25話感想・百鳳山
蓮花塢。蓮を摘んで帰ってくると、金子軒が狩猟大会の招状を届けに来ていた。金夫人の招きならばと江厭離は受ける。嬉しそうな金子軒、弟たちはやきもき。金子軒は金宗主の言付けー魏無羨は薛洋の陰鉄を知らないかーを尋ねる。
百鳳山。各世家の旗がはためいている。江厭離の入場に手を振る魏嬰。衣装⑩藍黒色を基調とし樹枝状格紋や白色条紋が入り、紅色里衣が裾をひらめくのもポイント。その横は藍湛。衣装⑤薄藍色で衿元に銀色が入っている。藍忘機の外出着はこの色だが、前の陰鉄探しの時とは腰封の色が異なり深い湖藍色となっている。蘭陵金氏 金夫人登場!
金光瑶が入山ルールを説明。特別な催しにと温氏残党を的の前に立たせるという、趣味が悪すぎるこの演出。よくよく考えれば腕が良ければ大したことはない演出なのだが、初回時はとても不快に感じたものだった。金子軒が名乗りをあげ、ひらりと飛びながら的を当てる。そういえば金凌も大梵山で飛んで射っていたな。
自分は射ないくせに偉そうな金子勲が煽る煽る。突然、魏嬰は藍湛に抹額を貸せと言うが、無視される。魏無羨は腕に巻いていた紐で目隠しして、見事5本命中!すると金光瑶は儀式をとりやめて入山させる。またも金子勲が絡む絡む。
生涯の知己
魏無羨が笛で『酔夢』♪を吹くと すんなりと物の怪が自ら雲夢江氏の網の中へと入る。そこへ藍湛が通りかかる!ここからの場面は何度となく再生して見た好きな場面!!沢蕪君の言葉を思い出して声をかけるのを思い留まるが、藍湛の方が気付いて近づいてきた。木立の中、向かい合っているこのショットが良き良き。
「藍忘機よ、俺はお前の何なんだ?」に対して、藍湛は「私はお前の何だ?」と。ピアノ『忘羨』♪が流れる中、「かつてはお前を生涯の知己だと」「今もそうだ」。「知己」という言葉の意味を噛みしめるようになった瞬間であった。笛を見つめる魏嬰。陳情な思いがあるのでしょうか??
孔雀男と師姉
……と思っていたら、そこへあらわる金子軒と師姉。藍湛の手を取り身をひそめる魏嬰たち。量人蛇の残した粘液を詳しく説明する金子軒は、孔雀の羽根を広げている。師姉は狩りなんて好きじゃないと思うよ。藍湛が魏嬰を一度は止めたのは、師姉の想いが藍湛には分かっていたからかな? 魏無羨が飛出し、金子軒が剣を抜くと、含光君が止める。しゃしゃり出る金子勲に「お前は誰だ」と言う魏無羨。記憶力の良い魏無羨が知らないハズはないからワザとね。
金夫人もあらわれ、愚息と金子軒もけちょんけちょん。魏無羨は3割の獲物を狩っていた。金子勲が言いがかりをつけ、魏無羨は藍忘機に礼を言って去ろうとするが、雲夢江氏を持ち出され堪忍袋の緒が切れる。藍湛が「精神を集中せよ」と押える。
師姉、怒る
江厭離が金子勲に向かう。いつも穏やかな師姉のキビシイ顔。師姉が謝ると図に乗る金子勲。そこへ師姉が毅然と「狩りすぎることを禁じる掟は存在しません」と!
