中国ドラマ『雲之羽~揺らめく愛、刹那の二人~』が2024年7月12日(金)よりWOWOWにて毎週2話放送で始まった。全24話。
各話放送時間はいつもより長めの約60分(48~69分とまちまち)。
1話,2話感想
ほの暗い中、うごめく闇感が美しく、あまり好きなジャンルではないかと思ったけれど、なにやら昔読んだ漫画が感じられる闇の組織感がなんだかヨイ。
雲為衫な虞書欣(ユー・シューシン)は、『蒼蘭訣』ではちょっと苦手な女優さんだったが、この役ではハマっているのデス。
人を寄せつけない旧塵山谷なのに、外部から花嫁を迎え入れなくてはならなかったりと、設定はツッコミどころ満載だが、女刺客とそれを送り込む上司 寒鴉肆(欧米徳)《莫语者》だったりと、それぞれの無鋒側ペアが気になる。
馬で階段を上る宮尚角(丞磊/チョン・レイ)《你是我的魂斗罗》,《虚颜》も良いぞ。愛宕山も是非上っていただきたい。
この上官浅(卢昱晓)《玉骨遥》白雪莺 もデキるヤツ。
見ると永野芽郁を思い出すのだ。調べると生年月日が盧昱曉は1999年9月27日生で、芽郁ちゃんは同年同月24日生なのが、ちょっと不思議なご縁。生き別れた双子設定な日中ドラマもできそうよ。その折には盧昱曉が姉で、永野芽郁が妹でお願いします。(←勝手に言ってます)
一方、割とへぼい雲為衫……魑魅魍魎の魑(ち)だからか?(右側の方が位が高く残酷)
以下、各話までのネタばれあります。
3話,4話感想
第2話まで気持ちが盛りあがっていたのが、いきなり執刃(宮子羽の父)と嫡男少主(兄)が亡くなっていて、「えぇ?前回見落としたか?」と思ったよ。
トップふたりが暗殺というだけでも「ないわ~」と萎えていたところに、「主の不在は1日も許さず、執刃が死ねば即座に継承の儀を行う」という謎のお家のルールも出てきて、あっさり宮子羽(張凌赫)が執刃になる。
これは当主への野心のある者が下克上しやすい掟なのでは? よほど仲の良い一族でないとできないよね。
おまけに旧塵山谷への持込みもあれやこれやなされていた事がわかり、今まで宮門はよく持ったな~という少々白けた気持ちになっていた。
5話,6話感想
それでも見続けているのは、「暗殺したのは誰?」「無鋒の正体は?」という思い。ネタばれを先に見たくなる人の気持ちが分かってきた。
後山に入った雲子羽を追うべく、そこで雲為衫が金繁(孙晨竣)《如果声音不记得》辛唐 と戦ったら、そんなに雲為衫が強いのが怪しまれないのか?
意外と面白くなってきたのは、宮尚角をめぐる嫁 上官浅と弟 宮遠徴(田嘉瑞)《大梦归离》卓翼宸の三角関係。案外と宮尚角チームも疑似家族関係を味わってないか。
宮遠徴が心を読む虫を上官浅に向けた時の、水面がうねる映像が好き。それにしても宮遠徴は暗器を易々と取られすぎちゃうか。
宮尚角と宮遠徴は忍耐な獅子なのね。
なぜか4年前の元宵節に出会っていた上官浅と宮尚角。玉佩はなんで落としたかね。
小黒、また謎のイケメンが現われた。
姉 宮紫商(金靖)『ボーントゥフライ』艾妤 は「千里見送れど必ず別れは訪れる/送君千里,终须一别」と。
7話感想
金繁に「大切なのは宮子羽」と言われ、いつもおちゃらけている姉 宮紫商の切ない一面。父に認められたい思いと、振り向かない相手に執心しているのは、父と宮子羽の母の関係と似ている。
宮門後山 雪宮では、青髪な少年が梨の実と雪で酒を造っている。
風花雪月の雪らしく、あと3つこんなカンジな組織があるのか? 雪蓮もキレイ。
三域試練の第一関門は、寒氷蓮池の水底にある玄鉄の箱に、雪氏に伝わる刀法の秘籍「払雪三式」を取ってこれたら第一関門突破。わりと宮子羽に好意的な雪組な人たち。
上官浅が杜鵑花を植えていると、宮尚角にとがめられるが、白い花は残していいことに。侍女の言う「角公子は要らぬ、ならぬばかり」という表現がちょっとオモシロかった。姑蘇藍氏@陳情令の家訓か。
宮尚角は霧姫夫人(温峥嵘)『玉楼春』沈清瑶 に宮門からの開放と引き換えに、宮子羽の出生について証言を求める。
「弑する者 無名 無鋒の大刃なり」の血文字を残し、白装束の人物が吊されている!え? この白装束の人って……。
8話感想
宮門後山 雪宮に潜入した雲為衫。宮子羽に緑玉侍を付けられるなら、なぜに金繁が来なかったんだっけ?見落としたかな。 緑玉手環は金繁から雲為衫に手渡されていた。
雲為衫がかつて願ったことは「愛する人のために選択し粥を煮る」こと。せっせと粥を煮ている宮子羽。
月公子(左叶)《护心》凤千朔 は「身に雲雀ありて清風の翼、心は盤石のごとく深き林に埋まる/身有云雀清风翼,心若磐石埋深林。」と詠じる。
亡くなっていたのは月長老(沈保平)『君花海棠』や『蓮花楼』や『瓔珞』などのみんなのお父さん。死人が出たのでまたも灯籠が飛ばされている。
