笛の音と琴の調べ

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孤城閉55話,56話,57話感想/傘の漢詩,徽柔の詞,灯籠錦

55話感想

張妼晗は「自分の持ち物は全て陛下に賜わった物ばかりなので、灯籠錦をまとい陛下の目を喜ばせたら」と宴にやって来た。そんな皆の目の前で袖を広げられても……。やんわり諭す陛下に、張妼晗は「この衣装は二度と着ません」と。

灯籠錦は金糸で織られた灯籠模様の織物。定州紅磁や灯籠錦は史実のようだ。

《钦定古今图书集成 明伦汇编 皇极典第229卷 君德部汇考五》
宋 仁宗
仁宗一日幸张 贵妃阁,见定州红磁器,帝坚问曰:“安得此物?”妃以王 拱辰所献为对。帝怒曰:“尝戒汝勿通臣僚馈送,不听 何也?”因以所持拄斧碎之,妃愧谢,久之乃已。妃又尝 侍上元宴于端门,服所谓“灯笼锦”者,上亦怪问,妃曰: “文彦博以陛下眷妾,故有此献。”上终不乐。后潞公入 为宰相,台官唐介言其过,及灯笼锦事,介虽以对上 失礼,远责潞公,寻亦出判许州,盖上两罢之也。或云: “灯笼锦”者,潞公夫人遗张贵妃,公不知也。


礬楼にて狄青の出現に、まるで張貴妃が宴に来た時のように凍る朝臣一同。ナンダナンダ。韓琦が「状元になった者だけ認めてきた」と唐突に言い出し、今後は多数派でやって行く進路に変更したようだ。確かに政治は多数派大事……。

曹評が重陽節のあと、徽柔に避けられるようになった理由を悩んでいたって言うけれど、フツウは婚姻が決まったから距離を取るようになったと考え、曹評も親に叱られたのではないのか?

 

張妼晗、「刺繍の靴を持ち、靴下で階を上る」。これは第14話で張妼晗が歌い踊っていた詞。第14話は公主が生まれ、陛下は太子を立てるよう臣下達から進言され、曹皇后が弟の妻が鹿肉を持ってきたと陛下に言っており、現在といろいろと重なる回。

李煜《菩萨蛮·花明月暗笼轻雾》
花明月暗笼轻雾,今宵好向郎边去。刬袜步香阶,手提金缕鞋。画堂南畔见,一向偎人颤。奴为出来难,教君恣意怜。

張妼晗が雨の中、輿から下りて舞う姿に、嗚呼、宮中では雨に濡れるのも適わないもんね……と思っていたら、

貴妃張氏は至和元年(1054年)31歳で逝去、皇帝はこれを悼み朝議を7日休止、皇后の礼で埋葬した。の字幕死。

張氏の唐突な退場にビックリよ。曹評の笛を見咎めるのかとハラハラしていたよ。


廬穎娘(ろえいじょう)が徽柔へ教えに来て、重陽節の真実が分かる。曹公子が落胆して出ていったのを廬穎娘が心配してあとをつけ、笛を吹いているのを見て、教えを請うただけだった。

えええ~、曹評は徽柔に好意があったのか。廬穎娘も『夢華録』で言えば宋引章が皇后の甥や公主と会っているようなものと思えば、確かに身分差は大きい……。

想像していた曹評と異なり、曹評は音楽好きで良く言えば風流、悪く言えばあまり頭が回らないというか……。祖母に甘やかされたからかあまり立場とか考えずに、自然な気持ちに沿って動く人なのか。コレは出世しそうになさげだし、案外、公主との組合せとしては悪くなかったのかも。でも曹家の勢力が強くなりすぎるか。

 

56話感想

「臣下の責務は掟に忠実であることだけ?」と馮京に問いかける曹皇后。かつて陛下から言われていた言葉を曹皇后が口にするようになるとは。
 范仲淹の「礼は敬に起こり仁に満足すべきだと/礼,当起于敬而能止于仁」「聖人の定めた規則や礼儀は人情を守るためのもの」と伝え、悟った様子の馮京さん。「礼は~」は第3話で范仲淹が言った台詞。男装した若き曹丹姝と范仲淹の出会いの場面。


