尚食7話,8話料理感想/米花糖,蛋焼麦,中国八大料理,中国高級食材

7話メモ＆感想

喩美人が黒幕は皇太子と告発。姚子衿は監禁されている荘妃に炒り米（炒米）をなんとか差入れる。ひどい待遇だ。

永寧宮献立から、最近の喩美人は小食であるとわかった。

清寧門を入ると皇太子の住まい。皇太子が謀反を疑われ憤懣やるせなく首つりをしようとしている。重くてロープが切れるのかと思っていたら、台座の方が壊れたよ。

皇太子は永楽帝が錦衣衛と宦官を重用することを憂いている。すぐに坐るのは、立ってると疲れちゃうとか？

『礼記楽記（魏文侯篇）』
文侯曰：「敢问溺音何从出也？」子夏对曰：「郑音好滥淫志，宋音燕女溺志，卫音趋数烦志，齐音敖辟乔志；此四者皆淫于色而害于德，是以祭祀弗用也。《诗》云：『肃雍和鸣，先祖是听。』夫肃肃，敬也；雍雍，和也。夫敬以和，何事不行？为人君者谨其所好恶而已矣。君好之，则臣为之。上行之，则民从之。《诗》云：『诱民孔易』，此之谓也。」

君これを好めば、臣これをなし、上これを行えば、民これに従う。

子夏が魏文侯に問われ、音楽と君子の国政について論じている段。

疑いは尚食局にも及び、殷紫萍は女児紅（紹興酒）を渡し、蘇月華はもっと強い十日酔を渡し、料理に混ぜて眠らそうとする尚食チームワーク。

姚子衿は捕らえられ、審議の場で喩美人の状況を訴える。喩美人は蜂蜜や蜜漬け（蜜䬻）ばかりを食べていたのは、肺を患い病で口に苦みがあったからである。

漢王が告発されるが不問となる。そして喩美人をそそのかしたのは游一帆で、漢王の息子でもあった！母は密通を疑われ亡くなっている。となると皇太孫とは従兄弟で、登場時に朱瞻基の対抗馬と思ったのは当たっていたのか。游一帆が出てきたのは第3話でその回は「もどき料理」が作られていたのだが……もどき扱い？

喩美人は継母に追い出された弟妹を救い、両親は道連れにする事と引換えに漢王を陥れていた。日本語タイトルの「父と子」は、皇太子と皇太孫かと思いきや、コチラもか！父を守る息子と陥れる息子。そしてどちらも実母は幸せそうでない……。

7話料理メモ

米花糖を作っている。飴おこし。四川の伝統菓子。この回は炒った米が出てきており、炒米はモンゴル伝統料理のよう。

♥7話♥　皇太孫に召されるが外出されてしまう。寒い中待っていたが、喩氏の事で伝言を残す。

8話メモ＆感想

朱瞻基は游一帆を怪しんでいるが、永楽帝から目隠しした像が届く。「聞かず、見ず、問うな/ 莫听莫看莫问」のお達しは『務本の訓』。《务本之训》は、永楽帝が太祖の創業事跡や過去の興亡や得失をまとめ、皇太孫に訓戒したものと《明史志第七十四　藝文三》にある。

姚子衿はずぶ濡れで病に倒れる。殷紫萍も蘇月華も姚子衿を心配しているのだから、取り合うのでなく３人仲良くならないかなぁ。

劉講官の講義にも気もそぞろな皇太孫。

『説苑政理』
董安干は晋陽を治め、蹇老に政を問うた。蹇老曰く、忠誠信頼勇気である。董安干は尋ねた、忠誠とは…
董安于治晋阳,问政于蹇老,蹇老曰:“曰忠、曰信、曰敢。”董安于曰:“安忠乎?”曰:“忠于主。”曰:“安信乎?”曰:“信于令。”曰:“安敢乎?”曰:“敢于不善人。”董安于曰：“此三者足矣。

陳蕪と袁琦ふたりの皇太孫実況も好きよ。おもちゃの兵隊さんが並んでる感がある。兔が鷹に狩られている～。皇太孫は狩りのお菓子も気に入らずおかんむり。食べ物にヨワイのは父親譲りかな。

礼部より南京軍人羅住児の妻の三つ子出産に米鈔を贈る、欽天監より青白き星の観察、貴州按察使の胡器は獅子の頭と虎の体を持つ白黒瑞獣の知らせ。無駄な報告ばかりである。７日で我慢の限界となり、袁琦を尚食局に使いをやる。

『明実録』を見ると、【夜有星如盏大青白色】な報告は割とよくなされている。三つ子云々は永楽20年5月にあり、同日に星の報告もなされている。胡器も同月に貴州按察使に任命されている。洪水うんぬんは皇太子が前に言っていたような。

《太宗文皇帝實錄卷二百四十九》
永乐二十年夏五月丁巳朔（略）
○是日禮部言南京留守中衛軍人羅住兒妻尹氏一產三男　皇太子令循例給賜米鈔
○廣東廣州等府颶風暴雨潮水泛溢人溺死者三百六十餘口漂沒廬舍千二百餘間壞倉粮二萬五千三百餘石事聞　皇太子令戶部遣人馳馹撫問
○夜有星如盞大青白色有光起自角宿西北行至下台尾跡炸散（略）

