45話感想・蘇渉の正体は
伏魔殿。雲夢深知処に出入りする事ができ、各家子弟を捕らえ皆を乱葬崗へ誘導し傀儡を待ち構えさせたのもこの場にいない金光瑶だった。夷陵老祖の仕業にするためである。
魏無羨は芳菲殿密室に隠してあったという「乱魄抄」から破かれた紙とハッタリをかまし、蘇渉が霊力を失っていないことを露呈させる。そのハッタリ場面で含光君がそっと目を伏せるのがヨイのだ。蘇渉が陰虎符を持ち、鬼面の男でもあった。
なだれこむ傀儡たち。鬼将軍に助太刀する藍思追、江澄は金凌に紫電を渡そうとするが、金凌は勇ましく剣で立ち向かう。
招陰旗となる夷陵老祖
魏無羨は外衣を脱ぎ、藍忘機の剣で指を切り、自らの血で白い衣に字をしたため、招陰旗と化す!自らを傀儡の標的とし、皆を逃がすという夷陵老祖の策。魏無羨が笛を吹き、含光君は傀儡たちをなぎ倒す。ふたりが背中合せになって戦う熱き場面!!
温寧が先導して皆を逃がす。姚宗主はとっとと逃げだそうとし、欧陽宗主は蓮花塢に行こうと提案。おぃおぃおぃ~。
そこへ魏無羨が含光君に肩をかりて戻ってくる。魏無羨の身を案じる藍思追、倒れ込む魏無羨。温寧も思うところがある様子。
蝶と歳華が結ぶ縁
埠頭にて。宗主たちはいっせいに蘇渉と金光瑶の噂話に興じる。姚宗主は「魏無羨は善人ではないが全ては虚言とは限らぬ」って、もう一回綿綿の言葉を聞くがよい。第44話「普通の善人よ」。それに対して陰鬱な表情の江澄と聶懐桑。
藍思追は船酔いしたようだ。青い衣装の欧陽子真は「北方の者ならともかく姑蘇の人間なのに」と不思議がっている。姑蘇の辺りは水路が発達しているので、船には慣れているハズなのだ。
鬼将軍が藍思追に近づき名前を尋ねると、藍思追は礼儀正しく「藍愿」と答える。両親が名を付けたが幼い頃に亡くなっており、思追の字(あざな)は含光君が付けた。温寧は「私の遠縁の親戚に似ている」と言い、藍思追も「どこかでこの顔を見たことがある」と。
温寧が「阿苑と呼んでいいかい?」と言うと快諾する藍思追。『人生若只如初見』♪うぅ、泣ける。指導を受けたのは4,5歳で、それまでは含光君は面壁していた。おもちゃの蝶を贈る温寧、その手はかつての含光君の手と重なり……。2頭の蝶。温寧の手が藍思追の頬に触れようとすると、金凌が剣・歳華を抜く。
言い争いになる少年組。金凌の声に反応して意識を取りもどす魏嬰。歳華を抱え込み声をあげて泣き始める金凌。こちらもその思いに泣ける……。皆、言葉なく立ち尽くす中、江澄が呼び寄せる。
姚宗主が魏無羨に声を荒げると、欧陽子真が庇って言い返す。イイ子だ。うつむく欧陽宗主。江澄は魏無羨に「よく戻れたものだ」と言い放つ。
再びの蓮花塢
蓮花塢。『酔夢』♪ 温寧は中に入れず、藍思追が傍にいてくれ昔話をし始める。魏先輩は幼子を土に植え、含光君は幼い思追をウサギの群れの中で育てニンジンを食べさせていたという、どこか共通した育て方をしていた似た者同士。
万感の思いをこめて蓮花塢を見あげる魏無羨。2人の女性が貴重な薬草持参で蓮花塢を訪れて来た。
試剣堂。中に入ろうとする魏無羨は江澄に牽制され、鼻をこすり外で待っている。座りこむ魏嬰に、美しくすらりと立って待つ含光君。江澄が女性2人と戻り「入れ」と魏無羨に言う。
思思の証言
思思が話し始める。約11年前、妓女だった思思は豪商に嫁ごうとするも、その妻に顔を傷物にされる。仲間の妓女に誘われ金持ちの所へ連れられ、お約束の金塊を噛む妓女。
現れたのは薛洋!!刀ペチペチはこ、コワイ。金光瑶が声をかけ、そこには金光善が横たわって縛られており……。私たちは何を見せられているのでせう。門には「百卉含英」の扁額。そんなお話を聞かされている少年組な金凌……。金光善はもがき苦しみ息絶えた。仲間の妓女は殺されたが、思思だけは監禁され、「君子面をした悪党を野放しにはしない」と憤ったある人物に助けられたと話す。証拠はない。
