史実の生年なども記していますが、設定が変えられている人物もいるので、参考程度です。
瓔珞11話メモ
- 真珠粉:悪夢が治る。美白・シミ消し・抗炎症・不安安定作用がある。
- 茘枝:早生品種三月紅は旧暦3月に実がつくことから名付けられた。通常の茘枝は夏に実る。福建産。茘枝は温室では開花・結実しないそうだ。
- 皇后が漢詩を口ずさむ:長安回望すれば繍~。
杜牧『過華清宮』
玄宗皇帝が楊貴妃のために茘枝を遠方より取り寄せた故事、にちなんで贈る乾隆帝のドヤ顔がカワイイ。
长安回望绣成堆,山顶千门次第开。
一骑红尘妃子笑,无人知是荔枝来。
(略)
長安を振り返り望めばぬいとられたような山々、山頂の華清宮の千の門が次々に開く。
一騎の馬が駆けつけ楊貴妃は微笑む、茘枝来たりと誰も知らない。 - 清菊飲:ライチは「上火」(体に熱がたまる)の食べ物なので、発散のために飲用した。
- 嘉嬪の身分:身分が低いのかと調べると、嘉嬪(淑嘉皇貴妃)の父は上驷院卿三保で三品官。上驷院は御厩を扱う所。祖先は朝鮮の出らしく、清朝後宮唯一の外国女人とある。初めは格格(皇子の妻妾で1番低い)という身分だった。苦労しているのね。
- 常在:清朝後宮は8等級で、皇后、皇貴妃、貴妃、妃、嬪、貴人、常在、答応の順位となり、妃嬪では最低等である。
- 肥運び:紫禁城には水道がなく、もちろん下水道もない。皇帝や皇后妃嬪のトイレは「官房」係が担い马桶を用いる。
犬を蹴散らしついでに高貴妃も蹴散らし、鉄壁のボディガード瓔珞。愉貴人の侍女芳草(任婉婧)は嘉嬪の内通者になっていた。袁春望、罰を受けて肥運びになったけど逞しいね。
茘枝の木を皇后へ贈るとは皇帝お優しい。茘枝の実は運送中に895個が48個に。しかし厄介そうな貢ぎ物だ。慶常在 陸氏(李若宁)の姿も。
瓔珞は高貴妃に「噂は侮れません」と話している。【谣言猛于虎】なのは誰が虎なのか。雪球は太監以上の胡麻油付きの干し肉【肉脯】を与えられているが、袁春望が横取りしている。嘉貴人の茶杯の漢詩と花と鳥の絵柄も気になる~。2022.6.3追記
瓔珞12話メモ
- 向かって右側が上座:皇帝は南に向き、その左が東となるので、そちらが上座。紫禁城の建物も天安門から向かって右が東宮。
- 江南の葉天士は入神の技を持つ:清代の名医。四大温病学家の一。
- 御茶膳坊:太和殿の東側に位置する。
- 白雪紅梅:茘枝は陽性なので、塩水に浸し枸杞(くこ)と中和させた。枸杞で熱冷ましかな。
- 皇帝が言う:虎児柙より出で~。「虎」が出てきた。
孔子『論語 第十六 李氏』
虎兕出於柙、龜玉毀於櫝中、是誰之過與。
猛獣が檻を出て、箱に入った亀玉を壊したら、これは誰の割り当てになるのか。 - 瓔珞が知っている論語の一:学んで時に之を習う
『論語 第一 学而 一』
子曰:“时学而习之,不亦说乎?有朋自远方来,不亦乐乎?人不知而不愠,不亦君子乎?”
子曰く「学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや。朋あり遠方より来る、また楽しからずや。人知らずしてうらみず、また君子ならずや。 - 論語の二:三人行けば必ず我が師あり
『論語 第七 述而 二十一』
子曰:“三人行,必有我师焉.择其善者而从之,其不善者而改之.”
