中国ドラマ『蓮花楼』が、WOWOWにて2024年3月27日より毎週2話放送で始まった。全40話。
ドラマ『沈香の夢』『瑠璃』『長安 賢后伝』『与君歌』と、今や勢いに乗っている成毅(チョン・イー)主演の時代劇ドラマ。中国語タイトルも《莲花楼》で、日本語タイトルに副題が付いていない、いさぎよいタイプの邦題。
最初の場面でファンタジーなのかなとも思ったが、江湖の世界でそうでもないのかな。
なんとなくドラマ『山河令』な感じの世界観。
余命幾ばくかな剣士 李相夷が李蓮花となって世をさすらうのが、周子舒@山河令を思い出すけれど、方多病とふたりで事件を解き明かしていく様は、コンビもので案外コミカル。
英語タイトルは《Mysterious Lotus Casebook》であり、推理要素が強いのかな。
いつものごとく、初めの方は見どころのメモ書き程度だったのが、興味深い漢詩が出てくると文字数が増えていく~。
各話数までのネタばれあります。
1話メモ
李蓮花が見立てた強壮剤の八珍養胎飲。実際に 《叶氏女科》卷二に記載されている漢方で人参、白术、茯苓、熟地黄から成っている。
方多病が剣に捧げている玉は、美玉寒生煙。
李蓮花が取り戻した我が師の食譜『山家清供』とな。『尚食』で何かとお世話になった書で、南宋の林洪が著した。
3話 名付けの由来
かつて、普渡寺 無了大師が李相夷を救い、禅語の対聯「心清らかなれば、いずこにも蓮花は咲く」を見て、李蓮花と名乗った場面。
無了大師役は、みんなのお父さんな沈保平だ!「宮廷の諍い女」「月に咲く花の如く」「瓔珞」「山河令」「君花海棠の紅にあらず」など。
一念心清净,莲花处处开
4話漢文
侍女の青泠が語る、雲嬌さんが書いた詩とは
「明珠に懸かる心 解きがたく、風に舞いて結ばれし蒲公英」
心系明珠情难解,华花飞絮惹相思
少し飛んで……。
8話の見どころ
ここへ来て、敵対していた金鴛盟の親玉 笛飛声が仲間に加わり、面白くなってきた!
9話の見どころ
李相夷の剣「少師」 と共に、かつての李相夷が剣を振るう場面!カッコイィ!!
「(剣の)柄に赤紐を結び」のイメージが予想と異なり、仮面ライダーのマフラーのごとく、めっちゃ風にたなびいている!
主題歌《就在江湖之上》が共に流れ、剣舞が美しい! よく赤紐が絡まないなぁ……ナンテ思ってしまった。
10年前に恋人であった喬婉娩と生き別れかと思いきや、お別れはしていたのね。
10話の見どころ
笛飛声の「私が認める敵は、生涯ただ1人」というのが、どこか愛の告白みたいね。
とにかく李相夷に勝利して一番になりたい少年漫画キャラな笛飛声
そんな二人に無邪気に絡んでいく方多病に
しれっとした李蓮花と、3人の取り合わせが良い感じ
連続花嫁殺しは天官賜福を思い出すな。同じ衣装ってなんでそんな縁起のワルい婚礼衣装を皆着るんだ。
12話漢詩
郭乾が李蓮花の漢詩を詠みあげている
「郭門の青翠 満塘紗たり、十里の簪玉 人家に伴う、煞だしきはこれ 一門林下の士、瓜田菊酒 灯花を見ん」。
郭门青翠满塘纱,十里簪玉伴人家。煞是一门林下士,瓜田菊酒看灯
「郭十煞瓜→郭是傻瓜=郭は馬鹿」という、句頭に別の意味を持つ言葉を折り込む折句(蔵頭詩)であった。
2枚の紙を合わせると
「月明かりの時 嫁衣をまとい 鏡岩にて会わん」というメッセージになった。
月明之时,嫁衣之身,镜石之旁,不见不散。
思ったよりあっさりと師兄 単狐刀の遺体が見つかったな。
13話感想
過去の師兄 単狐刀との物思いにふける李蓮花を、呼び戻す方多病がイイ味出してる。笛飛声のことも何も知らずに「武芸が下手なくせに傲慢だ」と評してるし。
李蓮花は「治療して49日」と言い残してトンズラする予定が、しっかり追ってくる笛飛声。カワイイ所あると思っていたら、「長寿は求めぬ、戦える体に戻したいだけだ」ってなんじゃそりゃ。
ナント方多病は師兄 単狐刀の実子だった!そういえばちょっと似ているような?
