尚食3話メモ&感想
朱瞻基が馬から落ちてきた皇太子を受け止める……フツウでも落ちてくる人を受け止めるのは大変なのに、自分より体重の重い人をすごいな~と思ったり……絵になるからイイのだが。
ひらりと馬を止めてしまう游一帆(王一哲)。皇太孫の対抗馬か?と思いきや、錦衣衛だった。もしや袁春望@瓔珞みたいな感じになっていくのかなぁ? 王一哲は福康安@金枝玉葉だし、ED『滋味』や『此生此時』君花海棠挿入歌も歌っていた。
皇太子がダイエットで肉がないとイヤイヤするのは、なんだか商老板@君花海棠の書の練習を思い出すが、残念ながらあの可愛さはなく……。まるで高校生の食べ盛りのようだな。そういえば宮廷ドラマでふくよかな人ってあんまり見かけないかも。ここでの対聯は【仁德大隆吉音长久 和气所舍福禄光明】。なんだか福々しい。
錦衣衛は巡察と逮捕の権限を持つ。宮仕えの者の罪は軽い罪は宮正司、重罪者は司礼監で裁かれる。錦衣衛と言えば隋州@成化十四年さん~。
皇太孫才人 呉妙賢が朱瞻基に「だ~れだ」をしている。なれど匂いに敏感な朱瞻基は白粉が嫌いなので茉莉花香も、髪の桂花油も嫌いで薔薇の香りをつけるも退けられている。呉才人、戻ってくるの早っ。香りがダメなんだから、何も付けないで来ればいいのにと思うが、そうするとこの時代、臭いのかしら……。ここの対聯は【位育本中和曰旦曰明至诚丕应 寅清浮上下亦临亦保敬德昭宣】で紫禁城の斎宮屏風門にある。
紙の染み落としに使うのは3年放置した梅雨の雨水。恵山の泉水は南方の梅雨を経たが、2年も経たない。陳蕪は切れ者ね。
この染みが付いた書き物は『黄庭経』。王羲之の臨書で名高い『黄庭外景経』で、道教の養生訓が書かれている。書をたしなむ人には知られているようだ。
『黄庭外景経 上部経第一』
老君闲居作七言,解说身形及诸神,上有黄庭下关元,后有幽阙前命门,
呼吸庐间入丹田,玉池清水灌灵根,审能修之可长存,黄庭中人衣朱衣,
关元茂龠阖两靡,幽阙侠之高巍巍,丹田之中精气微,玉池清水上生肥,
灵根坚固老不衰,中池有士服赤衣,横下三寸神所居,中外相距重闭之,
神庐之中当修治,玄府气管受精府,急固子精以自持,宅中有士常衣绎,
子能见之可不病,横立长尺约其上,子能守之或无惹,呼吸庐间以自偿,
子保完坚身受庆,方寸之中谨盖藏,精神还归老复壮,心结幽厥流下竞,
养子玉树令可壮,至道不烦无旁午,灵台通天临中野,方寸之中间关下…
皇太子は陛下の出征時、監国として救済や減税で民を守っていた。司膳 胡善囲は姚子衿を上林苑に送るのは惜しいと擁護。監国は皇帝が外出している間、皇太子が代わって国事を担うこと。上林苑は長安の西にある大庭園で、家畜の世話とも前話で言われていた。
姚子衿と殷紫萍が話している所の対聯は【湛露凝甘盈玉瓮 光风布煦应瑶筒】で、紫禁城の茶膳房にある。
指名されて倒れ込んだ掌膳 玉膾は蓉蘭@君花海棠、潁貴人@瓔珞か!
