笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「愛なんてただそれだけのこと」「宮廷の諍い女」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

瓔珞61話~65話感想考察/藤豆と蜻蛉の刺繍,孫子 九地,富春山居図,避暑山庄紀恩堂記

瓔珞をSNSで追っていると、時々サンファンの蠍瓔珞を見かけるが、2月23日は蠍瓔珞の誕生日だったのでおめでとうメッセージが多かった。七殺天凌に魅了される蝎瓔珞さんも好きだったよ。

瓔珞61話メモ

蕉葉琴、雍正4年 琴職人に調律させた琴、円明園から5日に1張の琴を届けるよう命じる。康煕帝が奏でられていた。4ヶ月後に康煕帝の命日を迎える:琴の構造・形態の一つで、芭蕉の葉に似ている。康煕帝の命日は12月20日

・秋になるとコオロギを灯籠に入れ、元宵節灯籠の火を灯し鳴き声を楽しんだ:春節最初の満月である元宵節にはランタンを灯す。

上書房で師傅が教育してくれる:清代の皇子が勉学するところ。

・養心殿の時鳴鐘:歯車仕掛けで鐘が鳴る時計。

・藤豆と蜻蛉(トンボ)2匹が仲が良い:明 第17代 崇禎帝時代、韓希孟の刺繍作品。
韓希孟宋元名跡冊 扁豆蜻蜓图』は全8幅の第7幅。静の藤豆と動の蜻蛉が描かれ、刺繍の技も巧みで、蜻蛉の羽根は半透明、藤豆の葉は青から黄色と「一葉而知秋/一葉で秋を知る」が表現されているそうな。故宮博物院所蔵。

薫其昌

化身虫天,翩翾双羽。
逍遥凌空,吸露而舞。
豆叶风清,伺伏何所。
影落生绡,驻以仙组。

漢詩が左側に記されている。紫禁城に実在していたんだ~、刺繍だったのにもビックリ。そして実物はドラマよりも蜻蛉がくっついており、とても繊細なタッチで美しく、保管が難しそうなシロモノ。実物を見たらドラマを思い出して感傷に浸りそうだゎ。公開しないのかな。

 

61話感想

日本語タイトル「悲しみの花嫁衣装」からして不穏でしかない。「涙の花嫁衣装」でも両方の意味に取れたような。

順嬪が瓔珞の悪口を皇太后に吹き込み始める。嫻皇后の第十二皇子 永璂は腕白で出来がイマイチらしく、爾晴の子 福康安も横暴らしい。皇后サマ、私に似ていないと、皇上の前で仰ってくださいな。順嬪が傅恒の前でわざわざ手巾を落とす、瓔珞の部屋から盗んだの?

明玉の赤い花嫁衣装。送りだそうとする瓔珞の思いに泣ける。運が強すぎると身内との縁が薄らぐのか。花嫁さんへの祝福の縁かつぎは『山河令』でもあったな。

傅恒さんはお祝いに海蘭察へ土地を贈る気前の良さ。順嬪は的確に傅恒の様子を語る。寅の刻に起床して亥の刻に就寝する……姑蘇藍氏の家訓をどこかで読まれました??(起床は卯の刻ですけどね) 己を律しても我慢が過ぎればふさぎ込む……なるほど。え?傅恒が順嬪の命を救ったの?

結婚祝いに金製ハサミ……順嬪、鬼やね。

海蘭察ぁ~~~(涙)。そこでナゼ出てくる順嬪(怒)。追い打ちをかけるな皇上(怒)。嗚呼、癒しの爽やかコンビが……。52話で純貴妃が冷宮で「他人の花嫁衣装を縫う」と言っていたのは、明玉の花嫁衣装だったのか……。それならちゃんと式を挙げさせろ~~~。

瓔珞は自分の婚礼を明玉に託していた。そういえば妃嬪は花嫁衣装を着ていないか……。順嬪は傅恒の香り袋の柄も知ってるの?まさか傅恒に助けられて横恋慕とか、純妃&爾晴さんパターンじゃあるまいな。ええぃ、崖から落ちてしまえ。

