笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「愛なんてただそれだけのこと」「宮廷の諍い女」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

尚食21話料理感想/梨の花椒詰め,菊花豆腐,鰲山灯籠,香芹碧澗羹,程氏演繁露

21話メモ&感想

豆腐の技(豆腐練刀功)を磨いている殷紫萍。皇太子の世継ぎにと張皇后から送りこまれた侍女たち4人は、妃たちが悪く言われるのを皇太后が案じてのこと。

張皇太后は姚子衿を知っていたのか。かつて姚子衿は皇太孫嬪として嫁ぐように迫られ、他には出家か死しかない。皇太后と妃嬪の座を求めるか賭けをした姚子衿、今再び太子嬪に任命されようとするもお断りして強気だな、愛と自由は両立しないと言う。

皇后の意志は殿方より固く果敢で豪胆、美心姉さん@君花海棠もそうだったな。つまり姚子衿を宮中に入れたのは皇后だったのね。張皇后は姚子衿に陰謀から救われた恩もあり様子を見るようだ。

夜中の闇に紛れて、胡皇太子妃は胡尚食から子宝の護符(求子符)を渡されるも断る。

御史 梅少淵丹漆や青金石は産地を問わず厳しく取り立てられ、家財を売って丹漆を買い納める民もいる。買い付けを担っているのは陛下が重用している宦官たちなので上奏できない。

《明史纪事本末》卷二十八《仁宣致治》(一)
九月,上念山林川泽,皆与民共命自居庸以东,与天寿山相接,禁樵采,余俱弛禁。河南黄河溢,令右都御史王彰往抚军民,免今年粮税。工部奏修军器,请征布漆于民。命给钞市之。上曰:“古者土赋,随地所产,不强其所无。比年如丹漆、石青之类,所司不究物产,概下郡县征之。小民鸠敛金币,博易输纳,而吏胥因以为奸。其一切禁止。”

天寿山うんぬんは第15話でも出てきた話。

梅御史が「宦官は災いをもたらす」と言っているのを耳にして、袁琦はお茶に細工するが自分で飲む羽目になる。殷紫萍の思い人と知って楽しそうな姚子衿。宦官も様々で、鄭和(鄭三保)は勇敢で戦に長けイシハはヌルガンに遠征し帰順を勧めた。黄儼(こうげん)は私利を図った宦官。梅御史は宦官を憂うも、袁琦は皇太子にかばわれて嬉しそう。

上元節には鰲山灯籠(ごうさん)が置かれ、百官宴も催される。そこへ第3局を申し出る胡尚食。階段を上っていく孟尚食と、下りていく胡尚食。
鰲山灯とは元宵節の大型な彩色や装飾をほどこしたちょうちんで、伝説のオオウミガメ(鰲)に似ていることから名付けられた。明代永楽時代には官府が作り、午門前に幾重にも積み上げられた。

『程氏演繁露』を忘れた梅少渊。『程氏演繁露』は宋代の程大昌が三代(夏殷周)から宋代までの雑事を記録編纂したもの。うん、やっぱり姚典膳が梅少渊に膳を渡すところを、皇太子が見るのね。適度な嫉妬は恋のスパイス~。陳蕪、そんなにハッキリ言わんでも。

なんだ、殷紫萍の慕う心じゃなく復讐か。かつて流浪していた殷紫萍は梅少淵から盗もうとして役所へ突き出され酒楼で働く事となり、まわりまわって料理の技を得た。正義感が強くて面倒見の良い人なのね。

宦官が酒壺を倒してふたりの上に!姚子衿は手を負傷した!!なんてこと……。

21話料理メモ

亀苓膏と共に綺麗になった猿の絵。いまだお怒りの皇太子は蜂蜜と桂花を加えたのがお好き。

梨は咳に効き『食療本草』を参考に、凍らせた梨に穴をあけ花椒を詰め、熱した灰で加熱して胡椒を除いて食べる。薬膳では食す者の体質と食材選びに注意する。冷凍梨に50もの穴を開けるとある……。

