5話メモ&感想
永楽帝の貴妃 王氏(昭献貴妃)亡き後、宮中を仕切っているのは皇太子妃らしい。そういう事もあるんかな? 昭献貴妃は永楽18年に死去、永楽帝の信頼も篤かったようだ。どうも諱の名前は頭に入りにくい。
洪武年間の頃は、司饌(しせん)が飲食の一切を掌っていた。
良籍とされるのは軍人と匠で、賤民は先祖が逆臣。殷紫萍があのコオロギな一家の生き残った娘だった。殷紫萍は「堂々と人として生きたい」と言う。
朱瞻基の毒の源は、皇太孫妃のみかんに混ぜられたもので、死を願っているゆえ。賤民として生まれても、皇太孫妃として育っても、世は生きづらいのね……。活血通経は理血法の一。
姚子衿の女師匠は、聡明で麗しく、書画も上手で賤籍の楽戸。楽戸は賤民の音楽に携わる人々。殷紫萍が姚子衿を抱きしめているが距離近くないか?
輿に乗った皇太孫とすれ違う姚子衿、この宮女の衣装でふんわり走るのなんかいいのよね。花刺繍の手巾も綺麗に手元をかすめて飛んでいく~~~。
しかし殷紫萍、何度おでこをぶつける気なんだ。堂々と皇太孫への恋バナもしているふたり。姚子衿は「運命で定められた2人かも」と。その通り~。昔、北方で出会っていたのね。許凱な朱瞻基に子役な姚子衿。史実では23歳とドラマでは17歳だから、8歳違いかな。
片や高みにおわす皇族、片や頭を垂れて碗を洗う奴婢。
一个是高高在上的皇亲贵胄,一个是低头洗碗的小宫婢
コレって、第2話の李白『静夜思』を思い出すよね。この対比がモチーフなのかな。
姚子衿は、世間は『西厢記』だけを語り、『鴬鴬伝』を忘れてると。『鴬鴬伝』は『西厢記』の元となった物語。『西厢記』では物語のふたりは結ばれるが、『鴬鴬伝』はそうではなかった。
《西厢记》
いつまでも離れず永遠に集い、愛する人と家族になれますように。
永老无别离,万古常完聚,愿普天下有情人的都成了眷属。
孟尚食を訪ねる漢王。蘇月華に母の事を教えていたのは漢王だった。孟尚食は夫の兄に襲われ、正当防衛で殺しちゃったのね。口説こうとする漢王に、殺した日に孟紫澐は死んだと言う。そういえば孟尚食が作っていた子母会料理、孟尚食と蘇月華の母子が会った、というのにもかかっていたのね。
皇太子は皇太子妃に「獄卒」呼ばわり。夫婦仲がワルいのを間近で見る長子 朱瞻基……。
5話料理メモ
糸~巻き巻き皇太子妃。「西陵教蚕図」的な感じかな。
宋の太祖は南唐を落とせず、食欲を失っていた所を、厨師が地元のみかん漬けと胡桃で点心を作り危機を救い「大救駕」と名付けられた。この食欲を失っていたのは趙匡胤。安徽省寿県の名産菓子で、グルグルとして黄色い。
その事を皇太子妃に告げた胡司膳だが、すぐに孟尚食も入ってきたので、調べるように言われたワケではなく自ら注進したのかな。結構野心家?
今回から姚子衿&皇太孫追っかけメモも追加してみる。
♥5♥すれ違って皇太孫に後ろ姿を見られ、先回りして陰から手巾を飛ばした。ナイス、風。
6話メモ&感想
皇太子妃は花の観賞会を開くことに。
朱瞻基は姚子衿が部屋にいると気づき、琴を奏でる。
《大明宣宗皇帝御制集》《竹轩弹琴》
南軒、竹林に対して座す。風に吹かれながら琴を弾く。
心地よい曲の途中、そよ風に鸞の声が響く。
南轩坐对竹萧森,拂轸闲调绿绮琴。
一曲猗兰弹未彻,清风相答翠鸾吟。
朱瞻基は姚子衿のいる榻の上に横たわり、『公羊伝』で顔を覆う。『春秋』の注釈書。姚子衿がわざわざ本を取って顔を眺め掛け物を掛ける。すると目を閉じたまま姚子衿の手を取り「陳蕪、邪魔をするな」と。瓔珞では瓔珞を看病していた時に寝顔を見ていたんだっけな?