もちろんこれから瓔珞は復讐に燃えあがるのだろうが、今回は後ろ楯(皇太后)がいない。どうするんだ。そして海蘭察が心配……。

 

瓔珞62話メモ

劉徳照の死刑に傅恒は反対。妄言で民を惑わしたが、正気を失っている。家には「反清復明」の紙があったが字は書けない。王朝の転覆を企むのは大逆で、肉削ぎの刑に処される。

・銅山県で堤防が決壊した責任を問い、同知の李敦(りとん)と守備の張賓(ちょうひん)を死罪に処す。70歳の高斌は有用ゆえ殺さぬが、眼前で斬るように言う。高斌は江蘇で洪水が起きた時に報告を怠った、河南外河の同知 陳告済(ちんこくさい)が不正を働いた際かばい立てした。高家堰が決壊し、淮安と揚州が水没した。:1753年(乾隆18年)に起こった出来事、実際に高斌は恩に感じて高齢にも関わらず治水の第一線で働き続け、2年後に現場で過労死したとか。

62話感想

瓔珞は順嬪からの贈り物に気付き、どしゃ降りの中、養心殿へ赴くが皇上には会えず。李玉さん、瓔珞の「生涯、恩に着るわ」はどんな護符より効くわよ。

順嬪、元気に舞っとるがな。瓔珞呼びに腹が立ってくるし、猿芝居にもむかつくし、他の妃嬪と異なり、瓔珞にすり寄っておいて恩を仇で返している分、腹ただしいな。

嫻皇后も順嬪に恐れ入ったと言い、順嬪も皇后と手を組む。小全子が槍玉にあげられ、おいおいおい、小全子も手のひら返しなの。乾清宮へ。

贈り物攻めな舒妃に癒やされる日が来ようとは……。万寿節の仏舎利な頃には思ってもいなかったよ。慶嬪はお花畑で敵認定もされないから見逃されるのか。そして嘉妃はいつの間にか失脚?

令妃が落ちぶれたのは傅恒のせいと言う順嬪。すぐ人のせいにする人は、相手にしないのがええぞええぞ。この手の邪悪なのは、爾晴で耐性が増しているハズ!

袁春望には屈しない瓔珞。コチラも病んでてこわ~~~。しかし朕は自分が瓔珞をいじめるのはアリだけど、他の者には許さないハズ。皇后もこれがバレたら後宮監督不行き届きでマズイのでは?

第五皇子、助けに来んかい。と、か細いツテを辿る。ただ現時点でハッキリしているのは順嬪も陛下を好きではないということ、ちーん。

 

瓔珞63話メモ

・順嬪が瓔珞に言う~死地に陥れて後生く。戦争には戦場となる地域の九種類の性格に応じた戦い方があるとし、「死地」は最も絶体絶命の窮地であり、そこでは勇敢に戦うしか生き残る道がない。危険な状況におかれてこそ、はじめて死力を尽くして戦うものだと述べたもの。

孫子 九地

投之亡地而后存,陷之死地然后生

絶体絶命の窮地に追いこみ、死地に投入してこそ、はじめて活路が開ける

守谷洋「孫子の兵法」1979 産業能率大学出版部

蒼震門:延禧宮に近い。

西直門:北京内城九大古城門の一で北西に位置する。宮殿の水を玉泉山から運ぶ水車が通ったことから水門とも呼ばれる。

・愛必達は長年失踪していた娘を見つけたが、入内を拒む。15歳で養父が取り持った相手に嫁いだ。史実の順妃は、康煕帝重臣 エルビン(遏必隆)が曾祖父。康煕帝の皇后 孝昭仁皇后は姑祖母。

63話感想

皇上は瓔珞の絵を大切に保管している。李玉がアシストするけれど、ぞんざいに放置されていた月露知音を見て燃やせとおおせ……。これも嫻皇后の仕業か。

順嬪は善人は大切にされるべきで恩返しで助けると主張。皇后が延禧宮からと騙り、皇上に梔子の花を贈ろうとしていたのもブロック。梔子は傅恒の好きな花……。永遠に一緒よって、骸となって共になるってか? 順嬪は物のように献上され、家族も失っているのか。

酔いつぶれている海蘭察、武骨者だから初めての心痛との言葉に泣ける。霍蘭部の逆賊の残党狩り……。まだ残っとったんかぃ。霍蘭部は皇上の意地っ張りな恋心なんかな。そして小全子、瓔珞へ干し肉の差入れ。この刺繍はなんだっけ?干し肉は臘肉……ここから臘月紅@君花海棠への転生となったの??

