笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。アニメ「天官賜福」「愛なんてただそれだけのこと」「恋心は玉の如き」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

瓔珞の十二宮訓図1話~10話考察/キャスト君花海棠の紅にあらず前世

ドラマ『瓔珞(エイラク』が2021年11月22日(月)よりBS11にて再放送されている。プロデューサーが于正(ユー・ジョン)なので、キャストが『君、花海棠の紅にあらず」と同じで、どんな役になっているのか確認しようと見始めた。

時代は清朝・第6代乾隆帝の時代。ヒロイン・瓔珞(吴谨言/ウー・ジンヤン)が実に機転が利き、後宮にありがちな意地悪をガンガンはねのけて人も助けている無敵感が面白い。そのヒロインは顔色も変えずやられたら倍返しとばかりやり込めており、しかも「怒らせると怖いわよ」と自ら言っているのも頼もしくメソメソしていないのが愉しいのだ。

商細蕊を初め見ていた時もそう感じたので、優秀正義感が強いのだけれど癇癪持ちな主人公は于正テイストなのかな。一方、乾隆帝も聂远(ニエ・ユエン)がカッコイィけれど、こちらも口は悪くどこか人を食ったところがあり、早く二人がまみえて、どんな舌戦になるのか期待が高まった。でもヒロイン相手役は富察傅恒許凱(シュー・カイ)なのよね?違ったっけ?

富察皇后(秦岚/チン・ラン)は美しく見るからに人格が優れていそうで、対する高貴妃(谭卓/タン・ジュオ)はいかにも怖く意地悪い中にも、どこか脇の甘そうな所があり、3話では温晃@陳情令を見ているような気持ちであった。『あさきゆめみし』の弘徽殿の女御感アリ。
大奥のドロドロドラマは苦手なのだけれど、どこかコメディでなんとなく安心して見ていられる感があるので、視聴を続けることに。

『君、花海棠の紅にあらず』の前世キャスト

コウラン伝はよりキャストが重なっているそうだ。

妹・察察児(張訳兮):どんくさい女官吉祥
共演した兪青(高雨児):憎たらしい女官錦繍
小来
ちゃん(李春嫒):耳飾りで皇帝にアピールしていた舒貴人
二旦那奥方(佘詩曼):やっぱり賢い嫻妃
水雲楼の蓉蘭(刘璐):純妃を見舞おうと言っていた潁貴人
水雲楼の十九(方安娜):嫻妃推しな侍女珍児
名優・侯玉魁(沈保平):瓔珞パパな魏清泰
イケズな四喜児(孙迪):処理が雑ぃ呉総監
奥方のトゲある侍女春杏(张天韵):長春宮の優しい女官珍珠
義父・商菊貞(王茂蕾):太監一の美形と称される袁春望
今後の出演予定
水雲楼の大聖(常铖):おとぼけ太監徳勝
梨園協会の良心な鈕白文(易勇):マイペースな名医葉天士
水雲楼の臘月紅(郑龙):小全子

キャラが大分変わっていて面白いなぁと気楽に見る予定だったのだけれど、第1話の「宮訓図」がどうにも気になる!

かつて北京の故宮博物院へ行った折に、太和殿や保和殿までは建物の種類もわかり堪能していたが、後宮へ足を踏み入れると似たような建物が延々と続き、中に入っては宝物を見て出てを繰り返し、なにがなんだか状態になりくたびれ果てていた。

そんな紫禁城後宮も、ドラマの力を借りれば、「ここは~が住んでいたのね」と楽しめそう♪という思いで調べてみた。
気になった所だけかいつまんで調べたもののメモです。

また2022年5月20日(金)より再放送となったので、気になったところのメモをちょこちょこ追記しています。


www.youtube.com

瓔珞1話のメモ

  • 1話冒頭紫禁城の映像で、中国版には乾隆三年二月初二日とある。1741年でこの頃は時憲書(太陰太陽暦)。鳥が飛んで行ったのは東六の宮・東外宮の方角。
  • 金蓮歩、簫宝巻は暗君。潘玉奴はたぶらかす妃:南斉第6代皇帝 簫宝巻の貴妃 潘玉児。足が小さく、金色の蓮の上を歩かせたという逸話がある。傾国の美女で『水滸伝』『紅楼夢』の潘金蓮はここに由来する。