曹評から徽柔に返された傘には、詩が刻まれていた。日にかざすと見えるというのがまた雅よね。

欄干に差す夕日が木々を包む。小舟に乗り波に揺られ曲を奏でる。頭に付けた髪飾りがゆらゆら揺れる。私が詩を読み尽くすと、林に影が差し春は暮れゆく。引き止められぬ別れの時、再会するも相手にされぬことを恨む。君は何も語らず、花びらは風に舞い雨に打たれる」。

槛外斜晖笼碧树,扶澜引棹逐箫鼓。红袖闹蛾雪柳缕,飘飖举,听我歌尽神仙句。
影落上林春日暮,罗衣挽断留不住。却恨年来琼苑聚,子不语,落花风弄清秋雨

晏殊の詩と一部似ている。

晏殊(宋代)《木兰花·燕鸿过后莺归去》
燕鸿过后莺归去,细算浮生千万绪。长于春梦几多时?散似秋云无觅处。
闻琴解佩神仙侣,挽断罗衣留不住。劝君莫作独醒人,烂醉花间应有数。


こんなの見せられたら、うっとりしちゃうよね。(徽柔)
でもこんなの見せられたら、泣いちゃうよね。(懐吉)

懐吉の涙~~~。
なのに、公主の涙を拭いてあげるのね……。


徽柔は詞を書き、懐吉は「慕い合う」が直接的すぎるなら、「遠くで想う」は?とも。懐吉……。「この想いは必要ない」。ウロ覚えだが、茂則も言っていたっけ?

倚夢復尋梅苑路,上林花滿胭脂樹。坐看白鹇天外舞。朝又暮,歌罷問君歸和何處。 數載斷弦知幾杼,樂章吟破三更鼓。也擬仿伊官徵誤。周郎顧,相思祇離思只)在眉間度

 

国子監にて。胡瑗(こえん)が「乾元亨利貞、元は善の長なり。亨は嘉の会なり。」と講義。懐吉が口にしてエライ目に遭った避諱!

ちょ、ちょっと何してるのアナタ達。懐吉~~~、げ!陛下!?

案の定、侍女の嘉慶子は巻添えになり、遥華宮で労役……。板打ちじゃないだけ恩情ではあるが気の毒……。

 

王拱辰から見た張妼晗は、「固い意志と執念、熱い思いと勇敢さ」。「恩返し」と懐吉に伝えている。恩を感じていたのね。「勇敢さ」は「無謀さ」と評したいところだが……。

「貴妃の功績徳を称賛し後世に伝えるべし、この習慣は古来続いている。皇后張氏は温柔で従順であったが早世され…」

《宋会要辑稿 第二十九册‧礼三十三》
没则隧芦葱肌助垂于后褒功节宪繇来旧妄故皇后张氏坤顺以大月蠡

欧陽修は陛下に対して「温成皇后に倣って側室なのに正室をしのいでほしいと?」と相変わらず斬り込み隊長だ。「奉先寺参拝で、温成廟に入らず」の字幕。

前半が趣があっただけに、後半はのりをこえ……。これが西洋の物語だったら曹評達の振る舞いも気にならないが、女性の名節にキビシイ中国時代劇ドラマを見ている身には、曹評の評価だだ下がり~な回。
 徽柔に関しては、「一生野暮な人としかいられないなら、いっその事好きな人に……」と思わないではない気持ちがわかるだけに、男性側には相手のことが大切なら大切にせんかぃと、陛下のお怒りがごもっとも……。

とはいえ、陛下の曹評について「容姿を自慢するところが気に入らぬが」には「? そこまで自意識なさげだけどなぁ」と思い、次の瞬間には「それは(父親と同様)美形好きな血筋なのでは」と思ったよ……。

