韓国ドラマ『哲仁王后～俺がクイーン！？～』（チョルインワンフ）が、BSテレ東にて2023年4月12日（水）より月～金放送で再放送されている。こちらは日本語吹替版と日本語字幕が表示されるタイプ。
去年、BS版放送の途中でなんとなく見かけ、現代の大統領官邸の男性シェフが朝鮮王朝時代の王妃に入れ替わるというのが面白くて見始めた。入れ替わり物語は割とよくあるが、現代男性が高貴な歴史的女性人物にというのは珍しい。韓国ドラマの王宮コメディものは華やかで好きなのだ。
WOWOWではノーカットで放送されていたと後で知って悔やんだので、お蔭でその後WOWOWで韓国ドラマが放映されると、気になったのは見るようになった。『ワンザウーマン』や『赤い袖先』『御史とジョイ』など。
ネタばれ敬遠派な私には珍しく物語がどうなるか知っているのだが、第１話から見始めたらやっぱり面白い！ コメディなので途中から見ても楽しめるドラマである。調べメモはしばらく止めようかと思っていたが、韓国現代ネタと歴史がフュージョンしていてとても楽しく、興味を惹いた部分をメモしてまとめてます。
本放送は全20話だけれど、BS版は全30話。
１話料理メモ
「大使は魚の骨が苦手」に対して「始皇帝気取りか」と返す青瓦台（チョンワデ）料理長チャン・ボンファン。
練り物の生みの親は始皇帝で、魚好きなのに小骨が１本でもあると料理人の首をはねていた。新入りがまな板の上の魚を切り刻んだら……とあり、これは魚丸（魚のつみれスープ）の由来のようである。おそらく鯉科の魚と思われ、鯉は小骨が多いのだ。
秦始皇每餐必有鱼，但他十分讨厌鱼刺，厨师为此非常烦恼。有一次，有位三楚名厨为秦王做菜，他洗好鱼后，为避免鱼刺惹怒秦始皇，就用刀背将鱼砸烂，鱼刺露出来，他顺手将鱼肉剔出，在汤里氽成丸子。秦始皇吃了后十分高兴，欣然称之为“皇统无疆凤珠氽” 。
ボンファンは、警察署ではなぜ腸詰めのクッパを出すのかとも尋ねている。
ボンファンの住所は「ソウル特別市 鍾路区 三峰路31の302」。鍾路区は景福宮の北に位置している。
王は「儒者たる者、朝を告げる鶏の鳴き声で目覚めて身支度を整え、清き心を養うべし」と説く。「夫唱婦随、女必従夫」を「夫唱婦随、女必従士」と言い間違える王様。韓国は19禁（R18)なのね。
側室候補のチョ・ファジンは、豊安チョ一族の運命を託されている。
想像以上に大統領料理人時代が短かった。とにかく入れ代わったお妃さまはよく走る。表情豊かで面白い！ そして王様にツッコめるだけの教養があるボンファンだった。
２話感想メモ
側室候補チョ・ファジンの白にオレンジの小花模様の衣装も綺麗だし、主人公キム・ソヨンのピンクとグレーの色合いも素敵。ソヨンの部屋には蝶の屏風。
ドラマの時代は朝鮮 辛亥（かのとい）の年は1851年、徳完君（トガングン）が即位（1849年）して２年目。
王様の名前は口にできず、先代王の贈り名を次々に言うのが歴史を覚える受験生のようだ。日本なら歴代天皇や徳川将軍みたいなものか。なんとなく戦国鍋TVみがあって楽しい。
太定太世文端世（テ～ジョンテ～セムンダンセ～）
睿成燕中仁明宣（イェ～ソンヨンジュンインミョンソン～）
光仁孝顕粛景英（クァ～インヒョヨンスッキョンヨン～）
正純憲哲高（ジョンスンホンチョルコ）。
チェ尚君の顔芸が素敵。チェ尚宮と言うと『チャングム』を思い出すけどタイプが違う……。
哲宗（チョルジョン）は、本名イ・ウォンボム、即位時にイ・ビョン（李昪）に改名。一族の罪で江華島に流されたが、愚鈍から王になったシンデレラ・ボーイ。操り人形のごとく無能な王で民を苦しめ即位して14年で病死。思っていたよりもドラマ内で説明されていた。
宮中の礼服セットの着せ替え人形が好き。
下着）ソクソッコッ、コジェンイ、ノルムバジ、テシュムチマ、カスムカリゲ、ソクチョクサム。
スランチマ、テランチマ、チョネンウッチマ、サメチャンチョゴリ、タンイ（唐衣）で完成。
上半身はきつく締めあげ、下のチマは優雅に膨らむ、「下厚上薄（ハフサンバク）」の着こなし。なるほど。