朱瞻基は姚子衿と優雅に絵画の交換日記。頭隠して尾を隠さぬ鼠は【蔵頭露尾的鼠輩】。鼠は『明実録』のアルクタイと鼠【往者丑虏阿鲁台穷居漠北鼠穴偷生屡为瓦刺】とも関係あるのかなぁ?「尚食1話」記事の詔にて引用。
……と思っていたら、朱瞻基は『苦瓜鼠図』という絵を実際に描いていたらしい。史実では描かれたのはもう少し後の1427年、鼠や苦瓜には子孫繁栄への願いが込められていたとか。なのでドラマでは合作という事にしたのね。2022.10.16追記
3話料理メモ
青菜炒め:香菇青菜で検索すると、確かに糖尿病食譜で出てきた……。
黄魚風の甘酢あんかけ:醋溜素黄鱼。冬菇(どんこ)で作った魚。
大蝦もどき二種:两做大虾。蘇月華は蝦の頭は湯葉と落花生の粉末、身は蓮根と山芋と錦糸卵、尾はにんじんの細切り。姚子衿は身は錦糸卵と黒ゴマ,白ゴマを加えたと。海老くらい食べてもいいのではと思ったが、皇太子なら痛風もありそうか……?
麺:素面。嘉興から魚を取り寄せ練り込み、葱と生姜を加えた。嘉興は浙江省東北部で共産党発祥地のひとつ。
4話メモ&感想
蟋蟀(コオロギ)を探す姚子衿。蟋蟀同士を戦わせる闘蟋(とうしつ)。調べると対戦前に計量して重量別なのがちょっとオモシロイ。そして勝者は鳴くのだとか。
殷紫萍の『内訓』の特訓。「昔日の賢王、婚姻を重視しその継承を重んじるなり。家の隆替、国家の盛衰、すべて婚姻が基なり。閨門の内の修身の教えも」姚子衿「慎重にす」、殷紫萍「謙虚で恭しくも」姚子衿「賢すぎれば災いを招く」。
”賢すぎる”に、初めは姚子衿の事かと思ったが、話の流れからしてなんとなく皇大孫妃 胡善祥のことかな?
『内訓 修身章第二』
(略)夫身不修,则德不立,德不立而能成化于家者盖寡焉,而况于天下乎?是故妇人者,从人者也。夫妇之道,刚柔之义也。昔者明王之所以谨婚姻之始者,重似续之道也。家之隆替,国之废兴,于斯系焉。于乎闺门之内,修身之教,其勖愼之哉!
『愼言章第三』
妇教有四,言居其一。心应万事,匪言曷宣?言而中节,可以免悔。发不当理,祸必随之。谚曰:“誾誾謇謇,匪石可转;訿訿譞譞,烈火燎原。”又曰:“口如扃,言有恒;口如注,言无据。”甚矣!言之不可不愼也。
皇太孫が言う「伯楽は常には有らず」。
韓愈(唐代)『雑説四 馬説』
世有伯乐,然后有千里马。千里马常有,而伯乐不常有。故虽有名马,祗辱于奴隶人之手,骈死于槽枥之间,不以千里称也。
線香で時間を計って、ジョギングをする皇太子。一炷香はおおよそ30分のようだが、この線香はどれ位の時間なんだろ。
潁州に送った救援物資は必ず民の手に届けるよう皇太子が言っている。広州は台風による水害、応天、揚州、済南の被害は甚大のようだ。
殷紫萍は17歳で蘇州府出身。光禄寺に勤めた祖父の死後家が没落。姚子衿の祖父は国子監の監丞で、父は検校。
朱瞻基が皇大孫妃を予安と名付けた意味は「安寧を予す」。
朱瞻基は「祖父上が戦場へ赴き、残された祖母上は北平を守り、祖父上は祖母上の「何があろうと帰還を」という言葉を思い出し、また激怒した祖父上を説得できるのは祖母上だけだった。どんな困難があろうと夫婦は手を携えて生きる」と話す。呉才人はカワイイけどそこまでの器ではなく、皇太孫妃にそれを求めているのね。
祖父上は永楽帝で、祖母上は徐皇后。皇大孫妃が純妃@瓔珞のようで、朱瞻基は前世の純妃の呪いでも受けてるのかな……。
