35話最終回感想
母の手紙を読んだ曹幺娘が、むせび泣くのは胸に迫る……。
曽宝琴の見送りで、任秀山が階段をピョンと跳ねるのがカワイイ。
任如風が兄 任雪堂に「また逃げたな?」と言うのは視聴者代表の声。任雪堂が「男の務めは女子の帰りを辛抱強く待つことさ」と言うのも新しい風かな。
紫禁城が出てくると、なんだか古巣のような感じさえしてしまうのは、『瓔珞』『尚食』があったからか。
織物の数々の名品が素敵。「江南水郷図」、花水で手を清める、錦官城の鄭女将に松江の劉殿、「蟠桃献寿」。時計があるのが乾隆帝時代らしいよね。
織機が壊れて二人で合作!競技会というルール的にはどうかとも思うが、EDでも見ていた良い場面。
皇太后様は瓔珞の宋春丽ではなく、物分かりの良いお人な丛珊 映画『The Crossing ザ・クロッシング』の周母(ソンヘギョ母)だった。
蘇 湘 粤 蜀 汴 隴の刺繍織物が取りそろえられた。
暖月坊:麻姑献寿図
玉竹坊:寿星図
毓秀坊:仙芝献瑞図
伊人坊:群仙祝寿図
楽羽坊:百鳥朝鳳図
任氏 曽氏合作:福寿一体図
沈翠喜は「生死や栄誉が男しだいである女子が哀れでならない。前例を破り女子を救いたい」と皇太后に訴える。
群仙祝寿図は、清中期「缂丝群仙祝寿图」。イギリス人コレクターの私蔵品がオークションにかけられているのを見かけた。
百鳥朝鳳図は、メトロポリタン美術館所蔵の明晩期「缂丝百鸟朝凤图屏」。
清越坊には皇太后の扁額が掲げられる。
錦渓坊に曹幺娘が弟子入り。丁ちゃん達は手厳しいが、丁栄と因縁があったのは李照の方か。
沈翠喜が手に職付ける意味を説き、一番弟子が嫁ぐのは自分の意思と説明する。
任如風と林舒芳に赤ん坊も生まれたのね
良弓がお迎えに来て、早いと思ったら激励だったのかしら。
沈翠喜は各地へ遊歴。心の中でかたわらには良弓がいてくれるんだろうな。
(完)
ドラマ完走記
ドラマ最初の方の、正妻 VS 子を生んだ側室のあたりはすっ飛ばしつつも、崑曲が所々唱われたのが気になって視聴継続。
沈翠喜が離れに扉を付けたあたりで安堵し、任雪堂が失踪してから俄然、面白くなった。故宮博物院に実在する織物の数々が出てくるのもステキ。
ドラマのクライマックスは沈翠喜と曹文彬&李照との攻防で、その後のお話はスピンオフかな?という感じがしなくもなかったが、女性たちによる女性の解放という最後につながっていったのは良かった。皇太后様も一役担われていたね。
沈翠喜と曽宝琴であったり、沈翠喜と林舒芳の言いたい事を言える主従関係のそれぞれが良き良き。沈翠喜が各地に遊歴は、『尚食』のあの人みたいでもあり、女性の連帯を描いた佳きドラマ。
責任感でがんじがらめになっていた優秀な沈翠喜が、魏良弓と出会って解き放たれていったのは、やはり人間はひとりだけでは頑ななものが変わりにくくて、他者の愛を必要とするのかな。
そして常日頃から周囲を助けていたからこそ、まわりの人たちもここぞという時に力になってくれた熱い面もあった。
割と主人公である沈翠喜がヒドイ目に遭っているのだが、演じている蔣勤勤が安定感があるためか、ツラい場面でもさほどコチラがしんどくならずに見ることができた。映画『西湖畔に生きる』でも思ったけれど、俳優さんのこういう安心感ってなんなのだろう。
ロクでもない三人の叔父たちよりも、三人の番頭が頼りとなったのは、親戚よりも職人仲間という事なのかしら。
任雪堂については、とにかく彼が出てくるだけでツッコミどころ満載で、ある意味、視聴者が一致団結する役柄。失踪していた割には、回想でよく出て来ており、視聴者には不在を感じさせない作りではあった。
そして割と出演していたのに、小蘭の母役には名前がない時代なのね……。
任如風がやる事ズレてはいたがイイ奴だったし、子役の任秀山(陈天雨)がとにかく可愛かった! 陳天雨は『30女の思うこと』の顧佳の子供 許子言でもあったのか。《長相思》涂山瑱も。
OPの杼(ひ/機織りで横糸を通すもの/シャトル)が舟になっているのもいいな。
あれよあれよと話が進むきらいはあるが、織物は美しいし、ヒロインたちの知己な様子が頼もしかったドラマ。
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