なるほど、こういうムズキュンを繰り返すのね。いっその事、30話くらいまで手を変え品を変えこういうのを繰り返してもいいぞ、という気持ちになってきた。権謀渦巻く紫禁城で、相手の顔も分からずほのかな好意を交わす方がヨイ、と思う皇太孫の気持ち、分からないでもない。
葉には「来る時は1人、去る時は八万四千」。
蘇東坡の真似で、「葦管で柿葉に書く」。殿下は欧陽脩の詩を愛し、王羲之の書法を崇めている。
蘇軾(宋代)《东坡志林》卷二 赠邵道士
耳如芭蕉心如莲花百节疏通万窍玲珑来时一去时八万四千此义出楞严世未有知之者也元符三年九月二十一日书赠都峤邵道士
蘇軾(宋代)《孙莘老寄墨四首》
(略)
分余幸见及,流落一叹赧。
我贫如饥鼠,长夜空咬啮。
瓦池研灶煤,苇管书柿叶。
近者唐夫子,远致乌玉玦。
先生又继之,圭璧烂箱箧。
(略)
やっぱり朱瞻基は狸寝入りしていたか。陳蕪の言う通り、殿下が美男だからだと思います~。百虎斉奔箭はなかなか進展せぬと。百虎斉奔は古代の火箭。
いきなり毛皮モフモフな冬装束となり、妃嬪たちが大集合。荘妃 韓氏、美人 喩氏は気付かなかったけど掌秋使@風起洛陽か!昭儀 李氏。呉才人は香りで有名なのね。そういえば皇太孫は墨の香りは良いんだな。この3人は永楽帝の妃嬪。
明代の妃嬪の序列は、皇后、皇貴妃、貴妃、妃、昭儀、昭容、婕妤、美人、才人、貴人、選侍、淑女のようだ。呉才人や喩美人はこのメンバーでは低いのね。しかし三世代の妃嬪が揃うと、改めて紫禁城後宮は部屋割りだけでも大変~~と思えてくる。
皇太子妃は「豆腐」料理を提案するが、皇太子側妃 郭氏が「魚」料理と言うと、そちらが通る力関係なのか。寵妃、恐るべし。浙江の海門から鮮魚が届いている。後宮ならではの権力闘争がちらりちらり、なれど『瓔珞』で後宮耐性がちっとは付いてるから、高貴妃@瓔珞を思えばなんのこれしき。
6話料理メモ
冬筍魚:冬筍の軟らかい部分だけを選んで料理に使った。香芹作。
麒麟魚:鱗を燻製肉と鶏肉で模す。麒麟は瑞兆をあらわす。粤菜。食いしん坊な雪蘆作。
香花魚絲:姚子衿作。郭側妃褒め褒め。
屈原『離騒』
朝饮木兰之坠露兮,夕餐秋菊之落英。
朝に木蘭の露を飲み、夕に秋菊の花びらを餐う。
魚羊鮮:魚の腹の中に羊肉。魚と羊は2つで1つと言われ鮮の形を作る。漢族伝統料理。玉膾作。
豆辮魚:味噌【豆酱】を用いた。四川料理。飲食の道は素朴な食材で民を幸福にすること。殷紫萍作で皇太子妃が評価。確かに何だか美味しそうで作ってみたくなるのは、味噌のシミシミな感じが想像できるからかな。民なワタシ……。
鮮魚餃:餃子の皮に魚肉を入れ、鶏の汁物で餃子を煮た。蘇月華作。
♥6♥ 皇太孫の琴の音を聞き、間近で目を閉じたお顔を見て、手を握られた。陳武さん、皇太孫に手を握られることもあるの? 皇太孫は花柄を記憶す。
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