瓔珞41話メモ
・訥親:即位して誰よりも目をかけた訥親は、金川出兵では敵を侮り大敗を喫す。敵軍を瓦解させ離間せよと明示するも聞き入れず、負け戦に縮み上がり二度と攻め入ろうとはしない。張弘泗と対立し軍に損害を与えた輩を生かしておくわけにはいかぬと朕は激怒。軍機処の重臣として戦っているが、臆病なうえに役立たずと、朝帽の羽根飾りを没収し捕えよと厳命を下す。
史実でも清軍は大敗をきたし、乾隆帝は傅恒を代わりに送り、1749年帰京した訥親に自刃を命じた。
・亀齢集の処方、33種の生薬で長生き:宋時代から伝わる滋養強壮剤で、山西省の特産品。現在も販売されている。
・皇后 輝発那拉氏(ホイファナラ):乾隆15年(1750年)に皇后那拉氏となる。
傅恒は自ら志願して金川へ赴く。爾晴も面倒くさい人だなあ。傅恒は皇帝の落胤とは信じていないのか、「尼寺で暮らすんだな」はハムレット……。
挿入歌『宮牆柳』が流れる中、傅恒は円明園へ。なぜか流れ続ける瓔珞&袁春望ムービー、二人しかおらんのかーい。
皇太后に推薦されて嫻皇貴妃は皇后へ。皇后 輝発那拉氏は、亡き母親に「無能ではない、この姿を見せたい」と語りかける。
なぜか今年の万寿節は円明園の正大光明殿で催される。かつて奇術のあった万寿節か、あの頃が懐かしいな……。愉妃は純貴妃派、牡丹の花を見に行こうと純貴妃に言っている。
瓔珞は明玉と再会するが避けられる。袁春望は時のなせる業と言い、簪を瓔珞に贈る。早速、刺客を送り込む純貴妃。桃色衣装でも怖いのね!
祭壇の菓子から明玉を召し出すことに成功。8本の銀針!? こわ~~~~~~~。しかもまだあるの?
瓔珞42話メモ
・熟火処:防火用の水甕である吉祥缸の水を、炭を用いて凍結しないようにする部署。啓蟄の頃まで行う。
・鳳凰:あごは燕、くちばしは鶏、五色を備う。瑞鳥。
・瑞兆:雍正帝の時代には、天が治世を嘉するものとして瑞祥が喧伝されたとか。
・九州清晏殿(せいあん):円明園西部の前湖と後湖との間にあり、皇帝の寝室がある。
熟火処の管事 王忠が玉壺とあいびきしており、純貴妃が火事の黒幕とわかり、瓔珞は「一撃でしとめねば」と後ろ盾を捜す、スナイパー瓔珞。
海蘭察が爽やかだ~~~。皇太后が放鳥した中に鳳凰がおり瑞祥と。錦鯉は寿の文字となる。愉妃 珂里葉特氏、あれだけ世話になっておきながら瓔珞にキビシく、慶貴人 陸氏は優しい。
そして瓔珞は答応どころか常在も飛び越え一気に貴人へと!! なんせ嫻妃を推挙した皇太后。瓔珞も気に入る。かつての蝙蝠と言い、皇太后は鳥にちなんで妃嬪に引き立てるのね。居並ぶ妃嬪が嫌そう~な様子がちょっと面白い。
袁春望は瓔珞に共に逃げようと言い、去るなら裏切りと。そうか、瓔珞は寝ていたから袁春望の出自を知らないのか。
早速、夜伽に召し出され瓔珞は紫色衣装へと。「おびえてばかりでは生きている意味がない」と瓔珞節は健在。それでも瓔珞が侍女に支えられているのがまだ見慣れず新鮮。皇上より嫌がらせの待ちぼうけをくらい、瓔珞はお菓子を悠々と食べているし、喪服で抗議。
でも皇上は海蘭察には「魏貴人だ」と言うのよね。海蘭察の姑娘呼びも良かったんだけどな。海蘭察もたまげたよね。
瓔珞43話メモ
・瓔珞が演じる:どこかで会ったことのある人だ~。民間の雑書。才子と佳人。賈宝玉と賈母(宝玉の祖母)とのやり取りで、宝玉が黛玉と初めて会う場面。
『紅楼夢』
宝玉看罢,因笑道:这个妹妹我曾经见过。贾母笑道:可又是胡说,你又何曾见过她?宝玉笑道:虽然未曾见过她,然我看着面善,心里就算是旧相识,今日只作远别重逢,亦未为不可!