宮尚角は10日で無名の正体を暴くと言う。掟がうんぬんと言うならばいちゃもん付けずに、家訓である「そこにいた人が執刃になる」をまず守ろうよ。
霧姫夫人は前当主の側室だったのか。
宮子羽は雲為衫を阿雲呼び~。
月桂の花言葉は「蠱惑・勝利」。科挙合格を「折桂」とも呼ぶ。
杜鵑花の花言葉は「永遠にあなたのもの」。
雲為衫の雲錦心経は極陰の心法、体を冷やすが、半月之蠅の灼熱の苦しみに対抗できる。
9話感想
半月之蠅の灼熱の苦しみ真っ最中の雲為衫は、宮子羽に「なぜこんなに熱い?」と問われ、「私の幼い頃のあだ名は"かまど"なの」ってなんじゃそりゃ。
宮子羽の背中の刺青を、雲為衫は布越しに目にしていた。
心法は金木水火土の5つに分類でき、陰と陽の2つに分けられる。
金と火は陽の心法:崑崙派の裂陽心訣、蒼山派の金語術。
水と木は陰の心法:清風派の雲錦心経、黒水門の避水訣。
土は陰陽どちらにも通じる:易筋経。
宮子羽の心法は融雪心経。
「寒気雲霄に入り、自在に操らん。丹田に気を集め、雪は降れど心は弱らず。風門穴に至りて気脈が通じる」
雲為衫と妹が白い花を見ている。
「1羽の雲雀が自由に空を飛び回るように、雨音を聞き花の香りをかぐ」と言い、雲雀か~と思っていたら、妹の名前が雲雀(艾米)『孤城閉』少女 高滔滔,『黒豊と白夕』白琅华,《世界上最爱我的人》丁雁 だった。「この世に愛する者がいる限りお前は死ねない」と。
そういえば、上官浅は以前に「鴉雀群を成し、鷹は孤高に飛ぶ/鸦雀成群 孤鹰在天」と言っていたような。上官浅は鷹なのかな。
宮子羽から見張りが置かれている場所を示した図と、百草萃をもらう雲為衫。
童子の方が、雪宮の主なのか。
宮遠徴は『姑蘇楊氏』のお産の記録を見ている。
宮遠徴のお背なの傷を治すのは、兄の宮尚角なのね。
霧姫夫人が雲為衫に仕掛ける技は、上司 寒鴉肆と同じ。
「無名」と言う雲為衫。
10話感想
雲為衫は「霜姫夫人」と言い換えて誤魔化してた。半分に裂けたのは、子羽の母 蘭夫人(陈都灵)『蓮花楼』喬婉娩 の懐妊中の記録。
陳都霊、調べたら『君花海棠の紅にあらず』の盛子晴役で友情出演していた!弟 范漣が連れてきて商老板の衣装をデザインしたあの人よ。見返したけど帽子被ってたし、わりと分からない。
雪重子(林子烨)《皓衣行》夏思逆,《一念关山》宁十三 たちが雪降る中、屋外で卓を囲んでいるのが美しい。雪重子が出てくると楽しいな。この試練は信念か実力の片方があればヨイそうだ。「男の言うことは」とわざわざ言ってたな……。
池の下は温かい水で、あとは呼吸コントロールが大事なんだが、息が足りない宮子羽、そしたら雲為衫が人間酸素ボンベとしてキター。人工呼吸やらキスやらしてるんだけど、なんなんでしょう、このカップルいまいちときめかない。雲為衫は妹ちゃんや、上司といる方が雰囲気が良いのです。
心の強い者だけが意思を貫き底に到達できるのだそうな。お話ししてたら雪重子の粥が焦げちゃった。雲為衫のお菓子も大好評。
宮紫商の前に現われた幼い商宮の公子は、偉そうだし生意気だし。
回想で金繁が羽公子から宮紫商にと、梨を届けにやって来た。病身の宮紫商を公主抱して運んでくれた金繁、宮紫商にはフィルターがかかって、金繁がそう見えているのか……。梨をくり抜くのもできる器用な金繁。小黒は厨房の雑用係だったのね。小黒もカワイイ。
雲為衫は苦瓜と桑の実でお菓子を作っている。お腹を壊しそうな組合せ……と言ってたら、金繁がお腹壊した。雲為衫はどさくさまぎれて、あっさり記録も奪い取り、記録は上官浅から宮尚角の元へ。ホンモノか?
金繁の心法は極陽なので、寒性の物と衝突するので体調崩した、と。そういや寒性の雪家の人たちはパクパク食べてたもんね。
雪家の刀法 払雪三式(新雪 霜凍 大寒)を授けられる宮子羽。この修得に付き人は7年かかり、重子は4年で創りあげたくだり、宮子羽がそんなにかかったのか~~という反応がいただけず、執刃ならそれらしく振る舞えと言う、宮尚角の気持ちになってしまったわ。ここから成長していくのかもしらんが、なんだかなぁ。雪の守り人 雪重子ちゃんはいつか海や灯籠を見に行けるのかな。
伝説の女媧や伏羲と同じと語られていた、紅玉侍だった金繁~。
(つづく)
設定は雰囲気あるのだが、いかんせんストーリー展開がわりと唐突で、なるべくあまり考えないように心がけながら、映像美を楽しむようにしている。
なぜにいまもって見ているかと言うと、次々に投入されるキャラが麗しく、雪月風花や五行とかそういうのが好きだから。
今のところ、男主である宮子羽が最も感情移入できないのだが、これは前半でわざとなのか?そういうストーリーなのか?
そして無鋒の魑魅魍魎。鬼へんの横は「离・未・罔・兩」だと分かると、区別が付きやすくなった。
离は「チ/ リ」と読むのですね。
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