王の冠（冕/べん）、冠の簾（旒/りゅう）が目を、耳玉が耳を隠すのは、「王は臣下の言葉を聞け」という意味らしい。ほほー。
府院君は王妃の父。永恩（ヨンウン）府君院。安松キム家のキム・ソヨンが国母になる。
キム・ビョンイン登場。キム・ソヨンの従兄である。
ソヨンの部屋が王妃の寝殿である大造殿（テジョジョン）に移った。世継ぎを産み「功を立てよ」という意味らしい。グレードアップというのが、ホテルの部屋みたいで面白いね。
酒を飲む時にする遊び、「３６９３６９」は１から数字を順に言っていき、369が付く数字は拍手するというゲーム。
「出席簿出席簿」（チュルソップ）は、掛け声の後に、その場にいる人の名前を呼びつつ、別の人を指さし、今度は呼ばれた人が同じようにしていくゲーム。
コールは「いつまで宗廟祭礼楽（チョンミョジェレアク）を踊らせるの？肩を見て揺れているでしょ、酒が入るよズズッと一気に、もっと飲めるよズズッと」。このあたりサッパリ分からず、チョルジョンと同じ顔になっちゃうわ。
軍隊で習った縦結びでガードするソヨン。料理人ボンファンは兵役済なのね。
眠れない王に茉莉花茶を出すと話す尚宮。
嘉礼式のあと、朝見礼は大王大妃と姑である大妃に挨拶をする。賀礼式は百官の挨拶を受ける、王が王妃冊封の報を頒布する。
大王大妃はキム・ジャグンの姉で、安松キム一族な宮中の権力者。大妃は豊安チョ一族と、宮中も穏やかでない。
３話感想メモ
仁政殿（インジョンジョン）王宮の正殿。
王宮臣下の説明。
領議政（ヨンイジョン）序列１位の臣下、キム・ビョンハク。
左議政（チャイジョン）序列２位の臣下、キム・ソックン。
兵曹判書（ピョンジョパンソ）国防官庁の長、キム・チャンヒョプ。
安松（アンソン）キム一族は汚職政治家一族。
三政の紊乱（びんらん）は朝鮮王朝時代に財政の三大要素である田政・軍政・還政が腐敗すること。
右議政（ウイジョン）序列３位の臣下、チョ・マンホン。
吏曹判書（イジョパンソ）文官人事官庁の長、チョ・トクムン。
豊安のチョ一族。チョ大妃の息子慶宗（ホンジョン）、キム王妃の出現で力を失う。
訓錬大将（フルリョンテジャン）首都防衛軍営の主将、キム・ジャグン。
安松キム一族の実力者。
禁衛大将（クミテジャン）王を警護する従二品の武官に、国舅（王妃の父）キム・ムングンを任命してはどうかと提案する。現在は兄の永平君（ヨンピョングン）が大将である。
軟紅（ヨノン）で初夜を確認済とのことである。
「鹿を指して馬となす」、「転倒黒白」（てんとうこくびゃく）。事実をねじ曲げること。秦 始皇帝の没後、宦官である趙高が権勢に乗じて、幼少の第2代皇帝 胡亥に鹿を献上して馬と言い張った逸話による。趙高がキム・ジャグンか？
副承旨（プスンジ）正三品の官職/チョ・デスの娘チョ・ファジンを正一品の嬪（ビン）に冊封する。
指を交差させて「私は今嘘をついている」というハンドサインを教えるソヨン。
お菓子に「舌でなく目で楽しむものだ」と言うソヨンに対して、チェ尚君が「舌で楽しんでいるように見えるのは気のせいですよね～」が楽しい。
美顔に目を釣上げられている大王大妃さま～。ファジンの書は「楊柳有新丝丝絲千…」とあるね。
王様にノータッチを提案するソヨン、各自幸せに楽しく生きると説明。ゆったり歩いている王様が小走りになるのもカワイイ。
男装も似合っているソヨン。元の王妃さまは才色兼備なのかと思いきや、意外と小言がうるさく、歩けば「うるさい」、静かに歩けば「王様か？」と言うツッコミが楽しい。王様が他の女人と親しげにしているのにカリカリしていたようだ。
男装ソヨンは安松のキム・ファンと遭遇。妓楼は玉打亭（オクタジョン）が最高と話している。女人のオホホが玉を打つ音と似ている……。
王妃ソヨンが、権謀渦巻く宮中もなんのそので渡り歩いているのが頼もしい。
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