  • 玲瓏の香り袋の柄:と蝶のよう。そして高貴妃もまた緑地に菊の模様の衣装なのだ。
  • 高貴妃が富察皇后に言う「国色天香の牡丹は、天下の花を表す花の王。簡単には務まらない」。
  • 納蘭淳雪は侍郎 納蘭永寿の娘 、陸晩晩は光禄寺少卿 陸士隆の娘。
  • 嫻妃は三本の線香に夫と我が身、そして「梁に止まるのごとくどの年も見えたい」と願っていたのか。
  • 高貴妃は純妃のことを「病床の西施」と称していた。2022.5.20追記
後宮へ贈られた扁額と紫禁城十二宮訓図

十二宮訓図は乾隆帝の時代のもので、実際には年越しの12月26日に各宮の西壁に掛けられていたとか。かなり紛失しており、ネットでそれらしい絵を見ることができたのは数幅のみ。宮訓図には宮訓詩も記されている。

  • 長春(富察皇后):敬修内則(教子)
    太娰誨子図「太姒、子を諭す」
    太姒周の文王の正妃で、武王の生母。聡明かつ仁徳があり、文王と民に深く愛された。
    詩経 国風 周南 关雎(かんしょ)』の【窈窕淑女 君子好逑】は文王と太姒の夫婦仲を詠っているとある。『关雎』は小説魔道祖師4巻第二十章のタイトル「寤寐」にて解説。
    爾晴解釈:子を亡くし意気消沈している皇后に、一国の母の責務を忘れるなという訓告。
    明玉解釈:何があっても皇后が後宮の主だと伝えている。
    実際に皇后の居室であった。

  • 儲秀宮(高貴妃):茂修内治(创新)
    西陵教蚕図「西陵蚕を育てる」
    黄帝の妃 西陵が初めて蚕をなしたという逸話。『史記』。
    高貴妃解釈:勤勉な妃になれ、分をわきまえずに愛する皇后を虐げたと言っている。自覚しているのね。
    史実では西太后の居室でもあった。

  • 鍾粹宮(純妃 蘇氏):淑顺温和(尊老)
    許后奉案図「許皇后膳を捧げる」
    嘉嬪解釈:皇太后様を敬えということです。
    前漢 第9代宣帝許皇后は、皇太后(上官皇后)を常に敬い、皇太后のために膳を捧げたという故事。絵が現存しているとか。
    漢書 外戚伝 第六十七 上
    五日一朝皇太后於长乐宫,亲奉案上食,以妇道共养。
    五日に一度、長楽宮で皇太后に朝見しても、親しく膳をささげて食を上るなど、婦道をもってこれに仕えた。
    小竹武夫「漢書8」1999 筑摩書房
  • 延禧宮 慎赞徽音(勤劳)
    曹后重農圖「曹皇后農を重くす」
    高貴妃解釈:我らに畑を耕せと?
    嘉嬪解釈:北宋 第4代仁宗曹皇后(慈聖光献曹皇后)のように質素で倹約に努めるよう望んでいる。『宋史 后妃上 巻二百四十二』。

  • 咸福宮 :内职钦奉(勇敢)
    婕妤當熊図「婕妤が熊を阻む」
    嘉嬪解釈:漢 第10代元帝のように、陛下が危険な時に命懸けでお守りすること。
    漢書 卷九十七下 外戚伝下 孝元馮昭儀伝
    建昭中,上幸虎圈斗兽,后宫皆坐。熊佚出圈,攀槛欲上殿。左右贵人傅昭仪等皆惊走,冯婕妤直前当熊而立,左右格杀熊。上问:“人情惊惧,何故前当熊?”婕妤对曰:“猛兽得人而止,妾恐熊至御坐,故以身当之。”

