中国ドラマ『寧安如夢~宮廷にふたたび舞い降りる愛~』がWOWOWにて2024年9月25日より毎週2話放送で始まった。全38話。
中国語タイトルは同じく《宁安如梦》、英語は《Story of Kunning Palace》。kunningは狡猾な・抜け目のない等の意味。
悪役皇后な姜雪寧(白鹿)が転生して、今度はまっとうに生きようとするいわゆるなろう系物語。そこにブラック・リンホー君と言われる謝危(張凌赫)が関わり、果たして物語はどの方向に?
悪役皇后転生と言えばドラマ『古相思曲』を思い出すけれど、あちらは男主小説家が転生しているので全くイメージは異なる。
なんとなく政治面での動きはドラマ『楽游原』のような感触なんだけど、監督はドラマ『長歌行』の朱鋭斌なのだとか。そういえばそんな感じも。
漢詩を中心にまとめています。
1話の漢詩
謝危が乱闘する生徒に言う「君子争う所なし」。
姜雪寧は『詩五冊』を手に取り、姜雪寧の父が女中たちの窃盗をとがめる場面で、手にした本の中の詩。「寒雨 江に連なりて夜 呉に入る、平明 客を送れば 楚山 孤なり」
王昌龄《芙蓉楼送辛渐二首(其一)》
寒雨连江夜入吴,平明送客楚山孤。
洛阳亲友如相问,一片冰心在玉壶。
その左には
《闺怨》
闺中少妇不知愁, 春日凝妆上翠楼。
忽见陌头杨柳色, 悔教夫婿觅封侯。
『春宮曲』ともある。
昨夜风开露井桃,未央前殿月轮高。
平阳歌舞新承宠,帘外春寒赐锦袍。
4話の論語
謝危が姜雪寧のために試験問題を見ようとした燕臨に言う。
「詩三百 思い邪なし」。
孔子『論語 為政第二 一』
子曰:诗三百,一言以蔽之,曰:思无邪。
老先生の教え。詩三百篇(は多種多様であるが)、一句で断定すれば、<こころのままのまっすぐな表われ>である。
加地伸行「論語」2009 講談社
5話の論語
入宮するための試験問題として、姜雪寧は『儒文二十編』の第3編と第6編をよく読むべきと助言している。
「子いわく 三軍も師を奪うべきなり…」
孔子『論語 子罕第九 二十六』
子曰:“三军可夺帅也,匹夫不可夺志也。老先生の教え。三軍の多数の兵がいても、(心が一つでなければ)その司令官を奪い捕えることができる。しかし、一人の男といえども、(心が堅ければ)その志を奪うことはできない。
加地伸行「論語」2009 講談社
大同之道。
姜雪寧の解答は、『留侯論』や『戦国策』からの答案だと指摘する謝危。
7話の漢籍
薛姝が謝少師に「天下に乾坤と陰陽あり、男は外 女は内 2本の川ごとく交わらぬ、政論は男子の学問だ/ 天下自古乾坤分明,阴阳有序,男子出于外,女子主于内,泾渭分明不应有改」と主張。
それに対して謝危は「平南王の乱が起きた最中に薛家出身の太后は、冷静沈着に国の舵を取った美談がある。太后の所信は『女戒』か『女徳』か、それともこの本か」と問い返す。
8話の漢詩と論語
長公主の学友たちが詩を読誦している、「渓谷には松が茂り果てが見えない、人々の話し声や渓流の音が聞こえる。長い道に…/奚谷承松,道廪及终.喋喋言声,靡届琮琮.」「暗闇の中を歩くと心細くなる、なぜか理由は分からない」。尪は曖昧。
「峨眉」は謝危の作った琴譜で、出典は「峨眉山は一面に雪が降り、海は氷で覆われている」と詠じるが、実は大志を抱く李白の詩で、かつて謝危が謀反を起こし、燕臨軍と宮中へと押し入っていた。
『高山吟』か『梅花弄』を弾くようにと言う謝少師。
陈造(宋代)《题扇七首》
峨眉山北雪极目,方丈海中冰作壶。
我自飚轮随所往,怜渠局息寄洪炉。
李白(唐代)『登峨眉山』
蜀国多仙山,峨眉邈难匹。
周流试登览,绝怪安可悉?
