笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「蓮花楼」「古相思曲」「ロングシーズン」「宮廷の諍い女」「月に咲く花の如く」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

琅琊榜53話感想/灰色の蝶が舞う

いよいよ大詰め!

53話 梁帝大怒 景琰挡剑

ウキウキ誕生日祝いと思っていたら、とんでもない贈り物をされている梁皇帝 蕭選……。まぁ、自身に非がなかった蕭景睿のことを思えば、陛下は身から出たサビなワケで。しかも陛下に罪が下されるでもなく、ただ再審請求なだけなんよね。

穆青も立ち上がり良心を説く!
言侯も立ち上がった!!
そしてついに靖王が再審を求める!!!

「譲位を迫るつもりか」と問う陛下に、靖王は「長兄は国と民の安泰だけを願ってきました。長兄の行わなかったことは私もやりません」と祁王を引き合いに出すのがイイのだ。

梅長蘇に矛先が向けられた。そして梅長蘇が語り出す。カッコイィのよ。
景運26年、皇子(陛下)は罠にはまり危機に陥るが、林燮が証拠を見つけ先帝に示し命を救った。
景運29年五王の乱が宮子で勃発。巡防営統領だった林燮は、300の騎兵を率いて禁軍営に突撃、陛下の即位に尽力。
開文10年西晋が落ちた時、北の国境から戻り激戦の末都を救う。

睨み合う禁軍 VS 巡防営。
陛下が剣をふりかざすも倒れ込み、冠も落ちる。
立ちはだかる靖王。剣を抜きかける蒙摯大統領。
靖王の胸に剣を突きつける陛下に、靖王は「私は決して第二の長兄ではない」と。
剣を落とした陛下は「逆賊めが」と繰り返しながら、莅陽長公主の時とは異なる画面右側(外)へと歩いて行く。

部屋に戻ったら靖王と仲良く打っていた碁盤が……。そりゃ腹立つわな。
そんな誰もが会いたくない時に、やって来た静貴妃はさすがだ。
真相が存在する。天子の手でも及ばぬことがあり、それは天下の人々の良心を抑えつけ、後世での評価を変えること、夢の中から命を落とした者を排除すること」と、この状況で説いているのはスゴいわ。

静貴妃はなおも言う、「父子の情(祁王)も、夫婦の愛(宸妃)も、兄弟の義(晋陽長公主)も、君臣の道(林燮)も、陛下の尽きぬ猜疑心のせいで消えたのだと」に、陛下がたまらず高湛を呼ぶと、「ざーーーーい(在)」と現れる高湛~。

陛下は蘇哲を召喚。
かつて陛下は小殊を溺愛していたのね。

祁王は死を賜わる詔書を太監に3度も読ませ「父 子を知らず、子 父を知らず」とだけ言い放った。陛下の殺意に気付いていなかった祁王……。

林燮は軍で幅を利かせ、祁王の配下を重く用い、君主の命を待たず勝手に動く。
祁王は朝廷で人心を篭絡、屋敷では政を批判。
梅長蘇(林殊)は「天下は人々のものです。民や国あらずして天子は存在しない」と主張。そうだそうだ。
回想の祁王(?)だ。

玉座につけば人は変わってしまう」と言う陛下。そうとは聞くけど、人にもよるよね。梅長蘇(林殊)は「あなたに祁王と景琰が理解できてたまるか」。そうだそうだ。

陛下が「林殊が生きて現れては困る」と条件を付けるのが、蕭家皇帝一族のイヤなところよね。その事についてはもう靖王と話し済みですから!

梅長蘇(林殊)が「今後は会うこともないでしょう」と去ると、途端に「奸臣に欺かれたのだ」「そちを抱き馬にも乗せ、一緒に凧揚げもやった」と情に訴え始める蕭選よ。
こたびの面会の最初、会った時に言わんかーーーーい! そりゃ、林殊も振り向かんわな。
自分がまずい状況では居丈高で、安全圏になるとなんかしらん情を出してくる……こういう人(上司)思い当たることアルアルすぎてさすがの描写だ……。

赤焔事案再審の詔書がくだされた!
そして事案も解決。言侯が蘇哲の正体に気付いた? でも口にはしないのがイイのよね。

書を読む梅長蘇、頬杖をつく飛流、梅長蘇を見つめる藺閣主。火鉢は真ん中にある。飛流が手で飛ばしているのは鳥の木彫りかな。以前に折れたけど、もっかい庭生に作ってもらったのかしらん。
(つづく)

第53話を見終わって感慨にふけりつつも、陛下は林殊を認めず、その事を考えていたらなんだか気持ちが沈んできた。もちろん梅長蘇の中に林殊はいるワケで、その事を親しい人は知っているのだけれど、社会的には今後、林殊はもういない。

それまで同一人物に林殊や梅長蘇が見え隠れする主人公に思い入れていたせいか、その決定打にうちのめされ、私の中で林殊の社会的な死を実感して、登場人物たちの悲嘆な思いと多少なりともシンクロしていた。

こんな思いになるとは……ようやく陛下に赤焔事案の再審が認められた回なのになぁ。

視聴後、そんなずうぅんとした気持ちで外に出ると、不意に灰色の蝶がひらひらと舞っているのが目に入った。蝶に灰色と言えばすぐに連想したのは梅長蘇。
不思議な偶然だが、その日、家に帰った折にも灰色蝶はひらひら飛んでいた。なんとなく気を取りもどし、そんな偶然に心慰められていたヒトトキであった。

 

 

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