    建昭年中、主上が虎圏に行幸して獣を闘わせたとき、後宮の女官たちもみな坐についていた。すると熊が逃げて圏を出、欄干をよじのぼり宮殿に上がろうとした。左右の貴人や傅昭儀らはみな驚いて逃げだしたが、馮倢伃(ふうしょうよ)はそのまま進み出て、熊に向かって立ったため、左右の者が熊を格殺した。主上が「普通なら驚き懼れるのが人情なのに、どうして熊に立ち向かったのか」と問うと、馮倢伃が「猛獣は人間を手に入れれば、それで止めるものです。妾は熊が玉座まで行くことを怖れましたので、身をもってこれに当りました」と対えた。
    小竹武夫「漢書8」1999 筑摩書房
    元帝に寵愛され中山の孝王を生んでいた。第13代平帝の祖母でもある。
    絵には本当に黒熊が描かれており、むしろ熊の方が戸惑っているように見える。熊さんや熊使いなど、イロイロな意味で気の毒だし、熊って手で殺せるものなのか……。

  • 啓祥宮 勤襄内政(相夫)
    姜后脱簪図「姜皇后簪を外す」
    周宣王姜皇后が、宣王が享楽にふけっているのを、簪を外し自分の不徳であると謝罪し、宣王が心を入れ替えたという逸話。『列女伝 周宣姜后』。

  • 承乾宮(嫻妃・輝発那拉淑慎):徳成柔順(忠直)
    徐妃直諫図「徐妃の直言」
    嘉嬪解釈:徐恵唐 第2代太宗 李世民に勇敢に直言したことに倣えということ。

中国サイトを参考にした追加。

  • 和宮(愉貴人):仪昭淑慎(劝谏)
    樊姫諫獵図
    楚 荘王の夫人。荘王が狩りにふけってばかりいるので、肉を食べないことで諫めた。『列女伝 賢明伝 巻二』。

  • 景仁宮 贊德宮闈(愿景)
    燕姞夢蘭図  
    燕 郭文公の賤妾。夢で先祖から「蘭をお前の子にやろう。蘭の香りは国中で第一、人々がその香りのように愛するだろう」と蘭の花を授けられた。文公より蘭を与えて召され、「この蘭をお目にとまった証拠にさせてくださいませ」と言い、のちに穆公(姫蘭)を産み蘭と名付けられた。ちょっと金凌@陳情令の名付けを思い出すな。
    左伝 宣公三年
    梦天使与己兰,曰:‘余为伯鲦。余,而祖也,以是为而子。以兰有国香,人服媚之如是。’既而文公见之,与之兰而御之。辞曰:‘妾不才,幸而有子,将不信,敢征兰乎?’公曰:‘诺。’生穆公,名之曰兰。”
  • 景陽宮 柔嘉粛静(节俭)
    馬后練衣図
    後漢 第2代明帝馬皇后は、賢夫人として名高く政治に関与しなかった。『後漢書 巻十上 皇后紀 明德馬皇后紀』。馬皇后は長身でもあったらしい。

  • 翊坤宮 懿恭婉順(读书)
    昭容評詩図   
    唐 中宗の時代、上官昭容は詩の評価を行い選定した。『唐詩紀事』。

  • 永壽宮 令儀淑徳(知礼)
    班姫辭輦図  (はんきじょ)
    班倢伃(はんしょうよ)は、漢 第11代成帝から一緒に車に乗るよう言われ、賢聖の君は名臣が側に乗っているものと断った。太后は喜び「古えに樊姫あり、いまや班倢伃あり」と言ったとか。のちに成帝は趙飛燕を寵愛。班倢伃は趙氏姉妹に陥れられることを恐れ太后に仕えた。