孟显(唐代)《食疗本草 卷下 梨〈寒〉》
(一)除客热,止心烦。不可多食。〔心·嘉〕
(二)又,卒咳嗽,以冻梨一颗刺作五十孔,每孔中内以椒一粒。以面裹于热灰中煨,令极熟,出停冷,去椒食之。〔心·嘉〕
(三)又方,梨去核,内酥蜜,面裹烧令熟。食之大良。〔心·嘉〕
(四)又方,去皮,割梨肉,内于酥中煎之。停冷食之。〔心·嘉〕
(五)又,捣汁一升,酥一两,蜜一两,地黄汁一升,缓火煎,细细含咽。凡治嗽,皆须待冷,喘息定后方食。热食之,反伤矣,令嗽更极不可救。如此者,可作羊肉汤饼,饱食之,便卧少时。〔嘉〕

『図経本草』には宣城の乳梨や京州の鴨梨が薬膳に使え香水梨にも同じ効果があるので選んだ。子供は花椒の味を嫌うので、穌油(そゆ)と蜂蜜を使うよう勧める孟尚食。梨の皮はのぼせを抑え渇きを潤す。乳梨は雪梨とも言う。香水梨は甘粛省蘭州からの献上梨で、姚子衿が新たに薬膳に取り入れたようだ。

蘇頌(北宋代)《本草图经》
梨,医家相承用乳梨、鹅梨。乳梨出宣城,皮厚而肉实,其味极长。鹅梨出近京州郡及北都,皮薄而浆多,味差短于乳梨,其香则过之。咳嗽热风痰实药多用之。其余水梨、消梨、紫煤梨、赤梨、甘棠御儿梨之类甚多,俱不闻入药也。

坤寧宮の夜食に、山前芋は柔らかく芋の餡に向いており、奉化の芋は蒸すのが最適、小ぶりの芋は桂花糖や葱油と合わせると良い。芋を榧子(ひし)と杏仁を加えて料理、軟らかくて甘く口当たりも良い。香芹の羹(香芹碧澗羹/こうきん)は安眠の効果がある。

林洪(南宋代)《山家清供》
芹,楚葵也,又名水英。有二種,荻芹取根,赤芹取葉與莖,俱可食。二月、三月作羹時,採之洗淨,入湯焯過,取出,以苦酒、研芝麻入鹽少許,與茴香漬之,可作葅。惟瀹而羹之者,既清而馨,猶碧澗然,故杜甫有春芹碧澗羹之句。

方典膳の豆腐料理に感銘を受け、158個あると知り豆腐を切り続ける。菊花豆腐(豆腐菊花盅)を教える子衿。出た!豆腐スゴ技!

臭豆腐を作る姚子衿。

甜豆花を食べる梅少渊。甘い豆腐脳になぜかお怒りな皇太子。甘いが表わすのは慕う心か。梅少渊の祖母は荊州の出身でよく作ってくれ、同じ鍋に甘い味と塩味が完璧に分けられている。皇太子は豆腐脳=塩味派でしょっぱいゎ。これが1つ目の殷紫萍の頼み。

2つ目の頼みで姚子衿が渡したお餅(鮮肉元宵)は竹虫蜂の幼虫(蜂蛹)、イナゴ(螞蚱)入りって……。思いきり吐いとるな。蜂の幼虫は油で揚げると絶品らしい。これは味付けの問題が大きいのでは。

御酒房から届いた金華酒山東省,春秋時代)、長春(漢方酒)、太禧白(明代御酒房醸造酒)が1個ずつ。寒譚春(御酒房)、五味湯(漢方酒)…荷花蕊(かかずい/御酒房)、桂花醞(けいかうん)、菊花漿蘭花が2個ずつ。これら3銘柄も明代宮中の名酒。姚子衿が念入りに教えていた太禧白の文字は、『延禧攻略(瓔珞)』の「禧」でもありますね。お酒の銘柄が多く出てくるのは『瓔珞』の第45話でもあった。

皇太子は「酒にはそれぞれ適温があり、酒に応じて火加減を変えねば味を損なう」と言い、胡皇太子妃は「冷酒は胃に悪いと聞くが、温める温度が違うとは知らなかった」と話す。陳蕪は姚子衿のことを皇太子に伝えられずにいる。
(つづく)

様々な人々(妃嬪・宦官)がおり、いろいろな梨や芋、豆腐料理に虫料理、甘党と辛党、お酒に火加減が挙げられ、それぞれに異なる持ち味や調理法がある。

 

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外部サイト

▼豆腐ラバーによる豆腐本

▼江戸時代の豆腐百珍