子曰く「三人行けば必ず我が師がいる、善き者を選んでこれにならい、不善の者はこれを改める。
茶会の皇帝と皇后の金色衣裳がお揃いで麗しい。誕辰の贈り物で皇后から1番と言われ、得意顔な皇帝がヨイ。
怖がるほど相手は増長するとごもっともな瓔珞。8歳で犬に噛まれた瓔珞は、翌日棍棒で犬を追いかけ戦った……そして今は愉貴人の弱さが武器……さすがです。
皇后が瓔珞に教えてあげるという言葉に、長春宮の宮訓図【教子】の言葉が思い出された。徳勝(常铖)は大聖@君花紅じゃないの。
爽快な回だ。皇上、女官が朕の手を借りたのは二度目ですよ~。
瓔珞13話メモ
- 龍井茶:緑茶で有名。浙江省杭州市産。
- 雲霧茶:廬山は大雨。十大銘茶の一。江西省の名山・廬山を産地とする。
- 那爾布(ナルプ):嫻妃の父。世襲正四品佐領。
- 佐領:清朝八旗制の基礎単位の組織の長。
- 鉄帽子王:清朝の爵位は、子の代になると一段階下の爵位となるが、親の爵位を子が継ぐことができる世襲制の制度。12家あったとか。
- 怡親王:愛新覚羅弘暁。第4代康煕帝の孫で、父は康煕帝第十三皇子胤祥。雍正帝に功績したため、鉄帽子王となり、名前も「胤」が付いている。
弘暁は第6代乾隆帝の従弟。1722年生まれで、父が1730年で没、9歳で継ぎ、今は19歳位のハズ……。傅恒とは同い年。蔵書家だったよう。ちなみに瓔珞は1727年生まれなので14歳?現代の感覚ではプラス10歳位が丁度いいかな。 - 嫻妃:14歳で輿入れし9年が経つ。23歳。1718年生まれなので史実通りではある。后から賜わったのは500両で、俸禄より高い。
- 瓔珞が書いていた文:天下を有する者は天下の主なり~
『呂氏春秋 孟冬紀第十』
周の文王が、工事中に出てきた人骨を丁寧に葬るよう言った言葉。この事により民を大切にしてもらえると文王の評判も高まった。すべての富を持つ皇帝は万民の暮らしに責を負い気遣わなければならない。太姒な皇后が引用するのは文王なのね。
文王曰:“有天下者,天下之主也;有一国者,一国之主也。今我非其主也?”遂令吏以衣棺更葬之。天下闻之曰:“文王贤矣!泽及髊骨,又况於人乎?”或得宝以危其国,文王得朽骨以喻其意,故圣人於物也无不材。
『資治通鑑外紀 巻二』
王曰:“有天下者,天下之主;有一国者,一国之主。我固其主矣。”葬之。天下闻之,曰:“西伯之泽及于枯骨,况于人乎?” - 皇后が言う:窮すればその身を善くし~。
『孟子 第十三 尽心章句上 一八五』
窮則獨善其身;達則兼善天下。
窮すれば独りその身を善くし、栄達すれば天下を善くす。瓔珞は栄達してから考えますと。
犬と無邪気に戯れる瓔珞に心動いたか? 傅恒が出てくると華やぐゎ。利用したら犬にも恩義を感じる自称悪人・瓔珞。
嫻妃の部屋が暗く見えるなぁ。父上……それなら最初からそう言うて宮中へ上がらせてくれ……。黒衣裳となり、野心に堕ちたか嫻妃。でもコチラの方が合っているような。確かに自身が出世すれば、死後でも一族ごと地位を引き上げられるものな、母の呪詛を覆すにはそれしかない。そして怡親王(成浚文)、怪しいヤツだ。
下手な字を明玉にけなされても全く臆さない瓔珞さん、良い生徒です。
人の不幸を高笑いしている高貴妃には、今から同情してしまう……先は知らないが。
一方、皇后は菩薩様。瓔珞と皇后の信頼関係が癒し~~。
瓔珞14話メモ
- 懸腕法:書道用語。肘を浮かせて書く。
- 蚊連草の香りが苦手:ローズゼラニウムと蚊が嫌う匂いのシトロネラという2種を交配させたもの。蚊避けに効き目があるらしい。
- 夜来香:夏の夜に咲き、濃い甘い香りを放ち、夜に香りが増す。
- 安徽省涇県産の宣紙の最高級品:書画用の上質紙。この地域で定められた原料で伝統的手法で漉かれた紙。
- 薄葉紙:日本だとラッピングに用いられている薄い紙であるが?
- 礼部尚書の金簡は親友。金簡の妹は嘉貴人:礼儀・祭祀・学校・科挙等を担う長官で一品。金簡は実在し出世もしているが、当時は出仕しておらず、礼部尚書も歴任していない。
- 坤寧宮で三月に一度の祭祀で福分けに胙肉(そにく)【柞肉】:福分けは【分福吃肉】とあるが、故宮博物館が紹介しているのは【坤宁宫吃肉】。
これは坤寧宮で過年大祭、春秋祭、四季祭、月祭、日祭(朝祭:寅-卯時、夕祭:未-申時)として行われている祭祀である。二頭の豚の両耳に熱い酒を注ぎ豚が叫んだら神霊が宿ったものとされ、シャーマンが踊り祝詞をあげる。ドラマでも踊っていましたね。そして解体され大鍋で煮て神前に供えられ、大臣や侍衛が食した。コレが毎日なのか…。正月二日の大祭には、皇帝が指名した王公大臣がこの秘儀に参列し肉を食べたとある。
明玉、珍珠、琥珀、翡翠、瑪瑙と、長春宮の女官は玉の名前なのね。
月下の対局の邪魔をしてお裁きを受けるとはオモロすぎる。それをナイスアシストしたのが、颯爽とした騎士な傅恒。傅恒はランスロット@アーサー王のような役回りなのかな。この塩と胡椒は好意じゃないのよね?海蘭察のツッコミが好き。
女官にここまで口を出す権限はナイだろうけど、スカッとチャイナだからいいのだ。乾隆帝の得意技は足蹴り~。すっかり呉総監も瓔珞にすり寄っている…。正しい判断だ。
瓔珞15話メモ
- 福分けの肉の起源:太祖が狩りの獲物を水煮にして糧とし配下と分け合った。建国の苦難と志を忘れず子孫に伝えるため。
- 宗人府:皇族を監督する官庁。
- 甘草:砂糖の50倍の甘みがあるそうな。
- 北三所:冷宮。珍妃が井戸に投げ込まれる前の居室と言えば推して知るべし…。外東宮 景祺閣の北、珍妃井の西の門辺りにあったとか。祟りを恐れ壊された。
親王が瓔珞を告発したらマズい場面ではあったような。皇后様のこの黒衣裳、お美しい。傅恒は瓔珞にいきなり甘えん坊だし、おまけに手を出しとる。
根性の据わった嫻妃、水を得た魚のようね。純妃は最強。そして悪だくみの連帯はモロく、嘉貴人は二段階降格~。チャララララ~。
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