一方、笛飛声は、笛家への復讐を遂げたいらしい。
李蓮花は蘇州快を方多病にさずけ、うるさい方多病を黙らせるために、「秘訣は話さず安静にすることだ、話せば血流が詰まりポンと破裂する」とテキトウに説明、このポンの場面での、李蓮花のジェスチャーが好き。この蘇州快は、李相夷の楊州慢のモジリよね。
14話感想
角麗譙は笛飛声が十二女護法をそばに置いたのが耐えがたく、「全てを失ったら自分が尽くしてきたと気づくはず」と、なかなかのヤンデレぶり。
仮面は仮面でも、その木の精みたいな葉っぱの仮面はなんなの~李蓮花に方多病~。そりゃ、怪しいよ。
15話感想
金満堂の養女である芷楡はまさかの10年かけた人間・薬材だったという……。金満堂は樹人症にかかっていた。
李蓮花は豚と鶏の汁物に煮魚を作っちゃう。関河夢に「蘇のお嬢さん」と呼びかけ、「万人冊」蘇文才の孫娘 蘇小慵と見破る李蓮花。今まで女性だとバレていない設定だったんかぃ。中国ドラマあるある。
簡凌瀟は息子のために泊藍人頭を欲し、亡き妻の金玉珠は金満堂の異母妹、家宰の金常玉も異母兄弟で樹人症。金満堂の父は浮気者であちこちに子がおり、樹人症は珍しい病気だが遺伝病でもある。
出たよ、異母兄弟の多い浮気性な父親~~、しかも金氏だし(笑)
わりと難治な病気にかかる人多しなドラマだね。
16話漢詩
董羚も金家の一族なの?
泊藍人頭を持ち去ったのは公羊無門だと言い、証拠をつきつける李蓮花。鍼がそんな所に!
万聖頭は新勢力の集団。
そしてあっさり罡気も解けた方多病。箱の中の氷片には南胤の文字が書かれており、一品墳の中にもあった文字。
屋根の上でお月見しながらの李蓮花と方多病との語らいだ~。「武林の頂に立ち、伝説となり、日を浴びて魚を釣り自由な日々を送る」は、まさに李蓮花の今の境遇。
生霊鼓は南胤の悪習で、賢い白猿を成年になるまで育て生皮を剥ぎ太鼓にしたもので、骨はバチ、太鼓の音は魂に届く。この香りは師兄の亡骸でも嗅いだ香り。師兄と58人の仲間が亡くなっていた。
方多病の叔母上 何暁鳳が来るの早っ。
宗政明珠もまた角麗譙に魅了されているひとりか。氷片は羅摩天氷。
李蓮花が使った相夷太剣の一つ、小楼昨夜又東風は漢詩の一節。
李煜は五代十国の南唐最後の国主で、この詞は宋に軟禁された頃、最後の作品と伝えられている。過ぎ去った栄華な日々を想い憂いを詠ったもの。『慶余年』第27話、『山河令』にも出てきていた漢詩。
李煜《虞美人》
春花秋月何时了,往事知多少?
小楼昨夜又东风,故国不堪回首月明中!
雕栏玉砌应犹在,只是朱颜改。
问君能有几多愁?恰似一江春水向东流。
角麗譙は「この世の男は皆自分に心を奪われるが、笛飛声と李相夷だけは異なり、笛飛声に嫌われ遠ざけられた」のを、李相夷に逆恨みしてるのね。
ここへ来て角麗譙(王鶴潤)が『明蘭』に出演していたと知り、ハテ誰だっけ?と思ったら、長姉の華蘭か!化粧で変わるもんだなぁ、妖艶でよく似合っているよ。
17話感想
天機山荘荘主 何暁恵の繰り出す技は千仞万刀陣。あっさり方多病の出生の秘密も分かる。
乳燕神針 関河夢は「萊菔子(らいふくし)に薤白(がいはく)の処方は妥当だ」と援護。ホンモノが登場だ。あ、女性姿の蘇小慵ちゃん、ピンクよりブルー系の方が似合うような?
絵の印は南胤の邪神 燧弇(すいえん)のもので、復讐と併吞を表わしているとのこと。
喬婉娩の婚礼。
タイトルの「一番甘い飴」はそういうコトですか~。
回想で挿入歌 胡夏《一壺蓮花醉》が流れる中、かつて「一番甘い飴は喬婉娩に取っておく」と語っていた李相夷。
李蓮花はなんでそんなにスルスルと、李相夷の重要な物が置いてある場所にたどり着けるんやとツッコミたくなる。
そして蘇小慵にも何暁鳳にもモテモテな李蓮花。
良いエピソードなんだけど、どうもこの喬婉娩とのパートは感情移入できず、むしろ笛飛声が出てくると面白いっ!
百十八牢の第1号房にいる、閻王尋命を捜し出すと言う笛飛声。
お、角麗譙と喬婉娩の美女対決だ。
(つづく)
▼虞美人
外部サイト
▼左が盛華蘭(王鶴潤)