前塵編も終わり、このOP,EDとも最後である。4月20日は穀雨。穀物が育つ春雨が降り、魔道祖師にはcold rainが……。
前塵編15話「老祖誕生/静好」
緑の炎の中、赤い目が燃え立ち、黒髪がなびきながら、笛の音が吹き鳴らされる。妖術で操られる屍たちは温氏だけを襲っている。そこには王霊嬌の姿も。
夷陵老祖が降り立ち「温晃 また会ったな」。その声に気付く江澄。ひたすらにカッコ良く強い夷陵老祖。アニメは化丹手から金丹をも奪い、徹底的に叩きのめしている。化丹手は金丹を持つ仙師には強いが、屍には効かなさそうである。温寧は王霊嬌に殺される。
藍忘機の「魏嬰」に対して、応える「藍湛」にかつての響きはない。藍忘機の邪道への心配と、魏無羨にその真意の伝わらなさ。「魏無羨」「藍忘機」と叫びあうふたり。「魏嬰 私と姑蘇へ帰ろう」も届かない。切ない……。
荊楚・崇陽の大勝で、敵を秦嶺北(しんれい)に撤退させる。
蓮花塢。かつての虞夫人と江宗主の声の回想。江楓眠と虞紫鳶の骸は温若寒に焼かれ、衣冠塚(吹替版では墓)を祠堂の裏に建てる。江厭離とは蓮花塢で再会する。魏無羨は暮渓山の黒い剣を精錬すれば策はあると話す。
16年後の現世へ。雲深不知処で目覚める莫公子な魏無羨。昔のことを思いだしていたようだ。床下の天子笑も見つける。
莫玄羽と異母兄弟である蘭陵金氏宗主の金光瑶(ジン・グアンヤオ)こと斂芳尊(れんほうそん)の名前もあがり、金氏宗主が代替りしているのが魏無羨には初耳である。現世の藍曦臣の姿も。藍忘機の変わらぬ表情から「喜んでいる」と読みとる兄さま。
赤鋒尊(せきほうそん)の聶明玦と
沢蕪君(たくぶくん)の藍曦臣と
斂芳尊の金光瑶とは、射日の征戦で義兄弟となり、
“三尊(さんそん)”と崇められていた。しかし聶明玦は絶頂期に気が暴走して亡くなったことが語られる。
不夜天での決戦では、夷陵老祖(いりょうろうそ)が陰虎符(いんこふ)を使い、屍の群れを操り血の雨を降らせた。随便を江澄から渡された回想が、現世に切り替わる。
藍忘機にはロバのリンゴちゃんも言うことを聞いている。香炉と琴と天子笑。
ED後。清河 不浄世。現世な姿の聶懐桑と九官鳥。行路嶺(こうろれい)の異変が知らされる。
(前塵編 終)
夷陵老祖の声に注目。思っていたよりも正義な感じのする声だった。落ち着きはらい、なにかが変わった様子も伝わってくる。
追いつめられる温晃の声を初めて耳にしスカッとする。さいごまで父上が許さないからな~だった。温晃たちの場面は、アニメだからかマイルドに描かれているが、原作はゴシックホラーである。……と日本版で思っていたら、中国版の温逐流や温晃のトドメの場面はグロくて少々カットになっていた。個人的にはカットでよいとは思う。
江氏夫婦の声の回想は、声だと在りし日をより思いだす……。
現世でのあっけらかんとした魏無羨の声にホッとする。
「前塵編1話冒頭(夷陵老祖の笛)」が今回の話と繋がり、「2話の最後」の方からこの「16年後の現世」にと続いていく。
WOWOWでは羨雲編について予告もなかったので、地上波ではなにかあるのではと待ち構えていたら、中国版前塵編ED「不羨」の日本語版が流れた、おぉ~。
いよいよ来週からは羨雲編と共に、魔道祖師Qが始まります! 1,2話は無料放送ですよ~。天子笑をタピオカ飲みしてますよ~~。
<アニメ魔道祖師用語メモ>
・静好:静かでなごやかなこと。夫婦仲がよいこと(新漢語林)。
『詩経 鄭風 女曰鶏鳴(じょえつけいめい)』に
【與子偕老 琴瑟在御 莫不靜好 知子之來之 雜佩以贈之】という一節があり、
「行く末かけて睦まじく かたえ離さぬ琴と瑟 合わす音色もしとやかに あなたのおいでと知ったなら 腰の佩びもの贈りましょう」という意味である。羨雲編の冷泉や冥室に続いているのかな?と思わないでもない。
白居易の『聴幽蘭』にも「静好」の一節がある。
日本版は前世、中国版は現世のタイトルと、対極なのも面白い。
・秦嶺:秦嶺山脈。陝西省南部を東西に貫く山脈。別名、崑崙。
・衣冠塚:死体のない死者の装束を埋葬した墓。
・行路嶺:清河聶氏領地内にあり、祭刀堂がある。
WOWOW字幕版:2020年10月21日放送
WOWOW吹替版:2021年4月18日放送
前塵編第15話の魔道祖師紹介メーカー
今回は三尊の紹介があったので、この三人にしてみた。陳情令ではこの並びで義兄弟を誓っていたので、そのイメージである。数字は義兄弟の順番。
そういえば、赤鋒尊(聶明玦)と斂芳尊(金光瑶)は「尊」が付いているけれど、沢蕪君(藍曦臣)は「君」なんだなぁと、改めて思ってみたりする。
「さんそん(三尊)」の発音は、「山村(さんそん)」の発音に近い→ →なのね。なんとなく「香港」のような↘ ↘なイメージだった。
【木村良平&立花慎之介】アニメ「魔道祖師」前塵編ダイジェストコメンタリー#1
YouTube(28:13)
YouTubeで魏無羨・藍忘機の声優ふたりが、前塵編1~6話までを30分弱でコメンタリーしている。
設定が難しいとの声を受けて、2期に向けてストーリーを3回にわけて解説するという趣旨である。これでもかと「字幕」付きの世界観・用語説明がされており、とてもわかりやすい親切設定。
莫家あたりの説明で「奇遇にも」と言ったところで、魏無羨がニヤッと笑う場面になったのがちょっと面白い。江澄や鬼将軍の過去編との違いや、鬼腕の強さについても言及されていた。現世と過去の変化は、台詞回しであらわしているそうだ。
雲夢江氏の相関関係やキャラクターについても説明される。大人っぽいが意外と子どもと評される藍忘機。日本限定・仙剣のペーパーナイフ、あったら欲しい~。
座学後、雲夢江氏の話がふくらんだことや江氏夫婦についてもコメント。みんな大好きお姉ちゃんな江厭離と、中二病認定された金子軒~。あっという間の30分であった。
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