宝玉は笑って言った「どこかで会ったことのある人だ」。贾母も笑って言った「嘘おっしゃい。お前がどこで会ったというの?」 宝玉は笑って言った「会ったことがなくても顔に覚えがあります。昔からの知り合いのように、久しぶりに再会したとしても構わぬのではないですか」。
・四徳:古代中国女性の美徳。『周礼 天官 内宰』德、言、容、功。
嫻皇后は、瓔珞で純貴妃を牽制したい。愉妃も妙案を提案する程には逞しくなっているが、相手がワルいよね。愉妃の様変わりは、勢いづいている時に悲惨な過去は消したいというものか。でも瓔珞は違う。
配属された延禧宮はボロい。瓔珞も黒羽根な雲肩でヤル気満々ね。この薄青色な衣装、綺麗ね。琥珀がいると、瓔珞の出世ぶりが実感できるな。明玉との作戦会議。琥珀を送り込むが妙案なのは、さすが地味ね……。針に比べれば、どんな策略も大したことなく思える。
庇護がないため慎重な瓔珞。寂れた妃嬪は、雑草が生え廃屋となり食事は冷たく手当も滞りバカにされる……格差社会なのね。
皇太后は瓔珞に大笑い。祖母に孫が甘える感があると思っていたら、瓔珞が演じた劇中小説もそんなやり取りだった。皇太后は慎ましいのより、利口でやり手な妃嬪がお好み。そして皇上キックが琥珀に~~~。舒嬪はオチ要員。
手玉にとられる皇上を見るのは楽しい。梔子の香りとお月見の下ついに……。明玉と李玉が顔を見合わせるのに笑ってしまう。李玉は気が効くなあ。海蘭察が明玉を全力で守ると。しかし全力で守るは今まであんまり良いフラグではないような……。明玉は瓔珞の右腕になると言っている。
頴貴人 巴林氏(刘璐)、婉嬪 陳氏(王欣慧)登場。朝露でお茶はかつて嫻妃が皇后のためにしていたけれど、それを皆に知らせずにいる嫻皇后もなかなか……。かつて富察皇后時代の時は、参加していない妃嬪がいたんだっけ? そして嘉嬪 金氏まで登場!嘉嬪の妹で儲秀宮住まい。侍女は蘭児(刘诗童)。性格は姉よりも浅知恵でわかりやすい。悪役妃嬪は愉しいなあ。
瓔珞44話メモ
・趙孟頫(ちょうもうふ)の『鵲華秋色図』(じゃくかしゅうしょくず):元代の絵画。済南(山東省)の名山である鵲山,華山が描かれている。故宮博物院所蔵。
・純貴妃が言う~古宮 閑地少なく 水港 小橋多し~:「陳情令と中国文学⑫盡枕河客棧」で解説。蘇州を詠ったもの。
唐 杜荀鶴『送人遊呉』
古宮閑地少 水港小橋多 夜市売菱藕 春船載綺羅
・工部尚書 哈達哈(ハダハ)を正使、内閣学士 伍齢安(ウリンガ)を副使として、令嬪に封じる:史実では1745年1月23日魏貴人に、11月17日令嬪に冊封されるという超出世。
・令:玉のごとき美に与えられる封号。
『詩経 大雅 巻阿』
颙颙卬卬,如圭如璋,令闻令望。岂弟君子,四方为纲。凤凰于飞,
いと高くいと尊く、圭のごとく璋のごとく、よききこえ よきほまれあり。やすみしわが大君は、四方統ぶる網となります。鳳凰は飛ぶ
・傅恒は一等忠勇公に封じられ、宝石の頂玉と四団龍補服を賜わる:大川金川之役は乾隆帝の十大武功の一。史実でも红宝石帽顶を賜わったようで、帽子の上に飾られる宝石。四団龍は通常親王、群王しか着用できず異例のことである。
