笛の音と琴の調べ

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赤い袖先17話最終回感想/宮女の望みとは…,正祖実録宜嬪,文孝世子

17話最終回

最終回、史実はなんとなく分かっていたので覚悟はしていたが、予想のツラさとは違って突きつけられた~~~。

この物語は
世孫と宮女の恋物語であり、
王のひとりの女性への恋物語だった。

というのが率直な感想。
王と、宮女から嬪になった女性との恋物語、だと思っていたのよ。

17話「瞬間は永遠」メモ

時は1786年(正祖10年)から始まる。屋外にいる深刻な宜嬪(ドギム)の様子に嫌な予感しかしなかったら、ドギムの息子である世子(文孝世子)が病で倒れていた。参茶も効かない麻疹にかかっており、宜嬪は身ごもっており看病すらできない。亡くなるのを、握った手から滑り落ちるので表現するのがもぅ……。

私はドラマで幼い子供が理不尽な目に遭うとか亡くなるとかの話がものすごく苦手で(小説は案外大丈夫)、ドラマ途中ならまだしも、最終回でこれを持ってこられるのはキツい~~ツラい~~~。

早朝に仁王山で汲んできた霊水でお祈りする間もなく「東宮、薨逝(フンソ)」の言葉が宮中を鳴り響く。こんな風に銅鑼を叩いて知らせるのか……悲しい。疫病が国中に流行り、多くの子が亡くなっていたようだ。

我が子を喪い、絶望で寝たきりになっている宜嬪を、王が叱咤激励するんだけど、コレをやられた方は一生恨むからやっちゃいけないパターン。富察皇后@瓔珞乾隆帝にされて病んでたよ? 案の定「正一品の嬪になりたいとは望みませんでした」と言われてる。

そしてここで入れてくる、世子誕生の王と宜嬪の幸せな日々の回想……「そなたと王子だけは守る」と言っているのが(泣)。

そして姿を見せなくなった宮女仲間のヨンヒと言えば、えええっ?私通で獄入り?しかもそうなの?それ要る?私通が見つかっただけで良くない??
 「自ら選んだのです。お慕いする方の女人になりたくて」という言葉に泣くしかない~。宮女になりたくなかったヨンヒちゃん……。あんなにイイ娘だったのに……。

「ヨンヒは人を恨んだりしません」に大きく頷いたよ。「老後に王宮を出たら貸本屋の近くに家を建て、焼き栗でも食べながら小説を存分に読もうと」という昔の約束をあげ、「ヨンヒはその家で私たちを待ってるんです」と言うギョンヒ。


兄のキム・グィジュが亡くなり、大妃もまた、喪服も着られず弔問にも行けない。こんな貴き身分の大妃が「王宮は華やかな牢獄」と言うのが、静かに響く。

体調を崩した王に、『詩経』の「北風」を読みあげる宜嬪。あの扉越しの場面、良かったなぁとしみじみ……。


具合の悪い宜嬪がソ尚宮に「私を産んでくれた母は優しかったけれど、心が弱かった。尚宮様のように強い方ならよかったのに」と告げる場面が、ソ尚宮との絆の深さが感じられて良かった場面。友を呼ぶように言われたけれど、王を連れてきたソ尚宮は正解よ。だって宮仕えしているのだもの。

ドギムは「来世では私をお見かけになってもそのまま通り過ぎてくださいませ。望みどおりに生きたいのです」って、死の淵でこんなの言われたらツラすぎるわ。
 気が向かなければ遠くへ逃げたというからには、サンの事は好きだけれど、王の妻になるのはイヤなのよ、って事か。別にサンは来世も王になるぞ!って言ってるワケじゃないんだから、来世ではフツウな男女に産まれましょうでイイんじゃないのさ。オレンジ色の花が映る。大妃の悲しげな様子になぜか少し心癒される。