嫻皇后頭上の手動な天井型団扇、面白いな。え?珍児、まさか袁晴望を好きなの? やめときやめとき、奴婢ごときがって思ってるよ。爽やかの反対やん……。29歳なのね。

やれやれ~~。水桶を開けろ~~。小全子あらわる。

皇上は、瓔珞は感情任せにひとを傷つけないと言う、エライっ。順嬪、子までいたの。入内検査をどう切り抜けたか、色気と凄みを増す……。そういえばかつて刺繍坊で瓔珞が調べられていたっけ。死ぬつもりを傅恒が助けたのが徒となる……。大事に思われている瓔珞が憎たらしいのか?

 

瓔珞64話メモ

・主事の桂成は陛下の前で弓を引き、不注意で矢を折り半年減俸。

・陛下は9歳で武術を習い始め、弓と槍を見事に扱う。11歳の時、避暑先で放った矢は百発百中、12歳で木蘭囲場へ行った時は、康煕帝が射た熊が暴れ出し陛下が槍でしとめた:熊のエピソードは『避暑山庄纪恩堂记 别廷峰』によるものか。

入木兰初,围场日永安莽喀.围中有一熊,皇祖御火枪,中之,熊伏不动.久之,皇祖谓其已毙,命御前侍卫引予去射之.意欲使予于初围,得获熊之名也.其时,予甫欲上马,而熊突起奔前.皇祖御虎枪,殪之.事毕,入武怅.皇祖顾温惠皇贵太妃,指予曰:“伊命贵重.”乃以射熊事告之曰:“使伊至熊所,而熊起马惊,成何事体?”又一日,虞者告:“有虎.”皇祖命二十一叔父,后封慎郡王者往.予跽奏:“愿去!”皇祖曰:“汝不可去,侯朕往之日,携汝去耳!”似此深恩,彼时不知,至干今,每一念及,即欲堕泪.

・緑宮のマスケット銃銃口部分の作りが脆弱で暴発する可能性がある:中国語では【鸟铳】。

・順嬪のもうひとりのモデルは容妃,香妃とも言われているようだ。となると夫は霍集占なのだが……。

64話感想

また傅恒が胸を刺されている。順嬪は監禁でいいのか。

瓔珞と皇上はお互い、順嬪を利用して試し合っていたと?実際のところ、瓔珞にはそんな悠長な境遇ではなかったよね。

皇上がバカを申せとすねるのが面白い。順嬪への褒美は装飾品ばかりで、それは寵愛の印ではないらしい。寵妃な瓔珞が再び…。

ご懐妊!あんなに栄養状態悪かったのにか。騙され怒り心頭の皇太后も引き下がる。懐妊には軟禁されていた時に気付いたと。はれまぁ。皇上は心に朕がいるか試したかったと言い、瓔珞は愛する男のため子を産むと答える。この辺り展開が急すぎて、ああそうですかという思いになる。脚本の変更なんだろうか。

袁晴望が捕らえられた。なぜ身重で順嬪に会いに行く。

順嬪の3人の兄が処刑され高笑い。愛必達は訥親の弟。母を追った息子は獲物の罠にかかり死んでしまった。妃と重臣を裏切らせようとした。明玉の死後、順嬪が瓔珞を襲うよう仕向け、皇上が瓔珞への寵愛を復活させたのは瓔珞の企み、と。陛下への恨み、夫はいないと……。踊り子さんだったのかな。順嬪は皇上の寵妃にはなれず、愛される瓔珞への嫉妬もあるのか。

袁春と小全子は、マングースの勝ち。瓔珞と皇后も、紫禁城の子に手を出さない限りは休戦協定。舒妃はお祝いの品を早速届けたようと語られる。瓔珞は「私は争うほどに力がみなぎってきます」とのたまう。