    漢書 外戚伝 第六十七 下
    成帝游于后庭,尝欲与倢伃同辇载,倢伃辞曰:‘观古图画,圣贤之君皆有名臣在侧,三代末主乃有嬖女,今欲同辇,得无近似之乎?’上善其言而止。太后闻之,喜曰:‘古有樊姬,今有班倢伃。

     

皇帝が宮訓図を贈ったワケ

  • 高貴妃解釈:私たちに賢良でつつましくあるだけでなく、美貌も群を抜き節約して家を切り盛りさせ、前に進む勇気を持てと?
  • 皇帝曰く:皆、暇すぎる。暇ゆえ事が生じる。宮訓図を与えたのは考えさせるためだ。善良でつつましくあれという忠告だと思いしばらくは自重して、静かに過ごせる。

 

瓔珞2話のメモ

  • 枇杷:劉侍医の見立てでは「肝に熱がこもり肺に痰がたまり重い咳を患う」。確かに肺の熱をとるとある。注意書きにも古い葉は毒がないが新葉にはあり、中毒症状が出るようだ。

  • 瓔珞が持ち込んだ物(瓔珞は故郷の土と)を、方女官は胡麻と胡桃の粉と思った様子。
  • 罰を受けている間、瓔珞はを見ており、2080個の雲が通り過ぎ、302個は彩雲で残りは白雲と言う。

繍坊の衣装はピンク色。嬪位となり皆に貶められても、耐えて時を待ち真相を明かすと言う瓔珞。2022年5月21日追記

瓔珞3話のメモ

  • 舒貴人が皇太后に贈った洞庭碧螺春乾隆帝が碧螺春の逸話を語る。おじい様は南巡で独特な香の茶と出会い、びっくら香と知ると改名した。
    康煕帝が南巡した折に、蘇州語で「嚇煞人」と言われていたのを、雅な「色は碧で、形は螺旋、香り」から名付けた。産地は江蘇省洞庭湖で緑茶。
  • 乾隆帝から高貴人に贈られたのは、金剛般若教。血気が盛ん過ぎるので、写経をして怒りの火を消すようにとの仰せ。
  • 紫禁城 壁の外の侍衛は下五旗、内侍衛は陛下直属の上三旗。いわゆる八旗で、全ての部族が所属している。
  • 姉は包衣で宮仕えをする。任期は25歳まで。包衣は家政を担当する下級旗人。

  • 太后が皇帝に「朝は氷砂糖との巣の粥、夜には酒も楽しんでいた」と話し、瓔珞が方女官のお付きに香り袋に刺繍をしてあげると言っていた柄はと月。燕は家庭の吉祥のようでもある。この回は乾隆帝と瓔珞が会った回で、そこに燕というモチーフが使われているのは、この先の暗喩なのかな?そしては富察傅恒?
  • 姉の元恋人は斉佳氏(チギャ)で満州族の高貴な身分。満州族の八大姓に、佟佳氏、瓜爾佳氏・馬佳氏・索綽羅氏・斉佳氏・富察氏・納喇氏・鈕祜禄氏がある。2022.5.24追記

皇后の弟・富察傅恒は皆の憧れの的で、颯爽と歩いている。考えてみれば、後宮に男性が入れるというのはなかなかスゴイよな。それにしても麗しい姉弟(富察皇后と傅恒)で、親御さんはさぞ誇らしいことでせう……。声を頼りに、女官たちに会い続ける宦官の李正(刘恩尚)が面白い。