姚宗主め。金子勲に謝罪を要求する師姉、いいぞいいぞ~~。師姉もやはり虞夫人の子であることを目の当たりにした回。自分の事には怒らないけれど、江氏と大切な師弟のためには立ち向かうんだよね。沢蕪君と金光瑶が到着し、金子勲は中途退場する。
魏嬰と帰ろうとする江厭離に、「男女が一緒では」と言う金夫人に、そういう見方もあるのかと初めて気付いた。あまりにも師姉弟な関係だったものだから意外すぎてビックリもしたものだ。金夫人は怖そうな予想をしていただけに、江厭離にはめちゃくちゃ優しくて、嫁ぎ先の姑としては上々である。
金子軒、愛を叫ぶ
金子軒が呼びかけると、立ち止まる江厭離。皆の前で大告白。『永隔』♪ 思わず逃げだす金子軒、金夫人と一緒に行く師姉。そこへやって来た江澄だが、魏嬰は藍湛に挨拶して去る。状況の掴めない江澄に誰の説明のないまま、姚宗主の噂話だけを耳にする江澄。陰虎符は陰鉄ではないかという噂が立っている。
魏無羨が町を歩いていると、フードを被った温情の姿が。金氏仙師とぶつかり倒れる温情。物音に振り向いた魏無羨が、フードを被ろうとした温情と目が合う。この温情のショットが美しい~~~。
藍忘機の名台詞
金麟台。藍曦臣と藍忘機が階段を降りている。「兄上、ある者をー雲深不知処に連れて帰りたい」「連れて帰りー隠します」、藍曦臣は「ただ彼は望まぬだろうな」。
(つづく)
「か、隠します!?」となった初回視聴時。BLだと思って見始めたドラマも、前話辺りから「いや、このドラマはブロマンスなんだ」と思い直そうとしていたのが、「知己を隠すかなぁ?」とまたも揺らぎ始めた回。
そして「お前は俺の何なんだ」は、私は夷陵老祖好きなので忘羨で一番好きな場面かも。藍忘機の外出着は水色でとても綺麗な衣装。
師姉が金子勲に言い放ったこの場面。「いいね」があれば押しまくりたいものである。改めて見ると金子勲にイライラする。しんどい時は魔道祖師Qを見るしかない。
陳情令吹替版25話感想
魏嬰に頼みがあると言われてちょっと嬉しそうに見える藍湛。しかしあんな細い抹額でどうするんだろうとも思ったりする。
吹替版でも「私はお前のなんだ」「生涯の知己だと」が来ました~、おぉ~~~!
金夫人(中井美琴)クレジット順にては、虞夫人の親しい友ならではの声だった。どちらかと言うと原作のイメージ。
金子勲に冷静に言う木村魏無羨、カッコイィぞ。獲物は500匹なのか。そして逃げてった金子軒、女官or女性の奴婢が追いかけていったけど、放っといてあげてよ……。その後の石田金光瑶の「なんというか」がなんともいえないニュアンスだった。
立花藍忘機の「連れて帰り、隠します」に、森川藍曦臣の「彼は望まぬだろう」。名台詞を堪能する回。
ドラマと小説・アニメとの違い
原作小説『魔道祖師』第3巻 第15章将離、第16章豪毅
アニメ『魔道祖師』羨雲編第4話
原作でこの百鳳山は馬に乗って颯爽と表われるのだ。陳情令設定集には馬のコンセプトアートはあったが、なくなっちゃったのね。見たかった……。原作には悪趣味な温氏残党を並ばせる場面はない。そして聶明玦は一人で妖獣をほとんど一掃したという記述もある。またキスシーンでも有名な章でもある。
「隠します」も、原作では藍曦臣ではなく藍忘機自らが「望まない」と言っている。これはドラマの方がヨイ演出。
<陳情令用語メモ>
・量人蛇(りょうじんじゃ):南から流れてきた妖物で、人に遭遇すると威嚇する。自分より小さい相手をのみ込む。詳しくは「魔道祖師Q12話」参照。
WOWOW字幕版放送:2020年4月30日(木)深夜
WOWOW吹替版放送:2022年7月7日(木)深夜
▼吹替版第1~12話まで感想
▼忘羨と軒離について。この先のネタばれあります。
外部サイト
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