笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「愛なんてただそれだけのこと」「宮廷の諍い女」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

尚食27話料理感想/鳳凰胎,盧綸 白牡丹,張約斎の牡丹会,麻姑献寿図,李時勉

27話メモ&感想

皇太子嬪 姚子衿(孫氏)のテロップ。去り際に沐浴している姚子衿と皇太子のキス場面~。

サイコロを振りながら皇后がゲームに興じている。これ、なんのゲームだったっけな


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孫皇太子嬪は才人たちが集まり人気者となっている。「皇太子妃は静寂を自分は賑やかなのを好むので、自由にすればいい」と姚子衿。何才人には刺繍を教え、趙才人は囲碁、呉才人へ柑橘香の腕輪を贈っている。

胡皇太子妃が永寧宮(郭貴妃)と坤寧宮(皇后)には諍いしかなく、この世には友になれぬ者がいると言っている姿が、孫皇太子嬪との関係を表わしているようでもある。母方実家の薬を3日かけて皇太子の爲に作ったりと、不憫枠な皇太子妃……。

張皇后の誕辰宴にと、皆で牡丹の絵を描いている。洛陽紅は美しい、洛陽紅は濃いピンクの牡丹で、焦骨牡丹とも言い則天武后の逸話があるそうな。殿下の好みは風景画や投壺、好まないのは喧噪や濃い香りや妃嬪の集まり、姿勢に悪い針仕事。

閉め出された皇太子は、黒猫の硯台で気を引き、子衿を担ぎあげ侵入成功。金の首飾りを贈り、「心を開いてくれなくても私はそなたに真心を尽くす」って、皇太子妃にも似たような事を言ってなかったっけ……。でもキス場面~。

傷心・游殿が東宮に遣わしたのはもしや……と思っていたら、絵も置かれており見ちゃったのかな。

洪熙元年4月、南京で地震が頻発、皇太子はそのまま南京に残り指揮を執る。しばし別居生活なのね。『明実録』でも、洪熙元年2月頃から南京での地震の記録が多くみられている。

久々の尚食局の調理場面だ~。

出来上がった絵を広げており白い顔料は真珠を混ぜた。そんな所で呉才人がお茶を飲んだら……と思っていたら、お茶をかけて台無しなのはお約束。才人に琵琶の楽譜を渡している。

皇后の誕辰宴
郭貴妃が
長安の貴族は春を惜しみ、競って紫牡丹を観賞す家に咲く白牡丹は、月明かりの中孤独に咲く。唐時代に富豪が牡丹を鑑賞する風俗があり、赤や紫牡丹が貴重で、白牡丹は顧みられなかった。誰が白牡丹か……。

盧綸(ろりん)(唐代)《裴给事宅白牡丹》
长安豪贵惜春残,争玩街西紫牡丹。
别有玉盘承露冷,无人起就月中看。

張約斎の開いた牡丹会のよう、鮮やかな舞いと牡丹、美味なる料理がそろった」と話す。張約斎の牡丹会では、歌妓の冠と服の色を牡丹の花のように配色したとある。白い衣に装身具は牡丹を付けていた。

周密(南宋代)《齐东野语·第二十卷·张功甫豪侈》
众宾既集,坐一虚堂,寂无所有。俄问左右云:‘香已发未?’答云:‘已发。’命卷帘,则异香自内出,郁然满坐。群妓以酒肴丝竹,次第而至。别有名姬十辈皆衣白,凡首饰衣领皆牡丹,首带照殿红一枝,执板奏歌侑觞,歌罢乐作乃退。复垂帘谈论自如,良久,香起,卷帘如前。别十姬,易服与花而出。大抵簪白花则衣紫,紫花则衣鹅黄,黄花则衣红,如是十杯,衣与花凡十易。所讴者皆前辈牡丹名词。酒竟,歌者、乐者,无虑数百十人,列行送客。烛光香雾,歌吹杂作,客皆恍然如仙游也。

贈り物は、皇太子妃は「麻姑献寿図」を刺繍。麻姑は中国伝説の仙女で、西王母の誕生日に麻姑は美酒を造り贈ったとされており、長寿を願う図。明代の「麻姑献寿図」としては陳洪綬の作品が、北京故宮博物院に所蔵されている。

孫皇太子嬪は楽器が得意と勧められ、牡丹の簪を付けた芸妓たちと演奏して贈り物としている。紫色の衣装に白い牡丹を付けた芸妓たちを見て、妃嬪たちは二喬銀粉金凌かと論じている。花二喬三国志の美人姉妹にちなんでおり二色の牡丹が咲くものも。銀粉金凌は薄ピンクの牡丹、金凌@陳情令はここから取られていたのかな。

