アニメ魔道祖師前塵編３話「出逢い」感想/藍忘機PV立花慎之介

前塵編第３話「出逢い / 聴学」感想

今日は前回よりは遅い起床。でも雲深不知処ならとっくに起きなきゃいけないか。

玄正18年姑蘇雲深不知処。魏無羨と江澄が蘭陵金氏/金子軒（ジン・ズーシュエン）と出会う。挨拶もおざなりで不遜な態度である。金子軒は江澄の姉の許婚（いいなづけ）。

蘭室。清河聶氏/聶懐桑（ニエ・ホワイサン）登場。魏無羨は江宗主の旧友の息子で、子息同然の扱いを受けている。雲深不知処では卯の刻が起床時間。普段の魏無羨は巳の刻に起きて丑の刻に就寝。懐桑に藍湛には気をつけろと言われるが、すでに昨夜やり合っていた……。藍忘機の髪がたなびいている。

昨夜……雲深不知処では禁酒と言われるが、魏無羨は塀の上で天子笑を飲み、藍忘機が剣で斬りかかる。雲深不知処の開門は辰の刻。夜遊び・飲酒・決闘は、藍氏の家規違反である。藍氏家規は3000条以上あり、「アリの数より多い」とは魏無羨の弁。

姑蘇藍氏/藍啓仁（ラン・チーレン）により、藍氏家規の復唱が始まる。ここでの問答は、陳情令第４話と同じなので省略。魏無羨お得意の絵も披露。藍忘機は「手順を遵守」することを主張し、魏無羨は「霊気も怨念も利用できる」と、正反対である。

舟を襲う、水鬼よりも凶暴な妖怪あらわる。岐山温氏が祓うが邪崇は下流へと。そこは姑蘇藍氏の縄張りである。

魏無羨は藍忘機に「忘機兄（にい）」と呼びかけ手を振るが無視される。魏無羨の考えを面白がる懐桑が自分を「へっぽこ」と言う場面で、亀が池に沈み泳いでいく。魏無羨は「屍の山、夷陵の乱葬崗も宝島になる」と言っている。
罰として「雅正集」の上義編を三度写すように言われる。魔道祖師Q１話の試験はこのあたり。

結局、蔵書閣で罰を受けることになる魏無羨。藍忘機に見張られ共に一月過ごす。
藍忘機に無視されるので、魏無羨は「忘機、藍忘機、藍湛、藍二公子、藍二哥（藍のお兄ちゃん）」と呼んで反応を得ようとする。
禁言術を受け、「我錯了　忘機兄　請解除禁言」と紙に書く魏無羨。
「犬と鶏」の絵を描き、藍忘機にその絵を丁寧に折りたたまれ捨てられる。術が解かれ「藍湛（ランジャン）」呼び。家規が読みあげられる場面も印象的である。ここでの語句は下で説明。

一月後。最後の日の礼にと、魏無羨が描いた藍忘機の絵を渡す。藍忘機は読んでいた「藍安辞賦集」を置き、渡された絵を見ると、藍忘機の頭に花が書き添えられている。再び本を手にとると春画にすり替えられていた。藍忘機は「魏嬰（ウェイイン）」と呼び、春画を奪い合う。琴の音がかき鳴らされる。このあたりの表情はＱの魏嬰っぽい。藍忘機は「失せろ/滚」と。

姑蘇彩衣鎮碧霊湖。舟人のまわりに怪異が。
（つづく）

吹替えは、聶懐桑（花江夏樹）も可愛くイメージに合っている。３人が話していると学友していて楽しい。日本語だとコメディはより親しみやすくなる感じ。藍啓仁の投げたものが懐桑に当たったのも痛そうである。蔵書閣場面も楽しく、特に魏無羨が藍忘機に「ねぇねぇ」といろいろな名称で呼びかけるのもヨイ。
藍啓仁（坂巻光宏）も、いかめしい先生。「らんじじい」と「ランチーレン」の音が似ていて掛けことばのよう。コミカルな部分の音楽も楽しく、人物が水面に映ったり刀に映りこむのも好きである。碧霊湖の舟人もしっかりなまっていた。