曹評も簡単に「罰を」と言うけれど、陛下の宝に手を出している時点で、陛下に楯突いているのと同じという自覚もなさそうで、その軽率さが段々気味悪く感じてきた。確かにこのふわふわした感じは、公主と結婚したら周囲は苛々させられるかも……。

 

57話感想

張妼晗がいなくなったら、妼晗化する人多数な回。

皇后は徽柔と同様、陛下にもを届ける。陛下は臣下たちから太子をと求められ心痛な様子。『明蘭』でも陛下は明蘭父に当たっていたよね。

「都の大雨で家々は壊れ民は溺れる。かつてないことだ。水は万物の源で太子は天下の根である/大雨入都门 坏庐舌 溺人民。祖宗以来未之有也。夫水 万物之本 太子 天下之本」。

陛下の「何を誤ったというのだ」には、曹丹姝をフツウに娶っていれば色々違ってきたのではないのかなぁ……。そして徽柔に関しては、まずは徽柔の生母の意見を聞こうか。

「温成皇后は私に真心で接し、名声や地位、命を捨てる覚悟が曹評にあるか?」と徽柔に迫る陛下。ああ、陛下にはあの周りをかえりみない激しすぎる自分への率直な思いが丁度良いのか……。良識的な対応では響かないんだ。根底には自分を一番に思ってくれるじゃないとダメなのね。もちろん曹丹姝にもその気持ちはあるけれど、皇后という役割が枷となり陛下には伝わらない。

そして駙馬試験には「二度と公主には会いません」と言い、見事に落ちる曹評。野暮な李瑋はかつて合格した。
 陛下がほだされるのは、自らは得をせず、捨て身に相手をひたすら思う気持ちだけ。そりゃこのふわふわ綿菓子公子には無理ですよ、ようやく曹一族に火の粉が降りかかることに気付いたのだろうし。曹家は武家出身だけど、家柄も良く洗練されていて主張する時も控えめ。とことん陛下は曹家と相性悪いのね。

徽柔が「私は負けたけど、父上にも勝たせない」となっちゃうのは、思春期だしね。金橘の蜜漬けを持ってきた懐吉。徽柔は築山にのぼってご乱心。宮中では気分転換もできないしなぁ。

懐吉の「影のように従えれば幸せです」には、あの陶淵明『閑情賦』が思い浮かんでしまうよ。特にドラマに出ているワケではない。

陶淵明『閑情賦』
愿在昼而为影,常依形而西东;悲高树之多荫,慨有时而不同!

かなうことなら昼のときには影となり、いつも身体によりそって西へ東へと出向きたい。
それにしても悲しいのは高い樹木には影が多く、時にはご一緒してはおれないことだ。
林田愼之助『陶淵明全詩文集』2022 筑摩書房


陛下が茂則を呼び戻す。仁都知さんも老けたなぁ。

鍼で目覚めた陛下が目に入ったのは曹皇后に茂則。「私の病に乗じて茂則を呼び寄せ新帝を立てようと?」「誰も信じられぬ」に愕然とする皇后。せん妄かな。

そうか、茂則が皇后を守ろうとそちらに付いてしまったから、陛下は茂則を信じられなくなってしまったし、皇后は曹家という後ろ楯もあり、陛下以外に守られているから信じきれない。おまけにふたりとも兵を統率する能力もあり秀でている。臣下の優秀さは帝位を脅かすというのは、『琅琊榜 弐』でもあったテーマ。信じられれば心強く頼もしい味方、疑惑を抱けば脅かされる存在

そんな陛下には、今や心を許せるのは公主のみ。ただ、徽柔生母の苗心禾もかつては陛下の味方認識だったハズなのに、なぜにそこから外れてしまったのか。皇后と仲が良いからなのかな。

董氏が刃物を持って控えており、陛下に刃物を渡すまいとして負傷、董氏はふたりいたのか。
(つづく)

 

 

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▼張妼晗が歌う詞

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