10話感想メモ
ボンファンと入れ替わった王妃が自分の体で勝手をしているのではと、ボンファンが男性をナンパしている様子を想像しているが、深窓令嬢の王妃さまがするワケがないです(チェ尚宮口調で読んでほしい)。ついにこっくりさんにまで手を出している王妃ソヨン。韓国にもあるのね。
哲宗は『周易』の書籍を王妃ソヨンに贈り、「ノータッチしましょう」の文が同封されている。五経の一つである『易経』で、周の文王作と言われている。
キム・ビョンインは最年少で科挙に合格し武芸にも優れた人物で、キム・ジャグンの養子。「扶危定傾(ふきていけい)/危機を迎えた国を正しく立て直すのに尽力したい」と言い放つ。
『周書 巻二十五 列伝十七 李基伝』
太祖扶危定倾,威权震主,及魏废帝即位之后,猜隙弥深。 时太祖诸子,年皆幼冲,章武公导、中山公护复东西作镇,唯 托意诸婿,以为心膂。基与义城公李晖、常山公于翼等俱为武卫将军,分掌禁旅。帝深惮之,故密谋遂泄。太祖は崩れ落ちる危機的情勢を正し、その威信と権勢は主を揺るがし、魏廃帝即位後、疑念はいっそう深められた。太祖の子らは皆幼く、章武公 宇文導や中山公 宇文護は地方にいたため、婿が頼りとされていた。李基は義城公 李暉や常山公 于翼と共に武衛将軍となり禁軍を分握した。
太祖は北周の基礎を築いた宇文泰、魏廃帝は北魏西魏 第2代廃帝 元欽であり文帝の長男。宇文泰は北魏 光武帝を殺害して、文帝を擁立し西魏を建て北魏は二分した。文帝は崩御し廃帝 元欽が即位するが、宇文泰と対立して廃位・毒殺され、宇文泰は恭帝を立てた。李基は宇文泰の娘婿。
ある意味、キム・ジャグン(宇文泰)が憲宗(光武帝)を殺害し、哲宗(廃帝 元欽)を立てたのと似ており、ビョンインは李基の立場か?
扶危定傾は、青瓦台が2008年末に「来年の象徴する故事成語」として発表されてもいる。
チョ一族による王妃廃位の上疏に対して、哲宗は承政院(スンジョンウォン/王命の伝達や報告を行う官庁)を通して正しく上疏するよう突っぱねる。
哲宗は「強い者に勝つために強い必要はなく、柔らかく低く勝つ方法もある」と言うのに対して、ビョンインは「強くなって勝つほうが早いです」と返す。
哲宗は王妃ソヨンの手を取り「そなたもまた苦しみもがいていることに気づけなかった」「偏見を持たずに1人の人間としてそなたを理解する機会をくれ」と真摯に伝えている。
「今日が一日目だ」は、“付き合ってくれ”という意味になるらしい。
自分の部下が他人にいびられるのを嫌がる心理を利用し、大王王妃の前でチョ一族を持ち出す王妃ソヨン。
王妃ソヨンは噂を広める人間チラシ「ストーリーテラ-」という手法で、周りからは魔女から天女と呼ばれるようになっている。
竹林で叫ぶチェ尚宮がなんとも言えず味がある~ストレス発散は筋肉男の万華鏡~。
ファジンの父副承旨は人望が厚いらしい。今夜が哲宗とファジンが共寝(男女が同じ寝床に入ること)の日となる。
どさくさに紛れて王妃ソヨンはファジンとパジャマ(下着)パーティーをしようとするが、すげなく断られている。
ビョンインが箸を投げて、服のたもとを刺すのがスゴいね。
侍女ホンヨンが文字を美しく刺繍できるのに王妃ソヨンが感心すると、ホンヨンは「奴婢(官庁や家に隷属し働く労働者)の出にしては虚弱」と答え、「スミレの花のようだ」と言われると。横断幕には「配達の末裔、発足式」との文字が。
哲宗からは貴重な風蘭が贈られ、コチラにも「祝ノータッチ記念」の文付き。
11話感想メモ
現代にて、ハン室長がボンファンの酸素マスクを外した!!王妃ソヨンもその影響を受けて倒れ、魂はボンファンの身体に戻り、エピネフリンを注入し命は取り留めるが植物状態となってしまう。ボンファンは刑事たちの会話からハン室長の仕業と気付く。
祈祷師は王妃の中に魔物が入っていると言い、大造殿の周辺に不吉な物を埋めて気運を封じ、お祓いをすると言う。
共寝へ向かっていた哲宗が、王妃が倒れたと聞き、走る姿がめっちゃ俊足!予告された側室の共寝はだいたいヒロインに何かが起りジャマが入るのは宮中ドラマのお約束。
王妃ソヨンは尸厥(しけつ/脈はあるが息のない植物状態)と診断される。麻黄湯と菖蒲の煮汁を処方する侍医。
布の出所調査で、永平君にまで辿り着いたビョンイン。味方についたファジンから哲宗の姿について聞き出した大妃は「同じ夢を見ています」と。
王妃ソヨンに付いて看病している哲宗がなんだかカワイイ。音楽も流れている。
食材からヒ素が出たと告げる大王大妃。出た、ヒ素! 先王はヒ素で殺されたらしく、その我が子の死の真相究明をやめる代わりに助命を嘆願していた大妃。
僧侶とハン尚宮は処刑、身が危うくなった大妃は哲宗のことを告げた……?
