笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「愛なんてただそれだけのこと」「宮廷の諍い女」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

夢華録29話,30話感想/想夫憐,春鴬囀,鬆柏気節,得其門而入 不可階而升,莬糸花,断腸散

29話感想

望月楼は7日後に引き渡される際、残り600貫を支払えば契約は完了。

蕭謂は顧千帆に「かつて趙盼児父を朝議で弾劾した言官は、当時の中書舎人 蕭欽言だ」と告げる。趙謙は民を救うため無断で出兵し、文武両道で有能だったが流刑で死した。命に背いたために和議をふいにしたようだ。趙謙に関する公文書を卓に置かせたのは自分ではなく父上だと言う。なんという因縁……。

皇城司の孔牛は倒れた顧千帆をかばい立てする忠義者~。

宋引章は錦衣玉食でもてなされている様子だが、官妓を辞めるには嫁ぐ年老いる朝廷の恩賞を受けるかで、沈如琢は正妻として迎えるには官妓を辞めたあとに良家の養女となることと説明。

葛招娣が「苦楽を分かち合う」くらい書けると、一致団結する三人組が心強い。

欧陽旭は斉牧に『夜宴図』を見せ、「宮中に入る前に西川路転運使 薛闕の愛妾だったなら、君を欺き皇后の位を奪った罪に問える」と言い、「犬馬のごとく仕えます」と宣言。すると斉牧に「犬を飼う前に知りたい。どんな肉を好むのか」と問われ、「土を食えと言われても動じないでしょう」と答えた所、「その土は今日替えたばかりだ、味見するか?」と言われる始末……。欧陽旭がコワイよ~~~と思いつつ、この土は甘そうだけど、一気に食べるとむせそうだよなぁと他の事を考えていた……。どうやら鉢上は奥利奥(オレオ)で下は紅糖らしぃ。

斉牧が「顔を知らないから、授爵を拒むなら聞き分けの良い別の抱一とすげ替える」って抱一仙師へ伝言するコチラもコワイ~~~。欧陽旭は「骨を1本抜かれたが、わずかな痛みだ」って、すっかり病んでいる……。

趙盼児は望月楼主人に、手付金600貫の半分を1年かけて返済と言われている……。
杜長風の後ろの掛け軸は「得其門而入」「不可階而升」。責任を感じてくれているのね。

論語 子張 第十九 二十三』
夫子之牆數仞、不得其門而入、不見宗廟之美、百官之富。
先生(孔子)の塀は高く、其の門に入らなければ、宗廟の美しさや百官の富を見ることができない。

『子張 第十九 二十五』
子貢曰、君子一言以爲知、一言以爲不知、言不可不慎也、夫子之不可及也、猶天之不可階而升
子貢曰く、君子は一言で知とされ、一言で不知とされるので、言葉を慎まなければならない。先生に及ぶなどと言うのは、天に階段をかけて上るようなものである。

 

何四が趙盼児に「うちの若様は子供みたいな人なんです」と言うのがちょっとオモシロイね。

池蟠は「男はみんな同じなんだ。愛する時は真剣に愛する。だが一旦飽きて面倒だと感じたら、鳥のように飛び去り見えなくなる」。前にもこの台詞どこかで聞いたような?

池蟠が300貫を貸すのに「跪き叩頭すれば」と言って趙盼児がした後に、「想夫憐を歌え」と足すのは良くないよ。趙盼児は「男への想いをどう表わすか知りたいんでしょ」と軟舞を舞う。舞いは風情があるな。お付きの人が「若妻が出征した夫を想う舞です」と感に堪えない様子なのが和む。

池蟠が「捨てたなら私の女になればいい」と言うと、趙盼児にぶたれて「母上にもぶたれたことないのに」と。

サブタイトル「屈辱」からして不穏だった回。こういう弱みにつけこんで屈辱的な要求を突きつけるのが何だかなぁ~、それが重なってお腹いっぱいだー。そういうドラマなんだな。趙盼児の舞いは良かった。

30話感想

趙盼児は顧千帆から貰った簪を洗い、その簪で刺客のように望月楼主人を脅し手付金の半分を返してもらう、元来の趙盼児を取りもどしたか。毒薬の断腸散と言って丸薬を飲ませ、解毒薬を飲ませると言うこの手口は第17話の葛招娣の時と同じね。断腸散はドラマ『天龍八部』で7日後に効き出す腸がズタズタになると段誉が飲まされた毒。