胡皇太子妃は「義母上は牡丹が枯れるのを惜しみ、自分は枯らしてしまった、牡丹会が皇太子嬪の本当の贈り物だった」と考えている。張皇后は教坊司の芸妓まで使ったと咎めるが、皇太子からとなると話は別、ついでに芸妓の解放もできて一石三鳥だな。

郭貴妃が皇后の元へ謝罪へ来ていた時に、洪熙帝が李時勉にお怒りで、杯をあおる。汗をたらしていた帝付きの太監は劉殿という名なのか。李時勉は洪熙元年(1425年)に上奏して洪熙帝の怒りを買い、打たれて骨折し投獄され……という出来事があったそうな。

『明史 李時勉伝』
洪熙元年复上疏言事。仁宗怒甚,召至便殿,对不屈。命武士扑以金瓜,胁折者三。

27話料理メモ

不落夾(ふらくきょう)は4月8日に仏様のために供され官吏にも賜わる。もち米を葦の葉で包み、味は粽のよう。蘇月華はをゆでるように言っている。麦で稔轉を作るよう。第1話で出てきた包児飯も同じ月で、遠い昔に感じるわ。

劉若愚《明宮史》
四月初四日,宫眷内臣换穿纱衣。钦赐京官扇柄。牡丹盛后,即设席赏芍药花也。初八日,进"不落夹",用苇叶方包糯米,长可三四寸,阔一寸,味与粽同也。(略)
二十八日,药王庙进香。吃白酒、冰水酪,取新麦穗煮熟,剥云芒壳,磨成细条食之,名曰“稔转”,以尝此岁五谷新味之始也

皇后の誕辰宴。皇后には蘇司膳作のごま茶(芝麻茶)、ゴマを紅茶に加えて煮出したもので胃を温める、郭貴妃には杏酪、姚子衿には牛乳蓮粉茶で殷紫萍の作った物、呉才人には果茶

《醒園錄》
芝麻茶法:先用芝麻去皮,炒香,磨細。先取一酒杯,下碗入鹽少許,用筷子順手打至稠,硬不開,再下鹽水,順打至稀稠,約有半碗多。然後用紅茶熬釀,俟略溫,調入半碗,可作四碗吃之。

蘇司膳の鳳凰、太平の世には鳳凰も踊る。唐の長安官府料理で、唐の中宗皇后の兄である韋巨源が催した「焼尾宴」第31餚饌。魚の精巣と鶏の腹の中の卵を用いた事から鳳凰胎と名付けられた。鳳凰はくちばしが鶏で尾が魚だからか? なんだか人間の業を感じてくるな……。

《清异录 巻下》
凤凰胎(杂治鱼白。)羊皮花丝(长及尺。)逡巡酱(鱼羊体。)乳酿鱼(完进。)丁子香淋脍(醋别。)葱醋鸡(入笼。)吴兴连带鲊(不发缸。)西江料(蒸彘肩屑。)红羊枝杖(蹄上裁一羊得四事。)升平炙(治羊鹿舌拌三百数。)八仙盘(剔鹅作八副。)雪婴儿(治蛙豆荚贴。)仙人脔(乳沦鸡。)小天酥(鹿鸡糁拌。)分装蒸腊熊(存白。)卯羮(纯兔。)青凉臛碎(封狸肉夹脂。)筯头春(炙活鹑子。)暖寒花酿驴蒸(耿烂。)水炼犊炙(尽火力。)五生盘(羊豕牛熊鹿并细治。)格食(羊肉肠臓缠豆荚各别。)过门香(薄治羣物入沸油烹。)缠花云梦肉(巻镇。)红罗饤(膋血。)徧地锦装鳖(羊脂鸭卵脂副。


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殷典膳の鮮江揺柱は帆立の料理、鼈の彩り蒸し(徧地錦装鼈)は「焼尾食単」に載っており、鼈は陰を補い熱を冷まし家鴨や冬筍と煮れば臭みも消える。

デザートは、酪桜桃牡丹生菜は生菜と牡丹の花を揚げ甘草を使い牡丹の香りを閉じ込めた。

殷紫萍が気に入られて司膳に昇格!
(つづく)

子衿の皇太子嬪編が始まったが、早速人気者となり思っていたより穏やかな後宮生活。皇太子妃候補として仕込まれた事が妃嬪達との交流に一役買っている。なんとなく妃嬪の方が子衿はしっくりくるが、でも料理場面になると供される立場なのはちょっと寂しいな。

胡皇太子妃と孫皇太子嬪、張皇后と郭貴妃、ひいては蘇月華と殷紫萍や、皇太子と游一帆との相容れなさが重なる。
 胡皇太子妃は理知的だし、郭貴妃は古典の造詣にも詳しいので、それぞれで並び立てば華やかなのにと傍から見れば思うが、各々拮抗してるからこそ脅かし合うんだろうな。 

 

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