哲宗とビョンインの火花が散る! ビョンインは哲宗が「本性を押し殺している男のまなざし」と気付いているが、あえてキム・ジャグンには知らせていない。王妃ソヨンは実家で休養することとなる。
12話感想メモ
出獄したキム・ファンに、恒例の豆腐で出迎えるホン別監。
王妃ソヨンが実家で目覚めるとそこはキンキラキンな金のお部屋。父キム・ムングンは陰の気を補う薬を飲み干している。ここの屏風は牡丹かな?
王宮にはいなかった名医が列をなしている権力の差。朝から気力回復のためにスッポン料理も出てくる。
朝鮮屈指の出張美容師により、髪型が変わった王妃ソヨンがカワイイ。『童蒙先習』 を手に取り「浪人生の匂い」と言うソヨン。父を喜ばせるために勉学に励み、母の死と引き換えに得た命に価値を見いだしたかった。
『童蒙先習』は儒教の入門書。明宗時代に儒学者 朴世茂により編纂された初学用教材。「千字文」で漢字を覚えこの教材が用いられる。
『童蒙先習』
序
天地之間萬物之衆, 惟人最貴。 所貴乎人者, 以其有五倫也。
是故孟子曰父子有親、 君臣有義、 夫婦有別、長幼有序、 朋友有信。人而不知有五常,則其違禽獸不遠矣。
然則父慈子孝、 君義臣忠、 夫和婦順、 兄友弟恭、朋友輔仁,然後 方可謂之人矣。
幼いソヨン、供え物の後ろの屏風。
寒山『詩三百三首』
老病残年百有余,面黄头白好山居。
布裘拥质随缘过,岂羡人间巧样模。
心神用尽为名利,百种贪婪进己躯。
浮生幻化如灯烬,冢内埋身是有无。
世间何事最堪嗟,尽是三途造罪楂。
不学白云岩下客,一条寒衲是生涯。
秋到任他林落叶,春来从你树开花。
三界横眠闲无事,明月清风是我家。
昔年曾到大海游,为采摩尼誓恳求。
直到龙宫深密处,金关锁断主神愁。
龙王守护安耳里,剑客星挥无处搜。
贾客却归门内去,明珠元在我心头。
众星罗列夜明深,岩点孤灯月未沈。
圆满光华不磨莹,挂在青天是我心。
千年石上古人踪,万丈岩前一点空。
明月照时常皎洁,不劳寻讨问西东。
キム・チャンヒョプ兵曹判書:無理な徴兵により軍政破綻。
キム・ソックン左議政:献上品を横領し、還穀制度(ファンゴク/春に農民に貸し秋に回収する穀物)を破綻。
キム・ビョンハク領議政:地方官吏と結託して空き地に税を課し、田政(チョンジョン/土地の租税徴収制度)を破綻。
キム・ムングン国舅・司饔院:還穀から軍政まで幅を利かせる府院君(王妃の父)。
キム・ジャグン訓錬大将:権力の頂点に立つ全ての不正腐敗の根源。
みごとな汚職っぷりだな。
宮中の者には秘密がある。嘘で固めた秘密(サルス)、見えも聞こえもせぬ秘密(大王王妃と按摩師)、時を待つ秘密(井戸)、奥底に隠した秘密を守るために(国舅)、皆仮面をかぶって生きている(趙花真と記された童蒙先習)。
哲宗の筋肉ミセミセのお時間。訓練と称しお強い王様。
哲宗は狩りより罠の方が楽と、うさぎをキム・ジャグンに渡し、下賜されたものだから抱きかかえるしかないジャグンさん。哲宗は「逸を以て労を待つ。待つ者は勝つ」と。兵法三十六計の第四計。心身が楽な状態で、疲れた相手を迎え撃つこと。
《孙子 军争》
以近待远,以佚待劳,以饱待饥,此治力者也。
キム・ファンは女官のホンヨンの事ばかり考えてしまうと、ビョンインに打ち明けている。
この王妃ソヨンがしれっと琴をかき鳴らしている場面、好きだわ。人魚姫と違う点は声と引き換えに指を得たこと。匂いが記憶を呼び覚ますようである。
百面相が楽しい板飛び(ノルティギ)の場面も好きよ。家の外を見られるから板飛びができない女人はいない……。
蔵の名前は、天、地、玄で、全国の蔵を合わせると千近く。大王王妃に袖の下作戦のために蔵の品々を持ち帰ろうとしている。
『千字文』
天地玄黄 宇宙洪荒 日月盈昃 辰宿列张(略)
そこへやって来た哲宗は、花束を王妃ソヨンに「拾った」と言って手渡している。韓国の「来る途中で拾った/오다 주웠다」は、わざわざ相手のために用意したのだけれど、敢えてそうは言わない照れ隠しみたいなもんらしい。王様はホントに拾っていたもんね……。
前のBS放送では、この第12話からドラマを観たのだった!
今観ても、琴に板飛びにと小気味良い回だなぁ。
途中から観ていた時には分からなかったが、ココまでは哲宗と険悪な仲だったのね。
ふたりの関係も王妃の髪型も変わってきて、オモシロイぞ。
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