青冥倚天开,彩错疑画出。
泠然紫霞赏,果得锦囊术。
云间吟琼箫,石上弄宝瑟。
平生有微尚,欢笑自此毕。
烟容如在颜,尘累忽相失。
倘逢骑羊子,携手凌白日。
謝少師は琴の弾けない姜雪寧に「朽木も彫れる」と、居残りを命じる。
猫にトラウマがある謝危。
9話
謝少師の代わりにやって来た王先生は、『貞節と礼儀/贞礼』を読ませている。「古来より女子はその立場をわきまえ、慎み深く謙虚であり、恥辱に耐え譲歩し…」。
「古くから王朝の衰退や名士の失脚は、婦徳や女難が大いに関わっていた。それゆえ女たる者己の身を律し…」
古来生女,当守卑下,恭谨怀谦,忍辱忍让。
自古王朝衰微,名士失格,多与妇德女祸脱不了干系,所以身为女子,必须规束自身,以礼教
謝危は「時に人は道を誤る。だがその時に誰かが導いてやれば正しい道に戻ることもできる」という言葉が印象的。
姜雪寧は燕臨への言づてを頼んでいる「疾病に勁草を知り、雲開いて月明を見る/疾风知劲草 云开见月明」。耐え抜けば必ず転機が訪れます。
北では大月氏国が大乾を狙い、南には平南王がいるとか。
謝少師は姜雪寧に自作の詩を渡している。
「夜 月明玉の如し、空山花を弁ぜず、雲来て一庭暗し、風去り百枝斜なり」。
謝少師が使うのは高級な澄心堂の紙。
夜月明如玉,空山不辨花.
云来一庭暗,风去百枝斜.
10話の漢詩
姜雪寧は薛皇太后に「己の心が善良ならば、九死しても悔いなし」と言っている。
屈原『離騒』
亦余心之所善兮,虽九死其犹未悔.
刑部を呼んだら、刑科給事中 張遮(王星越)がやって来た!名前がよく出ていた人物、男前!!ドラマ『ロマンスの降る街』の孟晓东。姜雪寧もすっかりときめき乙女モードになってるよ。刑科給事中は七品の小役人。
紙がはさまれていたのは『囲炉詩話』。
内務府から宮中へ支給されるのは氷翼紙、白鹿紙。白鹿紙ってなによ。
11話の詩経
宮女が隠し持っていた紙に書かれていた詩。
《诗经 秦风 蒹葭》
蒹葭苍苍,白露为霜。所谓伊人,在水一方。
溯洄从之,道阻且长;溯游从...
姜雪寧がお礼を言うために呼びかけられた時の張遮の様子、彼も転生組なの?
勇毅侯 燕牧は、定非(謝危)の叔父(母の弟)。定非の母は金木犀が好きだった。
12話の動物
謝少師は「一歩進んで十歩先を見る技はお見事?/走一步观十步」と称えられている。
姜雪寧と姜雪寧母が言い争う様子は、「猫と鼠か、虎と豚のように、食い合うまで終わらない」と嘆く姜雪寧父。
姜雪寧父は「慎」と書をしたため、「慎とは恐れ」と言い当てる姜雪寧。
雨の中、傘をさす姜雪寧が、2階にいる張遮を見上げる姿は恋する乙女。そしてそれを謝危がガン見していたという~~~。ストーカーか。張遮が信じるのは「正義」のみ。
回想では、張遮は姜皇后に「虎にその皮を差し出すように求め、相手の持つ凶暴性に気づかず事を改めないなら、いつかその虎に食われます」と忠告している。裾を踏んづける姜皇后ちゃん、破って行かれてるし。素直になれないツッパリくんが、好きなのに嫌がらせしているみたいな感じね。
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