瓔珞4話メモ

  • 長命鎖:銀の錠前で、「赤ん坊を現世に繋ぎとめる」もので子供が首にかけるとか。
  • 永璉乾隆帝第二皇子。1730年6月26日生まれ。1738年(乾隆3年)10月12日に病で亡くなる。史実では葬儀は皇太子待遇であったとか。
    第一皇子永璜(1728年生)で、母親は哲妃(1935没)。
  • 乾隆元年7月2日:1736年に秘かに皇太子に立てていた。
  • 乾清宮の扁額裏:太子密建という清朝皇帝の後継者を指命する制度。生まれ順ではなく優れた者が選ばれる。乾清宮はかつては皇帝の寝所、乾隆帝の頃は執務を執り行う場所。
  • 摘んだに熱湯を回しかけ、蒸気を目に当てると楽になる。
  • 牡丹皮:生薬。加えてすすぐと良い香りになると劇中で言っている。
  • 魚の楽しみは魚しか知りません:純妃が皇后に言う【子非鱼,焉知鱼之乐】。
    荘子 秋水』で恵子が言った言葉【子非鱼,安知鱼之乐?】がある。3話で皇太后が「入内して数年すると、死んだ魚の目になる」と言っていたので、魚は妃嬪の暗喩なのかな。
  • 王府に仕えた8人の妃:皇后、高貴妃、嫻妃、純妃、嘉嬪、愉貴人、婉貴人、哲妃(早逝)
  • 元宵団子:元宵節(旧暦1月15日)に食べる団子。もち米に餡が入っている。実際に食べていたのは葛団子。

富察傅恒は魏嬰珞の名前もすぐに覚えたのね。皇后復活と純妃(王媛可)の才知とバカの子演技な瓔珞。嫻妃は中立派で、良心に恥じぬ生き方がしたいと語る。高貴妃は「皇后は病んだ猫で虎にはなれぬ/ 病猫始终都是病猫,纵然咆哮一声也成不了虎啸」と言っている。

瓔珞5話メモ

  • 紫禁城で逢い引きできる男性:乾清門の4人の侍衛、月華門の奉書官、2人の侍医。乾清門は故宮内廷の正門、月華門は乾清門と養心殿の間の西方にある。
  • 離間:他人を仲違いさせようとすること。
  • 辛者庫:宮廷や王府の下働きや肉体労働を行う。
  • 高嶺土:陶磁器の原料。カオリンはgao lingの地名だったか~。実際にミネラル豊富で食用している国もあるとか。

厳女官はベテランで見分けることができるらしい……。噂を消す最善の方法は、物事を大きくして、真相を明かすこと。瓔珞の噂を流した相手(錦繍)だけでなく、上司(方女官/ 殷旭)も撃退。お見事~。

 

瓔珞6話メモ

  • 御花園:宮廷式庭園。舒貴人が歌っていた場所でもある。歌っていたのは『宮牆柳』【宮牆柳 玉搔頭 纖纖紅酥手 寂寞酒 鎖春愁 往事難開口…】。舒貴人は江南育ちらしい。
  • 御前侍衛:皇帝の安全を守る。三品の地位で、現在の副省級クラス。
  • 敬事房:皇帝と妃の閨房を記録する。また、妃の名を記した緑色の牌が並ぶお盆を差し出す役目もある。
  • 燕喜堂:妃嬪が集まりお召しを待っている。
  • 宋 欧陽修『虞美人』:情に厚いが表に出さず、炭を焚きつけることで灰に思いを訴えた。
    炉香昼永龙烟白。风动金鸾额。画屏寒掩小山川。睡容初起枕痕圆。坠花钿。楼高不及烟霄半。望尽相思眼。艳阳刚爱挫愁人。故生芳草碧连云。怨王孙。
  • 鄂爾泰(オルタイ):高家の背後にいるとか。父・雍正帝の頃からの重臣
  • 富察皇后の生年月日:1712年3月28日。満29歳くらい。皇子出産は18歳位か。ちなみに高貴妃の生年は不明だが、wikiには1711年とあり設定を変更されたようだ。
  • 孔雀糸:孔雀の羽毛と金銀糸を編み込み、光が当たると七色になる。実際に乾隆帝の「孔雀翎地真珠珊瑚雲龍文刺繍袍」という龍袍があるらしい。孔雀の羽が遠目で見ると色を輝いて見せるとか。
  • 如意館:絵画をあつかう。
  • 暖玉、和田(ボータン)の玉:純妃が皇后に贈った。体を温める。紫禁城の冬は寒そうだもんね。
  • 造辨処(ぞうべん):皇室の宮廷用品を作る部署を広く管轄している。
  • 御窑廠(ごようしょう):陶磁器を作る官窯。
  • 玻璃廠:宮廷の玻璃製品を製作。

