笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「愛なんてただそれだけのこと」「宮廷の諍い女」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

夢華録27話,28話感想/駱賓王 志安社稷,茘枝膏水,豆児水,祥符元宝,袁遇昌

27話感想

顧司使の訓示は「欲をかかず、人を欺かず、ごまかさず、命を惜しまず/勿贪、勿骗、勿敷衍、勿贪生」の南衙(なんが)の掟。皇城司の扁額は【志安社稷】。

駱賓王則天武后が実権を握ると左遷され、武后の即位に反対した徐敬業が兵を挙げた時に、檄文を章した。駱賓王は『在獄詠蝉』も記しており、記事「琅琊榜<弐>と蝉について」の高潔な蝉の項で解説。

駱賓王(唐代)『爲徐敬業討武曌檄』
敬業皇唐舊臣,公侯冢子。奉先君之成業,荷本朝之厚恩。宋微子之興悲,良有以也;袁君山之流涕,豈徒然哉!是用氣憤風雲,志安社稷。因天下之失望,順宇內之推心,爰舉義旗,誓清妖孽。(略)一抔之土未乾,六尺之孤安在?(略)

敬業は皇唐の旧臣、公侯の嫡子である。先君の遺訓を奉じ本朝の厚恩を荷う。宋微子(殷の紂王を諫めた微子啓)の悲しみを、袁君山(光武帝に諫言した桓譚)の涕を流すこと、どうして徒然であろうか。是をもって気は風雲を憤り、志は国家を安んず。天下の失望によりて、世界の推心に従って、義旗を挙げ、妖孽(武后)を清めんことを誓う。(略)先帝高宗の陸墓の土が乾かないのに、遺児である幼帝中宗はどこにおられるのであろうか。(略)

夢華録ep.27

欧陽旭は抱一仙師の甥食客となっていたのね。宮観官となった理由を「賢妃と不仲な皇后に陥れられた」と微妙に話をすり替え柯政に話してる。言い訳なのかホントにそう思いこむタイプなのか? 「命を絶たれても気骨を守れ。士大夫たる者風骨の二文字を胸に刻め」と言い残し、律儀に贈物を返してくれるさすが清流派な柯政さん。この中にはあの品……。

景徳元年(1004年) 寧辺軍将校が命に抗う。罪人は巡検使 趙謙をはじめ配下十数名を流刑とする。景徳元年東光県、遼との和議を経て封鎖令が下ったが、趙謙は背き、言官が弾劾、遼人による略奪がひどく封鎖を解いたとの釈明あり。杖刑15回の後流刑となった。趙謙の妻曹氏と一人娘は官奴婢となる。……と趙盼児父の事情が明らかになり、顧千帆には思うところがあるようで趙盼児とはすれ違う日々。
 都巡検使は七品で軍駐屯地の長、寧辺は現在の河北省保定市蠡県あたり、東光県は河北省滄州市の県。

杜長風の目も良くなり、孫記布店と読むことができている。望月楼の半分が1200貫で売り出され、杜長風は「手付金5割を5日以内に完済は危険、通例は手付金3割を一月以内に完済である」と証文に助言し、孫三娘とも良い感じ。

孫三娘は杜長風に傘を手渡している。杜長風の家には侍女どころかめんどりもいないらしい。
趙盼児は補血生律薬(补血生肌饮)を届けるよう陳廉に頼んでいる。

常山郡王 耶律宗が東京にやって来たので、同行を頼まれる顧千帆。宗盛は遼王の甥である。雷敬が「幸い、命に背かず」と言いつけた主人とはあのヒト?

葛招娣は灯油の買い出しへ行っている。
杜長風の衣2枚で1400銭。杜長風は孫三娘のために茘枝膏水豆児水を注文している。茘枝膏水(荔枝浆)はライチ汁と蜂蜜を煮て40日ほどで蜜膏状にする、豆児水(雪泡豆儿水)は青豆を蒸し煮して砂糖を加え、氷を入れたもの。杜長風は輿入れ半月前に花嫁が急病で亡くなっていた。

磨喝楽人形は袁遇昌の作品。袁遇昌は磨喝楽の名匠で、人形内部に仕掛けもなされ高価であったが、その技は伝承されなかったとか。そこへ葛招娣の母親が押し入るも、機転をきかせて玉観音を壊したと女主人を演じる趙盼児。結納金は10貫、弁償金50貫を迫られ、証文を書く葛招娣母。
 母や姉に大事にされているであろう陳廉には、子供から搾取することしか考えていない母親なんて想像もできないんだろうな。

28話感想

池蟠の邸宅で、葛母はせっせと金を削っていた……。皇城司は内廷専用の氷室をつかさどっているらしい。葛母は字が読めないが、葛招娣は読めるのね。

皇城司扁額【诘奸禁暴】。誰が泣いているのかと思いきや陳廉!?そんなキャラだったの? 大理寺行きを志願している。

趙盼児は酸梅浆を作って冷やそうと思ったと話しつつ、門前に花が掛かっていないか見に行っている。

顧千帆が夜に趙家へ忍び込み、相国寺長生庫券3千貫を窓辺に置いていく……が本人に渡らないのはドラマのお約束。

顧司使は崖から落ちる律宗を助けようと、岩石が肺腑に直撃し2日間気を失っていた。蕭父は「父子として謁見することもいとわない」と言い、「気が置けない人物に出会うことは用意ではない。趙氏を大切にせよ」とも。蝋燭の火を手で消せるんだ!

祥符元宝は1枚で10文の価値がある。銭は2文や5文相当。祥符元宝は宋銭で、大中祥符は真宗 趙垣の3番目の年号。

健気で賢い子明。斉中丞が西京で療養中という情報も、見舞いに行ってみてはとも、夜宴図に文字があるのを発見したのも全て子明なのよ。龍鳳はもらったのね。張師師、陳娟、王雲児、劉婉(皇后)の文字を見いだす。

宋引章は文を破り「お金は今は要らないので華亭での謝礼金だ」と言ってきたらしい。大きな真珠の簪を挿し優雅な暮らしのようで何より。

葛招娣は「妬みだよ、欧陽旭が進士になったら周舎との婚姻、誥命夫人になると決まったら沈如琢のところへ」と分析。
なるほど、趙盼児とのこじれた関係なのね。

★ ★ ★

少し前まで人に頼らずに自分達でやって行くと話していただけに、なぜに突然趙盼児は顧千帆の資金提供に頼りだすのだと戸惑う。

陳廉は葛招娣があんなに絡まれている最中なのに走り去るし、いつになく傷心だし、葛招娣も憤ったとはいえ人形を壊すし……。

趙盼児の葛母を追い払う前半はお見事だったが、後半の池蟠は気の毒なとばっちりに遭っているし、夜に屋敷へあんなに簡単に忍び込めるのは不用心じゃないかと思ったりで、しっくりくるのは孫三娘と杜長風のところ位か。
そして顧千帆は不死身だな!

そんなモヤモヤしていたせいか、欧陽旭の都へ返り咲き宣言がかえってスッキリして見えるという現象が……。どうせ何かあるだろうし。そしてなぜか今後のこの物語に安心もした回。

優秀な子明くんに良い仕官先が見つかるとイイな。

 

 

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  • 作者:吴钩
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