 

いきなり10年が経ち、髯をたくわえた傅恒登場。第五皇子 永琪(陈宥维)愉妃の子は30命中で文武両道に優れ天文、地理、暦算では誰も及ばない、物に当る第四皇子 永珹(方洋飞)嘉嬪に怒られていた子は狩りで腕を負傷、第十二皇子 永璂(孙傲)琴を壊した皇后の子は努力家、嫡子な十二皇子はやはり今ひとつなようで。

皇后は更年期でしょうか。瓔珞は貴妃となり子沢山な様子。瓔珞は、皇太后に娘を預け、6年前に慶妃を第十五皇子の養母にする。瓔珞は「自分に味方する女など誰もいない」が口癖、実際に世話をするのは乳母なので、預けられた第七皇女、第九皇女、第十五皇子は瓔珞の元へ通い賑やからしい。

瓔珞がどちらを愛しているのか。まぁ、愛にもいろいろあるし、後宮は恋愛を語るところでもないだろうし。瓔珞には後宮は仕事場なので、皇帝にとっての後宮のようにどちらもなのだろうが、世が許せば傅恒だったのだろうな、と思わないでもない。

 

瓔珞65話メモ

・皇子事情:冷遇されているのは大小嘉嬪系な、第四皇子嘉嬪:粗暴、第八皇子嘉嬪:酒色を好む、第十一皇子嘉嬪:欲深い。第六皇子純妃親王位を継ぐ、第十三皇子嫻妃:早世。残っているのは第五皇子愉嬪第十二皇子嫻妃第十五皇子令妃

・瓔珞の子は二男二女:第七皇女 昭華(しょうか)、第九皇女 昭瑜(しょうゆ)は皇太后第十五皇子 永琰(えいえん)は慶妃に託される。第十四皇子 永璐(えいろ)は早世。瓔珞の体が弱く子の後ろ楯とした。

安老湯:『傅青主女科』を起源とし、更年期の肝脾两虚や腎水亏耗に用いられる。

黄公望『富春山居図』:昨年入手した/落款が絵の外側に押されている,勇ましい筆遣いで変化に富む,印章押しまくり、傅恒が贈ってきた/瓔珞は偽物と言い、皇上が本物認定した。史実では乾隆帝が印章を押しまくった絵は偽物で、真贋共に台湾の故宮博物院に展示されている。

鹿胎:益腎壮陽や補虚生精の効能がある。

65話感想

第五皇子から逃げ出し箱の中に入る令貴妃。タイトルの口うるさいって第五皇子か。母上から届いた皇子への文……愉妃とやり取りしているのね。

そこへ皇上まで加わり、箱の上で碁を打ち合っている。皇上と瓔珞の関係も相変わらずだけど、生真面目な第五皇子にかかると瓔珞もかたなしとなる。皇上は瓔珞に途中で離れたら許さないと言っている。皆髭をたくわえており、似合う人とそうでない人と……。

鸚鵡は和親王から贈られたんだっけ、皇后は肝脾が失調しており、嫉妬は不安と恐怖を生むと進言する張院判。

瓔珞が絵を見ている時の薄紫色な衣裳は、富察皇后がお召しになっていなかったっけ?皇帝も老眼なお年頃で、瓔珞とは16歳違い。相変わらず皇上は瓔珞の頬をつねっている。そこへ蓮の実の冷たい汁物を届ける嫻皇后。自分にはしない仲睦まじい気配が伝わってくるのは切ないよなぁ。

突然、嫻皇后が白雪姫の義母めいて……瓔珞とは10歳年齢が違う設定なのか。出た袁春望!富察容音を引き合いに出すのがあざといなぁ。この痛いところを突くのは、かつて嫻皇后が純妃に用いた方法。

袁春望に焚きつけられ、突然科挙の試験中に乱心した和親王。公衆の面前すぎでちょっと呆気にとられてしまった。

于正Pの作品では、In the BoxOn the Roofは大事なモチーフなのかな。

 

 

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▼24話-5で「一叶落知天下秋」を解説。

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