笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「愛なんてただそれだけのこと」「宮廷の諍い女」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

陳情令 荷風酒 象鼻杯⑤蓮花塢と蓮,酉陽雑俎,蓮花始

陳情令・魔道祖師で縁の深い蓮や蓮の花。
そんな蓮の花咲く頃は、七十二侯の蓮始開(はすはじめてひらく)の7月12日~17日である。

蓮のお酒について

魏無羨が名付けた荷風酒。
陳情令第17話、蓮花塢に忍び込んだ魏無羨が、温氏たちが「雲夢の酒はダメだな、湖の臭いがする」と荷風酒を評するのを耳にして、
かつて魏嬰が師姉に言った
「酒 蓮に混ぜ、香り冷たく水に勝り」
【酒味杂莲气,香冷胜于水】
を回想する場面がある。
これはドラマのみに出てくる表現である。

「蓮の葉を浸けて作ったの芳しさは格別かも」と、魏無羨が考案し「荷風酒」と名付けた。

段成式(唐代)『酉陽雑俎 巻七』
16 酒食
历城北有使君林。魏正始中,郑公悫三伏之际,每率宾僚避暑于此。取大莲叶置砚格上,盛酒二升,以簪刺叶,令与柄通,屈茎上轮菌如象鼻,传吸之,名为碧筩杯。历下学之,言酒味杂莲气,香冷胜于水

歴城の北に使君林がある。魏の正始(504ー507年)のころ、鄭公悫は三伏のとき、いつも属僚や顧問をひきつれて、ここに避暑をした。大きな蓮の葉を取り、硯格の上におき、酒を三升つぎ、簪でもって葉を刺し、柄に通じさせた。屈茎の上の輪菌は、象の鼻のように屈曲していた。これを伝え吸って、碧筩杯と名づけた。歴城の人々は、これをまねた。酒の味が、蓮の香にまざり、香りがよく、つめたくて、氷よりまさるという。
段成式,今村与志雄 「酉陽雑俎2」1980 平凡社

唐代の随筆『酉陽雑俎』に、蓮の葉に酒をいれ、茎から飲む碧筩杯の説明で、この表現が用いられている。碧筩杯は蓮の茎を飲む様から、象鼻杯、碧筒飲とも言う。
穴を開けるのに簪を用いるというのがなんだか雅。

蓮の葉を手に入れる機会があったら、一度試してみたいものだ。

蓮の群生習性

陳情令にハマって、師姉の蓮根排骨湯を自分なりに作り、次には日本の蓮花塢はいずこにと、蓮の花咲くところを検索して調べていた。

蓮が群生して美しく咲く場所はもちろんのこと、舟に乗って蓮を愛でるというのがなんとなく陳情令みが増す。
という事で、舟にて蓮見ができるところをと探す中で、見かけたのが。

蓮は突然、全滅してしまう

現象が起こる、というものであった。
前年までは蓮見舟が出ていたような場所であったのに、突然壊滅状態になったのだとか。現在も展望台は残るも蓮の姿はないそうで……。
原因も気象や水質、生物など挙げられるも、特定はできていない。
この不安定さは、水生植物だからなのだろうか。

当方は陳情令脳、それを知って思い浮かんだのは、蓮花塢の襲撃!あの回は衝撃的だった。
中国でも同じような現象があるのかは不明だが、そのような蓮の特性が蓮花塢が滅ぼされてしまった事と通じているのかな、と考えている。

ちなみに七十二侯の「蓮花始」のひとつ前は、「温風至」(7月8日)。
温風=南風が吹き、蒸し暑い日が増えてくるという時候を表わすのだが、陳情令・魔道祖師脳の身には、「温氏の旋風がやってきた」というように思えなくもない。単なる連想です。


蓮見に出かけた時に、蓮はザリガニや亀に食べられると、開花状況に影響するとも耳にした。亀と言えば屠戮玄武!! 単なる連想です。


さて、そんな姿を消した蓮であるが、検索してみると同じ場所ではないが湖沼の他の区域では蓮の花が咲き乱れているとあった。

再び蓮の花が美しく咲くように、新たな雲夢江氏の隆盛も感じることができる。


陳情令同様、蓮にも興味はつきないものである。

 

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