皇上は瓔珞がいないとなると、お部屋訪問で出来栄えをチェック。そして焦らされまんまとのる皇上。嘉嬪妹、これはしてやられるやつ……ただ同じ人が演じてると思うと、面白いなぁ。こういう面倒くさいタイプは、相手しちゃうけどお好みではない皇上。
訪れのない時もブランコで楽しむ魏貴人。皇上は久々の茶碗投げ。葉天士やるぅ。瓔珞は下賜品をゲットしといて皇太后にまわすという……仮病で拒否はかつての純妃やんか。やっぱり瓔珞の方が一枚上手なのは、惹かれたもん負けね。皇上も新鮮だろうなぁ。皇上は賢くてすぐになびかない妃嬪を落とすのがお好きなようで。
そして魏貴人は令嬪に!!3ヶ月でここまで駆け上がる。女則書写は28話で、かつて富察傅恒皇后が福晋時代に孝敬憲皇后より受けた罰か。
帰京した傅恒でさえも毒蛇な嫉妬に苛まれる。円明園で瓔珞が傅恒の事を思ったが、それはいまや昔のこと……。だから富察皇后は後宮から出したかったんだろうけれど。だけど爾晴を正妻としている所に迎えるのは、それはそれで差し違えるしかない泥沼よね……。
瓔珞45話メモ
・嘉嬪が言う~梔子の漢詩。題名からして「令嬪」「女狐」と引用に面白い漢詩。蜀の花は四川、呉の花なら純貴妃だけれど。梅(富察皇后)も詠まれているのがミソなのかしら。令狐相公は令狐綯(れいことう)とされている。
劉禹錫 『和令狐相公詠梔子花』
蜀国花已尽,越桃今已开。
色疑琼树倚,香似玉京来。
且赏同心处,那忧别叶催。
佳人如拟咏,何必待寒梅。蜀の花はすでに尽き、梔子の花は今が盛り
色は瓊樹の花のごとく、その香は玉京に似る
・瓔珞が売っていたお酒:桑落20(山西)、新豊40、菊花酒30、竹葉青20(山西)、女児紅25、皇后が利酒した杜康酒。皇后以外はどの酒が誰か分かりにくいけれど、6人の妃嬪かな? 年齢かと思ったけれど、ドラマでは皇后が年長扱いになっているし。史実では、純貴妃と嘉妃が同世代、嫻皇后、慶貴人、令嬪と舒嬪が同じ位。
竹葉青や女児紅は『山河令』でも出ておりそちらで説明。桑落酒は山西省永済市産。北魏末からの中国伝統名酒の一で、六朝と言えば桑落酒。漢代と言えば新豊酒だそうな。新豊酒は漢詩でもよく詠まれている。菊花酒は長寿酒とも。杜康酒は中国最古の歴史的名酒。古代中国伝説の醸造酒の始祖である杜康にちなんで名付けられた。
朕から見た妃嬪たち……純貴妃は優しく気持ちをくんでくれ、何も求めないからくつろげる、皇后は善良で賢く、嘉嬪は見目麗しい、舒嬪は明るく、慶貴人は純真、だそうな。
その純貴妃も嘉嬪も皇后も少しずつ朕に令嬪への毒をもる……。傅恒は瓔珞のことを「正義感に満ちている」と言うのに対して、令嬪は「恨みを忘れないだけ」と言い返す。
小全子(郑龙)登場。明玉と海蘭察は爽やかさん。
瓔珞は酒売り女に扮して蘇州なまりで酒を売る、そして皇上の天邪鬼を逆手にとる。瓔珞の嘉嬪、純貴妃、嫻皇后のモノマネに大笑い。
皇上は一番の策士を気に入ってしまったと。
▼明代宮中のお酒いろいろ
▼杜荀鶴『送人遊呉』について
▼竹葉青酒。
▼竹葉青酒。
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▼第29~第42話
▼第43~第56話
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