皇帝は切れ者だけど、ちょっと天邪鬼なところがあるんかな。純妃は皇后派で知性豊か、でも身を削って皇帝を遠ざけている……と。張女官(何佳怡)は母親のような良い人だ。玲瓏(陈偌汐)も葛団子では懲りてないんだなぁ。そして高貴妃が瓔珞に目を剥いている様子に笑ってしまう。皇后への誕辰の刺繍は鳳凰と牡丹

 

瓔珞7話メモ

  • 鹿の尾の毛:富察皇后が鹿尾毛で作った荷包(小袋)を、乾隆帝は大切にしていたとか。
  • 長春の対聯:【万象皆春入凤琯 八方向化转鸿钧】。
  • 日久しければ人の心を知る:ことわざ【路遥知马力 日久见人心】。
  • 仲永壇の奏状:鄂爾泰の門弟鄂善(オサン)と張廷玉の賄賂を弾劾。
  • 張廷玉康煕帝からの重臣劉統勛(りゅうとうくん)からも弾劾されている。漢族が支持。
  • 桐城安徽省安慶市。張家と姚家が役人の半数を占める。
  • 鄂実(オシ):鄂爾泰の次子高斌(こうひん)の娘を娶り、高貴妃の親戚となる。鄂爾泰満州族が支持。
  • 寧古塔黒竜江省牡丹江市にあり流刑地。極寒の地。

嘉嬪(潘时七)は表立って高貴妃についても大丈夫なんだな。危ない橋を渡り皇后に気に入られる瓔珞。そして計略に陥れられた吉祥の仇を、乾隆帝を使って玲瓏を討つという~。乾隆帝の政治状況もかいま見え。瓔珞が吉祥に渡していた手巾の刺繍は紅梅に見える。

 

瓔珞8話メモ

  • 富察傅恒祖先は承恩公、公は臣下の中では最高位の爵位伯父は皇帝3代に仕える、は察哈爾(チャハル)総管・利栄保。本人は伴読で王室子弟の勉強相手、未来の御前大臣は侍衛を束ね、内廷事務の統括を行う。
  • 庫房油布:倉庫。綿布に桐油が塗られた防水布。
  • 第一皇子、第四皇子のみ:第三皇子は亡くなってとあるが、史実では純妃の子・永璋がまだ生きていたハズ。出てこないのね。第四皇子(永珹)は1739年生まれ。
  • 高斌は大学士:内閣大学士。実質的な宰相。
  • 鄂善は兵部尚書:国防長官。

瓔珞はさっくりと長春へ、そして富察傅恒にあっさり玉佩も返すけれど、富察傅恒は素っ気ない。明玉(姜梓新)が瓔珞にイケズすると、明玉にハラハラしてしまう今日この頃。瓔珞と皇后の衣裳が、白を基調としていてそれぞれ可愛く美しい。

そして高貴妃の腰巾着・嘉嬪が第四皇子の母と知り、そんな切り札をもっていたのか!なかなか一筋縄ではいかなそうな御仁……。

瓔珞はここから「若様/ 少爷」呼びするのね。瓔珞が女官達にふるまっていたのは生姜の汁物【姜汤】。瓔珞が自分を「顔立ちが愚か」だと言っている~~。高貴妃は瓔珞の事を「犬が狼でないか」と皇后に言う。嘉嬪がぶっそうな話をしている時に映るのは赤いバラ。2022.5.31追記

 