碧草の証言
藍啓仁は碧草を見覚えがあり、楽陵秦氏の奥方に仕えていた侍女であった。楽陵秦氏は金夫人・秦愫の実家。12,13年前に秦愫の結婚が決まると、母の秦夫人はふさぎ込み、亡くなる前に金光瑶と秦愫は兄妹だったと明かしていた。ざわつく一同。金光善は恋慕し、酒の勢いで秦夫人を襲っていた。金光瑶にその事を告げるも婚礼はなされた。「金光善は獣以下だ」と糾弾される。
(つづく)
久しぶりの薛洋の出現にひぃ~となる。この1年後に義城編なのね。そうよね、金光善が亡くなり薛洋が追い出されたとの噂だったものね。
陳情令吹替版45話感想
木村魏無羨の謎解きがわかりやすい~。傀儡と戦う少年組ふたりが頼もしい。そして魏無羨と藍忘機がふたりで戦うのはカッコイィ~♪ その一方で、魏無羨たちのお蔭で逃げおおせた仙師の人達、「戻ってくるものか」って恩義のカケラもないんかぃ。
温寧が藍思追から少し退いて、藍思追が歩み出るのがいいな。島﨑温寧の言葉に泣けてくる……。欧陽子真の動きがカワイイ。そして蝶が2頭揃った~。
吹替版はガヤガヤ言っているのが感じられる。金凌の積年の思い……。江澄の「どのツラさげて戻る気だ」は手厳しい……んな事言われたら……。
夜の蓮花塢。土屋藍思追の「付き合います」にホッとし、温寧の語るジェスチャーがイイのだ。江澄が魏無羨を試剣堂に入れようとせず、しばらくしてから「入れ」と言うのは、幼くして出会った頃と同じかな。
内山薛洋、ツヤっぽぃ。思思の告発場面でこんな音楽が流れていたのね。坂巻藍啓仁が碧草に「お嬢さん、どこかで会ったような気がするのだが」なのが、ちょっとギャップで面白かった。字幕は「こちらのお嬢さん」なのだ。
公式推奨タグは#陳情令しんどいなのだが、この回は#金凌しんどい、#金凌ガンバレと付けたくなるのだ。
ドラマと小説・アニメとの違い
原作小説『魔道祖師』第3巻,第4巻第19章丹心
アニメ『魔道祖師』完結編第9話
ほぼ忠実だが省略されたエピソードがいくつか。原作での藍啓仁の往年な剣術が見られなかったのと、乱葬崗で温氏の人達の場面がなかったのは残念……。特に温氏の人々は涙なくしては読めないここ一番の見せ場なのだ。原作では方夢辰が最後まで魏無羨に食い下がっていたのも印象的。
舟の上で、含光君が魏無羨に寄り添う様子に、少年組があてられてしまう……というのも原作にはある。
<陳情令用語メモ>
・面壁:壁に向かって座禅すること。
・百卉含英:「卉」は草の総称で「英」は花。すべての草には花があり、草花が美しさを競い合い、ひいては才能ある人達が活躍する太平の世なことを意味する。金光善が多くの女性を好んだのを、花にたとえたのでしょうか。皮肉だわね……。
『後漢書 列伝 馮衍伝』
开岁发春兮,百卉含英。
関係はないが、馮衍は漢の将軍で、元帝を熊からかばった馮媛(馮昭儀)の親族。「瓔珞1~10話」記事にて馮昭儀を紹介。その馮媛は断袖エピな哀帝の時代になると一族もろとも殺されている。「山河令5,6話」記事にて哀帝を紹介。
WOWOW字幕版放送:2020年6月4日(木)深夜
WOWOW吹替版放送:2022年9月22日(木)深夜
▼これ以降のネタばれもあるので、最後まで見た人向け。
▼十二宮訓図の馮昭儀について
▼哀帝について
▼吹替版第1~12話まで感想
▼アニメさはん日本上陸です!(第1話のネタばれあります)
外部サイト
▼カレンダーに肖戦、王一博、陳情令ファンミの写真。
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