太医院が用意した感風霊。中国サイトで調べていると、この箱をよくよく見ると蓋には「九九九」、箱横には雲文様な「999」があるとあった。恐るべし、999感冒灵の広告……。
朱瞻基が永楽帝に言う。
「民は国家の根本なり。明君は民を赤子のごとく扱うなり。己より先に民の衣食を案じるべし」。
永楽帝の永楽7年『聖学心法』での言葉で、『明実録』である『大明太宗文皇帝実録 巻九十二』にもある。この『太宗文皇帝実録』を編纂したのが楊士奇。『説苑』にも似たような言葉がみられる。
《圣学心法 序》
民者,国之根本也。根本,欲其安固,不可使之凋敝。是故圣王之于百姓也,恒保之如赤子,未食则先思其饥也,未衣则先思其寒也。民心欲其生也,我则有以遂之;民情恶劳也,我则有以逸之。
《明太宗实录 卷九二》
昔周道隆盛詩有行葦之詠書有展親之言其祚之遠也宜哉民者國之根本也根本欲其安固不可使之凋敝是故聖王之於百姓也恒保之如赤子未食則先思其飢也未衣則先思其寒也民心欲其生也我則有以遂之
《说苑・贵德》
圣人之于天下百姓也,其犹赤子乎!饥者则食之,寒者则衣之
侍医 盛寅は葉天士@瓔珞、鈕白文@君花海棠だ!コチラでもお医者さんなのね。身元を偽った宮女捜しが続く。
4話料理メモ
菊花鍋:菊花火鍋。菊の花を浮かべ菊の香りも楽しむ。ここでは風羊火鍋。陶淵明は菊を愛し料理にも使った。陶淵明が料理にも使ったという出典がいまひとつ分からないが、取りあえず菊に関して挙げてみる。
陶渊明《九日閑居》
余闲居,爱重九之名。秋菊盈园,
而持醪靡由,空服九华,寄怀于言。
余闲居,爱重九之名。秋菊盈园,
而持醪靡由,空服九华,寄怀于言。
世短意常多,斯人乐久生。
日月依辰至,举俗爱其名。
露凄暄风息,气澈天象明。
往燕无遗影,来雁有馀声。
酒能祛百虑,菊解制颓龄。
如何蓬庐士,空视时运倾!
尘爵耻虚罍,寒华徒自荣。
敛襟独闲谣,缅焉起深情。
栖迟固多娱,淹留岂无成。
陶渊明(魏晋代)《饮酒·其五》
结庐在人境,而无车马喧。
问君何能尔?心远地自偏。
采菊东篱下,悠然见南山。
山气日夕佳,飞鸟相与还。
此中有真意,欲辨已忘言。
蘇月華は18歳、杭州府仁和県出身。蘇軾が杭州の知州だった頃、西湖が氾濫しそうになるが土手を築き水害を防ぐ。そのお礼に紅焼肉と豆羹を届けた。「煮豆酥のごとく」と詠んだ豆羹。
蘇軾『豆粥』
君不见滹沱流澌车折轴,公孙仓皇奉豆粥。
湿薪破灶自燎衣,饥寒顿解刘文叔。
又不见金谷敲冰草木春,帐下烹煎皆美人。
萍齑豆粥不传法,咄嗟而办石季伦。
干戈未解身如寄,声色相缠心已醉。
身心颠倒自不知,更识人间有真味。
岂如江头千顷雪色芦,茅檐出没晨烟孤。
地碓舂秔光似玉,沙瓶煮豆软如酥。
我老此身无着处,卖书来问东家住。
卧听鸡鸣粥熟时,蓬头曳履君家去。
四川料理の店に東坡肉(トンポーロー)は作れない。紅焼肉のことで、杭州の名物料理。こちらも蘇軾ゆかりという説があり、蘇軾は『豬肉頌』も書いている。
神仙粥:餅米は気を補い葱は寒を取り除き、酢には解毒作用がある。
▼東坡肉について説明。
▼『瓔珞』と『君花海棠の紅にあらず』の重複キャストについてまとめ。
▼東坡肉も出てきます。
外部サイト
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