瓔珞9話メモ

  • 嫻妃の名の由来:温にして恵、淑く芸の身を慎む。
  • 張院判:院判は太医院判官で正六品。
  • 嫻妃の書:君主が臣下を治める方を説いている。楚の荘王が「茅門の法」を太子にも遵守させた故事。
    韓非子 外儲説 右上
    法者,非一人之法。若犯法废令,不敬社稷,是为臣而弃君,居下而犯上,臣弃君,则主不能固威。
  • 高恒:高貴妃の兄で狆を贈る。父・高斌は総管内務府大臣、江南河道総督。乾隆帝は高斌を取り立て、鄂爾泰と離間の策(仲違い)を謀る。

後宮モノらしい陰険な企みが繰り広げられるけれど、それで瓔珞と富察傅恒の距離が近づき、傅恒の笑顔も見られたからまぁいいかという感じ。

高貴な人たちは自分で言わず、賢いお付きの者に言い分を言わせる丁々発止が面白い。お付きが賢くなければ勝てない。宮中で供養を行えるのは主だけである。嘉嬪が高見の見物なのがオソロシイわ。嫻妃の清廉潔白さがフラグのようでちょっと気になる。

皇后には生姜と梨の咳止め薬が処方される。瓔珞は「虎の威を借る」と自ら言っていたのね。2022.6.1追記

 

瓔珞10話メモ

  • 崇文門京城九門の一つ。南の城壁に位置する。
  • 善堂:慈善のための結社。
  • 第3代順治帝董鄂妃(ドンゴ)。妃が亡くなり朝議を5日休み宮殿2棟燃やし30名殉死させた。その後に第4代康熙帝が殉葬を禁じた。康煕帝の母は佟佳氏。
  • 慎刑司:内務府に属し、太監の処罰を行う。
  • 妃300両の俸禄:皇后は1000両、貴妃はその半分と言っていたような?
  • 内務省の蔵:銀子、磁器、皮、絹、衣、茶。
  • 神武門紫禁城の北の門。

爾晴(苏青)も富察傅恒のことを好きなのか? 事故とはいえ抱き合う瓔珞と傅恒…。誰かに見とがめられないかハラハラ。海蘭察(王冠逸)がイイヤツだ。純妃は温玉を皇后に贈り、瓔珞は豚の膀胱を傅恒に贈り……とかく紫禁城は寒いのね。

瓔珞への嫌がらせはキッチリやり返されるから気楽に見ていられるのだけれど、他の人のだと苛められるだけなので、そうなると大奥モノになるのよね……。清廉潔白に生きるには、お金を持っていないといけないと思った10話。

富察皇后は瓔珞に「善を見せては真の善にあらず」と言う。菩薩様~。

ことわざ
善欲人见,不是真善; 恶恐人知,便是大恶

富察皇后は愉貴人の事を聞き「宝は求めても情は得難し」と。

唐 魚玄機『寄李億員外』
羞日遮罗袖,愁春懒起妆。
易求无价宝,难得有心郎
枕上潜垂泪,花间暗断肠。
自能窥宋玉,何必恨王昌?

宝物のようなつまらない物はすぐに手に入るのに
心ある男はなかなか得られません
川合康三「中国名詩選 下」2015 岩波書店

海蘭察は「美女の恩は受け入れ難し」と言っている。

古诗《思佳人》
(略)
英雄一盏酌江月,最难消受美人恩。 
纵使今时千日醉,不谙前人一回真。

2022.6.2追記

瓔珞の声優ではない声

富察皇后の話し方が良いなぁと配音を見たらご本人だった! 原音なのは、乾隆帝高貴妃純妃袁春望愉貴人舒貴人李玉のようである。

まだ序盤のせいか、瓔珞は松雪泰子、富察傅恒は菅田将暉、富察皇后は松坂慶子、嘉嬪は松嶋菜々子に似ているなと時々思ったりもする。じっくり見ると違うんですけどね。

 

 

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▼親蚕礼

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▼『列女伝 孽嬖伝』

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外部サイト

▼瓔珞1話~14話収録