年号が付いているのはアニメオリジナル。初めてアニメを見た時は、年号があると時系列が分かりやすくなるかと印象深かった。

このアニメ第３話を丁寧に見ていると、原作小説第13～15章あたりを忠実にたどっている。金子軒との絡みは早めに説明されている。

＜アニメ魔道祖師用語メモ＞

・蘭室：学舎。
・卯の刻：5～7時、巳の刻：9～11時、丑の刻：1～3時、辰の刻：7～9時
・「雅正集」の上義編：姑蘇藍氏の家訓を記した書物。「上義編」「礼則編」で全体の5分の4を占める。（原作第14章）
・禁言術：姑蘇藍氏の術。一定の時間話せない。
・犬と鶏の絵：中国語の発音が似ていることから、「汪叽 wāng jī」＝藍忘機を意味する。「魔道祖師Ｑ7話」にてあれこれ解説。下にリンクあります。
・藍安：姑蘇藍氏の開祖。
・春画：男女のようだが、円窓に樹木の庭園風景という中国春画の法則にはのっとっているように思われる。

字幕版エンドカード：雲深不知処塀上のふたり

WOWOW字幕版2020年9月16日放送
WOWOW吹替版2021年1月24日放送

２．オリジナル版と放送版の違い：第３話

放送版では、岐山温氏が出てくる舟の場面で、台詞はそのままで映像がちょこちょこカット。そして最後の碧霊湖の舟人がバッサリであった。

３．第３話の魔道祖師紹介メーカー

f:id:fuenone2020:20210118000642p:plain — 二の若様’ｓ

第３話の魔道祖師紹介メーカーは、「二の若様」である、学友の聶懐桑と蔵書閣監督の藍忘機。藍忘機は藍氏の次男なので、藍氏＋二番目＋若様（中国語では藍二公子）という意味で「藍氏の二の若様」とも公には呼ばれます。懐桑くんも次男坊なので「聶（ニエ）氏の二の若様」なワケですが、呼ばれてたかな？？
▼公式サイト「魔道祖師紹介メーカー」
外部リンクです

４．キャラクターPV藍忘機（立花慎之介）

YouTube(0:15)

第７弾で紹介された。例によってわかりやすい漢字は省略。
剛柔併せ持つ、藍氏の二の若君
『忘機琴、強靱、信頼、姑蘇、問霊、避塵？、抹額、含光君、寡黙、禁言術』

１月２３日は藍忘機の誕生日でした～。誕生日おめでとう！　魔道祖師では、主な登場人物の誕生日がお祝いされます。

そしてそんな日に魔道祖師のショートアニメ「魔道祖師Ｑ」の日本上陸が発表されました！　魔道祖師の登場人物がちびキャラとなって活躍するのです。WOWOWの字幕版放送が決定しています。大文字で喜びを表す。

▼公式アニメ魔道祖師ツイッター藍忘機誕生日お祝い動画

外部リンクです。

５．アニメ魔道祖師「藍氏家規」

第３話で魏無羨が読みあげていた藍氏家規。ここはアニメ版の藍氏家規である。一部わかる範囲で、中国語との関連を載せておきます。
物語はファンタジーなので、公式ではなく、中国にはこういうのもあるという参考程度で、好きな人向け。

勤為本　和為貴
勤を本分とし和を尊びとし
中国の夢娃シリーズの公共広告にある一節。夢娃は天津泥人形なキャラクター。
謹信泛愛　重道尊師
人を思いやり　道を重んじ師を尊ぶ
諸説あるとは思うが、『河東裴氏家訓八.厳教子孫』にこの一節がある。河東裴（はい）氏は中国・中古時代の歴史ある貴族で、他に「河東五大家族」なるものも存在し、そこからイメージして取られた可能性もある。
無信不立
信じねば立たず
『論語顔淵第十二』に「民無信不立」がある。
心誠則霊
専念すれば成し
信じればかなう。『漢書第六十五巻東方朔伝第三十五』出典とある。仏教用語ともされる。
精誠所至　金石為開
誠実であれば道は開かれる
中国の成語：誠意を尽くせばどんな困難も乗り越えられる。