○是日皇太子陞兵部員外郎饒晞為廣西布政司左參議泉州府知府胡器為貴州按察使

足を怪我した胡司膳の所に誰も食事を届けたがらない。孟尚食に嫌われたのは、あの注進のせいかな。姚子衿は靴を履かせてあげ、胡司膳は姚子衿の公平で公正に接する所が気に入り、後宮は人に好かれて長生きできると話す。勝ち抜くには「異」と伝える胡司膳。

王司膳は長年かけて集めた名菜譜を蘇月華に托している。それぞれの師を得て対決かしら。この辺りは『チャングム』を思い出すが、それぞれ師事した師匠のキャラは、胡司膳はチェ尚宮、王司膳はハン尚宮（チャングム師匠）と反対になってるかな。

姚子衿が皇太孫の膳を届け書物を見ていると、朱瞻基が「大胆な奴め」とあらわれ、姚子衿は『説文解字第一』で顔を覆う。ご対面～近い近い。顔を隠す姚子衿に、壁ドンのごとく本を直す朱瞻基。「好大胆」は瓔珞も、乾隆帝だったか傅恒だかに言われてたような。

豚の臀部と羊の後ろ足に、慈姑を加え歯ごたえがあったのがお気に召した様子。皇太孫の好みの話かな？手も握っちゃうし、専属厨師に指名する。

提灯にはあの鼠の絵が書かれているのにニッコリ。そういえば姚子衿の衣装は鼠色～。

殷紫萍は姚子衿に「だ～れだ」。殷紫萍の強みは市井の出で民の飲食に詳しい「雑多の雑」。蘇月華は、天下の食材や各地の料理に精通し「博識の博」。

珍饈署（ちんしゅう）：肉、果物、野菜。良醞署（りょううん）：酒を扱う。

光禄寺卿井泉と尚膳監万掌印は、財物を着服。万掌印は、陛下のお気に入り司礼監太監黄儼（おうげん）の義理の息子で手出しができない。シャム（タイ）・スマトラ（インドネシア）・チャンパ（ベトナム）・ジャワ（インドネシア）の使者の宴の予定。

8話の料理メモ

方典膳が届けた人参は、朱瞻基からだった。方典膳は陳蕪に好意を寄せているのね。袁琦のこういう所、初期の明玉＠瓔珞っぽいな。

郭側妃は乳餅や乳皮（奶皮）のあと、揚げ菓子（酥糕）を所望。雪蘆は香油や甘味噌（甜醤）や豆鼓を整理する。

鴨油の揚げ菓子（鴨油酥焼餅）、皇太孫は姚子衿が作ったものは食べ、しみじみ味わっている。

金銀豆腐汁：炒り豆腐を黄金、生豆腐の白を銀に例え、金銀豆腐と呼んだ。卵白と卵黄を使う。

雪花蟹闘（蟹の炒めた甲羅に詰めた料理）の源は芙蓉蟹と思っていたが、宋代宮廷で渡り蟹を扱い、元代に誕生した蜜醸蟹が源かもしれない。

阿膠（あきょう）の服用後、郭側妃は喉が痛みおなかが張る。阿膠は楊貴妃も用いていたロバ由来のコラーゲン。

鶏酒湯：手足が冷えやすいので、酒と鶏肉と生姜で汁物を作る。甘酒は食欲増進と血流促進で妊産婦に向く。高梁酒は冷え性を治す。

薄焼き卵の焼麦：蛋焼麦。卵の皮を香菜で結んでいる。孟尚食が自ら作り、味だけではなく見た目の美しさも大切と言う、嗚呼耳が痛い。元代の「稍麥」が由来で、李氏朝鮮の中国語教科書《朴通事諺解》に「稍麥」の作り方が記載されている。

＜王司膳の中国八大料理講座＞

山東料理：春秋時代より塩味。名厨師を排出。炙り牌子（烤牌子）。
四川料理：川府が源。異なる格式と味わいを持つ。おなじみ回鍋肉。
広東料理：漢初より幅広い食材で新鮮な美味で徐々に名を上げる。キンキラ金な揚げ鯧（まながつお/干煎鯧魚）。
福建料理：山海の珍味を使い、汁物は抜きんでている。豆腐に肉の詰物な泉水醸豆腐。
江蘇・浙江料理：唐宋以降は競い、優雅に洗練され南方を支える二大料理。香椿むき蝦（香椿虾仁）、細切り豆腐のうま煮（大煮干絲）。
湖南料理：油が多めで彩りが濃い。豚ばら肉の梅菜蒸し（梅菜蒸扣肉）。
安徽料理：屯渓の塩漬け鱖魚（けつぎょ）と砂地の馬蹄鼈（ばていすっぽん）が有名。雉と冬筍な雪冬山鶏。
南は甘く北は塩味、東は辛く西は酸味は【南甜北咸东辣西酸】。

中国料理最高の食材は、駱駝のこぶ（驼峰）、熊の手のひら（熊掌）、松茸、燕の巣（燕窝）、鮑（鮑魚）、海鼠（海参）。【鮑参翅肚】は、フカヒレ（魚翅）と魚の浮き袋（魚肚）も加えた四大海味。駱駝のこぶなんて食べるのね。脂の塊のようだけど、昔はそういうのが貴重だったのかな？高級食材はプルプルした物が多いような。

このトゲトゲな果物は！ニオイが異な南国フルーツ！！

♥8話♥　書物を見ていたら突然現れ初めて対面した。近すぎます～。『説文解字第一』は最古の部種別辞典なのだが、ナゼにこれなんだろ。いろはのい的な感じとか？手も握られ、皇大孫の専属厨師となる。

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