カンテクで選ばれた娘さん3人が宜嬪に似ていて、王が激怒し選び直されたとあるけれど、こういう場合って放免されてお嫁に行けたのかなぁ?そして綏嬪(スビン)が入内した。

ここで史実も調べてみる。
文孝世子
は1782年9月7日生まれで、『正祖実録』では成氏が昭容となり、初めての正祖の子の誕生で、9月は英祖、正祖の誕生月でもあり喜ばしいと記載。1786年5月11日に亡くなった。

《正祖实录》
正祖六年九月七日
○辛丑/王子生。 上召見承旨ㆍ閣臣, 敎曰: "宮人成氏有娠, 今曉分娩。 宗英之自此蕃衍。 非但一己之幸, 繼此邦慶, 明知其非久, 益切顒企。 後宮有娠, 然後封爵, 旣有受敎, 成氏爲昭容。" 諸臣陳慶忭之忱。 上曰: "始聞爲人父之稱, 是可幸也。" 又召見時原任大臣。 僉曰: "皇天祖宗, 眷佑邦家, 乃有斯男之慶。 況是月, 卽我先大王誕彌之月, 我殿下流虹之節, 王子誕生, 又在是月, 不勝慶忭之至。 大臣欲行庭候。" 敎曰: "凡事自有次序, 名號未定之前, 設庭候, 旣無前例可據。 況乙卯年, 亦無是例, 其已之。"


宜嬪
は1786年9月14日に亡くなった。『正祖実録』でも身ごもっており、王は会いたがったとある。綏嬪朴氏は1787年に入内、のちの純祖を1790年に生んでいる。

《正祖实录》
正祖十年九月十四日
宜嬪成氏卒。 敎曰: "嬪喪, 依甲申年例, 以後庭一等例行之。" 初宜嬪有身, 藥房都提調洪樂性, 請設護産廳。 命待當朔, 至是遘疾而卒。 上企待方切, 不勝悼惜。 朝野莫不以國本爲憂。 樂性奏曰: "五月以後, 一國係望, 惟在於此, 而又遭此變, 誠罔措矣。" 上曰: "病情奇怪, 竟至於此。 從今國事尤靡托矣。" 蓋嬪病症非常, 時疑其有祟云。


王の生誕の日での水餃子、綏嬪が贈った餃子は形も綺麗で品良くおさまっている。
一方、回想でドギムの作ったモノは形もいびつで、見るからに美味しくなさそうな上に、量がメガ盛り!意外や、料理は下手だったドギムちゃん、でも味は大丈夫らしい。
 でもデロンとした餃子と同じ様子に、デレデレ嬉しそうな王の様子とドギムとのやり取りにホッコリして、そうそう、こういうのもっと見ていたかったのよー!
なんか途中でドギム役のイ・セヨンは素で笑ってないか? 白梅が咲き誇る。

4人の王が治める世を生きてきたというご老人、イ・スンジェはカメオ出演らしい。王も髭が生えている。

王が選んだ荘勇営の兵と、カン・テホ内禁衛将が選んだ禁衛営の兵で張り合うのが楽しい。取り立てられたソン・グンミンは、私もどこかで見たことある気がするよ、アン・セミンと言う俳優さんなのか。
父はドギムの兄のソン・シクで、禁衛営の従事官に任命された。


王付太監のこの人はいつまでも元気で何より。王の元に、ペ・ギョンヒが堤調尚宮となった!  尚宮キム・ボギョンは一昨年病で他界したとあり、尚宮にはなったのね。
 宜嬪の遺品は文孝世子が過ごした東宮にある。ギョンヒが「強がりでもせぬと耐えられない」とドギムの思いを伝えるけれど、そりゃ他人の口からドギムの気持ちなんて聞きたくないよね。