杜長風が孫三娘と葛招娣の後を追っているのがカワイイな。「目が悪い分、耳が良い」と言い、証文の内容を見落とした責任感で、祖先の宝飾品を譲ろうとしている。孫三娘のことも案じていて優しいね。

そこを宋引章が通りかかり気に掛けるが、沈如琢は財政を握り「計相」と呼ばれる林三司の宴へ行くよう促す。林頻は宋引章を見ると、趙盼児を見た高鵠のような反応。沈如琢は林頻へ気安く琵琶を手渡していたけれど、触られるのもイヤなんじゃないのかしらと思ってしまうわ。琵琶を返しつつ手をねっとり触り、きしょいんじゃ。

宋引章は『春鴬囀』を奏でる。
春鴬囀(しゅんのうでん)は唐代の著名な軟舞。

崔令钦(唐代)《教坊记》
《春鶯囀》,高宗晓声律,晨坐闻鶯声,命乐工白明达写之,遂有此曲。
唐の高宗が朝に鴬が鳴く声を聞いて、楽工白明に命じて鴬の声を模させた曲。

林頻は「珠、玉盤に落つ」と評する。

白居易『琵琶行』
移船相近邀相见,添酒回灯重开宴。
千呼万唤始出来,犹抱琵琶半遮面
转轴拨弦三两声,未成曲调先有情。
弦弦掩抑声声思,似诉平生不得志。
低眉信手续续弹,说尽心中无限事。
轻拢慢捻抹复挑,初为霓裳后六幺。
大弦嘈嘈如急雨,小弦切切如私语。
嘈嘈切切错杂弹,大珠小珠落玉盘
间关莺语花底滑,幽咽泉流冰下难。
冰泉冷涩弦凝绝,凝绝不通声渐歇。
别有幽愁暗恨生,此时无声胜有声。


お久しぶりです、張好好~。え、官吏に身請けされ正妻同然の待遇になるの?池蟠とホントに別れちゃうの?

林邸の扁額「鬆柏気節」。松や柏は常緑樹で生命力にあふれ厳しい寒さの中でも真っ直ぐ立っており、崇高で堅強不屈の精神をあらわす。
 お酒を飲む宋引章、張好好の目線が気になる。東京の夏は数年毎に激しい雨や風に見舞われる。宋引章は目まいがすると、部屋へと連れて行かれ、沈如琢は催淫香を焚かないとと背を向けたところで、宋引章の目が見開く!そして沈如琢をぶっ叩く!

張姐さんが教えてくれていた。「沈如琢は見かけこそ美青年だが、教坊司の者は本性を知っている。狙った若い女子を丁重に扱うが、落とせば数日で飽きる。名家も過去のことで、上役に取り入って閑職を得た。ある官妓は優しいのは最初だけで林三司の慰み者にされた」。そんな重要な情報、教坊司の人から教えて貰ってなかったのか。

縛られ形勢逆転している沈如琢、宋引章は「私を木に寄生する莬糸花(とし)だと?」と詰め寄り、「親子三代で楽妓だし、迷魂薬や鴆酒(ちんしゅ)だって匂いで分かる」と、誓約書に指印を押させる頼もしい宋引章。門には「晴園」の文字。
 莬糸花(とし)はネナシカズラでつる性の寄生植物。『狼殿下』では女羅とも言ってましたね。

役人の堤点は補強を命じていたと池蟠へ言いがかりをつける、賄いが少なかったかららしい。「士農工商のうち一番卑しいのは商人だ」に足を止める趙盼児。
 「河川を管轄する提点に、独断で人を殺す権利はありますか?」と問いかけ、「港の組合長は民営の漕運業の領袖にすぎない。港の復旧や河川の補修の作業は堤点に責任があるはず」。
 「東京には農地が少なく、ここにいる大半は読書人以外は商人です。卑しいのは人ではなく、人を見下す心です」と言い放ち、周りもやんややんやの大喝采

堤点の「女2人を捕らえよ」の声に、さぁ、そろそろ出てくるか?
(つづく)


沈如琢は予想以上に卑怯な奴だったな。
「女の底力」というサブタイトルに、安心もしていた回。

 

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