祖はやり過ぎないように配慮しながら戦わなくてはいけないハンディがあるのだ。多勢に無勢のハンディ、あな恐ろし。
尊敬していたという夷陵老祖ファンからも罵倒され、「擁護もせず安っぽい」と笑うしかない。帽子を被った仙師が不意打ちで弓を射り、反撃すると残酷だと恨まれる。それにしても弓が命中しても大丈夫なのね。
含光君も、師姉も……
陳情笛を吹く夷陵老祖、黒い怨念が仙師たちを襲う。ストラヴィンスキー『春の祭典』♪ しかし雲夢江氏たちは攻撃されない。そこへあらわる含光君!!『忘機』♪ 月夜、屋根の上で対峙するふたり。魏嬰と呼びかける藍湛。笛を吹く魏無羨に剣を突き立てる藍忘機は、第28話の江澄との対決と同じ構図。「裏がある、私を信じよ」と言う藍湛に、師姉の呼ぶ声が聞こえる。え?まさかここに師姉? ここ戦場だよ?危険だよ?
笛を吹く魏無羨、それを手助けする藍忘機。すると笛を吹く影が!!違和感を覚える魏無羨。雲夢江氏も襲われ、仙師たちは黒い目の傀儡となり師姉を襲う、『傷情』♪ 陳情笛でも制御できない。
『夜奔』♪ 藍湛を振り払い師姉に駆け寄る魏嬰。師姉は江澄に抱えられ、「羨羨、あなたに伝えたかった」と言い、弟たちをかばって仙師の刃を受ける。この仙師もまた、さきほど弓矢で殺された兄の仇を討とうとした弟……。『意難平』♪
(つづく)
陳情令しんどいも最高潮。夷陵老祖と含光君が戦う場面がもっとあるのかと思っていた初回視聴時。まぁ、止めに来ているんだものね……。設定集のコンセプトアートで月を背にしたふたりの図があったので、ドラマでもあるのかと思ったが同じ構図はなかったな。
江厭離が亡くなる事はドラマ序盤で語られていたので、どんな悲劇的な場面になるかと思っていた。もちろん悲劇は悲劇なのだが、日常的な場面で巻き込まれるのかな?と想像していたので、正直、「え?戦場にナゼ来る?」と思ってしまった。師姉なりの思いではあったと思うが、戦場に身ひとつで来たら無事に生きて帰れる方が難しい。
嗚呼、救いがない。WOWOW放送時はここで次週となったのだ。このツラさをわかってもらえるだろうか。で、救いを求めて原作の第4巻第23章忘羨に走り、カタルシス~~~。
陳情令吹替版32話感想
江厭離が「羨羨」と呼びかけているのが印象的。今更だが陳情笛は「ちんじょうてき」なのね。なんとなく「ぶえ」って読んでいたわ……。「骨灰」の「こつばい」に、天官賜福アンテナがピピッと反応。
姚宗主が魏無羨に言う「厚かましくて理不尽な(小)悪魔。少しは相手を憐れんだりする心は持ち合わせていないのか」は、そのまんまアナタの事では……とツッコミたくなるこの場面。(小)を付けてみました。
笛を吹く男性は「フッ」って言っていたのね。
師姉を斬ったのが傀儡になった雲夢江氏というのが、敢えてなのだろうけれど鬼のような描写だ……。この人って「兄さんは忘れていなかった」と言っていた人なのかな?
ドラマと小説・アニメとの違い
原作小説『魔道祖師』第3巻 第18章夜奔
アニメ『魔道祖師』羨雲編第7話
この辺りは原作に忠実。ただ、影の笛吹きはドラマオリジナル。
<陳情令用語メモ>
・献杯:【酹酒】。神を祭るために酒を地に注ぐ。
・葬儀:先祖代々の墓におさめられるのが正統。粗末な墓であったり、ましてや遺灰を祀らないというのは不敬な扱いである。
WOWOW字幕版放送:2020年5月7日(木)深夜
WOWOW吹替版放送:2022年7月28日(木)深夜
▼吹替版第1~12話まで感想
▼魔道祖師Qへ逃避
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