遺品には『大学衍義補』、『郭張両門録』、世孫が朱筆でバッテンしまくった紙、押し花のされた「過ちを悔いずにいられません」の文、幼い見習い宮女の衣。

なにかと物申していた左議政が、眼鏡をかけている王に「王様ほど民を大事にされる聖君は二人といないでしょう」と言うのもイイね。

王宮の王しか歩けない道を歩く王を、空から映し出しているこの光景も印象的。

床に就いている王、煙熏方(ヨンフンバン)が効いたようだ。枝に残り少なくなった白梅。


第16話のドギムの膝枕で寝ている王が目覚めた場面となる。門から出ようとすると宜嬪の臨終の場面が思い出され、手を握り、花を愛でる王と宜嬪。
 「そなたが恋しかった。共に過ごした日々も。この手は二度と離さぬ」と、ドギムは「王様のいるべき場所へお帰りください」と言うも、「私の居場所はここだ」。抱き合い、キス~~~。

サンの声「これが過去でも構わない、夢でもいい、死であっても構わない。そなたと共にいるこの瞬間を選ぶ。そして願うだろう、この時が変わらぬことを、この瞬間が永遠であることを」。
ドギムの声「そしてその時は永遠となった」。
(完)

最終回感想&ドラマ完走記

中国ドラマの最終回に慣れ、最近見た韓国ドラマの『哲仁王后』や『ワンザウーマン』がハッピー最終回だったので油断していたが、やはり歴史劇韓国ドラマだとテイストが異なっているのね。

韓国では第16話,第17話が2022年1月1日放送だったようで、ハッピーエンド好きな身には、正月からは遠慮したい……と思った最終回だった。

最終回で、餃子を作る場面の嬉しそうな王の表情と宜嬪とのやり取りを見て、そうそう、こういうのが見たかったのよーと画面のこちら側で思っていたわ。

王が宮女時代のドギムを回想する度に、
「ああ、この頃は良かったなぁと」思う事しばしば。

最後の解釈、多分、死の淵での出来事だと思われ、
タイムトリップのような、夢の中のようでもあり、
ドギムはここで花を見るために待っててくれたのね。
と思わないでもないが、王が見た望む世界、と見えなくもない。
が、それよりも何よりも「共にいる瞬間が全て」なのかな。

ドラマ『尚食』でも側室を嫌がっており、ドラマでたてつづけにヒロインが望まぬ生活を強いられているのを見ると、物語としてのカタルシスはなく、かと言って結ばれない悲愛でもなくモヤモヤモヤ。
宮中で過ごす女性はこの閉塞感にパニック発作を起こす人が多かったのでは?とも思えてくる。

これだと、王は宮女のままで置いておいた方が、いつまでもドギムは傍にい続けてくれたのではなかろうか? 強がりって言うけれど、死ぬ直前まで強がり言うの?「来世では声をかけないでくれ」なんて死ぬ間際に言われたらトラウマになるわ。

それが宮中だと言えばそうなのだし、映像は美しかったのですが。
私には宮中モノは、やはりしんどいのかなぁ。

『赤い袖先』は人気のために、最終回が延長して作られたとも聞いている。
正直、第16話で、宮女として最期となるドギムがくるりと振り返った場面が印象的だったので、ドラマとしてはあそこで終わっていてくれても良かったかなぁと思わないでもない。

お蔭で妃嬪がいかに窮屈かというのは思い知った。
宮女の時のピュアピュアが強く残っているので、ある意味「シンデレラ」がその後、どうなったのかの続編をかいま見た気持ちである。


ふたりの恋物語に入れこんでいなければ、宮中の女性の悲哀やこのあたりの史実なども感じられ、ヒロインと友や上司、王と祖父や母や臣下など、取り巻く人たちとの個々の関係性がよく描かれていたので、良いドラマだったとは思う。

ドラマでの『詩経』や『史記』に興味をそそられ、『朝鮮王朝実録』もちょっぴりたどることができたのも楽しかったドラマ。
劇中の昔の韓国小説探しも面白かったです。

 

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